By Takeshi Miyasaka
決勝への細い道をかけた最後のフィーチャーへ呼ばれた二人。最終戦のフィーチャーマッチは、合意の上の引き分け、いわゆる ID ができないラインのテーブルから選ばれることが多い。
岩崎 「とにかく(プロツアー「闇の隆盛」の)権利が欲しいんですよ」
大礒は最後の試合で「下当たり」をしてしまった。同じポイント同士であれば ID も選ぶことができただろうが、この場合ガチるしかない。岩崎自身はプレイオフへの目はほぼなく、「勝っても 9 位」らしいが、ID してしまうと彼が欲しているプロツアーの権利が発生する 16 位以内も怪しいそう。
大礒 「そっちが ID で権利取れるならそれでもいいんですけどね。まあやりますか」
権利が欲しい岩崎と、地元のグランプリでどうしてもプレイオフへ進出したい大礒。それぞれの目標とプライドと生き残りをかけた真剣勝負が、いま、始まる。
Game 1
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大礒 正嗣 | |
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先攻は大礒。ハンドを確認してすぐキープ宣言した大礒に対し、何度も首をひねりながら7枚のハンドを吟味する岩崎。十分に検討後岩崎は首を縦に振った。
最初のアクションは岩崎から。《》が戦場へ追加されたエンドに、まずは《》でカードを 1 枚獲得する大礒。十分悩んでからさらにメインで《》をプレイし、獲得した《》を追加する。
岩崎は《》で殴ってから、《》をプレイ。+1/+1 カウンターを 2 つ載せて戦場へ登場する。大礒は土地が詰まった模様で、4 枚目の土地をプレイすることなくターンを終える。
押せ押せモードの岩崎は《》をプレイするが、これは《》されて実らず。《》が戦場を駆け抜ける。
カウンターしたことで引き増しできなかった大礒だが、無事に 3 枚目の《》をプレイしてマナスクリューは回避。ターン終了時に《》は 3/3 へ成長する。
《》をプレイした岩崎はフルタップで《》をプレイするが、《》の餌食とする大礒。
《》と《》がレッドゾーンへ送り込まれ 5 点のダメージを受けた大礒のライフはすでに 11 だ。
しかし大礒にできることはドローゴー。
岩崎は大礒とは対照的に毎ターン土地をプレイし、毎ターンクリーチャーをプレイしている。このターンも《》をスタックへ。
大礒 「手札は?」
岩崎 「2 枚ですね」
カウンターするか長考に入る大礒。
大礒 「きついきついわ。マジきつい」
岩崎 「ですよね」
土地が詰まっているということは、逆に言えば手札には呪文があふれているということ。大礒は対応して《》を《》へプレイする。《》が死にゆく前に能力を起動し、《》へ +1/+1 カウンターが置かれて 3/2 となる。その後《》が解決され、3/3 ゴーレム・トークンとともに戦場へ姿を見せる。
大きくなった《》が大礒へと襲いかかるが、これは《》にがっちりキャッチされて土地へと姿を変える。
ゴーレムへの回答として大礒は《》を。岩崎は当然のようにゴーレムと《》で攻撃するが、《》でトークンを屠り、《》をテイクしてライフは 10。
戦闘後に《》が登場し、ガラクの能力で 2/2 狼が戦線に追加される。さらに《》もプレイする岩崎だったが、これは大礒が《》で許さない。
しかし、すでにライフが半減している大礒は手をこまねいているわけにはいかない。トークン生成装置であるプレインズウォーカーがガンである・・・と思ったかどうかはわからないが、悩みはするものの大礒にできたことはドローゴー。
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岩崎 裕輔 |
岩崎は狼を生産してから 2/2 狼と《》でアタック。
ブロック前に《》をプレイした大礒は、《》を対象に指定する。
