読み物
Round 7: 野瀬 恒二(愛知) vs. 瀬村 純一(千葉)
By 金 民守
泣いても笑ってもこれが最後の7回戦。
勝ち点13点、ここで勝てばトップ8の可能性が色濃く見える瀬村の前に立ちはだかるのは古豪・野瀬恒二!
どちらもシールドらしい三色除去デッキの同型対決を制するのははたしてどちらか!?
Game 1
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野瀬 恒二 |
ダイスにより先手を取った野瀬がマナソース5枚のハンドを小考の後キープ。
対する瀬村は土地が《》と《》の2枚で青いカードが2枚というハンドを、除去の厚さを信用してこれまたキープしてゲームが始まった。
序盤戦は瀬村の《》に野瀬が《》で応じる形でお互いが牽制しあうという、典型的なコントロール対決の様相を呈した。
キーだったのは瀬村の3ターン目。無事3マナ目を理想的なセット《》で迎えた瀬村は、じっくりと悩んだ末にそのままエンドを宣言。
さらに睨み合うのみのターンを挟んでついに瀬村は8枚のハンドから《》をディスカードしてターンを終えたのだが、この時どのような選択肢からディスカードを選択したかを確認するために瀬村のハンドを確認すると、なんとそこには《》が!
そう、瀬村はキャストできるカードがなくディスカードに追い込まれたのではない! 能動的にディスカードを選択したのだった!
このワンプレイでゲームが一気に加速する。当然ここを攻め時と判断した野瀬は《》で《》を除去し《》によるビートを開始。
それを受けて瀬村はアタックしてきた《》を《》で除去。
その後もお互いが除去を撃ちあった上でその死体を糧に《》と《》をキャストし合い、さらにそれをお互いが《》と《》で戻し合いという中盤。
野瀬の除去切れを察した瀬村が、ボムである《》を場に投下すると、野瀬はさらなる除去として《》で即対応して、リソースの底を見せない。
しかしさしもの野瀬も徐々に追い詰められていく。何しろ、もともと土地のないスペルリッチなハンドをキープした瀬村がキャストするスペルが、ことごとく《》《》というトークンばらまき系では、流石に手数が追いつかないのも無理ない。
ブロッカーを用意しようにも野瀬の生物は追加コストで墓地の生物をリムーブすることを要求する《》であるため、瀬村のフラッシュバック付きバウンスがまるで恒久的な除去であるかのように作用してしまうのだ。
ついにライフの余裕がなくなった野瀬は《》を《》のトークンに打つ状況に追い込まれると、そのままの流れで瀬村が野瀬を押し切って激戦の1本目を瀬村が制した。
野瀬 恒二 0-1 瀬村 純一
メインボードをキープした瀬村に対して、野瀬はバウンス耐性のない《》や《》を抜いて、《》対策の《》、《》に対抗する《》と自身の《》をサイドインして2本目が始まる。
Game 2
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瀬村 純一 | |
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ファーストアクションは野瀬。
瀬村のエンドに《》をキャストし、カウンターを警戒した瀬村がそれに対応して《》をキャストすることでゲームが動き出す。
《》にはしっかりと《》で対抗し、瀬村もそれを《》で除去しながらビート態勢を維持する。
野瀬もさらに《》で対抗するが、瀬村はこれを《》でバウンスしつつ《》でその後のブロックも許さない構え。
一見このまま瀬村が押し切るかにも見えたが、お互い除去コントロールであるこのマッチアップで序盤のシステムクリチャーが生き残るわけもなく、《》で《》は程なく除去される。そしてようやく初めてのクロックとして《》をキャストして、野瀬のターンが終わる。
ここでタッパーを除去された瀬村が考えこむ。ハンドを確認するとそこには《》と《》が。
このままビート態勢を維持するか、《》を最大限に活かすために除去を貯めつつ野瀬の展開を誘うかの二択。
たとえクロックの大きさで野瀬有利な状況であれ、6点のリードがある状態からこの除去コントロール対決でダメージレースを挑むのは野瀬も本意ではないはず。待てばそこまでライフを払わずとも相手のカードを一網打尽にできるのでは...?
