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マジック・スポットライト:FINAL FANTASY

マジック・スポットライト:FINAL FANTASY 初日メタゲームブレイクダウン
昨年8月に発表された(記事)「マジック・スポットライト・シリーズ」は、「ハイレベルな競技の舞台、賞金が懸かった戦い、そして世界中のゲーマーが集まる場所。」と位置づけられた新たな競技トーナメントだ。
そんな今大会のために、全国から集まったプレイヤーたちが幕張メッセへと足を運んだ。今回のイベントは、2025年6月13日に発売された最新セット『マジック:ザ・ギャザリング——FINAL FANTASY』のリリース後、国内で初めて開催される大規模なスタンダードイベントでもある。セット導入からわずか2週間あまりというタイミングで迎えた今大会に、プレイヤーたちが携えたデッキは果たしてどのようなものなのか?
ここでは、事前に登録されたデッキリストのデータをもとに大会初日のメタゲームを分析し、環境の輪郭を探っていく。
メタゲーム概況:イゼット果敢の圧倒的な存在感
アーキタイプ | 使用者数 | 使用率 |
---|---|---|
イゼット[青赤]果敢 | 463 | 20.4% |
赤単アグロ | 395 | 17.4% |
アゾリウス[白青]全知 | 204 | 9.0% |
ディミーア[青黒]ミッドレンジ | 102 | 4.5% |
版図大主 | 94 | 4.2% |
ボロス[赤白]アグロ | 86 | 3.8% |
アゾリウス[白青]コントロール | 59 | 2.6% |
オルゾフ[白黒]ピクシー | 58 | 2.6% |
黒単デーモン | 49 | 2.2% |
グルール[赤緑]アグロ | 48 | 2.1% |
ゴルガリ[黒緑]陰湿な根 | 46 | 2.0% |
イゼット[青赤]大釜 | 43 | 1.9% |
グルール[赤緑]昂揚 | 36 | 1.6% |
ジェスカイ[青赤白]眼魔 | 32 | 1.4% |
ゴルガリ[黒緑]デーモン | 31 | 1.4% |
オルゾフ[白黒]デーモン | 27 | 1.2% |
アゾリウス[白青]アーティファクト | 23 | 1.0% |
ジェスカイ[青赤白]コントロール | 21 | 0.9% |
ナヤ[赤緑白]ユウナ | 21 | 0.9% |
ゴルガリ[黒緑]墓地利用 | 19 | 0.8% |
オルゾフ[白黒]ライフゲイン | 13 | 0.6% |
黒単アグロ | 13 | 0.6% |
ディミーア[青黒]コントロール | 11 | 0.5% |
(使用者10名以下) | 371 | 16.4% |
合計 | 2265 | - |
※アーキタイプはプレイヤーの申告を元に集計しており、実際の数字とズレがある可能性があります。ご了承ください。
メタゲーム概況
今大会で最多使用者数を記録したのは「イゼット果敢」だった。『タルキール:龍嵐録』リリース以降、環境を席巻し続けているこのアーキタイプは、今回もその圧倒的な人気と実績を誇示した。軽量スペルと果敢能力を駆使した爆発力は健在であり、《コーリ鋼の短刀》や《嵐追いの才能》、《巨怪の怒り》といったカードはスタンダード全体を見渡してもトップクラスのカードパワーを持った1~2マナのカードと言える。
さらに、『マジック:ザ・ギャザリング——FINAL FANTASY』で登場した《迷える黒魔道士、ビビ》は、高い破壊力を誇るフィニッシャーだ。デッキのゲームプランと非常に高い親和性を持ち、除去されなければそのまま勝負を決めてくれる。プロプレイヤーの八十岡 翔太も、その圧倒的な強さを以下のように評価している。
ビビは3マナポン起き界の限界に挑戦みたいなカードだな。
— ヤソ (@yaya3_) June 16, 2025
続いてランクインしたのは「赤単アグロ」。先週末のプロツアー『マジック:ザ・ギャザリング——FINAL FANTASY』を制したこともあり、国内でも支持を広げている。《僧院の速槍》や《心火の英雄》といった安定感のある軽量クリーチャーの厚みと、そこに重ねる形で炸裂する《巨怪の怒り》の一撃が特徴的なアグロデッキだ。
このデッキでは、新戦力として《投げ飛ばし》の系譜を受け継ぐカード、《自爆》が採用されている。元々昨年のローテーション以前には《無感情の売剣》なども採用されていたことから、デッキとの相性のよさは証明されている。また、《叫ぶ宿敵》は《自爆》とコンボできるカードで、実質6点の火力として機能する。
続く「アゾリウス全知」は『マジック:ザ・ギャザリング——FINAL FANTASY』での新規強化こそ見られないものの、その完成度の高さから根強い人気を維持している。極端に言えば、ライフを数点まで詰められても《アブエロの覚醒》によって《全知》をリアニメイトできればそこからゲームをひっくり返すことが可能だ。
勝ち筋としては、《全知》をプレイした後《マラング川の執政》を2体揃え、互いを手札に戻しながら+1枚何らかのカードをバウンスできるループを発生させる。
さらにこのループに《不穏な変換》が絡めば相手のライブラリーを全て削り切ることが可能になるし、もし《不穏な変換》が墓地に落ちてしまっていたりコンボが達成できない場合でも対戦相手の土地以外のパーマネントを全てバウンスし、自身の盤面には《マラング川の執政》と《ミストムーアの大主》を並べられるだけ並べる圧倒的な盤面を築くことができる。
久しぶりの大型オープントーナメントとなった「マジック・スポットライト:FINAL FANTASY」は、『マジック:ザ・ギャザリング——FINAL FANTASY』の発売から間もないタイミングでの開催では合ったが、環境の見通しは比較的はっきりしていた。上位には《イゼット果敢》《赤単アグロ》《アゾリウス全知》といった既存の強豪アーキタイプが名を連ね、メタゲーム初動における安定した立ち位置を証明している。
一方で、《迷える黒魔道士、ビビ》や《自爆》のように既存のアーキタイプを押し上げる力を持ったカードが早くも結果を出しており、今後の開発によって環境がさらに掘り下げられていくことが期待される。
この先、2日目のスイスラウンドや決勝ラウンドを経て、環境に対する理解と調整が進んだリストが上位に現れるのか。あるいは、既に確立された構造がそのまま押し切るのか。その動向に注目していきたい。
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