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マジック・スポットライト:FINAL FANTASY

マジック・スポットライト:FINAL FANTASY 第9回戦:原根 健太(東京) vs. 松鹿 幸平(大阪) ~賢すぎるミラーマッチ~
スイスラウンドも終盤に差し掛かり、プレイヤーたちは明日への道を切り開くべく、重要な局面を迎えている。
マジック・スポットライト:FINAL FANTASYでは、第9回戦を終えた時点で4敗しているプレイヤーは、10回戦以降のスイスラウンドおよび決勝ラウンドへの進出資格を失う。そのため、ここはまさに“最後の一線”。負ければ終わり、勝てば望みを繋ぐという、重圧のかかったラウンドだ。
今回フィーチャーテーブルに呼ばれた2人──原根 健太(東京)と松鹿 幸平(大阪)も、いずれも3敗ラインでこの第9回戦に臨んでいる。つまり、ここを落とせば即脱落、勝ってようやく10回戦、そして明日の決勝トーナメントを視野に入れることができる。
初対面の2人だが、原根はにこやかに松鹿へと声をかける。
原根「さっきのラウンドは勝ったんですか?」
松鹿「さっきは勝てました。原根さんは?」
原根「僕は負け負けです。デッキが萎れてきた。勢いがないです」
松鹿「なんでこのラインで(原根レベルのプレイヤーと)当たるんかなって思ってましたw」
最終戦の疲れも見える中ではあるが、和やかに会話を交わす2人。しかし、カットが終わり、互いに対戦のために向き合うと、テーブルには臨戦の気に満ちる。2日目進出の道をつなぐため、どちらも譲れない一戦が静かに始まった。

原根 健太(東京) vs. 松鹿 幸平(大阪)
ゲーム1
互いに第2ターンに《乱動するドラゴンの嵐》をプレイするという、シンクロした滑り出し。もっとも、同じ呪文でも、そのもたらす結果はまるで異なっていた。松鹿が捨てたのは《平地》。一方の原根は、《全知》を墓地に送り込む。
すると松鹿はすかさず《悲劇の神託者》を展開し、《全知》にアクセス。この《全知》を墓地に置くと、続くターンには《アブエロの覚醒》でこれをリアニメイト。さらに自身の《悲劇の神託者》に《巻物変容》を重ねて、継続的なリソース確保を狙う。

だがこのスタックに、原根が冷静に《失せろ》を差し込み、《全知》を除去。コンボの流れを断ち切ると、返すターンには自ら《アブエロの覚醒》を唱える。
《アブエロの覚醒》が無事に解決され、フルタップの松鹿の前に《全知》が登場数と、《乱動するドラゴンの嵐》、《マラング川の執政》、2枚目の《全知》、2枚目、3枚目の《乱動するドラゴンの嵐》、そして《マラング川の執政》の「前兆」能力でそれを手札に戻す……いよいよループの始動だ。
20枚以上のドローを得て、完璧な手札の状態へと整えた原根は、このターンで勝ち切ることはできなかったが、《マラング川の執政》を2体並べてターンを終える。松鹿が返しのターンで駄目元とばかりに試みた《アブエロの覚醒》には、即座に原根から《呪文貫き》が飛ぶ。
松鹿「……うん、無理ですね」
対戦前には「勢いがなくなった」と語っていた原根だったが、松鹿の《全知》を切り返し、自らのコンボを完璧に通し切るパーフェクトプレイ。
長年競技の世界に身を置いてきたベテランがここ一番のゲームで見せたのは、鮮やかな制圧劇だった。
原根 1-0 松鹿
ゲーム2
先攻の松鹿が《勝利の楽士》を戦場へ。対する原根は2ターン目をオープンのまま終えると、松鹿がその隙に3点クロックを刻み始める。

原根が仕掛けた《乱動するドラゴンの嵐》には、松鹿の《否認》。だが原根もこれを見越して《呪文貫き》で打ち消しをすり抜ける。
松鹿はさらに続く原根の《アブエロの覚醒》に対して《喝破》を合わせ、コンボの起動を阻止。だが原根は方向を切り替えて《石の脳》をプレイし、ようやくこれが通る。《全知》をすべて追放することで、即座の敗北だけは免れた。

しかしその間にも、松鹿の《勝利の楽士》は4度目の攻撃に入ろうとしていた。原根のライフはまだ致死圏からは遠いが、しかしゆっくりと構えているほどの余裕はない。
反撃のターン、原根は《アブエロの覚醒》で自らの《全知》をリアニメイト。松鹿はこれを少し硬まりながら《食糧補充》、2枚目の《全知》、《マラング川の執政》、《乱動するドラゴンの嵐》、そして《堂々たる撤廃者》と、怒涛の展開を見せる。

ロープ際に追いつめられた松鹿は、《完成化した精神、ジェイス》をプレイしてドローを進め、《勝利の楽士》を追加。反撃を模索する。
だが、原根は《マラング川の執政》で《完成化した精神、ジェイス》を攻撃。さらに3枚目の《全知》をプレイし、ターンを終える。即死ではないが、一気にゲームの優位を掴んで離さない。

松鹿は《失せろ》で原根の《マラング川の執政》を除去したうえで、《乱動するドラゴンの嵐》で手札を整えるが、なかなかドロー呪文にたどりつくことができなかった原根にとってはこの《失せろ》によってもたらされた地図トークンが救いとなった。
地図トークンを生け贄にライブラリーのトップを検め、そこで《食糧補充》を見出すと、2枚目となる《マラング川の執政》を「前兆」で唱えて引き込む。そして《食糧補充》が次の《食糧補充》を呼び、さらに3枚目の《マラング川の執政》を引き込むと、いよいよセルフバウンスのループが起動する。
《堂々たる撤廃者》によって手も足も出せない松鹿は、ループの中で10枚以上のカードを引いていく原根の動きを、ただ見守るしかなかった。
パーマネントを出したそばからバウンスされてしまい痺れている松鹿に対し、原根は2枚目の《石の脳》をプレイ。手札に戻らせた松鹿の《勝利の楽士》を追放すると、再びの《マラング川の執政》のループに今度は《ミストムーアの大主》を搦めて無限トークンの生成が可能に。原根の盤面には、3000体もの昆虫トークンが並び立つこととなった。
万事休す。むしろ、松鹿は《全知》が置かれてなおも食い下がったが、それでも及ばなかった。最後のドローを確認すると、静かに投了を宣言した。
原根 2-0 松鹿
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