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グランプリ・京都2013

観戦記事

第3回戦:チーム Hron/Hayne/Hoaen vs. チーム 佐久間/菊地/蛯谷

By Tetsuya Yabuki

 天高く深まる秋に、冬の匂いが入り交じる。

 観光シーズン真っ最中の古都・京都に、6年ぶりのグランプリがやってきた。チーム戦で行われる今回のグランプリだが、会場がどこか落ち着かない雰囲気だ。

 そう、こちらでも紹介されているように、「豪華」なチームが数多くあるのだ。

 現役トップ・プロ3人で構成されたチームがあり。

 また、往年の名プレイヤー・名チームが再びその姿をグランプリ会場に見せている。

 そしてここフィーチャー・テーブルにも、豪華な顔ぶれが並んだ。リッチ・ホーエン/Rich Hoaen。「リミテッド最強」の呼び声高い、名プレイヤーだ。彼と並んで席に座るふたりもマイク・フロン/Mike Hron、アレクサンダー・ヘイン/Alexander Hayneと、両者ともプロツアー優勝経験者である。

 チームHron/Hayne/Hoaenが越えられないほどの高い壁となるか。

 チーム佐久間/菊地/蛯谷がその壁を打ち砕くか。

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リッチ・ホーエン vs. 蛯谷 恵介

 白黒のコントロール寄りのデッキを操る蛯谷だが、そこへホーエンの軽いクリーチャーたちが攻めかかる。《血集りのハーピー》や《悪魔の皮のミノタウルス》に《モーギスの匪賊》を絡めたアグレッシブな動きに、蛯谷は対応しきれない。ダメ押しの《アスフォデルの灰色商人》が蛯谷のライフを危険域まで吸い取り、そのままホーエンが押し切った。

 第2ゲームはホーエンがマリガンスタート。先ほどの速さは収まり、蛯谷がじっくり構える展開。蛯谷はゲームが長引いたところへ《灰燼の乗り手》を繰り出し、勝負を決めにかかる。

 《アスフォデルの灰色商人》のドレインでしのぎつつ甘んじて《灰燼の乗り手》の攻撃を受けるホーエンだが、《タッサの二叉槍》が戦場に出ることで状況が一変。除去を絡めて2体の攻撃を通し、手札を補給した。

 さらに続くターン、《海神の復讐》で蛯谷のクリーチャーをすべてバウンスすると、間髪入れずに《思考囲い》を撃ち込むホーエン。

「Thoughtseize......」撃ち込まれたカードを認識するや思わず天を仰ぐ蛯谷に、ホーエンがニヤリ。

 《思考囲い》で《灰燼の乗り手》を抜き取り、続けて無人となった蛯谷の戦場を2体のクリーチャーが通る。ホーエンが2ドローを重ねて、最初のマリガンはどこへやら。「+2」と力強く宣言すると、《悪夢の織り手、アショク》を戦場へ。

 ホーエンの戦場に2枚目の《アスフォデルの灰色商人》が続き、ライフ、手札、盤面と様々な方向からアドバンテージを取られた蛯谷。なんとか巻き返す手を考えるものの、ホーエンが手札から3枚目の《アスフォデルの灰色商人》を見せ、すべてを察した蛯谷の笑顔が投了の合図となった。

ホーエン 2-0 蛯谷

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蛯谷 恵介、菊地 悟、佐久間 俊充

マイク・フロン vs. 佐久間 俊充

 《旅するサテュロス》から《恭しき狩人》と、好調な滑り出しを見せるフロン。一方の佐久間は《》を並べるばかりで、もう1色が出ず苦しそうだ。やがて《》を引き込み展開がスムーズになった頃にはフロンの《恭しき狩人》に《パーフォロスの使者》が「授与」され、佐久間はせっかく繰り出したクリーチャー全員での相討ちを余儀なくされる。この攻防で失ったものは大きく、第1ゲームはフロンが勝ち取る。

 すでに蛯谷の試合が終わっており、これで後がない佐久間。第2ゲームは《ネシアンのアスプ》や《定命の者の宿敵》といった怪物たちを次々と送り出し、なんとか一矢報いることに成功する。あと1戦に望みをかけて、デッキに手を伸ばす佐久間だが――

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マイク・フロン/Mike Hron、アレクサンダー・ヘイン/Alexander Hayne、リッチ・ホーエン/Rich Hoaen

アレクサンダー・ヘイン vs. 菊地 悟

「セブンティ・エイト」

 自身のライフの確認をする、ヘインの声が届く。「78」である。

 ヘインの戦場には《天馬の乗り手》1体のみ。ただし、《希望の幻霊》と《目ざといアルセイド》が「授与」され、《ヘリオッドの試練》をくぐり抜け、コンバット・トリックによって何度も「英雄的」になった、まさに「怪物」だ。

真の英雄? それとも怪物?

 チャンプ・ブロックを繰り返しながら、祈るようにドローする菊地。序盤から「英雄的」を持つクリーチャーたちを軽快に繰り出しながらも、《太陽の勇者、エルズペス》に阻まれた1ゲーム目が走馬灯のように思い起こされる。

 解決策は――引けず。ヘインの勝利と共に、チームの勝利が決まった。

ヘイン 2-0 菊地

チームHron/Hayne/Hoaen 2-0 チーム佐久間/菊地/蛯谷
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