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マジック・スポットライト:FINAL FANTASY

デッキテク:高橋 哲大(茨城県)の「セレズニア上陸」 ~目指せ3ターンキル!~
ついに日本初上陸となるマジックの祭典「マジック・スポットライト・シリーズ」。今回の「マジック・スポットライト:FINAL FANTASY」(以下、マジック・スポットライト)は千葉県・幕張メッセにて開催され、メインイベントとなるオープントーナメントには約2,200名もの参加者が集っている。果たして、どんなデッキを手にしたプレイヤーが勝ち残るのだろうか。
ふと見ていた参加者の中に目の止まるプレイヤーがいた。高橋 哲大(茨城県)である。彼の場に出ていたのは《サッズのヒナチョコボ》と《ティファ・ロックハート》の上陸持ちクリーチャー、そして《ミッドガルの傭兵、クラウド》!

ここでは最新セットである『マジック:ザ・ギャザリング——FINAL FANTASY』のカードをふんだんに使用したセレズニア上陸について解説していただこう。
3 《低木林地》 2 《森》 4 《寓話の小道》 4 《ハッシュウッドの境界》 4 《脱出トンネル》 4 《平地》 4 《剃刀境の茂み》 1 《広漠なる変幻地》 -土地(26)- 1 《ザックス・フェア》 3 《棘を播く者、逆棘のビル》 4 《サッズのヒナチョコボ》 3 《離反ダニ、スクレルヴ》 4 《ティファ・ロックハート》 4 《ミッドガルの傭兵、クラウド》 -クリーチャー(19)- |
1 《霊気灯》 4 《幽霊による庇護》 1 《速足のブーツ》 2 《破片魔道士の救出》 2 《回復魔法》 3 《冒険者の装具》 2 《過剰防衛》 -呪文(15)- |
1 《失せろ》 2 《邪悪を打ち砕く》 1 《除霊用掃除機》 2 《輝晶の機械巨人》 2 《第三の道のロラン》 2 《跳ねる春、ベーザ》 2 《萎れ葉のしもべ》 1 《機能不全ダニ》 2 《安らかなる眠り》 -サイドボード(15)- |
セレズニア上陸とは
──「セレズニア上陸とはどんなデッキでしょうか」
高橋「デッキのコアとなるのは《ティファ・ロックハート》と《ミッドガルの傭兵、クラウド》、《冒険者の装具》、フェッチランド(《寓話の小道》《脱出トンネル》)です。上陸を生かして効率良くダメージを与えていくデッキです」
高橋「デッキイメージとしては旧ゼンディカー時代にあったボロス上陸です。当時は《ステップのオオヤマネコ》に《冒険者の装具》を装備して、《乾燥台地》で上陸回数を稼いでいましたね」
デッキ詳細
──「デッキの強みや特徴としてはどんな点があげられますか」

高橋「圧倒的な速度ですね。理想的な動きとしては2ターン目《ティファ・ロックハート》、3ターン目《冒険者の装具》を装備し、フェッチランドをセットランドです。スタックの詰み方がポイントで、《冒険者の装具》の誘発型能力のみ解決した後にフェッチランドを切ります。こうすることで《ティファ・ロックハート》に+4/+4修正を与えた後にパワーが2回倍化するため、一撃で20点を与えることができます」
──「3ターン目に20点削りきれるのは魅力的ですね」
高橋「装備品をサーチできる《ミッドガルの傭兵、クラウド》がこのコンボの再現性をあげています。《ミッドガルの傭兵、クラウド》はサポート役ですが、自身に《冒険者の装具》を装備してフェッチランドを切ってもパワー10とアタッカーとしても十分活躍してくれます」
高橋「メインのクリーチャーを守るために《離反ダニ、スクレルヴ》と《ザックス・フェア》を採用し、コンボの前の露払いとしています。ほかにもインスタントタイミングで使用できる《破片魔道士の救出》や《過剰防衛》、《回復魔法》を散らして採用して守れる範囲を広げています。特に《回復魔法》は装備品を《削剝》などから守ってくれます」
──「メインプランが強力なのはわかりましたが、《ティファ・ロックハート》や《ミッドガルの傭兵、クラウド》が引けない場合はどのように戦略を組み立てるのでしょうか」
高橋「サブプランとしては《サッズのヒナチョコボ》や《棘を播く者、逆棘のビル》を育てていく上陸プランを用意しています」
デッキ選択の理由
──「このデッキの選択理由を教えてください」

