読み物
Round 4: 中村 修平(東京) vs. Martin Juza (チェコ)
By Tomohiro Kaji
世界を旅する二人、中村 修平とMartin Juza。

Lv8魔法使いの彼らは、グランプリのサーキットのために、先週はチリへ、その前はオーストラリアと、文字通り世界を股にかける男たちだ。
彼らはとても仲が良く、青黒コントロールの優勝で終わったあのグランプリ・ブリスベンでもデッキを共有しており、その時は緑単の《》をプレイしていた。
惜しくもTop8を逃がしてしまったが、中村はTop16に入賞とアベレージヒッターとしてしっかり成績を残していた。
そんな彼らが今回選択したデッキは"白緑トークン"で、対《》としてはとても優れたアーキタイプなのだが、今回は完全なるミラーマッチ。
フィーチャー席に着くなりお互い苦笑いで、デッキのシャッフルをはじめた。
中村 「はは(笑)、いやいや笑えない。」
Game 1
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中村 修平 |
1枚も土地のないハンドをおちゃめにすべて公開してマリガンするJuza。
お互いにデッキリストを共有しているので隠す意味もなく、土地ないのはしゃーないという顔で黙々とシャッフル。
6枚の手札を眺め、渋々キープした所でゲームが始まった。
先攻の中村は土地が1枚の手札だが2枚のマナ加速を持った手札をキープしており、《》から《》、《》とマナを伸ばす。
対してJuzaは軽量カードには恵まれず、X=1の《》と、弱くはないが微妙な展開。
そこへ2枚目の土地を引き込んだ中村は、気持よく《》でこれを除去、即「変身」!
一瞬、勝負あったか!?という空気が流れたが、Juzaも《》で《》を対処し、アドバンテージ面での損出を最小限に留める。
リソースで優位な中村は、このアドバンテージをいち早くダメージに置換しようと《》でパーマネントを増やすが、そこへJuzaは《》でブロッカーを立てつつ、狼煙を上げた。
カードの枚数での有利は中村にあるのは明らかだが、Juzaのドローはカロリー高め。
ターンが返ってくると、立ち止まる余裕がない中村は《》で《》をゲームから取り除き、ゴーレム・トークンと1/1たちのダメージの積み重ねでJuzaのライフは13へ。
攻撃の波を止めれさえすればゲームを掌握できそうなJuzaは、再度タップアウトで《》!
しかし、混乱してきた戦場にあって中村は《》を呼びだすと、そのまま《》でゲームを無理やり終わらせた。
中村 1-0 Juza
ちょうど5分前にミラーのサイド戦略について話し合っていたと、談笑しながらのサイドボード。
これから行われるサイドボード後の練習も二人でやっていたらしいのだが、先手後手の差でプランに差が出てくるのだろうか?
Game 2
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Martin Juza | |
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と、そんなことを考えている間に、手札を公開してJuza再度マリガン。そして、再度手札を公開してもう一度マリガン。
・・・先攻5枚でキープ。
第1ゲームとはうって変わって、最序盤からマナソースをめぐる激しい攻防が行われた。
お互いに《》、《》に対し《》でクリーチャーを破壊し合う。
ゲームを決める4マナ圏へ先に辿り着くのは俺だ! 言葉では発していないが、プレイがそう物語っている。
だが、いざカードの交換が落ち着くと、お互いに《》が並ぶのみで白マナに欠け、しかも4マナまで1つ足りない苦しい状態。
なんとか先にJuzaが《》をキャストするも、中村も《》でこれに応え、
次は中村が《》をX=2で戦場に呼び出せば、Juzaは・・・初手が少なかったためか応えるカードがない。
時間が経つほどに厄介な存在へとなる《》へ《》を装備させ、ゆっくりと戦場を有利にしていきたい中村だが、一方で彼は未だに4マナへたどりつけず、お互いにリソース不足で十分にデッキが機能していない。
泥沼な状況が続くかに見えたのだが、土地をしっかり引けていたJuzaが先に有効なカードにたどり着き、第1ゲームのシーソーを始めるきっかけとなった《》を呼び出してのトークン生成。
すぐに動かないとパーマネント面での傾きが激しくなるだけの中村は、プレインズウォーカーへと《》を攻撃に向かわせ、強制チャンプブロックの状況を作り出して釣り合いを取りつつ、《》を引き込んだことでガンである《》本体の対処に成功した。
ここでの粘り強さがプロ2人にこのデッキを使わせた理由なのかと、戦場の攻防に見とれていると、Juzaは改めて《》を追加し、毎ターン生成するトークンのサイズを3/3へと上昇させる。
攻撃すれば不利にはならないが、《》を育てられない中村は、《》で無駄カードになっていた手札の《》に、追加のもう一枚を引き込んだことで勝負に出る!
2枚の《》を連打し、《》でプレインズウォーカーへの攻撃を中断。それはつまり戦場でのパーマネント差よりも1点のダメージからマナソースを守るという決断。
Juza 「Sorry...」

キャスト:《》。
中村 「ぎゃーーー。」
中村 1-1 Juza
今度は中村の先攻で始まるが、Juzaはまたも初手のハンドを公開した。
Juzaはこのマッチだけでも4度目のマリガンとなるのだが、不思議に思っていた"一貫して手札を中村に公開する"という行為には意味があった。
悩んだがマリガンした7枚の手札を公開して、彼がどう思うかの意見を聞きたかったのだ。
彼らはこのフィーチャー・マッチも、バイの間の練習と同じでこの後に続く試合のためにプレイしており、このデッキの経験値を少しでも稼ぐための一貫した行動だと考えれば納得。
観客に誰が居ようが、記事を書かれていようが、そのトーナメントに勝つことだけに集中する姿勢に感服だ。
Game 3
最初の2ゲームとは違い、超ハイスピードなゲーム展開だった。
《》スタートした中村に、Juzaは《》でそれを秒殺。
《》を唱えダメージレースに持ち込もうとするJuzaに中村は《》で即答。
そして今度はJuzaがこの1/3を《》で破壊しながらの変身!
と、本当に白緑なのかと思わせる除去カードの応酬。
《》と土地3枚でキープしたはずの中村は4マナ目に辿りつけず、状況を変えられない《》でターンを終える。
だが、生き残った《》の産み出すトークンと《》の接死コンボを実現したJuzaにクリーチャーを一掃されてしまい、追加された《》を確認してカードを片付けた。
中村 1-2 Juza
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