しかし長期戦を想定するにはあまりにも心もとないこのマナフラッドな手札。野瀬のハンドが生物でなく除去であるなら、むしろクロックを維持することで除去をこのトークンに使わせられるのでは...?
様々な思いが瀬村の脳裏をかすめる。


そしてゆっくりと、しっかりと考えをまとめて瀬村がキャストしたカードは《》。さらに2点のダメージが野瀬に重くのしかかり、ライフは既に12点。
なんとかフライヤーを止める手段を引きたい野瀬だが、《》で殴りあうことしかできない。
しかし瀬村のマナフラッドが止まらない。
そのまま2対3の殴り合いが2ターン続き、野瀬が《》をキャストしつつ《》でスピリット・トークンを除去するビッグアクションを起こしてもまだ後続を引けないのだ。
停滞する瀬村と対照的に、野瀬は《》で次々に後続を補充し、こらえきれなくなった瀬村が《》で場を一旦リセットするも、すでに場の支配権は《》で《》を無限回収できる野瀬のもの。
その後なんとか《》を引き当てて《》を止めることに成功する瀬村だったが、野瀬がダメ押しの《》をキャストするにいたると、そのまま《》本体モードに突入し、見る見るうちに瀬村のライフは無くなっていくのであった。
野瀬 恒二 1-1 瀬村 純一
Game 3
瀬村が《》を抜いて、《》対策の《》をサイドインして3本目が始まる。
野瀬が《》《》と生物を並べ、瀬村が《》2連打から《》でそれに応える。
お互い迂闊にフィニッシャーを出さない牽制合戦を経て、このマッチのキーカードである《》を先に引いいたのは瀬村の方であった。
それまで細かく重ねたダメージにより野瀬のライフは14。瀬村はここから一気にプレッシャーを掛けるべく、《》をバウンスした上でのフルアタックを敢行。
これにより《》で《》が一方的に討ち取られるが、瀬村は野瀬のライフを一気に10点まで落としこむことに成功した。
そしてさらに出し直された《》には《》で対処して、トップ8に向けて大きく詰めに入ったかに見えた瀬村。
しかし相手は歴戦の古兵・野瀬恒二、そう簡単には押し切られない。
1、2戦目の瀬村の展開を見れば、主色が黒であるのは明らか。そして5マナが揃った瀬村の場にある《》はいまだ1枚。瀬村のハンドは4枚。
鋭くそこに狙いを定めた野瀬は、しばし考えをまとめるように瀬村のハンドを見つめて小さく一息つくと、ここでスピリット・トークンと沼に向かって渾身の《》をキャストしたのだった!

もちろん1本目で見た《》を討ち取れる数少ない手段である《》を、たかだか1/1のトークンに打つのが惜しくないわけがない。しかし、リスクを犯さずに安易な手なりだけで勝てるほどにはこのゲームは甘くないことも骨身にしみている!
このワンプレイに思わず表情を曇らせる瀬村。それもそのはず、瀬村のハンドはこの時《》《》とい状況で、さらになんと次のドローがそのどちらもをキャスト可能にするはずだった待望の《》!
結局このワンプレイがすべてを決めた。
ここまでライフでリードしていた瀬村だが、決して瀬村もこのリードを無傷で得たのではなかった。
守りを捨てた果敢な攻めによって得たこのライフリードは、まさに紙一重のものだったのだ。
そして、序盤からコツコツと隙を見てダメージを積み重ねた野瀬の《》の、その10回目のアタックが瀬村を襲うまで、ついに瀬村の場に2枚目の《》が並ぶことはなかった。
古豪・野瀬恒二がその実力を見せつけるかのようにタイトなゲームを制して予選ラウンドを有終の美で飾った!
野瀬 恒二 2-1 瀬村 純一
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