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グランプリ・千葉2018

観戦記事

第15回戦:向井 大晃(神奈川) vs. 瀧村 和幸(東京)

伊藤 敦

 グランプリ2日目、スイスラウンド最終戦。トップ8をかけたバブルマッチでフィーチャーマッチテーブルに呼ばれたのは、またしてもこの男だった。

瀧村「せめて最後は事故らずにマジックさせてくれ~……」

 瀧村 和幸初日全勝から、2日目の成績は1stドラフト2-1、2ndドラフト1-1。十分なパフォーマンスに見えるが、これでもトップ8にはギリギリあと1勝が必要というのが、グランプリの過酷さを表している。

向井「最後だから、悔いのない戦いをしたいですね」

 対する向井 大晃も、不戦勝なしで初日全勝から2日目1stドラフト2-1、2ndドラフト1-1と、瀧村と全く同じ成績でここまで勝ち残っている強者。

 長かったグランプリ・千葉2018も、ここでひとまずのピリオドを迎える。向井と瀧村、勝ってトップ8に望みをつなぐことができるのはどちらか。

 
向井 大晃(写真左) vs. 瀧村 和幸(同右)
ゲーム1

 後手ながら《緑林の歩哨》から《野生林の鉤爪》で攻め立てる瀧村に対し、向井の初動は4ターン目の《双頭ゾンビ》。これは《排斥する魔道士》でバウンスされるも、返すターンは《民兵のラッパ手》で手に入れた《吸血鬼の新生子》をそのまま展開し、さらに続くターンには《緑林の歩哨》を《光明の縛め》で対処。《更生の泉》をも設置して、瀧村の攻勢を押しとどめる。

 すると手札が土地ばかりなのか、瀧村の側に動きがない。対する向井はこれを好機と見たか、クロックがないうちに《墓地解放》を設置し、先の展開に備える。

 
向井 大晃

 それでも瀧村も《緑林の歩哨》を自ら《分散》で戻しつつ、墓地に落ちた《野生林の鉤爪》を能力で回収して攻め手を探すのだが、向井に《オレスコスの速爪》を出されると、《墓地解放》と合わせて地上の守りはいかにも堅い。かといって空から攻めようにも、飛行クリーチャーが引けていない。

 そして、そうこうしているうちに向井の場には《血の美食家》までもが降臨する。

 完成した白黒のシステムに対し、青緑の瀧村は対処手段がない。ようやく引き込んだ《噛みつきドレイク》をプレイするも、なおも向井は《威厳ある血王》を追加し、コウモリ・トークンが空までも埋め尽くしていく。

 駆けつけた《空乗りの巡回兵》で《噛みつきドレイク》を強化して殴りきるプランを作ろうとする瀧村だったが、その前に向井の軍勢が瀧村のライフを削りきった。

向井 1-0 瀧村

 
ゲーム2

 7枚を見た瀧村が小さく溜め息をつき、6枚でのスタート。それも《》なしの《僧帽地帯のドルイド》キープというリスクのある手札だったが、ダブルマリガンよりはマシという判断だろう。「占術」したカードを下に送りながらゲームを開始するも、3ターン後に響いたのは瀧村の「ディスカード」という言葉だった。

 向井も《平地》が引けていないとはいえ、《》の枚数は引けている。送り出された《骸骨射手》は、土地事故に陥ってしまった瀧村を介錯するのに十分なクロックだ。

 それでも、引くこと4枚目で《》を見つけた瀧村は、ここでようやく《僧帽地帯のドルイド》をプレイ。間に合うか……だがとはいえ、瀧村にはまだ3枚目の土地すら見えていないのだ。

 
瀧村 和幸

 一方、《更生の泉》を生け贄に捧げてのドローで一足先に《平地》を引き込んだ向井は、ブロッカーとして出された《怪しげな書架》に《神聖の発動》を打ち込み、《骸骨射手》でのクロックを継続する。依然土地が引けない瀧村は《飛行の先駆者》を出すが、色事故が解消した向井が返すターンに送り出したのは、よりにもよって《威厳ある血王》。残された時間は、少ない。

 しかしなおも瀧村は土地を引けない。《野生林の鉤爪》を《僧帽地帯のドルイド》にエンチャントしてまで《骸骨射手》を止めるのだが、既に焼け石に水。向井は《民兵のラッパ手》、さらに《墓地の司令官》と戦線を拡充していく。

 そして……瀧村は、ついに土地を引けなかった。

 ここまで来て!……そんな悔しさがにじみ出る、《威厳ある血王》への《分散》。出し直されるだけでほとんど使い捨てるような打ち方を、もはやせざるをえない。

 やがて向井が《僧帽地帯のドルイド》のブロックに対し、《異様な忍耐》を合わせると。

 瀧村は絞りだすように、その言葉を告げた。

瀧村「負けました」

向井 2-0 瀧村

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RESULTS

対戦結果 順位
15 15
14 14
13 13
12 12
11 11
10 10
9 9
8 8
7 7
6 6
5 5
4 4
3 3
2 2
1 1

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