- HOME
- >
- EVENT COVERAGE
- >
- グランプリ・台北2016
- >
- 第12回戦:市川 ユウキ(神奈川) vs. 高橋 優太(東京)
EVENT COVERAGE
グランプリ・台北2016
第12回戦:市川 ユウキ(神奈川) vs. 高橋 優太(東京)
By Masashi Koyama
互いに名手。
第12回戦の3番卓で相見えることとなった市川と高橋は、ともに「バント・カンパニー」をこのグランプリに携え、ここまで1敗と順調に勝ち続けている。
ここで勝利すればトップ8の座がグッと近づく。対戦相手が誰であろうとただ勝ち星を積み重ねるのみだ。
市川が席についたところで英語版のカバレージライター、シム・チャップマン/Sim, Chapmanが声をかける。
「ハンバーガー買ってくるから、勝った方にあげるよ!」
どうやら、この試合には決勝ラウンドに向けた貴重な勝利だけでなく、過酷なトーナメントの飢えを満たす食料までもがかかってくるようだ。
達人同士の好試合に期待しよう。
市川(写真左)vs高橋(写真右)。達人同士の一戦が始まる。 |
ゲーム1
互いに「グッドラック」と声をかけて、《ヴリンの神童、ジェイス》の鏡打ちでゲームが始まる。
続く戦力は市川が《巨森の予見者、ニッサ》、高橋が《変位エルドラージ》だが、これに先手の市川が《反射魔道士》でまずはイニシアチブを取る。
高橋「やはり先手だな」
市川「そりゃそうだ。マジックは先手が有利」
高橋も《ヴリンの神童、ジェイス》を《反射魔道士》でバウンスするのだが、市川がキャストしたのは《集合した中隊》!
そしてめくれるのは《不屈の追跡者》と、キーとなる《変位エルドラージ》!
思わず高橋は「これは厳しい」と漏らす。
高橋は《変位エルドラージ》から《ドロモカの命令》で市川の《変位エルドラージ》を除去するのだが、市川の手からも《ドロモカの命令》が。
これで高橋の《変位エルドラージ》を除去し、盤面の上では優位を築いたかに見えた。
だが、高橋も《集合した中隊》。
これで《反射魔道士》と《森の代言者》を呼び出すと、市川の《森の代言者》をバウンス、さらに《束縛なきテレパス、ジェイス》の能力で《ドロモカの命令》を「フラッシュバック」し、《不屈の追跡者》を墓地へと送りまたも天秤を傾ける。
市川は《反射魔道士》で高橋の《森の代言者》を戻し、土地を置いて《巨森の予見者、ニッサ》が《精霊信者の賢人、ニッサ》に変身し、これがアドバンテージを生み始める。
高橋も1ターン遅れで《巨森の予見者、ニッサ》を召喚、変身となるのだが、ここでターンが市川に返る。
市川は《束縛なきテレパス、ジェイス》の能力で《ドロモカの命令》を対象とし、《森の代言者》をダブルブロックした《薄暮見の徴募兵》と《反射魔道士》を討ち取ると、盤面は市川に傾く。
高橋の《束縛なきテレパス、ジェイス》が討ち取られ、2枚目の《ヴリンの神童、ジェイス》も《ドロモカの命令》で葬り高橋の追撃を許さない。
食らいつきたい高橋は《不屈の追跡者》から攻撃、ブロック指定後に《ドロモカの命令》で《不屈の追跡者》と《ヴリンの神童、ジェイス》を格闘させようとするが、ここで市川がニヤリ。
高橋「完璧なブロックだ......(《ドロモカの命令》を)持ってる?」
市川「イエス」
これで高橋の戦場は壊滅状態になり、市川の《精霊信者の賢人、ニッサ》は奥義が目前に。
高橋は続く自身のターンで少し考えると「次のゲーム行った方が良いな」とサイドボードに手を伸ばしたのだった。
市川 1-0 高橋
まずは先勝の市川 |
ゲーム2
またも鏡打ち。両者《森の代言者》からゲームを開始。3ターン目のアクションはともにゲームを決めうる《不屈の追跡者》と《巨森の予見者、ニッサ》。
高橋はマナがオープンのままアタック。これが5点のダメージを与え、そのままターンを終了。そして市川のターンエンドに高橋の《集合した中隊》。
この《反射魔道士》で《森の代言者》が戻されたところで市川も《集合した中隊》を唱えるが、墓地送りになってしまう2枚目の《巨森の予見者、ニッサ》と《不屈の追跡者》と、高橋ほど盤面を変えうる材料を集めることができない。
