読み物
Round 5: 山口 聡史(愛知) vs. 糸谷 哲郎(大阪)
By 中村 修平
Game 1
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山口 聡史 |
ダイスロールに勝利して先手を取った山口がキープ。
後手の糸谷が1マリガンでゲームは開幕する。
山口の《》を糸谷が《》する応酬のち、糸谷が《》。
《》《》《》と置いている山口が《》を並べると、糸谷も《》《》《》で《》。
返しに《》が出て、一応お互いに2/1クリーチャーが並び合う展開。
ではあるが、両者ともにクリーチャータイプが人間ではないあたり、お互いに救いがあるといったところか。
なんて呑気なことを筆者が考えているターンは1ターンもなかった。
続けて山口が唱えたのは《》。
盤面に手駒が少ない糸谷にとって、ほとんど恒久除去ともいえる《》は重大な脅威だ。
いやマリガンを強いられている糸谷にとって致命的と言ってもよいカードとなってしまった。
《》を打って、《》に《》を装着して攻撃するのみ。
山口のライフはまだ15もある。
山口は悠々と《》で攻撃して糸谷のライフを18にし、《》を使って、《》付きの《》を倒す。
次ターンももたついている糸谷を尻目に、《》に《》と人間を2連打して、《》からライフ回復手段を確保するとともに、盤面の差を決定的なものにしようとする。
糸谷も《》をようやく用意することはできたが、装備コストが足りないために山口の《》付きの《》を通さざるを得ず、大きくライフに差を付けられた上で《》が反転。
今度は《》に《》を付けられる余裕こそ生まれたが、自身のライフが危険水域での装着なので、山口の《》が不発するのを祈ってターンを返さざるを得ない。
もちろん不発に終わるわけがなく、第1ゲームは山口が完勝。
山口 1-0 糸谷
Game 2
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糸谷 哲郎 | |
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1本目のシチュエーションが完全に反転し、先手を選んだ糸谷がキープしたのに対し、山口が1マリガン。
糸谷が《》《》という立ち上がりに対して、山口が《》《》という1本目に比べて穏やかなもの。
後手3ターン目山口の《》が両者にとって初めてのクリーチャーになるが、それを糸谷が《》で3色目の《》を獲得しつつ《》で無効化。
後続戦力の投入も山口が先で、《》が戦場に現れる。
だが糸谷の戦列に参戦したのはかなり強烈な1枚だ。
《》。
《》の攻撃で糸谷のライフを17へと落とし、山口は《》と、打ち消しを警戒してかメインの間に《》を召喚してターンを返す。
糸谷は天使で攻撃することを選び、これで山口のライフは15へ、
続けて出てくるのは天使がおかわり、《》。
人間がいれば無敵と、スピリットが墓地にいれば回収という、頭を抱えたくなるような2体の天使に行く手をさえぎられている山口。
《》を召喚してから、《》を表裏と一気に使って、《》に2個、《》に1個、《》に1個の+1/+1カウンターを乗せ、地上からサイズ差で押しつぶしにかかる。
《》と《》が攻撃し、これを糸谷が通して残りは9点。
苦しいのは両者ともにか。
山口は高空の天使を止められないが、糸谷も天使をサポートする従者役を召喚できず、地に這うクリーチャーを止められない展開なのだ。
糸谷がとった方針は攻撃続行。
2体の天使が攻撃に参加して山口のライフを6とし、山口がタップアウトしている自分のターン中に《》を《》に打ち込んでターンを返す。
これで見た目上は3(《》)+2(《》)+3(《》)で8点。
何か《》系の呪文ならば《》を装備するマナの余裕がなく、逆もまたしかり。
ライフ1で凌ぎきれるはず。
果たして糸谷の目論見どおり、ライフは1で踏みとどまった。
だが代償として、《》と《》のおかげで山口のライフが11にまで引き戻される。
糸谷はこのターン中に負けることこそなかったが、勝ちにも遠ざかってしまったのが現状だ。
《》と、たった今召喚した《》をブロッカーに立て、《》で山口のライフを7にしてエンド。
追い詰めている側の山口にしても、あと一手のカードが微妙にもどかしい。
《》を召喚して2体で攻撃、《》と《》、《》と《》がぶつかる。
《》が最後のご奉公をと山口のライフを12にまで回復させ、《》が反転する。
接死では死なないものの、《》を失ったことで、3点のダメージによって《》が破壊される。
ブロッカーは用意できたものの、新たなトランプル持ちの大型生物の前に絶体絶命。
だが糸谷が召喚したのは《》。

プランが崩壊した山口がここで投了、決着は第3ゲームに持ち越された。
山口 1-1 糸谷
山口が投了し、第3ゲームへとシャッフルを進める中で、その山口がしくじったという表情を浮かべている。
筆者はわずかに見えただけで確信が持てなかったのだが、それは第3ゲームの結果を見届けた後で語ることにしよう。
Game 3
みたび立場が入れ替わり先手を取った山口がキープ、糸谷が1マリガンでのスタート。
《》を《》で除去するという1本目と全く同じ展開、山口はこの時点で《》《》《》とコントロール、糸谷も《》が戦場にある状態で《》《》とマナに不安は無さそう。
良い勝負が期待できそうだ。
その糸谷だが《》を起動し、《》を確保して《》。
糸谷のエンドステップに山口が《》を召喚し、続けて《》には、後手糸谷が前ゲームMVPの《》。
両者が1体ずつ攻撃してお互いのライフは18。
《》を出した上で山口の《》が攻撃し、糸谷を16にすると糸谷は《》を《》に装着した上で攻撃。これで山口のライフは13。
緩やかに推移していたと思わせて、ゲームは突然の急加速をみせる。
何もせずにターンを返した山口に対して糸谷は2体とも攻撃。
アンタップ状態の《》と《》がいるのにも関わらず何故?
答えは《》だ。
《》と《》の戦闘で反転した《》に向けて、《》ーが陰鬱のマイナス修整の矛先を向ける。
ここで山口は少考する。
おそらくゲームの天王山となる箇所。

山口は切り札の《》で《》を守り、《》で《》を無力化して総攻撃で7点、糸谷のライフを7にまで落としこむ。
だが糸谷も全く同じ切り札を持っていたのだ。
山口の《》を《》で剥ぎとり、ブロッカーがいない山口に対して《》を纏わせた《》と《》の攻撃、山口11:7糸谷から山口3:13糸谷へとポジションが再逆転。
飛行が止められずライフを1にまで減らした山口を介錯したのは、糸谷が唱えた《》だった。
山口 1-2 糸谷
山口が悔やんだミス、
それは第2ゲームの最終ドローが《》だったことだ。

最終ターン、たしかに《》で《》を消されたことにより、山口に糸谷を攻撃できるクリーチャーは残っていなかった。
だがゲーム履歴を読みなおしていただければわかるように《》で無効化された《》がまだ戦場には残っており、《》装着して糸谷に投げつけることができたのだ。
ミスは誰にでもある。
だが本当に重要なのはミスをした時にそれを認識し、次回への戒めへとすること。
気づくのが少し遅かったなら、次はもう少し早く気づけばよい。
このミスが山口の次に繋がることを祈って、筆をおかせてもらおう。
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