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グランプリ・広島11

Round 8: 諸藤 拓馬(福岡) vs. 星野 正彰(千葉)
諸藤 「ぼくら 9 連勝中なんですよね」
星野 「お互い前日トライアルからの全勝組で」
日本マジック界の誇るえびす顔、ニコニコ笑顔が似合う 2005 年日本チャンピオン・諸藤拓馬は、席に着くなりマシンガンのようにトークを始めた。
そのトークに付き合う星野 正彰も諸藤と同じくらい饒舌なようで、聞けば星野は関西出身千葉在住とかで、なるほど、と思わずうなずいてしまうサラブレッド。トークが下手過ぎていつもイヤな汗をかいている筆者からすればうらやましい限りである。
諸藤たちの言う 9 連勝とは、前日トライアルで 5 連勝、本日 Bye 明けから 7 回戦まで 4 連勝して迎えた 8 回戦のことを指している。二人ともここまで土つかずできており、デッキの暖まり具合も、十分だろう。
諸藤 「そういえば、今日は 2 種類しか当たってないよ、ケッシグと白緑人間。ラッキーだよね。まあ、ぼくもケッシグなんだけど」
諸藤 拓馬。日本王者の経験もあるこの男はフリートークの最中に情報を引き出す才能があるのか。単になにも考えていないだけなのか。
ニコニコシャッフルしながらあっさりと自分のデッキを「ネタバレ」すると、その心意気に応じたのか諸藤の口車に乗せられて(?)星野までもが対戦前にデッキを暴露し始める。
星野 「教えてもらったから言うけど、ぼくもケッシグですよ!」
諸藤 「じゃあ、先攻大事やんなー」
星野 「ダイスロール超重要ですね」
二人のおかげで《ケッシグの狼の地》ミラーということがゲーム前に明らかとなった全勝対決。前日からの勢いを駆る二人がここで激突するが、10 連勝へ到達できるのは、どちらか一人。
Game 1
![]() | |
| 諸藤 拓馬 | |
Game 2
攻守入れ替わって先攻は星野。先攻の星野はため息をしながら《森》《墨蛾の生息地》とプレイし、諸藤は《根縛りの岩山》《森》から《緑の太陽の頂点》 X=1 で《極楽鳥》を戦場へ。 星野は《根縛りの岩山》セットから《始源のハイドラ》を X=1 で。この爆発的に成長を続けるハイドラは、ミラーマッチで化け物である、と石井"マンモスじゃねーし"泰介は言っていた。 除去できなければ、それはすなわち敗北を意味する。![]() |
| 星野 正彰 |
Game 3
最終ゲームは諸藤が先攻。ハンドを確認するなりキープを宣言する諸藤とは対照的に、一瞥してテイクマリガンする星野。 ケッシグミラーの行方は本当にダイスロールだけで決まってしまうのか。 実際、理想的なハンドでお互いにスタートすれば、一歩早く相手より 6 マナに到達したり、一歩早く相手のマナを縛ることができる分だけ、先攻が有利といえる連綿たる相性差がそこに存在していることは理解している筆者であるが、そこにプレイヤーの技術がまったく介入しないのかと言えば、想像に難くはない。もちろん、ある程度プレイヤーの技術が練習によって平均化されていることを念頭に置いた上での二人のセリフなのだろう。 諸藤 「いやー、先攻強いけんねー。このまま勝ちたいねー」 星野 「そうですよねー。あー、また土地ないわ・・・マリガンです」 大事なところでダブルマリガンとツイてない星野。後手な上に 2 枚少ないハンデで始めることとなった。諸藤は《ラノワールのエルフ》でダッシュするのに対して、星野は《墨蛾の生息地》でエンドする流れ。ともあれ、諸藤もやや無理なハンドでスタートしたのか後続が続かないようで、諸藤の《ラノワールのエルフ》と、星野の《墨蛾の生息地》がともに殴り始めるという不思議な序盤戦が繰り広げられる。 もっとも、この殴り合いは 2 周目に入ったところで《古えの遺恨》が《墨蛾の生息地》を破壊することで終焉を迎える。星野は《極楽鳥》をプレイしてエンドする。 最初の《ラノワールのエルフ》以降土地をプレイして殴るだけが続く諸藤に対し、星野は X=2 で《始源のハイドラ》をプレイ。すわ 2 ゲーム目の再現か、とギャラリーの熱が一瞬上がったような。 「負けそー」と言いながらも諸藤は待望の 5 マナへ到達し、《原初の狩人、ガラク》をプレイ、戦場へ 3/3 ビーストを追加する。 星野は《始源のハイドラ》を 4/4 としてターンを終え、諸藤の《原初の狩人、ガラク》へはアップキープに《内にいる獣》を打ち込んでビーストへと変身させる。 しかし、諸藤は手札に握っていた《原初の狩人、ガラク》をおかわりし、これもビーストを呼び出してターンを終える。 諸藤のコントロール下には《ラノワールのエルフ》《原初の狩人、ガラク》とビーストが 3 体。一方の星野は《始源のハイドラ》を 8/8 にしてターン終了。 ようやく 6 マナに到達した諸藤は《原始のタイタン》をプレイし、《墨蛾の生息地》と《ケッシグの狼の地》が戦場に追加される。さらに《原初の狩人、ガラク》の「-3能力」によって一挙に 6 枚ドロー! もじもじしていて序盤を耐えた甲斐がある贅沢なドローによって一気に手札を充実させてターンエンド。 星野は自身の《始源のハイドラ》は 16/16 へ成長させると、あらためて諸藤へ確認する。 星野 「まだライフ減ってないですよね」 諸藤 「20 だね。(ビーストとタイタンを数えながら)むしろタフネスも 16 点はあるよ」 戦場を整理すると、諸藤は土地8枚と《ラノワールのエルフ》、3/3 ビースト×3、《原始のタイタン》、《原初の狩人、ガラク》(忠誠度 1)をプレイしている。 一方の星野は、土地 3 枚、《極楽鳥》、《始源のハイドラ》(16/16)である。 星野 「あれ、引かれてなければなんとかなるんだけどなあ・・・エンド」 諸藤 「いや、当然引いてますよ!」
RESULTS 本大会の対戦結果・順位
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