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グランプリ・京都2013
第5回戦:チーム 八十岡/森/斎藤 vs. チーム 伊藤/山川/木村
By Sugiki, Takafumi
第5回戦のフィーチャーマッチテーブルに呼ばれたのは、八十岡・森・斎藤のチームと伊藤・山川・木村のチーム。
ここまで無敗街道を歩むチームの同士の対戦となった。
八十岡・森・斎藤のチームは、先ほどのトップチームへのインタビューでも最も注目を引いているチームだったのだが、その注目度合いに恥じず着実に初日突破に向けて進んでいる。
一方の伊藤・山川・木村のチームは、関東草の根界ではトップレベルに位置するメンバーが集結したチームであり、特にA卓の伊藤は2011年日本選手権ベスト8といった戦歴がある。また、山川は少し古い話にはなるが、「太陽拳」と呼ばれる一世を風靡したデッキの産みの親だ。
まずは斎藤と木村の1ゲーム目をご紹介しよう。
C卓:斎藤 友晴(東京) vs. 木村 卓人(神奈川)
斎藤は緑青というカラーリングで、緑の大きなクリーチャーを青のバウンスカードなどでサポートする構成のデッキを組んでいる。一方の木村は黒白をメインに据え、タッチ赤をした、除去コントロールを構築している。
1ゲーム目の序盤は、木村が出した《エイスリオスの学者》が最初のクリーチャーとなった。このクリーチャーをアタックに行かせないために、斎藤が出した《ネシアンの狩猟者》《ナイレアの信奉者》は木村の《稲妻の一撃》《パーフォロスの激怒》でいずれも除去され、《エイスリオスの学者》がこつこつと殴る展開となった。たかだかパワーを1しか持たないクリーチャーの攻撃を通すために、除去を手なりに使っていくということから想像するに、木村はかなり除去カードが豊富なデッキを構築しているようだ。
木村 卓人 |
斎藤の出した《高木の巨人》が《岩への繋ぎ止め》で除去され、さらに木村の場には《形見持ちのゴルゴン》が追加されることで、ダメージクロックが3点となる。斎藤は《ケンタウルスの戦上手》を出して、さらにトップデッキした《職工の悲しみ》で《岩への繋ぎ止め》を破壊することで、逆に殴り返せる盤面を作り上げる。
しかし、ここから盤面はダイナミックに動き出す。殴りかかった《ケンタウルスの戦上手》は木村のハンドから出てくる《神聖なる評決》にて挫かれ、さらに木村の手札から出てくる《太陽の勇者、エルズペス》!
《太陽の勇者、エルズペス》の[-3]能力に対して、2マナを余し手札に《航海の終わり》を抱えていた斎藤は、《高木の巨人》を救出するか悩む。結局救いの手は出さず《高木の巨人》は墓地へ。そして《航海の終わり》は《太陽の勇者、エルズペス》を倒すには邪魔となる《形見持ちのゴルゴン》へと使用される。
斎藤は《巨体の狐》を出して、《太陽の勇者、エルズペス》へ殴りかかる体制を見せる。対する木村はバウンスによるテンポロスをケアしつつ相手の手札の脅威を取り除き安全性を確保するため、《形見持ちのゴルゴン》ではなく、《フィナックスの信奉者》を出して《食餌の時間》を斎藤の手札から落とす。
木村にとっては、とりあえず盤面だけで見れば、《巨体の狐》も止められる陣容を確保できたと安心できる状況になったが、ここで斎藤のトップは《葉冠のドライアド》! 《巨体の狐》に授与し、《太陽の勇者、エルズペス》を守るためのチャンプブロックを強いる。チャンプブロック後、木村はマナをオープンでターンを返す。斎藤による再度のチャンプブロックを求める《太陽の勇者、エルズペス》への攻撃に対しては、しっかり《鞭の一振り》で《巨体の狐》をキャッチ。
