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グランプリ・上海2014

観戦記事

第5回戦:高橋 優太(日本) vs. Zhang Zheng(中国)

By 矢吹 哲也

 中国は上海市、「上海世貿商城(上海マート)」からニーハオ!

 海外からお届けする今大会のカバレージでは、主に日本人プレイヤーたちの活躍を追っていく。中国に足を運んだ日本の戦士たちは、ここ上海の地に再び栄冠を掲げることができるだろうか。

 第5回戦、フィーチャー・マッチ・エリアに姿を現したのは、高橋 優太。自身の組み上げたデッキをひたすらに回し続けていた彼は、勢いそのままにフィーチャー卓に座り、対戦相手を待ち受ける。

 ここでは、高橋と中国のチャン・チェンとの一戦をお送りしよう。

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試合展開

 両者キープから、タップイン3色の土地を置き合う立ち上がり。チャンは《神秘の僧院》、高橋は《開拓地の野営地》だ。

 動き出しは高橋から。彼が《平地》から《ジェスカイの学徒》を展開すると、チャンは《牙守りの隊長》で盤面を固める。お互いに「変異」クリーチャーを1体ずつ出し、高橋が《塩路の巡回兵》を繰り出したところで、盤面は膠着しはじめた。

 チャンが「長久」を起動した隙に、高橋は《塩路の巡回兵》で攻撃。その後《龍流派の双子》を戦場へ。さらに次のターンには「変異」クリーチャーを追加し、盤面を固める。

 一方チャンは「変異」していたクリーチャーで攻撃。それが通ったのを見ると彼は少し考え、しかし裏向きのまま2点のダメージを与える。その直後、《凶暴な拳刃》が戦場に降り立った。

 《凶暴な拳刃》と「変異」クリーチャーで攻撃に向かうチャン。高橋は《凶暴な拳刃》を3体でブロックし、「変異」には「変異」とばかりに先ほど出した2枚目の裏向きのクリーチャーを向かわせる。チャンは《凶暴な拳刃》をその2番目の能力で手札に戻し、「変異」クリーチャーには《熊の覚醒》を合わせるが、表にした高橋の「変異」クリーチャーは《軍用ビヒモス》であり、この戦闘でクリーチャーの交換は行われなかった。


「変異」込みの戦闘。この環境で最も重要なシーンのひとつだ。

 クリーチャーをすべて戦場に残した高橋がターンを迎えると、彼は全軍に攻撃命令を下す。高橋の「変異」クリーチャーをブロックするチャンだが、表になったそのカードは《長毛ロクソドン》。一方的にブロッカーを倒した高橋は盤面の優位を保ったままチャンに大きなダメージを与える。


高橋 優太

 再び戦場に《凶暴な拳刃》を繰り出したチャン。しかし、それを《大物潰し》で退散させられると、再度の全軍攻撃に耐えるすべは残されていなかった。


 2ゲーム目は高橋がマリガン。チャンが《ジェスカイの風物見》からゲームを始めると、高橋は《アイノクの盟族》で対抗。2点同士のダメージ交換が行われる。

 チャンの戦場に再び《凶暴な拳刃》が現れたが、高橋は《まばゆい塁壁》でにらみをきかせ、さらに《アブザンの鷹匠》も追加して盤面を固めていく。

 それでもそこに《鐘音の一撃》を貼り付け、「変異」クリーチャーを繰り出しつつ攻勢を続けるチャン。高橋は《アブザンの鷹匠》によって飛行を得た《アイノクの盟族》で《ジェスカイの風物見》をブロックするものの、これは《焼き払い》で対処された。そこへさらに、《長毛ロクソドン》、《嘲る扇動者》と「変異」クリーチャーたちが続々と表になると、チャンの勝利を後押ししたのだった。


チャン・チェン

 試合時間が迫る中始まった第3ゲームは、チャンの素早い立ち上がりが序盤を加速させた。《族樹の管理人》から《幽霊火の刃》、《凶暴な拳刃》と流れるように展開し、高橋にプレッシャーをかけていく。

 《凶暴な拳刃》に《必殺の一射》を差し向けて手札に戻させた高橋。その後連続で3体の「変異」クリーチャーを繰り出し、2/2クリーチャーの群れでなんとか盤面を維持する。手札に戻ってから再び姿を見せた《凶暴な拳刃》に《大物潰し》を当てると、《マルドゥの心臓貫き》を絡めて盤面の有利を取り戻していった。

 しかしチャンも《熊の仲間》を繰り出し、最後まで譲らない。除去が飛び交いクリーチャー同士の交換が繰り返されるうちに、試合時間は過ぎた。やがて追加の5ターンが3ターン目を迎えたそのとき、勝負は決する。激しい地上戦を制したのは――

幾度となく対峙した《凶暴な拳刃》を文字通り「潰した」1枚。

 再三にわたり《大物潰し》を効果的に使った高橋だった。

高橋 2-1 チャン
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