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グランプリ・神戸12
Round 4: 八朔 人平(京都) vs. 永井 守(神奈川)
By Yusuke Yoshikawa
最大3回戦の不戦勝が明け、名だたるプレイヤーが登場する第4回戦。
ここでは、プロツアー・闇の隆盛トップ4の永井 守に登場いただこう。
対戦相手の八朔 人平も、日本選手権・Finalsのトップ8経験があるプレイヤーだ。
「いま乗りに乗ってる永井さんじゃないですか」
さっそく八朔がジャブを繰り出す。
「どうしんたんですかそのTシャツ」
視線は永井がまとっているオレンジ色のTシャツに向く。
「いや、着てくれって頼まれて...」
少し緊張をまとったその声に、永井の人柄が垣間見られる。
誰しも初戦は緊張するもの。
プロツアーサンデーを経て、凱旋初戦のマッチはいかに。
永井 守
ダイスロールで勝利した永井が後攻を選択。互いにマリガンなく、ゲームがスタートする。
八朔が《平地》《山》、永井が《森》《島》と並べるのみの序盤戦、開幕を告げたのは八朔の《自堕落な後継者》、永井もこれに《片目のカカシ》で返す、八朔は《茜の狼》を追加。
永井はしばし考えたのち、《果樹園の霊魂》を出してから《茜の狼》に《静かな旅立ち》でテンポを取りに行く。
八朔は代わりに《スレイベンの純血種》をキャストし、永井が《果樹園の霊魂》で先行する展開となった。永井は攻撃後に《エストワルドの村人》を追加。
八朔の《スレイベンの純血種》の攻撃を少し考えてブロックせず、八朔は3/3バニラを戦場に送り直してターン終了。
ほぼバニラの応酬が続く中、まず永井が盤面を動かしに行く。《魂を捕えるもの》だ。
しかしこれでフルタップになった永井に、八朔は《自堕落な後継者》込みでフルアタック。永井は《自堕落な後継者》を《片目のカカシ》で受け止めるのみとするが、これに《熟練の突き》が飛んできて、永井は守りを1枚失い6点ダメージ。八朔は戦闘後に2/3《暴動の小悪魔》を追加。
永井は《果樹園の霊魂》と《魂を捕えるもの》で攻撃し、《恐ろしい憑依》によって《スレイベンの純血種》を捕らえた。
続く《甲冑のスカーブ》から墓地に落ちた《群れに餌》に、八朔がわずかに頷く。
実質バニラの八朔の攻撃を、見た目上は受け止められている永井だが、これに手札2枚の八朔がフルアタック。対応を促すようにレッドゾーンに押しこむ。
永井は首をひねりつつ、《自堕落な後継者》を《エストワルドの村人》で、《炉の小悪魔》を《甲冑のスカーブ》でブロックし、《茜の狼》の3点を通す。八朔はこれにトリックなし。3点のダメージと、《自堕落な後継者》が実質交換になる。
八朔は戦闘後、《狂気の残骸》を《エストワルドの村人》にキャストして除去。土地を置いて、手札はゼロとなった。
永井は突然死に注意しながら、《旅行者の護符》で《平地》を持ってきつつ、《森林の捜索者》で守りを固めて捕らえた《スレイベンの純血種》と《果樹園の霊魂》で攻撃、押し返す。
八朔は引いたカードを見て少し悩みながら、攻撃せずターンエンド。
永井も応えるように、《果樹園の霊魂》のみで攻撃。そして《夜明けのレインジャー》を追加。
八朔はアクション無し。
永井の《夜明けのレインジャー》が《黄昏の捕食者》に変身するが、赤マナソースはない。
ポーカーフェイスで待ち受ける八朔に、《スレイベンの純血種》《果樹園の霊魂》そして《黄昏の捕食者》で攻撃。
《村の鐘鳴らし》をブロック要員に追加した八朔は、《黄昏の捕食者》をダブルブロックで討ち取りつつ《スレイベンの純血種》の致命的な一撃を受け止める。しかし思ったほどの戦果とは言いがたい。
八朔は引いた《銀筋毛の狐》で《恐ろしい憑依》を追放し、《スレイベンの純血種》を取り返してはみるが、《果樹園の霊魂》への回答は得られないのだった。
八朔 0-1 永井
八朔 人平
永井が緑青タッチ白、八朔が白赤ということが互いに知られたところで、両者は数枚のカードを入れ替えて第2ゲームに臨む。メインでは使わなかったカードを上手く扱うことも、シールド戦では小さくない要素だ。
「後手です、先手どうぞ」
選択権を得た八朔が促して、第2ゲームがスタート。先攻となった永井がマリガン、八朔がキープ。
まあまあ、といった顔で永井が6枚をキープ、《若き狼》からゲームが始まった。
八朔はファーストアクションとなる第2ターン、少し考えて《物騒な群衆》を送る。永井は《進化する未開地》から2枚目の《森》を持ってくる。
3色デッキとしてはやや異質の動きだが、{G}{G}を要求する呪文を感じさせる。