高橋「かつてのグランプリクラスの大規模大会に参加するのは久しぶりでして、せっかくだから面白いデッキを使いたいと思ったんです。今大会に向けて人気の赤単アグロやイゼット果敢に対抗できるデッキを探したのですか、中々見つからず。ほかの既存デッキも新しいカードはほとんど不採用でした。『マジック:ザ・ギャザリング——FINAL FANTASY』のカードを沢山使いたいなと思い、じゃあ自分で作ろうと昔のボロス上陸を現代版にアレンジしました」
主要なデッキとの相性
──「今回のメタゲームブレイクダウンの上位デッキとの相性を教えてください。まずは赤単アグロからお願いします」
高橋「《幽霊による庇護》を付けて、守りながら育てて殴る。シンプルですがクリーチャーを残してライフレースで優位に立てるかがキーポイントです。サイドボード後は《跳ねる春、ベーザ》も入ります。いかにライフゲインしてゲームを安定させられるかです」
──「アゾリウス全知はいかがでしょうか」
高橋「速度勝負で先手はダメージレース、後手はサイドボードで対策できるか。相手の《一時的封鎖》を割るカードと墓地対策ですね。先手は《一時的封鎖》を割れる《邪悪を打ち砕く》のみでダメージレースを挑みます」
──「では、攻めが早く太いイゼット果敢はどうでしょう」
高橋「ハッキリいって無理ですね。火力かバウンスの1枚ならケアできるんですが、軽量の干渉手段を複数枚持たれていると対抗のしようがありません。除去1枚しかないと割り切って3キルを目指します。サイドボード後も改善はしませんが、《跳ねる春、ベーザ》や《輝晶の機械巨人》を入れて対抗します」
──「最後に版図大主についてもお願いします」
高橋「除去が大振りなためやりやすい印象です。《力線の束縛》以外はマナコストが重いため、じっくりカードを集めて一撃で仕留めます。タップアウトの隙に、ワンパンで20点狙います。クリーチャーをブロッカーとして出してくる場合には《ティファ・ロックハート》へ《脱出トンネル》を起動してアンブロック状態にし、パワーを20まで上げてワンパンします」
──「解説いただいた以外に意識しているデッキはありますか」
高橋「長引いたゲームを考慮して《ミッドガルの傭兵、クラウド》のサーチ先に《霊気灯》を採用しています。実は《ミッドガルの傭兵、クラウド》に《霊気灯》を装備して攻撃すると忠誠値が2回乗るんです。デッキ全体のシナジーを意識しながらも、ただ攻撃するだけじゃなくゲームに変化をつけられる1枚ですね」
──ありがとうございました。
高橋の言葉からはただ勝利するだけでなく、最新セットである『マジック:ザ・ギャザリング——FINAL FANTASY』のカードを使い、新しいマジックを楽しみたいという気持ちが存分に伝わってきた。デッキの中核を成す《ティファ・ロックハート》と《冒険者の装具》、そしてそれをサポートする《ミッドガルの傭兵、クラウド》。新たなカードを見事にデッキへと落とし込んでみせたのだ。
現在のスタンダードでは過去最大の15セット(『サンダー・ジャンクションの無法者 ビッグスコア』を含む)が使用できる。アグロからコンボまで何でもござれの環境ではあるが、赤系アグロが一歩抜けている。そんな環境に対して、意外性を武器に高橋は挑戦し続ける。その先に何が待ち受けるか――その行方に注目だ。

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