By Masami Kaneko
The Finalsのスイス最終ラウンド。
続々とID組がTop8を決めるなか、中村 裕輔(静岡)は現在1敗、本来ならIDでTop8に入れたのだが、当たった勝 正博(高知)は1敗1分。
IDができず、勝ったほうがTop8の負けられない戦いとなった。
勝は《》《》の二種類の続唱が特徴的なZOO。《》は禁止になる前の最後の奉公を、勝にしてくれるのだろうか。
中村はメリーラ頑強。《》と《》、頑強クリーチャーの無限コンボデッキだ。
両者和やかに会話しており、勝は写真撮影にも快く「かっこ良く写して下さい!」と応じてくれた。
シャッフル中、中村がカードを落としてしまうハプニングがあった。しかも、それが《》。
勝はそれを見て頭を抱える。それもそのはず、モダンの《》といえばメリーラ頑強であり、ZOOの勝としては相性が悪い。もしくは他に《》を使うデッキだとしても、相性が良いデッキではないだろう。しかし常時にこやかだ。にこやかに、頭を抱えている。
中村は中村でデッキのキーとなるカードが見られてしまい、少々困った顔。
負けられない一戦、この戦いを制してTop8に行くのはどちらだろうか。
Game 1
中村 裕輔
ダイスロールにより勝の先手でスタート。手札を少し眺めたうえで、キープを宣言。
《》から始まる手札で《》《》とあり、なかなかの手札のようだ。
対する中村、初手を見て首を傾げる。考えた末の選択はマリガンだった。
マリガン後の手札は《》から展開できる手札であり、即キープ。
勝はZOOおなじみフェッチランド→《》での17点スタートからの《》。
中村も《》《》のスタート。
返しで勝の《》がアタックし、少し考えたうえで《》を《》に。マナ、コンボパーツが揃う前に押し切りたい。
中村は動けない。土地を置き、ターンを終える。
次の行動を勝はじっくり考え、計算を行う。フェッチランドから《》、そして《》をプレイする。
勝のターン終了時に《》が自分の墓地だけを参照することを確認すると、中村はフェッチランドを起動し《》をタップイン。
手札には《》や《》《》と揃っており、守るカードは十分。あとはコンボを決められるかどうかだ。
このターンは《》から《》と展開する。
これを受けて勝、考える。すでに即死コンボにリーチの状態である。《》と何かが出てしまえば即死するのはもちろん、《》等からの展開もありえる・・・が、そもそも盤面が攻めにくい。
勝は考えるものの、手札では答えが出なかったのかアタックするのみでここでは動けず。
《》《》《》《》と持った中村は考える。どう守るか。どうコンボを揃えに行くか。盤面は耐えていくことができそうだが、コンボにはまだ2種類のカードが必要だ。どの順番が効率よく守れるのか。どの順番が効率よく引けるのか。
中村は結論が出たのか、《》をプレイ。
さらに《》をプレイし、《》でアタックを行う。
勝のライフはフェッチランドの起動により13まで減少。とはいえ、この状況だと勝のライフによりゲームが決まるパターンはあまり無さそうだ。
勝は《》を置いたうえで《》のみでアタック。《》は《》が居るので密林で引きこもりだ。これを中村、《》でブロックしたうえで《》を起動する。
勝はその後《》! メインに入っているのはメタゲームの結果だろう。
現在コントロールしているクリーチャーは勝が《》《》に対して、中村が《》《》《》。
3体のトークンを出されたくない中村は《》を自身の能力で生け贄に捧げ、自分に対して占術を行う。援軍は6点のライフを勝に与え、しかし兵隊はくれなかった。その後《》が追加され終了。
中村は《》をプレイし、《》を置いてエンド。
勝は《》2体、《》の合計3体でアタックを行う。手札は1枚だ。
中村は《》を《》がブロック。この戦闘により中村のライフは12に減少。
ライフはある程度残っているとはいえ、盤面は押されている。何か、そう、何か天秤を傾ける何かが欲しい。そんな中村の祈りが通じたのか、《》をセット! 勝の顔も歪む。