ここでの盤面は、斎藤側に《葉冠のドライアド》に対して、木村側にはトークンが多数。さすがに完全に木村が場を支配しこのままゲームエンドを迎えるかと思われたが、まだ白熱のトップデッキ合戦が繰り広げられた。斎藤が《雨雲のナイアード》をトップし、飛行クリーチャーになった《葉冠のドライアド》で《太陽の勇者、エルズペス》を盤面から消し去ろうとするも、伊藤もトップしていた《ファリカの療法》で《葉冠のドライアド》を除去。さらに斎藤が《タッサの使者》をトップし、ついに《太陽の勇者、エルズペス》を盤面から墓地に追いやることに成功する。兵士トークンは残っているが、斎藤がぎりぎり持ちこたえられるかという盤面となった。しかし、対する伊藤のトップは斎藤の盤面を崩壊させる《落岩》!! 次ゲームへと進むことになった。
《落岩》によるフィニッシュは、あまり使われないカードということもあり、ニコニコ生放送でも話題になっていたようだ。ここで、筆者の個人談で申し訳ないが《落岩》についてのお話を少し。グランプリ香港で斎藤と同室だった私は、彼にシールドの構築についてアドバイスを受けていた。そんな中で、「コントロール気味に組んだデッキなら《落岩》はプレイアブル。かなり好きなカードだよ」という斎藤のコメントが頭に残っていたのだ。そんな《落岩》が斎藤を介錯するとは。斎藤も笑いながら、そのカードそういうデッキで強いよねと。
斎藤 1-0 木村
ここで、視線をA卓に向けてみよう。
A卓:八十岡 翔太(東京) vs. 伊藤 光英(埼玉)
伊藤 光英 |
八十岡が1ゲームを先取しての2ゲーム目。八十岡のカラーリングは青黒、対しての伊藤は緑白である。
伊藤の《彼方の工作員》を八十岡が《ファリカの療法》で除去、しかしながら伊藤の《羊毛鬣のライオン》と《ネシアンのアスプ》が八十岡に殴りかかる盤面となり、八十岡は細かいクリーチャに《エレボスの鞭》で絆魂をつけ殴り返すことで、ライフの減少を最小限に食い止めようとしている状況。伊藤の《職工の悲しみ》が《エレボスの鞭》を破壊し、天秤が一気に傾きかける。しかし、ここから八十岡が召喚したのは《忌まわしき首領》。
6/6飛行が数体のお供を連れて降臨する。八十岡の《アクロスの木馬》と《忌まわしき首領》のコンボも成立し、ジリ貧となった伊藤に残された手立ては無かった。
八十岡 2-0 伊藤
チーム八十岡/森/斎藤 1-0 チーム伊藤/山川/木村
八十岡 翔太 |
B卓:森 勝洋(東京) vs. 山川 洋明(東京)
B卓は開始10分足らずで山川の勝利が決定しており、マッチの結果は斎藤と木村の対戦結果に委ねられることとなった。
森 0-2 山川
チーム八十岡/森/斎藤 1-1 チーム伊藤/山川/木村
C卓:斎藤 友晴(東京) vs.木村 卓人(東京)
斎藤 友晴 |
2ゲーム目は木村のダブルマリガンにより、斎藤の一方的な攻撃でゲームが終わってしまった。3ゲーム目、なんと、木村にまたも不運が襲いかかる。先手ダブルマリガンという、圧倒的不利な状況からゲームをスタートさせることとなってしまったのだ。
それでも、《岩への繋ぎ止め》、《悪意の幻霊》などで盤面を構築して、ハンド差はあるものの斎藤の巨大クリーチャーに対抗できる状況を作り上げる。
斎藤は《巨体の狐》を出すものの、《悪意の幻霊》との交換は美味しくないと考え、なかなか攻撃に行けない。
しかしながら、この均衡はたった一枚のサイドカードで崩壊する。そのカードは《速羽根のサンダル》。
《巨体の狐》が《速羽根のサンダル》を履き悠々と空から攻撃をし始めると、それに対向する手段を引けなかった木村はカードを片付けるしかなかった。
斎藤 2-1 木村
チーム八十岡/森/斎藤 2-1 チーム伊藤/山川/木村
チーム八十岡/森/斎藤はまたひとつ初日突破への歩みを進めることとなった。
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