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2020ミシックインビテーショナル ヒストリック勝率まとめ
2020年9月12日
マジックのeスポーツにMTGアリーナ向けフォーマットの「ヒストリック」が採用されるということで、私たちは大会の数週間前からメタゲームの予想に力を尽くしてきた。そして14回戦にわたるヒストリックの試合を経てトップ8が決まった今、2020ミシックインビテーショナルにおけるヒストリックの様相についていくつか学んだことがある。
私たちはそれらを言語化するために、殿堂顕彰者フランク・カーステン/Frank Karsten協力のもとで必要な数字を計算した。
今大会の蓋を開けてみると、「ゴブリン」デッキが3分の1を占めたことに注目が集まった。《上流階級のゴブリン、マクサス》は圧倒的な勢力を築き上げたが、しかしヒストリックの王にはなれなかった。「ゴブリン」は、2020ミシックインビテーショナルで最も成功したデッキにはならなかったのだ。「赤単ゴブリン」は一番人気のデッキだったが、勝てた試合は半分を少し超える程度で、勝率は51%に留まった。ただし、「ラクドス・ゴブリン」(《思考囲い》をタッチしたバージョン)と比較すれば善戦したと言えるだろう。ラクドスの方の勝率は、わずか39%だったのだ。
勝率51%という数字は、かろうじて上位5つには入れるものだった。
トップ8入賞者を最も多く輩出したのは「ジャンド・サクリファイス」だが、今大会のトップ・アーキタイプと言えるのはルイス・サルヴァット/Luis Salvattoも使用した「ラクドス秘儀術師」だろう。このデッキの使用者は5人中3人が2日目へ進出し、サルヴァットは余裕の予選1位通過を決めた。
8 《沼》 3 《山》 4 《血の墓所》 4 《竜髑髏の山頂》 1 《ロークスワイン城》 3 《寓話の小道》 -土地(23)- 4 《縫い師への供給者》 1 《魔王の器》 4 《戦慄衆の秘儀術師》 4 《死の飢えのタイタン、クロクサ》 4 《若き紅蓮術士》 1 《忘れられた神々の僧侶》 -クリーチャー(18)- |
4 《思考囲い》 4 《村の儀式》 3 《初子さらい》 2 《灯の収穫》 2 《魔性》 4 《立身 // 出世》 -呪文(19)- |
1 《夢の巣のルールス》
-相棒(1)- 3 《熱烈の神ハゾレト》 3 《強迫》 1 《マグマのしぶき》 1 《レッドキャップの乱闘》 2 《削剥》 1 《アングラスの暴力》 3 《魔女の復讐》 -サイドボード(14)- |
ただし使用者3人以上まで範囲を広げると、《ボーラスの城塞》を中心にした「サクリファイス」デッキ(「ジャンド城塞」)がグジェゴジェ・コワルスキ/Grzegorz Kowalskiのトップ8入賞を筆頭に最も高い勝率を記録している。使用者3名という少ないサンプルで結論を出すのは早計だが、コワルスキが見せてくれたこのデッキの力にはそそられるものがある。
2 《森》 4 《草むした墓》 4 《森林の墓地》 4 《踏み鳴らされる地》 4 《血の墓所》 2 《竜髑髏の山頂》 2 《ファイレクシアの塔》 -土地(22)- 4 《金のガチョウ》 4 《ラノワールのエルフ》 4 《血の芸術家》 4 《忘れられた神々の僧侶》 2 《楽園のドルイド》 4 《波乱の悪魔》 4 《悲哀の徘徊者》 1 《真夜中の死神》 -クリーチャー(27)- |
3 《初子さらい》 4 《集合した中隊》 4 《ボーラスの城塞》 -呪文(11)- |
3 《漁る軟泥》 3 《再利用の賢者》 1 《運命の神、クローティス》 1 《疫病牝馬》 4 《思考囲い》 1 《初子さらい》 1 《削剥》 1 《ゴルガリの女王、ヴラスカ》 -サイドボード(15)- |
勝者がいれば敗者もいる。2020ミシックインビテーショナルでは、「ラクドス・ゴブリン」の選択が正着でなかったのは明らかだ。《思考囲い》はヒストリック最強カードの一角ではあるが、「ゴブリン」に採用するのはデッキの効率性を損ねる結果になってしまった。「ラクドス・ゴブリン」が勝率39%と振るわなかったのに比べると、「赤単ゴブリン」は成功を収めたと言えるだろう。MPL選手の行弘 賢も《アイレンクラッグの妙技》を添えた「赤単ゴブリン」を使用しており、彼のトップ8入賞を支えた。
21 《山》 3 《エンバレス城》 1 《ファイレクシアの塔》 -土地(25)- 3 《スカークの探鉱者》 4 《人目を引く詮索者》 4 《ずる賢いゴブリン》 4 《ゴブリンの酋長》 4 《ゴブリンの女看守》 3 《ゴブリンの戦長》 1 《宝石の手の焼却者》 1 《ゴブリンの鎖回し》 4 《群衆の親分、クレンコ》 4 《上流階級のゴブリン、マクサス》 -クリーチャー(32)- |
3 《アイレンクラッグの妙技》
-呪文(3)- |
