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2020ミシックインビテーショナル
2020ミシックインビテーショナル トップ8デッキリストとプロフィール
2020年9月11日
14回戦にわたるヒストリックの戦い。それを締めくくる見事な最終戦を経て、「2020ミシックインビテーショナル」のトップ8が決した。ルイス・サルヴァット/Luis Salvatto、ガブリエル・ナシフ/Gabriel Nassif、デイヴィッド・スタインバーグ/David Steinberg、グジェゴジェ・コワルスキ/Grzegorz Kowalski、行弘 賢、マシュー・ナス/Matthew Nass、ルイス・スコット=ヴァーガス/Luis Scott-Vargas、セス・マンフィールド/Seth Manfield、トップ8入賞おめでとう!
ルイス・サルヴァットは、2020ミシックインビテーショナルのトップ8の面々の中でも特にストーリーにあふれたプレイヤーだ。彼のプロ・デビューは10年前に遡るが、なかなか結果に恵まれない日々が続いた。その辛抱強い挑戦が報われたのは、2016年のこと。プロツアー『イニストラードを覆う影』で自身初のトップ8入賞を果たすと、その2年後には強烈な旋風を巻き起こした。おそらくマジック史上最も熾烈な6週間にわたるポイント・レースの末に、史上2度目となる「プレイヤー・オブ・ザ・イヤー決定戦」が行われ、サルヴァットはこの激戦を制して年間最優秀選手の称号を勝ち取ったのだ。
今年はライバルズ・リーグの選手として比較的緩やかなスタートを切ったサルヴァットだが、2020ミシックインビテーショナルでは2018年のころのような勢いを取り戻しているように見える。彼は今大会、「第1ゲームは最強」と自身が評する「ラクドス秘儀術師」という予想外の武器を手に、他を圧倒して余裕のトップ8入賞を決めているのだ。
8 《沼》 3 《山》 4 《血の墓所》 4 《竜髑髏の山頂》 1 《ロークスワイン城》 3 《寓話の小道》 -土地(23)- 4 《縫い師への供給者》 1 《魔王の器》 4 《戦慄衆の秘儀術師》 4 《死の飢えのタイタン、クロクサ》 4 《若き紅蓮術士》 1 《忘れられた神々の僧侶》 -クリーチャー(18)- |
4 《思考囲い》 4 《村の儀式》 3 《初子さらい》 2 《灯の収穫》 2 《魔性》 4 《立身 // 出世》 -呪文(19)- |
1 《夢の巣のルールス》
-相棒(1)- 3 《熱烈の神ハゾレト》 3 《強迫》 1 《マグマのしぶき》 1 《レッドキャップの乱闘》 2 《削剥》 1 《アングラスの暴力》 3 《魔女の復讐》 -サイドボード(14)- |
長年にわたり「ハースストーン」の競技プレイヤーとして活動していたアメリカのデイヴィッド・スタインバーグは、この2020ミシックインビテーショナルにて自身初となるマジックでのトップ8入賞を果たすことになった。(全国のイベントへ足を運び、ドラフトやシールドを楽しむほどの)リミテッドの大ファンであり、「The Mountain Goats」のマジックをテーマにした最新曲を好むスタインバーグは、世界最高のマジック・プレイヤーたちと戦う機会を与えてくれたMTGアリーナを通して高みへ登る姿を見せ続けている。
彼は今週末のベスト・デッキの1つである「ジャンド・サクリファイス」を巧みに使いこなし、マジックのeスポーツで初めて獲得した「トップ8入賞」の称号を胸に歩み続ける。
2 《森》 2 《沼》 1 《山》 4 《草むした墓》 1 《森林の墓地》 4 《踏み鳴らされる地》 2 《血の墓所》 3 《竜髑髏の山頂》 1 《ロークスワイン城》 2 《ファイレクシアの塔》 3 《寓話の小道》 -土地(25)- 4 《大釜の使い魔》 4 《金のガチョウ》 4 《波乱の悪魔》 4 《悲哀の徘徊者》 1 《残忍な騎士》 3 《フェイに呪われた王、コルヴォルド》 -クリーチャー(20)- |
4 《魔女のかまど》 3 《初子さらい》 2 《思考囲い》 4 《パンくずの道標》 2 《ゴルガリの女王、ヴラスカ》 -呪文(15)- |
1 《漁る軟泥》 1 《残忍な騎士》 2 《思考囲い》 1 《リリアナの敗北》 1 《レッドキャップの乱闘》 1 《魂標ランタン》 3 《削剥》 3 《魔女の復讐》 2 《ボーラスの城塞》 -サイドボード(15)- |
