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グランプリ・香港2017

観戦記事

第11回戦:瀧村 和幸(東京) vs. Felix Tse(カナダ)

By Masashi Koyama

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 プロツアー『戦乱のゼンディカー』王者、瀧村 和幸。

 グランプリ・京都2016も制し、プレミア・イベントでふたつのタイトルを持つ強者にしてリミテッド巧者がこのグランプリでも上位につけている。

 ゴールドレベル・プロとして臨む今シーズン。来週のプロツアー『イクサラン』へ向けて好成績を残し弾みをつけたいところだ。

 瀧村がピックしたのは白赤の恐竜デッキであり、彼のドラフトはこちらの記事で追いかけることができる。

 その瀧村に対するはカナダのフェリックス・ツィ/Felix Tse。彼もここまで1敗と勝ち上がっており環境の本命である白黒吸血鬼デッキをドラフトしている。

 トップ8へ向けて1敗を維持するのはどちらか?

 正午を迎えようとする会場に試合開始のアナウンスが響き渡った。


瀧村 和幸 vs. フェリックス・ツィ
ゲーム1

 先手ツィが《女王湾の兵士》、瀧村が《オテペクの猟匠》という立ち上がり。ツィはさらに《巧射艦隊の拷問者》でマリガンした瀧村の手札を攻めて行く。

 一方、瀧村は《猛竜の群れ》からすれ違いにアタックし、ツィの召喚した《凶兆艦隊の侵入者》を《火炎砲発射》するが、ここで土地が《》3枚で止まってしまい後続を展開できない。

 《猛竜の群れ》を立たせてターンを終えた瀧村に対し、ツィは構わず《女王湾の兵士》と《凶兆艦隊の侵入者》でアタック。コンバットトリックが透けるアタックに瀧村はスルー。ライフはツィ16、瀧村10。

 4枚目の土地を引き込めない瀧村はアクション無くターンを返す。瀧村はマナがフルオープンではあるのだが、ツィは構わずアタックを敢行。この戦闘でコンバットトリックが絡み、《猛竜の群れ》が討ち取られてしまうことになった瀧村は、すぐさまライブラリーに手をかけたのだった。

瀧村 0-1 ツィ


ゲーム2

 今度は瀧村にマリガンはなく、《オテペクの猟匠》から《ティロナーリの騎士》と続けるが、土地が《》《平地》の2枚で止まってしまう。

 が、ツィの初動は3ターン目の《海賊のカットラス》という悠長なもので、瀧村は《キンジャーリの陽光翼》《司教の兵士》と土地が2枚ながらも横に展開を続けていく。

 ツィは《凶兆艦隊の侵入者》《輝くエアロサウルス》と4ターン目にしてようやくクリーチャーを展開し始めるが、《キンジャーリの陽光翼》の能力により、ブロッカーとしての役割を果たすまでにタイムラグが生じてしまっており、5ターン目にしてライフは早くも8まで削り取られてしまっている。

 瀧村はフルアタック。《凶兆艦隊の侵入者》が《輝くエアロサウルス》をブロックしたところで《防護の光》を打ち込み、アタッカーの数を維持しながらツィのライフを2まで落とし込む。

 しかし、ツィはここで値千金の《駆り立てる僧侶》。これでツィのライフが6に回復すると、瀧村は一度攻勢の手綱を緩める。瀧村はここに来て土地を引き込み始めており、《猛竜の群れ》《かき回すゴブリン》と横に戦線を伸ばしつつ手札も整えることができる状態となり、中長期線も見据えることができる体制に入った。


瀧村 和幸

 依然として攻勢に回れないツィ。瀧村はそれを尻目にゲームを決めうる《薄暮の賛美者》と《吠えるイージサウルス》!

 《吠えるイージサウルス》は戦闘で失ってしまうものの、自軍を強化した瀧村。一方のツィは《崇高な阻止》で《薄暮の賛美者》を止めると、《司教の兵士》に《海賊のカットラス》を装備し攻撃。一時は2まで減ったライフが12まで回復する。

 が、瀧村は《火炎砲発射》で《駆り立てる僧侶》を除去しフルアタック。ツィのライフを6まで削ると、返すターンもフルアタック。ツィがブロックを割り振ったところで手札から《恐竜暴走》を提示したのだった。

瀧村 1-1 ツィ


ゲーム3

 ともにワンマリガンから、ツィが《女王湾の兵士》、瀧村が《ティロナーリの騎士》と、お互い2ターン目から動き始めるスタート。

 ツィは《女王の任命》を唱える。瀧村は《ティロナーリの騎士》2体目を召喚するが、またしても土地が2枚で止まってしまう。それでもすぐに3枚目の土地を引き込み、《オテペクの猟匠》を続ける。

 瀧村は《かき回すゴブリン》、ツィは《隠れ潜むチュパカブラ》でそれぞれ長期戦も視野に入れた展開だが、瀧村はすぐさま《火炎砲発射》で《隠れ潜むチュパカブラ》を除去する。返すツィは《凶兆艦隊の侵入者》。すんでのところで《隠れ潜むチュパカブラ》による一方的な殺戮を回避する。

 手札が順調に循環する瀧村は《空の恐怖》を降り立たせ《ティロナーリの騎士》で攻撃。《女王湾の兵士》と《凶兆艦隊の侵入者》(ともに2/2)のダブルブロックに対し、《吸血鬼の士気》で1対2交換を取り、一気に盤面を優位に持ち込む。

 ツィは《輝くエアロサウルス》を召喚し瀧村へダメージを与え始めるが、瀧村は《吠えるイージサウルス》を追加し、厳しい攻め手を継続する。ライフは瀧村17、ツィが9となる。

 ツィは《聖域探究者》でライフを13まで引き上げつつ、瀧村のライフを12まで削りライフ上では逆転するが、盤面上は瀧村が優勢だ。

 返す瀧村のアタックでツィのライフが8まで削られ、さらにブロックに回った《聖域探究者》が《風雲艦隊の紅蓮術士》で除去され、絶体絶命のツィ。


フェリックス・ツィ

 が、ツィは粘る。《流血の空渡り》でライフを吸い取りつつ《輝くエアロサウルス》で攻撃し、瀧村のライフは8と、こちらもまた危険水域に。

 ツィは《流血の空渡り》と《輝くエアロサウルス》で攻撃、瀧村のライフは3とする。見た目上は続くターンの攻撃でも《空の恐怖》をブロッカーに立たせられると瀧村のライフは1点残るように思われる。

 ここが考えどころの瀧村は《かき回すゴブリン》を起動。結果、《空の恐怖》を残し、《吠えるイージサウルス》と《オテペクの猟匠》でアタック。続くターンにツィのライフを削りきれるところまで追い詰める。

 そしてツィは最後のターンを迎え、ライブラリーからカードをそっと引き込む。カードを確認すると、《輝くエアロサウルス》と《流血の空渡り》での攻撃を宣言する。

 《輝くエアロサウルス》をブロックするしかない瀧村。落ち着いてブロックを宣言すると、ツィは震える手で呪文のプレイを宣言する――

 最後の1点を埋めるピースを、ツィは土壇場で手にしていたのだった。

瀧村 1-2 ツィ

フェリックス・ツィが勝利し1敗を堅持!
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