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The Limits11

決勝: 宮下 尚之(埼玉) vs. 関根 尚人(神奈川)
By 金 民守
「リミテッド最強」の称号を求めて全国から集まった猛者たち、その中から9ラウンドに及ぶ熾烈な戦いを制してこの決勝の席に現れたのは、茨城出身で現在では川崎の草の根トーナメントとMagicOnlineで研鑽を積んできた関根 尚人と、埼玉在住で都内のショップに集まっては仲間たちと精力的にドラフトを繰り返してきた宮下 尚之の二人だった。
一方は「出せば勝つ」を体現するかのような2種のデーモンを筆頭に黒の強力レアを多数搭載した青黒デッキを駆る関根、もう一方は「カードで勝つのでなくデッキで勝つ」とでも言うかのような青白のシナジーデッキを組み上げた宮下。
ギャラリーたちが固唾を飲んで見守る中、唯一無二の「最強」の称号を巡って、選ばれし二人による最後の戦いが静かに始まった。

関根 尚人
ハンドの《グール起こし》を温存しながら《歩く死骸》でアタックし、追加のクロックとして《村の食人者》をキャストして宮下の出方を伺う。宮下は即座にこれを解決。関根がターンエンドを宣言する。
宮下はここで関根の2/2軍団を押しとどめる《セルホフの密教信者》を出すかどうかの選択を迫られるが、展開しつつ《雲散霧消》を構えるだけのマナがないために、ここでは再度ドローゴーを選択。そして関根が《夜の犠牲》を《銀筋毛の狐》に打ち込む。
そのまま解決されて宮下の場は無人に。ここから関根は一気に攻勢に転じて《村の食人者》《歩く死骸》でビートしつつ、さらに《戦墓のグール》を追加してプレッシャーを強める。
こうなってしまうと宮下も《雲散霧消》の構えを解いて《セルホフの密教信者》をキャストせざるを得ない。
無論、関根はその隙を見逃すわけもなく、ここで《死の支配の呪い》が宮下を襲う。
カウンターと解呪系の2段構えの警戒網を見事にすり抜けて呪いの着地に成功した関根が一気にゲームを決めにかかった。
軽量生物とそれをバックアップするスペルという、先行押し切りプランにどこまでも最適化された宮下のデッキにとって、後手を踏む形のこの展開はかなり厳しい。
その後も関根は悠々とリソースを温存しながらダメージを重ねゲームを終わりに導いていく。
伸びきった関根の戦線を前に宮下は《神聖なる報い》を突き刺して一矢を報いるが、それにも《グール起こし》で即座にリカバリーを見せる盤石の構えの関根。

