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グランプリ・千葉2016
マジックはみんなの共通言語!グランプリ・千葉2016の海外ジャッジにインタビュー
by Masashi Koyama
マジックはグローバルなゲームです。
そのため、マジックのお祭りと言えるグランプリでは、日本国内での開催といえどたくさんの海外からのプレイヤーが集まり、マジックを楽しんでいます。本グランプリでも多くの方々が日本にほど近いアジアから、あるいは遠く離れたアメリカやヨーロッパからはるばる来日されています。
言語は違えどマジックを楽しむ人同士。イベントを通じてプレイヤーとプレイヤーの国際交流がそこかしこで見られます。
最近ではグランプリ・台北2016のように、非常に数多くの日本プレイヤーがアジアのグランプリに参加するようにもなってきました。
そして、国際交流をしているのはプレイヤーだけではありません。イベントを支えるスタッフの中にも、国境を越えてこのグランプリ・千葉2016へ参加されている方がたくさんいらっしゃるのです。
特に、グランプリの屋台骨と言えるジャッジスタッフとして、多くの海外ジャッジが言語の壁を越えて忙しくお仕事をされています。中には日本のグランプリに毎回のように参加をされている方もいらっしゃいます。
たくさんのプレイヤーと時に複雑なコミュニケーションを取ることになるジャッジの方は、言語の問題で困ることはないのでしょうか。国を越えてお越しになったジャッジの方にお話をお伺いしてみました。
キュージェイ・ウォン/QJ Wongさん(マレーシア)
「昔日本語の授業を少し受けていましたが、その時に受けたテストが採点されず、結果が分からないままになってしまって(笑)。それから、日本のジャッジと交流していくなかで、例えば『trigger』であれば『誘発』、『resolve』であれば『解決』のように、少しずつ少しずつ教えてもらいながら勉強してきました」
マレーからお越しのウォンさん。日本のグランプリは今回で10回目、今年はすべての日本グランプリに参加されているそうで、その中でジャッジ間の交流を通じて日本語を学んでいるとのことでした。現在もイベントごとに日本語を覚えていっているというウォンさん。日本でのイベントを通じて言語の壁は無いのでしょうか?
「ジャッジ同士であれば、私たちは同じマジックへの情熱と愛を持ってイベントを作り上げていく仲間です。ですのでコミュニケーションを取ることはとても簡単です。プレイヤーとのやり取りでも、やはり同じマジックへの情熱と愛がありますので困ることは多くありません。ただ、コミュニケーションエラーのトラブルの場合、処理すべき情報量があまりに多いので大変です」
みんなマジックという共通言語で通じ合う仲間、ということでさほど大きな問題があるわけではないそうです。
最後に日本のグランプリの印象についてお伺いすると......
「日本のグランプリに初めて来た時『よろしくお願いします』という試合開始の挨拶にとても感激したのを覚えています。これは私が『日本に戻ってきたい』という理由のひとつです」
と、とても嬉しそうに話してくれました。これからもウォンさんを日本のグランプリで見かけることはたくさんありそうです。
ハンス・ワン/Hans Wangさん(台湾)
日本からほど近い台湾からいらっしゃたワンさん。レベル3ジャッジとしてプロツアーやアジア圏のグランプリで活躍されています。
日本語が非常に堪能で、インタビューの大半を日本語で答えていただきました。
「初めて日本に来たのは......(スマートフォンの記録を見ながら)13回目ですね。日本のグランプリに参加したきっかけは『すべてのアジアのグランプリに参加しよう』と思ったからです」
日本のドラマが大好きで、それらを見ながら日本語を勉強されており、普通のルールであれば問題なく説明できるとのことでした。
律儀にこれまで参加されたイベントをリスト化されているハンスさん。少しだけ見せていただくと、年間10回ほどもプレミア・イベントに参加されているようです。そんな熟練のジャッジからは日本のグランプリはどのように見えているのでしょうか。
「日本のグランプリは問題が少ないと思います。プレイヤーたちがイベントに慣れていて秩序立っているので、普通は多くのトラブルが起きにくいです。それに、例えばゆっくり喋ってくれるなど気を使ってくれるので助かります」
日本のみならずアジア圏のグランプリでもお見かけするワンさんは中国語、英語、日本語のトリリンガルということで、これからも様々なところでプレイヤーを助けてくれることでしょう。
ジェラル・テルピン/Gerard Tripinさん(フランス)
「日本のグランプリは......8回目になるのですかね。今は普段使える時間を使って日本語を勉強しています」
はるばるヨーロッパから参加のテルピンさんはお仕事やジャッジ活動の合間を縫って日本語を勉強されており、なんとカタカナ表記のバッジをご用意されて本グランプリに臨んでいます。
「マジックはそれ自体がお互いにコミュニケーションを生み出してくれるゲームです。ジャッジ間で言えば、多くの国のジャッジが集まっても非常に上手く意思疎通ができていると思います。プレイヤーとの間では、複雑な問題があった場合でも、私たちは同じゲームを通じてコミュニケーションを取ろうと努力しています。ですので、本当に困ることというのはほとんどありません。」
テルピンさんや、他のジャッジの方に共通しておっしゃっているのは、「みんなマジックを通じた仲間だから、言語は違ってもコミュニケーションは十分に取れる」ということでした。確かに、このグランプリでも、各プレイヤーとジャッジのすべての人の国籍が違っても、問題を上手く解決できたケースが多く見られます。
「どこであってもマジックは同じゲームなのですから、日本とヨーロッパで根本的に異なることというのは無いと思います。ただ、国が違えば文化が違うので......例えばヨーロッパでは英語でコミュニケーションが取れても、たくさんの文化の違うプレイヤーが集まっているので、日本ではすぐ解決できるような問題が複雑になってしまうことがあります。逆もまた然りです。さまざまな解決へのアプローチがあり、そこが非常に興味深いと感じますね」
テルピンさんはこのグランプリでいろいろな国のプレイヤーとコミュニケーションを取り、手助けをされています。経験豊富なテルピンさんだからこそできることなのかもしれません。
これからもマジックを通じて国境を越える人はどんどん増えていくことと思います。もしかすると、今この記事を読んでいただいた方の中にも今後海外グランプリへ参加を検討されているプレイヤーやジャッジの方がいらっしゃるかもしれません。ぜひ、一度海外のグランプリへ足を運んでみてください! きっとマジックを通じた楽しい国際交流が待っているはずですよ!
また、インタビューにあたって、レベル2ジャッジの伊東太郎さんにお忙しい中ながらもたくさんのジャッジの方をご紹介いただきました。この場を借りて御礼申し上げます。本当にありがとうございました!
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