このままでは攻めようにも無限に《》が帰ってきてしまう。しかしソーサリー火力では殺せない。何かインスタントの除去を引かなくては。
もちろん中村もそれはわかっており、勝のアップキープのうちに《》を起動。これは無事に解決され、《》はいつでもまた墓地から這い上がれるようになり、《》と《》が少し強くなった。
勝も仕方ないので《》《》でアタックするが、《》が《》、《》が《》を受け止め、中村のライフは14と、戦闘前よりライフが増えている。
中村は《》のマナから《》をプレイし終了。中村としても決めるカードを引かなくてはもどかしい。のらりくらりと耐えてはいるが、盤面が傾けば押し切られてしまう。コンボを決めるカード、そう、何かカードを!
勝は《》を起動し圧縮、無限の嫌がらせに解答を求める。天秤を自分の側に傾けたい。そう、何か攻めに繋げられるカードを!
お互い何かが足りない。天秤を傾ける重りが欲しい。このままなら中村の《》によって少しずつ中村が有利になるばかりだ。
同じくアップキープに《》が起動され、《》が嫌がらせできる状態となり、また《》や《》が強くなっていく。
カードを引いた勝、じっくりと考えたうえで《》をプレイ。
めくれるカード次第では盤面を傾けられるカードとなるが、残念ながらめくれたのは天秤の重りにはなりそうにない《》だった。
悩んだ末に《》に打ち込みサイズを小さくしたうえでフルアタックを敢行する。
ちょっとばかりじゃなく強くなっていた中村の《》が《》を討ち取り、逆に《》は中村の《》を打ち取る。
追加の天秤の重りは先に中村に与えられ、《》が盤面に加わる。これ以降《》がなくても無限に《》は嫌がらせをしてくる。既に勝の台所はひどいことになっている。掃除をするにはまず《》に対処しなくてはならない。
勝は仕方なく自分のターンで《》に《》を。コンボのリーチを阻止し、そのうえで《》がアタックを行う。もう何度繰り返されてきた光景か、《》が受け止め頑強。嫌がらせにより中村のライフはまだ16点も残っている。
何か追加のカードを引かないと緩やかに負けてしまう勝。しかし自身のターンではそれ以上のことはできず、ターンを終える。頼む、何も引かないでくれ。そう思いながら。
しかし勝の祈りは通じなかった。追加の天秤の重りは中村に与えられ、《》をプレイ!

頑強している《》を用済みとばかりに墓地送りにしたうえで、《》から、《》を2枚手札にに加える。
片方の《》のみ、3/4となっている大きな《》のマナからプレイされる。
《》のアタックを《》が受け止め、占術。勝は動けない。
メインで《》を《》に"孵化"させ、さらに手札から《》と《》!
ゲームを通して《》に嫌がらせを受け続けた勝は、最後も無限の嫌がらせにより片付けることになったのだった。

勝 正博 0-1 中村 裕輔
勝のサイドボーディング
in
2 《》
3 《》
2 《》
1 《》
out
3 《》
3 《》
1 《》
1 《》
勝は最速の展開は捨て、相手のコンボを妨害するカードを入れる。
妨害しているうちに殴り切る算段のようだ。
中村のサイドボーディング
in
3 《》
1 《》
1 《》
1 《》
out
2 《》
3 《》
1 《》
コンボのパーツだが単体で弱いカードや、自身のライフを削る《》を抜き、耐えるカードを入れる。
盤面だけ押さえればいずれ勝てるということだろう。
Game 2
対策カードは色々とあるが土地が1枚の初手を勝はマリガン。
中村は《》や《》はあるが、土地が多めの手札をキープ。
勝は6枚の手札を首をかしげながらキープ。声は少々諦め声。結局フェッチから《》をタップインし終了。妨害と共に攻めていきたいプランの勝としては痛いところだ。
中村は《》から《》。
勝は2ターン目にフェッチランドから《》を持ってきて《》。最後の奉公ながら1ターン遅い。
中村は返しで《》。一直線にコンボ完成に向かう。
勝は決断を迫られる。どちらかを除去しなくては、次のターンで既に危ない。どちらを除去するか。手札には《》。
勝はフェッチランドを起動しながら考える。それを鋭く見つめる中村。
勝 正博
勝の決断は、《》の除去だった。それに対して中村は占術によりライブラリーを操作する。
占術解決後、突き刺さる勝の《》。全ての《》を追放したうえで、中村のサイドプランをしっかりとチェックする勝。うなずいた後、ゲームが再開される。