2 《ゴブリンのクレーター掘り》 1 《宝石の手の焼却者》 1 《ゴブリンの鎖回し》 2 《ゴブリンの首謀者》 3 《レッドキャップの乱闘》 3 《削剥》 3 《アクロス戦争》 -サイドボード(15)- |
コントロール・デッキも苦戦を強いられた。「バント・コントロール」の勝率は43%に留まり、「アゾリウス・コントロール」は使用者全員が2日目進出を逃すという憂き目にあった。コントロール・デッキを選択して2日目に残ったのはただ1人、「バント・コントロール」で最終成績31位のファン・シャンカイ/Huang Xuankaiだけだった。
2 《島》 4 《神聖なる泉》 2 《氷河の城砦》 2 《灌漑農地》 4 《繁殖池》 4 《内陸の湾港》 4 《寺院の庭》 2 《陽花弁の木立ち》 2 《まばらな木立ち》 1 《アーデンベイル城》 1 《ヴァントレス城》 -土地(28)- 4 《自然の怒りのタイタン、ウーロ》 2 《長老ガーガロス》 -クリーチャー(6)- |
1 《否定の契約》 4 《成長のらせん》 2 《探検》 1 《霊気の疾風》 1 《アズカンタの探索》 4 《中和》 1 《吸収》 4 《神の怒り》 3 《サメ台風》 1 《暗記 // 記憶》 1 《覆いを割く者、ナーセット》 3 《ドミナリアの英雄、テフェリー》 -呪文(26)- |
1 《漁る軟泥》 1 《厚かましい借り手》 1 《ハイドロイド混成体》 1 《墓掘りの檻》 3 《不可解な終焉》 2 《本質の散乱》 2 《安らかなる眠り》 1 《霊気の疾風》 1 《ドビンの拒否権》 1 《サメ台風》 1 《覆いを割く者、ナーセット》 -サイドボード(15)- |
コンボ・デッキの結果は興味深いものになった。全体的に見るとコンボ・デッキ自体が多くなかったものの、その中でも「黒単ギフト」は過小評価すべきでないように感じられる。トップ8に入賞したマット・ナス/Matt Nassが使用しているならなおさらだ。
墓地を肥やして《来世への門》を起動し、デッキ名を冠する《王神の贈り物》を繰り出すというギミックは、十分に実現できそうだ。今後墓地対策が増えるとその影響を受けることになるが、全体的に《墓掘りの檻》以外の墓地対策がかなり少なかった2020ミシックインビテーショナルでは最高の選択だったと言えるだろう。
16 《沼》 4 《ロークスワイン城》 4 《ファイレクシアの塔》 -土地(24)- 4 《墓所破り》 4 《縫い師への供給者》 4 《悪魔の職工》 4 《ラゾテプの肉裂き》 4 《忘れられた神々の僧侶》 4 《悲哀の徘徊者》 4 《貪欲なチュパカブラ》 2 《虐殺のワーム》 -クリーチャー(30)- |
4 《来世への門》 2 《王神の贈り物》 -呪文(6)- |
1 《疫病牝馬》 1 《悪ふざけの名人、ランクル》 2 《虐殺のワーム》 4 《思考囲い》 2 《闇の掌握4》 2 《ファリカの献杯》 3 《虚空の力線》 -サイドボード(15)- |
また、「その他」の勝率が46%であることにも注目すべきだろう。このレベルの舞台では珍しいことに、その他のデッキをひとまとめにすると、人気を集めたアーキタイプの勝率をいくつか上回っている。これはヒストリックの解答がまだ見つかっていないことを示しており、プレイヤーたちに工夫の余地があるフォーマットであることを表している。(「緑単プレインズウォーカーズ」を用いて11位に入り、「2020年シーズン・グランドファイナル」への参加権利を手にしたクリストファー・レオナルド/Christopher Leonardのように。)
22 《森》 2 《ギャレンブリグ城》 -土地(24)- 4 《ラノワールのエルフ》 3 《金のガチョウ》 4 《ラノワールの幻想家》 2 《長老ガーガロス》 3 《大食のハイドラ》 -クリーチャー(16)- |
4 《探検》 4 《精神石》 4 《大いなる創造者、カーン》 4 《アーク弓のレインジャー、ビビアン》 4 《世界を揺るがす者、ニッサ》 -呪文(20)- |
1 《漁る軟泥》 1 《再利用の賢者》 1 《探索する獣》 1 《長老ガーガロス》 1 《孔蹄のビヒモス》 1 《絶え間ない飢餓、ウラモグ》 1 《石とぐろの海蛇》 1 《大食のハイドラ》 1 《トーモッドの墓所》 1 《墓掘りの檻》 1 《漸増爆弾》 1 《魔術遠眼鏡》 1 《王神の立像》 1 《グレートヘンジ》 1 《影槍》 -サイドボード(15)- |
2020ミシックインビテーショナルでマジック史上初となる「ヒストリック王者」の称号を得られるのは、ただ1人の王者とそのデッキだけだ。そしてこのフォーマットの次の動きには、世界が注目している。
(Tr. Tetsuya Yabuki)
RESULTS 本大会の対戦結果・順位
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