読み物
Round 6: 浅原 晃(東京) vs. 平林 和哉(福岡)
By Shiro Wakayama
浅原 「ソーラーフレアと青黒の対決だから、カバレージはしょる準備しといたほうがいっすよ。」
平林 「《》によってライブラリがゼロになった。って書いとくと、どっかで使えると思うよ?」
鬼才の持ち主として、mtg-jp.com をはじめとした様々な媒体で、感動と笑いを届ける浅原 晃。
対戦相手は、いぶし銀と言えばこの人。プレミアイベントの度に在住都道府県が違うのでは?と思われるほどに各地を転々とする平林 和哉。今は福岡に住んでいるそうだ。
いつ終わるのか全く分からない、長いゲームになるであろうこのマッチ。勝利の女神は、どちらに微笑むのか。
Game 1
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浅原 晃 | |
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土地を置き続ける立ち上がりから、浅原の《》を《》した平林は、《》を表裏。
ランドの置き合いは、浅原が4枚で早々に脱落し、マナ差が2に広がる。
しかし平林和哉は焦らない。淡々と土地を置き続け、浅原が何とか土地に辿り着いてもお構いなしに《》でさらに土地を置き続ける。
この対決が、非常に時間がかかるものだとわかっている二人のプレイは、とても速い。
よく考えて正解に辿り着こうとすることは、深慮故に引き分けてしまう事に直結することが多い。
厳しいトーナメントに置いて、引き分けは悪だ。引き分けは、同様に引き分けたコントロールデッキとのマッチアップの可能性を高め、負のスパイラルへと突入しだす。
などと、それっぽいことを書こうとしていると、浅原がおもむろに動き出す。
《》によってドロースペルをフラッシュバックし、小さいクロックをお互いに用意するが、これは《》と《》でそれぞれに除去し、しばしの静寂が訪れる。
この静寂の後、お互いの土地が10枚を超え、《》の効果が薄くなってきた頃合いと浅原は感じたのだろうか。 手始めに《》をプレイし、これは《》で即退場。次なるターンにも《》。これも《》でカウンター。
さらに《》をプレイするがこれは《》でカウンターする。
不用意なフルタップを防ぐため、浅原は手札にカウンターを抱えながらも深追いしないで、フィニッシャーの数が少なくカウンターの数が多いであろう平林の消耗を誘う。
だが、度重なるドロースペルの連打によって、ライブラリに少し不安が出てきた両者。
そもそもメインデッキの構成をライブラリーアウトに寄せている平林と、最終的に《》や《》、《》によって制圧することでゲームを勝利するを主な勝利手段としている浅原では、同じ状況でも、立ち位置は異なる。
平林 「早くどっちかが《》引いてゲーム終わりたいんだけど。」
のんびりと、もはや無我の境地とも言えるような、菩薩かと思える落ち着いた表情で平林が呟いていると、ここで浅原が大きく動く。
《》をプレイし、これを巡って、
浅原:《》2枚
平林:《》2枚と《》
とカウンター合戦が開催され、浅原は何も展開できずにフルタップに。
これに対して、平林は《》をプレイして、一気にゲームを決めにかかる。
だが、長らく続いていたドローゴーの後、両者手数が尽きたわけではない。
《》で《》をバラした後に、《》で場を一掃。さらに、《》をプレイする。
しかし、これには《》。貴重なフラッシュバックスペルが追放されてはいけないと、自らの《》に《》をプレイする浅原。既に土地の数は15枚を超え、ほぼ意味が無くなっている《》を有効活用する。
その後も、《》の誘発型能力で、カウンターの枚数を水増ししながら《》を何とか押し通そうとする浅原だが、ディフェンスに長けた平林のデッキは、ゲームが続いている間終始カウンターを尽きさせることなく、長いGame 1の勝利を、平林へともたらした。
浅原 0-1 平林
平林 「《》どこー? お互い引かないんだけど。」
ライブラリーアウト戦略につながるカードをお互いに引かないため、高い意識で素早いゲームを心掛けている二人の意思とは裏腹に、ゲームは長引き既に25分経過してしまう。
Game 2
お互いにマリガンなし。
サイドボードカードの《》をプレイし、3ターン目、浅原がおもむろにプレイしたのは《》。