続いて永井は《島》から《甲冑のスカーブ》。これで、《果樹園の霊魂》《ただれ皮の猪》と《夜明けのレインジャー》に土地という、内容の濃い4枚が墓地に送られる。
八朔は3枚目の土地を置くことができず、《銀筋毛の狐》をプレイしてターンを返す。
一方の永井も攻撃には行かず、さきの3枚を利用して《首無しスカーブ》(《ただれ皮の猪》を追放)を追加するのみ。
八朔もメインで《村の鐘鳴らし》を追加。
ここで、永井の《高まる残虐性》により、《首無しスカーブ》が8/11というモンスターに変身。この攻撃を八朔はブロックせず8点を受ける。
しかし、モンスターになったがゆえ、4枚目の土地を置いた八朔の《大物潰し》に遭う。
永井の《魂を捕えるもの》はすぐに《小悪魔の遊び》X=3で対処し、次の戦力が《片目のカカシ》なのに対し八朔は《忠実な聖戦士》《自堕落な後継者》と押し返す様相。
永井がこれといった追加戦力を出せないまま、八朔はフラッシュバック《小悪魔の遊び》で《片目のカカシ》を除去、次のターンも何もない永井に対し《自堕落な後継者》《銀筋毛の狐》、《忠実な聖戦士》をレッドゾーンに送る。
永井は《若き狼》《甲冑のスカーブ》で《自堕落な後継者》をブロック、《自堕落な後継者》が失われて《若き狼》が「不死」で2/2になり、4点が通る。
永井は相手の戦力を削るべく《捕食》を狙うが、これに合わせ《不死の火》で「種」の《若き狼》が退場。徐々に永井に打つ手がなくなってくる。
ここぞとばかりに押しこむ八朔。白い軍団がレッドゾーンを駆けて、さらに《町民の結集》。《甲冑のスカーブ》1体のみでは支えるのは厳しいか。
《閉所恐怖症》で2/2《物騒な群衆》は足止めするものの、単体への対応ではとても間に合わないのだった。
八朔 1-1 永井
互いに交わすやり取りは少ないが、テンポよくゲームが進んでいくこのマッチ。
第3ゲームを前に、八朔がタイマーを確認する。残り16分と十分のようだ。
9枚目の土地を力強く置くと、八朔が墓地から《高まる献身》を提示してみせる。
ギャラリーのどこからかわずかな悲鳴が聞こえ、永井も頭をひねってはみるものの、のべ15体の人間の力を前には、膝を屈するしかないのだった。
八朔 2-1 永井
「シールドとかいっぱいやってるんですか?」
勝負の緊迫を抜け、八朔がフレンドリーに聞いた。
「PTQとかの練習で。でもこの環境はまだ3回しか...」
緊張から解放された様子のある永井もそう答える。
「勢いのある人に勝ってしまった」
八朔の言葉に、永井も苦笑いしながら、
「レア、強いですね」
「レア、強いねえ。使うためにこの色にしたよ」
永井が八朔のトークンカードを指して言う。
「それ、いいですね」
「ありがとう。1個あげるよ」
それまでに何のやり取りのなかった相手と、ゲームを通して交流できるのも、楽しみのひとつ。
Game 1
Game 2
Game 3
先ほど同様に、永井が後手を選ぶ立ち上がり。 八朔がすぐに、永井も少し考えてキープして幕が開いた。 永井の《若き狼》、八朔の《物騒な群衆》と、第2ゲームと似た立ち上がり。 違うのは続きで、永井の《捕食》。これで《物騒な群衆》を除去しつつ、《若き狼》が「不死」して2/2となる。 八朔は《やじる悪鬼》を追加。永井は《若き狼》で攻撃を続ける。 この《やじる悪鬼》には《処刑人の頭巾》が装備されて攻撃するが、永井の《静かな旅立ち》がテンポを阻害する。 「高まる」のは永井だけではない、とばかりに《高まる献身》をキャスト。八朔がマスコットとして使っている、5の数字が書かれたイラストのカードが、5体の人間・トークンとしてテーブルに並ぶ。 これに永井は2/2《若き狼》で攻撃、八朔の人間2体と交換。 そして現れた5/5《ただれ皮の猪》だが、《狂気の残骸》が飛ぶ。ここには永井の《救助の手》が差し伸べられるが、「陰鬱」が帳消しに。 出し直された3/3《ただれ皮の猪》に向かって、再登場した《やじる悪鬼》の攻撃。手札1枚の八朔を見て永井はブロックを宣言するが、この1枚が《熟練の突き》。 互いに薄いリソースの中、永井は《魂を捕えるもの》で何とかしていきたいが、《処刑人の頭巾》がどうにもブロックの邪魔をする。 追加された《壺のニブリス》を見つつ、《魂を捕えるもの》で攻撃。これがブロックされなかった結果、《やじる悪鬼》に《恐ろしい憑依》する。 そして2枚目の《魂を捕えるもの》が登場。これで永井の手札もゼロ。 それでも、永井の2枚目の《恐ろしい憑依》が《壺のニブリス》を奪い、《執拗なスカーブ》が登場して、互いに手札を消耗しきって盤面が止まったかに見えた。 しかし、その中で輝くリソースがあった。RESULTS 本大会の対戦結果・順位
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