宮下 尚之
しかし宮下は諦めない。一度リセットを挟んでクロックが緩んだこのタイミングを逃さず、逆転の芽となる《ルーデヴィックの実験材料》をキャストして即座に《幽体の飛行》をつけてターンを返す。
「このまま《ルーデヴィックの実験材料》が変身できれば・・・!?」
すでにゲームの行方が決まったかのように思っていたギャラリーが宮下のこの一手にざわめく。
しかし残り僅かの宮下のライフを刈り取るべく、関根は《グール起こし》を連打して瞬く間に戦線の再構築を終える。
ここでもう2ターン。いや、あと1ターンでも関根の立ち上がりが遅れていればゲームの趨勢は分からなかっただろう。しかし、宮下が奇跡の逆転劇を成就するには宮下の残りライフはあまりに少なく、関根のプレイングはあまりに的確なのであった。
宮下 尚之 0-1 関根 尚人
ついに動き出した関根のデーモンエンジン! 関根が大きく勝利に向かって歩みをすすめる。
さらに返すターン。6マナ目のランドをセットしてマナの量を宮下の倍までに伸ばした関根は、力強くすべての土地をタップして《深淵からの魂刈り》までも追加。怒涛の勢いで盤面を詰めてくる。
関根の場には無尽蔵にデーモンを生み出すアドバンテージエンジンと、際限なく死を振りまく強力な神話レアが揃った。
宮下にとって間違いなく圧倒的不利なこの場。
しかしこの時宮下のハンドにはなんと《静かな旅立ち》《神聖なる報い》《大物潰し》というカードたちがその出番を待っており、キャストできれば、4マナ目の《平地》さえあれば《神聖なる報い》で関根の戦線を一網打尽にした上での《大物潰し》という、一気にこの状況を打開するチャンスを虎視眈々と狙っていたのだった!
捲くってみせる! 《平地)》さえ! そのライブラリートップが《平地》でさえあれば・・・!!!!
そんな悲痛な叫びが聞こえてくるかのような数瞬を挟んで、宮下のドローステップが訪れる。
ドロー。
宮下がじっくりと時間をかけて考える。
・・・まだだ。まだ終わっていない。《静かな旅立ち》で《深淵からの魂刈り》を戻しつつターンを終える。
関根は初タイトル獲得に向けて着実に、力強く場を詰めていく。
デーモン・トークンでアタックし、《ムーアランドの憑依地》のスピリット・トークンによるチャンプブロックが行われる。盤石の場をさらに強固にするため《深淵からの魂刈り》を再度降臨させ、《スカースダグの高僧》の能力を起動して場がまた一層悪魔に支配される。
宮下は関根の築きあげた強大なフライングクロックを前に、最後のチャンスであるドロー迎える。関根は、はやる気持ちを抑えて、ただ静かにその瞬間を待つ。
運命の瞬間。
・・・ついに4マナ目の土地が宮下の元にもたらされることなかった。
この瞬間、The Limits 2011、全10回戦を制し最強の称号を手に入れたプレイヤーが決定した!
ギャラリーが勝者の名誉と対戦相手の健闘に拍手を贈る!
日本全土のリミテッドプレイヤーのその頂点に君臨する、マジック史に名を刻むことになったその男の名は 関根 尚人!
congratulations!!!
宮下 尚之 0-2 関根 尚人

Game 1
先手の宮下は1ランドのハンドをマリガンして6枚でスタート。 関根は2ターン3ターンと生物を並べて《死の支配の呪い》につなぐプランがしっかり見えるハンドを7枚でキープ。 まずは宮下が《銀筋毛の狐》を展開して一足先にダメージレースを開始する。関根のブロッカーを《静かな旅立ち》《幻影の掌握》で次々にバウンスしてビートする宮下だが、思うように後続のアタッカーが用意できずにその後関根の《歩く死骸》を前に攻めあぐねてしまう。 ハンドを抱えたまま何もせずターンを返す宮下の動きから目ざとく《雲散霧消》の気配を感じ取った関根は、《死の支配の呪い》を温存しながらしばしゲームプランを模索する。 数秒後、プランを決めた関根が動き出した。

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Game 2
関根が《苦心の魔女》と《猛火の松明》を、宮下が《大物潰し》と《緊急の除霊》をサイドインして始まった2本目。 先手宮下は生物が《瞬唱の魔道士》のみだが、《平地》《島》《ムーアランドの憑依地》と揃ったハンドを少し考えた上でキープ。対する関根は1ランドをマリガンして6枚でスタートした。 宮下が2ターン目に《ルーデヴィックの実験材料》、関根が《スカースダグの高僧》と並べ合って、一見静かに場が進行しているかに見えた序盤。 しかし関根が回収するもののない状態で《グール起こし》をキャストすると一気に場に緊張が走った。 その後関根はライフをタップリと残しながら早々に除去スペルと《スカースダグの高僧》の合わせ技でいつでもデーモンを出せる体制を整えて静かにターンを返す。 受けるよりも攻める。そしてそのまま攻めを維持するというお決まりの勝ちパターンに持ち込みたい宮下は、少しでも早くこの膠着状態を打開したい。 3枚で土地が詰まりながらも《不可視の忍び寄り》を追加して1点のビートを始め、間違いなく準決勝、準々決勝での勝利の原動力となった《聖トラフトの霊》を場に追加してゲームプランを構築していく。 これまで圧倒的不利な場を、信じられないダメージカーブを描いてまくっていったこの神話レアの登場に、一瞬勝利の天秤は宮下に傾いたかに見えた。 しかし関根は勝負の手綱が宮下に渡ることを許さない。宮下のエンドに対応して少し考えたあと、力強く《飢えへの貢ぎ物》をキャスト!《不可視の忍び寄り》が除去され、《スカースダグの高僧》の能力で5/5デーモン・トークンが降臨!

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