これで高橋は全軍で攻撃し、またもマナをフルオープンのままターンエンド。
高橋のさらなる攻勢を悟った市川はドローを見ると、すぐに3ゲーム目へと移るのだった。
市川 1-1 高橋
すぐさま星を取り返す高橋 |
ゲーム3
みたび2ターン目の動きが鏡打ちとなる。互いの初動は《森の代言者》。これに市川が《ドロモカの命令》で先んじるが高橋は《石の宣告》で応じる。
ここで互いに《集合した中隊》を唱え、市川からは《ヴリンの神童、ジェイス》と《森の代言者》が、高橋からは《不屈の追跡者》と《変位エルドラージ》が戦場に送り出される。
市川はさらに《巨森の予見者、ニッサ》を呼び出すと、高橋は《反射魔道士》で《森の代言者》を手札に返し、果敢にアタック。まずは市川にダメージを与え始める。
市川は手掛かり・トークンを生け贄にドロー。《巨森の予見者、ニッサ》を《不屈の追跡者》のブロックに回し、高橋が手掛かりを生け贄に捧げることでチャンプブロックとなる。ここにどんな意図が見えるか。
高橋をフルタップとさせた市川は《ヴリンの神童、ジェイス》を変身させると墓地の《ドロモカの命令》を再利用し、高橋の《変位エルドラージ》を葬る。例え高橋が手札に《ドロモカの命令》を抱えていようとも、フルタップではどうしようもない。
だが、攻勢を続ける高橋はこの《変位エルドラージ》を《石の宣告》し、《束縛なきテレパス、ジェイス》を葬りつつ市川のライフを9まで落とし込む。
市川は《反射魔道士》から《巨森の予見者、ニッサ》。これがすぐさま《精霊信者の賢人、ニッサ》に変身し、「目覚めし世界、アシャヤ」を生み出し市川の盾となる。
高橋は《精霊信者の賢人、ニッサ》を攻めるが、伝説のエレメンタル・トークンと《反射魔道士》に守られ、これを落とすことができない。
市川は《精霊信者の賢人、ニッサ》でアドバンテージを取りつつ、《反射魔道士》で6/5の《不屈の追跡者》を戻し、こちらも《不屈の追跡者》を追加。
高橋は残された巨大な追跡者でアタック。これが《不屈の追跡者》《反射魔道士》、エレメンタル・トークンでフルブロックされたところで《集合した中隊》。
これは《薄暮見の徴募兵》と《精霊信者の賢人、ニッサ》をめくるのみで劇的な展開は訪れず。
高橋は先ほど手札に戻された《変位エルドラージ》を再召喚し、盤面の再構築にとりかかる。
市川は《不屈の追跡者》で《精霊信者の賢人、ニッサ》を落とし、自らも《変位エルドラージ》を召喚。なんとか決め手を掴み、時間内の勝利を目指したいところだ。
だが、ここで無情にも試合時間終了のアナウンス。
市川は高橋が《変位エルドラージ》で《反射魔道士》を「ブリンク」した隙にこれを《ドロモカの命令》で打ち倒すが、高橋の手札からはさらなる《変位エルドラージ》が。
結局、互いに延長5ターン以内で勝負を決め切ることはできず、記録用紙には引き分けが記入されることになったのだった。
市川 1-1-1 高橋
RANKING ランキング
NEWEST 最新の記事
-
2024.11.12観戦記事
The Week That Was: 熱烈な勇者の帰還|第30回マジック:ザ・ギャザリング世界選手権
-
2024.10.27観戦記事
第30回マジック:ザ・ギャザリング世界選手権 決勝戦|第30回マジック:ザ・ギャザリング世界選手権
-
2024.10.26トピック
第30回マジック世界選手権 トップ8プロフィールとデッキリスト|第30回マジック:ザ・ギャザリング世界選手権
-
2024.10.26観戦記事
Magic World Championship 30 Day Two Highlights|第30回マジック:ザ・ギャザリング世界選手権
-
2024.10.25観戦記事
Magic World Championship 30 Day One Highlights|第30回マジック:ザ・ギャザリング世界選手権
-
2024.10.25戦略記事
The Spiciest Decklists of Magic World Championship 30|第30回マジック:ザ・ギャザリング世界選手権