アメリカのマシュー・ナスは実に安定した戦績を記録しているが、一見すると地味に見えるかもしれない。しかし最高峰の舞台でのトップ8入賞は1度きり(プロツアー『カラデシュ』)ではあるものの、他の大型イベントでの安定した結果こそが彼の戦績を輝かせる。グランプリでのトップ8入賞は優勝5回を含め13回にわたり、またコンボ・デッキに全力を尽くす姿にも定評がある。
今年はライバルズ・リーグの一員として活動を始めた彼は、ここでのトップ8を糧にMPL返り咲きを狙う。強力なコンボ・デッキである「黒単ギフト」で2020ミシックインビテーショナル優勝を飾れば、最もホットなプレイヤーの1人として2020-2021シーズンを迎えられるだろう。
16 《沼》 4 《ロークスワイン城》 4 《ファイレクシアの塔》 -土地(24)- 4 《墓所破り》 4 《縫い師への供給者》 4 《悪魔の職工》 4 《ラゾテプの肉裂き》 4 《忘れられた神々の僧侶》 4 《悲哀の徘徊者》 4 《貪欲なチュパカブラ》 2 《虐殺のワーム》 -クリーチャー(30)- |
4 《来世への門》 2 《王神の贈り物》 -呪文(6)- |
1 《疫病牝馬》 1 《悪ふざけの名人、ランクル》 2 《虐殺のワーム》 4 《思考囲い》 2 《闇の掌握》 2 《ファリカの献杯》 3 《虚空の力線》 -サイドボード(15)- |
行弘 賢は、現在のマジック・シーンにおいて一、二を争うデッキビルダーと言えるだろう。彼は常に予想を覆す「行弘デッキ」で成功を収めており、MPL選手として臨んだ今大会においてもトップ8入りを決めている。これで直近12か月の間に3度のトップ8入賞を達成しており、通算では7回を数えることになった。
今回はヒストリックでよく見受けられる「ゴブリン」を選択した行弘だが、1番人気のデッキを選択してもなお、彼の革新性は失われない。《アイレンクラッグの妙技》の後押しを受けて最速で《上流階級のゴブリン、マクサス》を繰り出すという構成で、「ゴブリン」使用者で唯一のトップ8入賞を果たしたのだ。
21 《山》 3 《エンバレス城》 1 《ファイレクシアの塔》 -土地(25)- 3 《スカークの探鉱者》 4 《人目を引く詮索者》 4 《ずる賢いゴブリン》 4 《ゴブリンの酋長》 4 《ゴブリンの女看守》 3 《ゴブリンの戦長》 1 《宝石の手の焼却者》 1 《ゴブリンの鎖回し》 4 《群衆の親分、クレンコ》 4 《上流階級のゴブリン、マクサス》 -クリーチャー(32)- |
3 《アイレンクラッグの妙技》
-呪文(3)- |
2 《ゴブリンのクレーター掘り》 1 《宝石の手の焼却者》 1 《ゴブリンの鎖回し》 2 《ゴブリンの首謀者》 3 《レッドキャップの乱闘》 3 《削剥》 3 《アクロス戦争》 -サイドボード(15)- |
このポーランド人プロがトップ8に入賞するのは2回目。世界選手権2018での準優勝以来のことだ。だがそこから彼はMPLとライバルズ・リーグでの戦いを続け、席を守り通す以上の活躍を見せてきた。
コワルスキは、この週末に大活躍の「ジャンド・サクリファイス」にひと工夫加えたデッキを手に、その強さを証明してきた。彼は《魔女のかまど》コンボを廃し、代わりに《ボーラスの城塞》を4枚搭載した重めの構成に仕上げた。そしてそれは、今大会を通して多くの対戦相手を圧倒してきたのだ。
2 《森》 4 《草むした墓》 4 《森林の墓地》 4 《踏み鳴らされる地》 4 《血の墓所》 2 《竜髑髏の山頂》 2 《ファイレクシアの塔》 -土地(22)- 4 《金のガチョウ》 4 《ラノワールのエルフ》 4 《血の芸術家》 4 《忘れられた神々の僧侶》 2 《楽園のドルイド》 4 《波乱の悪魔》 4 《悲哀の徘徊者》 1 《真夜中の死神》 -クリーチャー(27)- |
3 《初子さらい》 4 《集合した中隊》 4 《ボーラスの城塞》 -呪文(11)- |
3 《漁る軟泥》 3 《再利用の賢者》 1 《運命の神、クローティス》 1 《疫病牝馬》 4 《思考囲い》 1 《初子さらい》 1 《削剥》 1 《ゴルガリの女王、ヴラスカ》 -サイドボード(15)- |
