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日本選手権2017
インタビュー~日本選手権のこれまでとこれから~
By Masashi Koyama
2011年をもって一度廃止となった日本選手権。今年、2017年に6年の時を経てワールド・マジック・カップ代表決定戦を兼ねて復活しました。
日本選手権は文字通り「日本一を決める戦い」とあって、グランプリとはまた違った思いを持って多くの人が日本選手権に関わっていました。
今回の日本選手権はワールド・マジック・カップ予選から変更初年ということもあってか、かつての選手権とは少し趣が異なります。
本記事ではかつての日本選手権を知るプレイヤー、解説者、ジャッジのお三方に、かつての日本選手権の思い出と、これからの日本選手権に望むことについてインタビューを行いました。
解説者 藤田 剛史 さん
日本選手権2004で優勝し、みごと日本一の称号を勝ち取った藤田さん。
その後、日本初のプロツアー殿堂顕彰者にも選出され、世界的なプレイヤーとして活躍されていました。最近は公式放送などでコメンテーターとしても活躍されています。
そんな藤田さんに日本選手権への思いを語っていただきました。
――かつての日本選手権で、思い出や印象に残っていることを教えてください。
藤田「なんやろねえ......やっぱ勝った時(日本選手権2004)の話がいいんかな。あの時は中野くん(中野圭貴さん。世界選手権2007トップ8など)と同じデッキで出ていて、一緒にトップ8に残ったんよね。中野くんは準々決勝で0勝3敗で負けてしまったんやけど、その相手と準決勝で僕が当たってね。なんと今度は僕が3勝0敗で勝ったんよね」
――同じデッキなのにですか?
藤田「そうなんよ。その対戦相手は準々決勝は普通にプレイできたけど、準決勝は僕が強いと思われてたらしくて、それで細かいミスがあったらしくて。少し名が売れてるとそういうところでも得するんやと思ったかなあ」
――それは面白いお話ですね。それでは、今後の日本選手権に望むものはあるでしょうか?
藤田「やっぱり予選があってほしいよね。予選を抜けて日本選手権に行く、となれば達成感が得られて気持ちがいいしモチベーションも上がるよね。予選がないと『ここで勝たないと......』という試合を勝った達成感がないけど、予選があればその予選を勝ったときが嬉しくて、本戦に臨む気持ちが盛り上がってくるよね。だから、僕は今のプレイヤーには予選があった方がいいんじゃないかなと思うね」
――ちなみに、藤田さんは日本選手権の予選に出られたことはあるのですか?
藤田「最初の日本選手権は予選に出て、全勝で抜けたよ。それは少し自慢かな(笑)。やっぱり予選を抜けた時はグランプリとかプロツアーで勝ったのと同じくらい嬉しかったから、やっぱり(予選が)あるといいかなと思うよね」
――ありがとうございました!
プレイヤー 齋藤 友晴 選手
日本選手権と同じく今年復活するThe Finals。かつては夏と冬の大イベントとして大いに盛り上がりを見せていました。
そんなThe Finalsで一躍名を馳せ、日本選手権にも数多く出場されている齋藤選手も、日本選手権には強い思い入れがあるようです。
――かつての日本選手権で、思い出や印象に残っていることを教えて下さい。
齋藤「僕が初めて参加した競技イベントが昔の日本選手権の予選だったんです。18年前になるのかな......東北予選で、初めて(競技プレイへの)モチベーションを上げてくれたイベントでした。日本一、世界一のプレイヤーになりたいって思ったんです。本戦自体の思い出で言えば、親友でありライバルの森勝洋選手に負けて、日本代表になれなかったことですね......まだ一度も日本代表にはなったことがないんですよ」
――なるほど、今後の日本選手権に望むものはあるでしょうか?
齋藤「『いきなり日本選手権本番!』って言うのはハードルが高いと思うんですが、店舗大会、地域の大会、そしてそれに続く全国大会の日本選手権と、(予選イベントなどの)ステップがあれば競技イベントへのいい入口になると思います。僕個人の話で言えば、ずっとチャレンジャーであり続けることができるイベントなので、ワールド・マジック・カップの代表選考会を兼ねた日本選手権は今後も続いてほしいですね」
――ありがとうございました!
ジャッジ 大竹 賢明 さん
スコアキーパーとしてイベントを支えている大竹さん。2011年の日本選手権にもジャッジスタッフとして参加されていました。
6年ぶりの日本選手権に、大竹さんは何を思うのでしょうか。
――かつての日本選手権で、思い出や印象に残っていることを教えて下さい。
大竹「2011年の、中断前最後の日本選手権が人生で初めてスコアキーパーを務めた公式イベントだったんです。それから6年を経て、ここで晴れてヘッドスコアキーパーとして戻ってこれたのは、この期間スコアキーパーをちゃんと務めることができていたからなのかな、と思えたのが一番思い出深いですね」
――すごくいい話ですね......それでは今回の日本選手権とその時で何か違いは感じますか?
大竹「プレイヤーの方々の雰囲気が全体的に少し柔らかくなったかなと思います。かつてはガチガチの競技イベントに慣れた人が多かったと思うのですが、今回はプレインズウォーカー・ポイントを溜めた人たちの目標のひとつとしてあるようなイベントのような気がします」
――なるほど、では今後の日本選手権に望むものはあるでしょうか?
大竹「予選があれば、僕もプレイヤーとして出ようと思うことがあるかもしれないですね......予選はぜひあってほしいです。あとは、ドラフトをロチェスタードラフトにしてほしいですね。これはいちファンとして観てみたい、ということですね。それから、日程を2日間から3日間にしてもいいんじゃないかなと思います。それが一番(の希望)かもしれません。今であればスタンダードとブースタードラフトの2フォーマットですが、例えばモダンやレガシー、先ほど言ったロチェスタードラフトなど、総合格闘技ではないですがそのようなイベントにもできるなと思いました」
――確かに、それは観てみたいですよね。お忙しい中ありがとうございました!
さて、3人の方にインタビューをお願いしましたが、いかがだったでしょうか。やはり「予選が復活してほしい」という思いは皆さん共通しているようでした。
個人的に印象に残ったのは、大竹さんへのインタビューの際、ジャッジの方々が皆さん集まってかつての日本選手権の思い出話を楽しそうにされていたことでした。
復活した日本選手権がそのように皆さんに愛されるイベントになってほしいですね。
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