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グランプリ・名古屋2016

観戦記事

準々決勝:櫨 聖(愛知) vs. 藤村 和晃(大阪)

By Sugiki, Takafumi

 グランプリ・名古屋2016もついに準々決勝を迎え、無念の思いを抱えながら散っていったプレイヤーたちを乗り越えた8人のプレイヤーがここに立っている。

 藤村はグランプリ・静岡2014でトップ8入賞、最近ではプロツアー『戦乱のゼンディカー』に参加するなどの活躍を見せているプレイヤーで、またTwitterでの特徴ある発言でも知られている。対する櫨(読みは「はじ」)は地元愛知勢として、見事トップ8の一枠を確保した。

 負けたら終わりの、まさに「負けられない戦い」がここからはじまる。


櫨 聖 vs. 藤村 和晃
ゲーム1

 先攻の藤村は、本人いわく「優勝まであるんちゃうの?」という綺麗な白緑支援ビードダウンを構築している。対する櫨は同盟者のシナジーがたっぷりの同盟者ビートダウンである。

 櫨の《オンドゥの戦僧侶》、藤村の《末裔招き》がそれぞれのファーストアクション。櫨は《コーの鎌使い》、《コーの空登り》と快調に展開する。対する藤村も《末裔招き》から出たエルドラージ・末裔・トークンを使って、4ターン目に5マナの《タジュールの道守》をプレイし展開では全く負けていない。

 藤村は5ターン目に《タジュールの道守》を攻撃に繰り出す。対する櫨は2:1交換以上を強いられるためスルーし、ライフ17。ターン終了時には《オンドゥの戦僧侶》を起動しライフ19と原点近くに維持する。櫨はさらに同盟者デッキのキーカードである《カラストリアの癒し手》を盤面に。

 ターンの帰ってきた藤村は《タジュールの道守》と《末裔招き》を攻撃に繰り出し、《末裔招き》は《コーの鎌使い》と相討ち。《タジュールの道守》のダメージは通るも、櫨のライフはまだ15。藤村はさらに《同盟者の援軍》で2/2の騎士・同盟者・クリーチャー・トークンを2体出し、攻め手を緩めない。緩めたとたん、櫨のライフは青天井にどんどん増えていくのだ。

 櫨は手札にある《ムンダの先兵》をプレイできれば、サイズの面でも張り合えるのであるが、いかんせん5枚目の土地を引き込むことができず《落とし子縛りの魔道士》を出すのみ。

 藤村は再び《タジュールの道守》で攻撃し、櫨は前のターンと同じくブロックを入れない。同盟者シナジーを活かすためには、できるだけ盤面に同盟者を多く残しておきたく、また藤村に何かインスタントのコンバットトリックがあれば一気に戦線が崩壊してしまうため、我慢の展開となる。

 これまで3回も《タジュールの道守》の攻撃を受けている櫨ではあるが、《オンドゥの戦僧侶》のライフゲインもあり、まだまだライフは14と高水準。藤村は《探検の猛禽》で騎士・トークンを強化、戦線を厚くする。

 櫨が再び5マナ目を引けず、ターンを返された藤村。攻撃を宣言し、《タジュールの道守》は《落とし子縛りの魔道士》でタップされるも、騎士・トークン2体と《探検の猛禽》で攻撃。櫨は《コーの空登り》に飛行をつけて《探検の猛禽》をブロック。騎士・トークンのダメージが通り、櫨のライフは10。

 藤村は2枚目の《探検の猛禽》で騎士・トークンに2個目の+1/+1カウンターを乗せ、それぞれ4/4とする。櫨は《チャンドラの誓い》で《探検の猛禽》を除去するも、巨大化した騎士・トークンへの解決策が無い。

 先ほどのターンと同様、《タジュールの道守》をタップするも、騎士・トークンのダメージを受けライフは4。いよいよ、次のターンからはチャンプブロックを行わなければならなくなってしまう。

 《ギデオンの誓い》でコー・同盟者・トークンを出し、《カラストリアの癒し手》の能力でライフゲインをするなどして延命を図るものの、やはりチャンプブロックをしなければいけない状況は改善されず、藤村が1ゲーム目を先取した。

