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グランプリ・上海2015
初日全勝デッキ:藤村和晃の「アブザン・コントロール」
by 小山 和志
昨日、初日を全勝で通過した三原のデッキをご紹介したが、本記事では日本勢もうひとりの初日全勝者、藤村和晃の「アブザン・コントロール」をご紹介しよう。
写真の撮影をお願いするとこころよく応じてくれ、おちゃめなポーズまで取ってくれた。 |
スタンダード環境の本命候補筆頭ともいえる、アブザンカラーのデッキだが、逆に言えば対策をされやすいということでもある。そんな中初日を無敗で終えた藤村は、どういった経緯でこのデッキを選択し、勝ち上がってきたのだろうか。
2 《森》 2 《平地》 4 《吹きさらしの荒野》 4 《砂草原の城塞》 4 《ラノワールの荒原》 4 《疾病の神殿》 1 《コイロスの洞窟》 4 《静寂の神殿》 1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》 -土地(26)- 4 《棲み家の防御者》 3 《羊毛鬣のライオン》 4 《クルフィックスの狩猟者》 2 《死霧の猛禽》 4 《包囲サイ》 -クリーチャー(17)- |
4 《思考囲い》 2 《胆汁病》 4 《アブザンの魔除け》 2 《英雄の破滅》 1 《命運の核心》 3 《太陽の勇者、エルズペス》 1 《精霊龍、ウギン》 -呪文(17)- |
3 《アラシンの僧侶》 2 《強迫》 3 《究極の価格》 2 《異端の輝き》 3 《悲哀まみれ》 2 《世界を目覚めさせる者、ニッサ》 -サイドボード(15)- |
――このデッキを組み上げるきっかけは?
「グランプリ・上海に向けて、最初はアグロデッキが多いと読んでいたので『マルドゥ・ドラゴン』を調整していたましたが、全然勝てませんでした。デッキの動きがもっさりしている上に、マリガンが厳しく勝率が上がらなかったんです。
そこで行き詰まって、スタンダードのデッキ構築の原点として、環境で一番強いカード、《棲み家の防御者》を使おうと思って、それを一番活かせるデッキのアブザン・コントロールを作りました。
アブザンカラーのデッキの中でも、アグロデッキは動きにムラがあって安定しないので、コントロールにしました。
あとは、《太陽の勇者、エルズペス》が重いカードの中では一番環境的に強いですから」
なるほど、多くのプレイヤーが環境を定義づけるカードとして挙げている《棲み家の防御者》を最も活用できるデッキとしてアブザン・コントロールを選んだということか。確かに、アブザン・コントロールは有用なクリーチャーや除去など回収したいカードは山のようにあるデッキだ。
――デッキの基本的な動きを教えてください
「相手によって動きが変わります。対アグロなら序盤を除去などでしのいだ後、《太陽の勇者、エルズペス》で蓋をする。対コントロールなら《羊毛鬣のライオン》や《クルフィックスの狩猟者》で積極的に殴っていくなど柔軟に動きを変えられるのがこのデッキの魅力ですね。
絶対負けるような苦手なデッキが無いので安定した動きが期待できます。」
数多くのデッキがひしめく現環境のスタンダードにおいて、柔軟に動けるということはそれだけでデッキの強みと言えるだろう。
――このデッキのキー・カードは?
「まずは《棲み家の防御者》! それから《思考囲い》が後手からまくれる唯一のカードですね。正直に言うと、僕は《死霧の猛禽》をそんなに評価していなくて、《棲み家の防御者》ありきのカードだと思っています。
殴ることも受けることもできるデッキなので、《棲み家の防御者》を幅広く使うことができて、このカードを一番上手く使えるデッキだと思っています」
藤村が本インタビューを通じて強調しているのが、《棲み家の防御者》がいかに優れているか、ということだ。
環境随一の強力カードであることは明白だが、それゆえに、このカードをいかにして使うか、というところで差が現れてくるのだろう。
――メタ上のデッキに対する有利不利を教えてください
「特に有利なデッキや不利なデッキはなくて、全てのデッキに対して互角以上に戦えます。ただ、その分相手のブン周りには勝てないことが多いので、それをまくるための、《思考囲い》や《究極の価格》をサイドボードに少し多めにとっています。
特にマナクリーチャーからデカブツを並べてくる緑系のデッキに負けやすいので、《究極の価格》を多く取っていることが工夫です」
全てのデッキに対して互角に戦えるということは、逆に言えば全てのデッキに対し負け目があるということか。藤村はそこをよく理解し、しっかりと対策を練ったからこそ初日全勝という成績を収めることができたのだろう。デッキチューニングがどれほど大切か、ということをうかがい知ることができる。
――ありがとうございました。では最後に、今大会の意気込みをどうぞ
「次のプロツアーの権利も持っていますし、上海には気楽に来た感じです。むしろ、次のプロツアーこそ優勝します!」
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