これをニヤリとしながら通す平林。「一回それに負けたんだよねー。やべーなー。」と呟きながらも、焦る表情は見せずに《》、《》と、手札の整理に余念が無い。
だが、そんな平林も、4点クロックの前にはそうそう悠長なことも言っていられない。既に4度にわたる浅原の攻撃で、ライフは既に残り4。
平林が、厳しいながらも《》で浅原のライブラリを3枚墓地へと落とし、さらにフルタップで《》をプレイ。先ほど《》で墓地に落ちた《》をフラッシュバック化指定して、浅原の墓地、そしてもしかすると手札から、《》をリムーブしようと画策するのだが、これは《》を爆発させて、《》自体をリムーブさせる。
《》を《》でブロックする不毛な状態から、何とか《》に辿り着いた平林だが、これを《》→マナ支払い→《》から再び《》と完璧に捌かれ、投了。
浅原 1-1 平林
Game 3
Game 3もお互いにマリガンなし。
今度は《》をきっちりと《》し、Game 1よろしく、土地を置きあうゲームが再開される。
お決まりの、《》と《》による手札整理をお互いに行う。
《》2枚と《》1枚と、同じ枚数ライブラリを堀り合い、やはり先に動いたのは、低マナ域のフィニッシャーを擁する浅原。
《》をプレイして、プレッシャーをかけにかかる。
これは通るものの、即《》で対処。
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平林 和哉 |
静かにターンを返し続ける平林だが、ここで《》をドロー。いつもよりも少しだけ力強く土地を置きターンを返そうとする。
だが、平林のターン終了時にプレイした浅原の《》を見届けると、ここで《》をプレイして、浅原の《》をリムーブする。
ここで公開された浅原の手札は、《》《》《》《》《》《》。非常に強力なハンドを見ながら、《》が手札に無いことを嘆く平林。
だが、《》という、ヘビーコントロール対決で、しかも墓地を有効に使えるデッキ同士の対決で、このカードがプレイされる選択肢を完全にゼロにしたのは大きなアドバンテージである。
平林の《》は早々に《》によって破壊され、浅原は、少ない残り時間で勝利をつかむために、アクティブに動く。
まずは《》をプレイ。《》をプレイする平林に対して、3マナ支払う浅原。大きく悩んだ後、《》をプレイして、墓地の《》を対象に取る。残り2マナの浅原はこのタイミングで《》をプレイ。《》の対象となった《》もろとも、平林の墓地リソースをすべて吹き飛ばす。
しかし、これで対応策がなくなったわけでもなく、手札から《》をプレイする平林。
平林のマナが寝たところで、やっと浅原が《》。何とか《》を戦場に立たすことに成功する。
《》能力を起動して、《》を倒した上で、ターンを返す。
だが、フルタップで無防備になった浅原に対して、平林の《》が襲いかかる。
お互いに、ゲームを決めうるパーマネントを展開するのだが、ターンが浅原にわたったところで、時間終了。残りは5ターン。互いに、残り限られた時間を使って、限りなく細い勝利への道を模索するために、深い思考の海にダイヴする。
浅原が《》をプレイ。平林のライブラリを数え、ギリギリ削れるプランを構築して、ターンを平林へと渡す。が、ここで平林がプレイするのは、《》。《》を奪い、逆にライブラリアウトの危機が浅原へと振りかかる。
しかし、最終的に浅原のライブラリをギリギリ残り6枚まで削るのだが、ここまでたどり着いたのは延長5ターン目となる、平林の最終ターン。《》の能力を浅原に起動しても、最終的な敗北条件は「カードを引けない」であるため、このままでは勝ちとならない。
ライブラリに残った《》を求めて、《》でのフラッシュバック前提で自らのライブラリを《》の能力で削る。
ターンを終了し、引き分けが決まった後にめくった、平林のたった3枚のライブラリの一番上には《》が。
平林 「《》全然引かないし、《》も引かないし、ひどいよー。」
対コントロール対策カードをお互いにあまり引かなかったことにより、まったく「はしょる」ところが無い、濃密なゲームとなったが、勝ち点は痛み分けの1点づつ。
この引き分けがあとでどう響くのだろう。
浅原 1-1-1 平林
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