中村の手札からは《》と《》が公開され、長引けば中村有利となってしまう。
中村は《》をプレイする。前のターンに除去がなければ既に無限コンボは決まっていた。とはいえ、ZOO相手には単体でも頼もしいカードだ。
勝は3/2のままの《》に向かって《》でアタック。
盤面のみ見れば不利なプレイである。しかしブロックしないのではカードの意味が無い。
中村がブロックすると、予定調和的に《》が《》による嫌がらせを受ける前に打ち込まれる。中村の手札は《》と《》が有るとはいえ、全て土地。
今のうちに攻めきりたい勝は《》を追加。現在のサイズは4/5であり、プレッシャーは十分だ。
中村は悩む。そもそも公開された手札はすべて土地なのだ。タルモゴイフの巨大さに対応できない。次のアタックはとりあえず本体で受け止め、ライフは15。
何かを引かないといけないとはいえ、ライフにはまだいくらか余裕が有る。中村は落ち着いて《》をプレイしたうえで、《》がアタック。《》を置いてターンを終える。
勝はまだ手札を温存している。《》でアタックしたうえで《》を追加し、手札は2枚のカード。中村は手札は4枚あるが、うち3枚は土地だ。盤面が不利だけでなくリソースも足りていない。何か、そう何かを引かなければ。
カードをドローし、場を一瞥したうえで土地を置くのみで何もせずターンを終える。
勝は《》のみでアタック。中村は勝の手札が3枚であることを確認すると、《》でブロックしたうえで全力の《》をX=5でプレイ!

突如現れたのは《》。
まだ墓地にクリーチャーは落ちていないが、たった今から《》が落ちるうえ、場のクリーチャーはいつでも自殺することができる。《》は最後に占術のコストとなり、仕事を終えて墓地へ。
勝はこのターンも何もせず、不気味に手札に3枚のカードを抱えたままでターンを終える。場の土地は3枚だ。除去を抱えているのか。4マナのカードがたまっているのか。
中村はメインフェイズで《》を起動。《》と《》を強くしたうえで殴りに行く。勝自身の土地により削れたライフなら、場で攻めきられるより先に削りきれるとの判断だ。
勝は身を守るために《》に《》。
とはいえ《》の効果は場を離れた時の効果。スタックで《》が《》により占術を行い、そのうえで《》と《》を対象に目覚ましヒバリの能力が発動。場にもど・・・
三度突き刺さる《》。
今度は《》が取り除かれる。とはいえ《》は帰ってくる。《》は役目は十分に果たした。
盤面では《》で攻めるのみの勝は、自身のメインでさらに《》を《》に打ち込む。コンボパーツであり、ドロー強化でもあるこのカードはやはり除去しておきたいのだろう。
自身を生贄にして占術を行ったところで、中村は考える。いくつか計算したうえでライブラリトップに残し、《》のアタックを《》が受け止める。
自身のターンで中村は、《》をプレイ!

墓地から《》も戻って来て、盤面は一安心だ。
6/6という大きな壁を目の前にした勝、ようやく4枚目の土地を引き、手札の《》をプレイ。何か、そう何か。あの《》に対処できれば!
しかしめくれたのは《》。百獣の王ではあるが、《》に対処するに少々力不足だ。
勝は少し考えたうえで《》《》《》でアタック。
もう時間は残されていない。なんとか削り切るしかない。盤面は不利になっていくし、そもそも自分のライフは《》に殴られ続ける程の余裕はない。なんとか、なんとか殴りきればれば、そう、相手が何も引かなければ。
中村は冷静に《》が5/6であることを確認したうえで《》で討ち取り、《》は《》を受け止めたうえでその身を犠牲に占術。
返しの《》のアタックで勝のライフは2となる。もう時間は残されていない。勝は最後の全軍突撃だ。これでなんとか削りきれれば、あるいは。

しかし無常にも中村の手札からは《》が。
解決後中村がブロックに入ろうとしたところで、勝は右手を差し出し握手を求めた。
勝 正博 0-2 中村 裕輔
中村 裕輔、The Finals Top8進出!