岩崎も《》を起動し、狼 2 体をそれぞれ 3/3、《》を 2/2 へとサイズアップするが、冷静に大礒は狼を《》し、《》を《》で相打ちに取ってライフの損失を抑えた。
ビッグターンを乗り切った大礒は、土地をプレイして 5 マナを自由にするとそのままゴーのサイン。さらに岩崎が《》で狼を生産するのに対応して、《》をプレイ! 3/3 の狼が生け贄に捧げられ、大礒は 3 点ライフを獲得してトータルを 13 に引き上げる。
追加の土地が欲しい大礒はメインで《》をフラッシュバックしたが土地には出会えず。岩崎は余ったマナで《》を起動して狼を 3/3 へ。
さらにメインで狼を追加してから《》をプレイするが、これはみたび《》の憂き目にあう。
おとなしく 3/3 狼で攻撃し、《》を起動してサイズを上げて大礒へ 4 点ダメージ。大礒のライフは 9 点となる。
大礒のドローは待望の土地。6 枚目の土地をセットしてからしばし熟慮する。墓地と手札を確認して熟慮する。
逡巡した後で、吹っ切れたように息を吐いてから《》をインプレイ。
しかし、大礒の願いもむなしく、悪魔は《》によって追放されてしまうのだった。
岩崎 1-0 大礒
Game 2
仲がいい友人同士のフィーチャーマッチとは対照的に、二人とも黙ってサイドボードを終え、黙々とシャッフルをする。プレイオフへ進出、あるいはプロツアーへの招待権を手に入れるのはいずれか一人。そのただ一人になるために、勝者の栄光をつかむために、彼らはカードを入れ替え、自身の武器を念入りにシャッフルする。
大礒 「先攻です」
ぽそりとつぶやいた大礒は、さっきよりも大きな声でキープを宣言。ファーストアクションは岩崎の《》。そのターン終了時に《》をプレイする大礒、だが。
大礒 「おいおいおい」
岩崎 「まさか」
《》《》に続く土地をプレイできずターンを返す。岩崎は酔いがあけた《》を戦闘へ駆りだし、《》でプレッシャーをかけるが、さすがにこれは大礒に《》される。大礒は苦笑しながら《》をタップイン。
大礒がエンストしている間に岩崎は攻め続ける。《》でダメージを累積してから《》を戦場へ追加する。大礒は《》をプレイして迎えたターン、そのまま《》をメインでプレイし、4 つめの土地として《》をプレイしてターンを返す。
《》セットから《》をプレイした岩崎は、「さすがにこっちか」とつぶやきながらこれを《》へ装備し、《》とともにレッドゾーンへ。両方でアタック。一撃 8 点のダメージを受けた大礒のライフは残り 8 となる。大礒のハンドからは《》がこぼれる。
さらにアンタップした土地から《》をプレイ、3/3 ゴーレム・トークンとともに戦場へ追加するとターンを終える。祈るように、手を合わせながら。
もはや後がない大礒は、戦場を眺め、手札を眺め、思慮の海へ。
大礒 「ちくしょーっ!」
そうつぶやいてから、X=2 で《》を。剣を装備した《》とゴーレムがそれぞれ 4/4、1/1 にサイズダウンし、《》は《》へと変換され、《》は墓地へ。十分なトレードをした大礒は、追加の土地はプレイできずにこのターンを終える。
黒い太陽から生き残ったクリーチャーたちは戦場へとかり出され、《》の力で -1/-1 カウンターがそれぞれ一つずつ減じられる。5/5、2/2 となって大礒を襲って、手札とライフをもぎ取った。もはや大礒はライフを支払うことも許されない。
土地をアンタップした岩崎はダメ押しに《》を追加。
ここから大礒が戦況をひっくり返すためには、次のドローも《》である必要があるのだが。
......大礒は、苦笑しながら土地を片付けた。
岩崎 2-0 大礒
岩崎 「なんかすみません。(目がないのに)ガチっちゃって......」
大礒 「いや、権利がかかってた試合だし、気にしてないすよ」
勝負を終えた二人の元に友人たちが駆け寄り声をかける。二日間、15ラウンドに及んだ予選を経て、岩崎と大礒のグランプリ・広島はここで幕を閉じた。