櫨 0-1 藤村


藤村 和晃
ゲーム2

 櫨の先攻で始まった2ゲーム目、櫨は《岩屋の衛生兵》、《コジレックの叫び手》、《カラストリアの癒し手》と展開していく。

 対する藤村も《末裔招き》、《探検の猛禽》と展開では負けていないが、《コジレックの叫び手》の威迫能力によりダメージを受ける展開となる。2回の攻撃が通り《ドラーナに選ばれし者》をプレイしたところで、《カラストリアの癒し手》の能力も相まって藤村のライフはすでに9。

 藤村は《ニッサの裁き》で《ドラーナに選ばれし者》を除去しなんとか盤面の均衡を図る。そして、《探検の猛禽》の2枚目などで戦線のクリーチャーをサイズアップさせていく。

 一方の櫨は土地ばかり引き続け、押し切りに行く動きを取れないが、《オンドゥの戦僧侶》を引き込みプレイする。

 こうなると藤村は早めの決着を目指さなくてはいけない。《鞍背ラガーク》でさらに戦線をサイズアップさせ、6/6に膨れ上がった《探検の猛禽》が攻撃をし始める。

 櫨もこのまま殴られ続けるわけにはいかず対策カードを引きたいところであるが、3回の攻撃を受けたところで、ようやく《真っ逆さま》をドロー。《探検の猛禽》の除去に成功する。

 そして次のターンには《コーの空登り》をドローし、ゲームの主導権は再度櫨に移る。《カラストリアの癒し手》がこつこつ削っていた藤村のライフに、《コーの空登り》でトドメを刺した。

櫨 1-1 藤村


櫨 聖
ゲーム3

 大事な3ゲーム目で藤村は痛恨のダブルマリガン。しかし、2ターン目に《ベイロスの仔》、3ターン目には《ニッサの誓い》、《マキンディの飛空士》とベストに近いスタートを見せる。さらに《末裔招き》、《鞍背ラガーク》で戦線を増強し、6ターン目までですでに櫨のライフは5。

 このまま押し切られるわけにはいかない櫨は、なんとか《カラストリアの夜警》をブロッカーとして用意し、しっかり《岩屋の衛生兵》の起動のための1マナも立てている。さらに《吸血鬼の特使》も用意でき、じわじわとライフを回復させていくとともに、《カラストリアの夜警》と《吸血鬼の特使》のシナジーで攻撃に転じる。

 しかし、次のターンの攻撃時《吸血鬼の特使》と《カラストリアの夜警》を攻撃させたは良かったが、《吸血鬼の特使》の誘発能力の宣言忘れ。ジャッジの裁定により、誘発の有無の決定が対戦相手の藤村の判断に委ねられ、誘発が無かったこととしてゲームを進めることを藤村が選択する。

 《カラストリアの夜警》は《末裔招き》と《林番のドルイド》のダブルブロックに見舞われ、櫨は大事な戦力を失ってしまう。

 しかしながら地上の戦線が固まってしまっている状況であり、《吸血鬼の特使》の攻撃がじわじわとライフ差を詰め、ついには櫨のライフが藤村のライフを逆転する。

 ダブルマリガンが響き、土地を思うように引けていなかった藤村であったが、念願の5枚目の土地を引いた時点で藤村のライフが5に対し、櫨のライフは12。《タジュールの道守》を展開するが、《吸血鬼の特使》による攻撃を5回受ける間に攻めきれるかどうかが微妙なところだ。

 そこから3ターンが経過し、櫨は3回の《吸血鬼の特使》の攻撃により、藤村のライフを2まで落としてはいるが、藤村の戦線も広がっており、残り10のライフも次のターンには一気に削られてしまうところまで来ている。

 ここで願いをこめた櫨のドローは《カラストリアの癒し手》! 《吸血鬼の特使》の攻撃と合わせ、ちょうど削りきれる算段であったのだが、その希望を打ち砕いたのは藤村の《取り囲む地割れ》!

 ギリギリで踏みとどまった藤村が長く厳しい勝負をものにした。

櫨 1-2 藤村

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RESULTS

対戦結果 順位
15 15
14 14
13 13
12 12
11 11
10 10
9 9
8 8
7 7
6 6
5 5
4 4
3 3
2 2
1 1

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