残る3人のトップ8入賞者については、これまで何度も紹介されているためここで改めて言えることはほとんどない。ガブリエル・ナシフは殿堂顕彰者であり、最高峰の舞台でのトップ8入賞は優勝2回を含め今回で実に13度目。これを上回るのは、歴史上を見渡してもジョン・フィンケル/Jon Finkelと現在の世界王者パウロ・ヴィター・ダモ・ダ・ロサ/Paulo Vitor Damo da Rosaの2人だけだ。
コントロール使いとして有名なナシフだが、今大会では「ジャンド・サクリファイス」を選択し、それを見事に操ってみせた。マジック・シーンの最前線に再び立つナシフの姿は、ここ1年で大きな話題となっている(これで昨年から数えて4度目のトップ8入賞だ)。そして今、彼は3本目の優勝トロフィーを狙えるところまで来ている。
2 《沼》 4 《草むした墓》 2 《森林の墓地》 4 《血の墓所》 4 《竜髑髏の山頂》 4 《踏み鳴らされる地》 2 《隠れた茂み》 1 《ファイレクシアの塔》 -土地(23)- 4 《大釜の使い魔》 4 《戦慄衆の解体者》 4 《忘れられた神々の僧侶》 4 《波乱の悪魔》 4 《悲哀の徘徊者》 3 《真夜中の死神》 1 《砕骨の巨人》 1 《恋煩いの野獣》 -クリーチャー(25)- |
4 《初子さらい》 4 《魔女のかまど》 4 《集合した中隊》 -呪文(12)- |
1 《湧き出る源、ジェガンサ》
-相棒(1)- 1 《漁る軟泥》 2 《再利用の賢者》 2 《フェイに呪われた王、コルヴォルド》 4 《魔女の復讐》 2 《反逆の行動》 2 《虚空の力線》 1 《ゴルガリの女王、ヴラスカ》 -サイドボード(14)- |
ナシフがトップ8入賞記録を伸ばしたのは喜ばしいことだが、長年にわたるキャリアに戦績を加え続けているプレイヤーは他にもいる――ルイス・スコット=ヴァーガスだ。今大会で自身11回目のトップ8入賞を達成した彼は、マルシオ・カルヴァリョ/Marcio Carvalhoを抜いて、7度もの優勝を誇るカイ・ブッディ/Kai Buddeと並ぶことになったのだ。
ライバルズ・リーグ選手として今大会に臨んだスコット=ヴァーガスは、しっかりと栄養を取ってインターネットの声や配信でのコメント(や好物)の後押しを受け、トップ8の舞台まで歩みを進めた。「ジャンド・サクリファイス」を手に、終盤には熱戦に次ぐ熱戦を乗り越えてトップ8に滑り込んだのだった。
2 《沼》 4 《草むした墓》 2 《森林の墓地》 4 《血の墓所》 4 《竜髑髏の山頂》 4 《踏み鳴らされる地》 2 《隠れた茂み》 1 《ファイレクシアの塔》 -土地(23)- 4 《大釜の使い魔》 4 《戦慄衆の解体者》 4 《忘れられた神々の僧侶》 4 《波乱の悪魔》 4 《悲哀の徘徊者》 3 《真夜中の死神》 1 《砕骨の巨人》 1 《恋煩いの野獣》 -クリーチャー(25)- |
4 《初子さらい》 4 《魔女のかまど》 4 《集合した中隊》 -呪文(12)- |
1 《湧き出る源、ジェガンサ》
-相棒(1)- 1 《漁る軟泥》 2 《再利用の賢者》 2 《フェイに呪われた王、コルヴォルド》 4 《魔女の復讐》 2 《反逆の行動》 2 《虚空の力線》 1 《ゴルガリの女王、ヴラスカ》 -サイドボード(14)- |
もう1人の世界王者も、また1つトップ8入賞を積み重ねた。MPL選手のセス・マンフィールドは2015年の世界選手権を制しており、トップ8入賞はプロツアー『イクサランの相克』での優勝を含め7度を数える。「現役最強」の議論では必ず多くの人に名前を挙げられるマンフィールドは、結果を積み重ねながら配信者としても精力的に活動している。
彼は「ゴブリン」が支配する場へ「スゥルタイ・ミッドレンジ」で挑み、《自然の怒りのタイタン、ウーロ》を使うプレイヤーで唯一トップ8の舞台へ至った。2018年にプレイヤー・オブ・ザ・イヤーのタイトルを懸けた最後の決定戦でルイス・サルヴァットに敗れた話は有名だが、どうやらマンフィールドはその雪辱に燃えているようだ。
2 《森》 2 《島》 2 《沼》 4 《繁殖池》 1 《内陸の湾港》 4 《草むした墓》 2 《異臭の池》 2 《水没した地下墓地》 4 《ゼイゴスのトライオーム》 1 《ロークスワイン城》 4 《寓話の小道》 -土地(28)- 4 《自然の怒りのタイタン、ウーロ》 3 《ハイドロイド混成体》 -クリーチャー(7)- |
4 《思考囲い》 4 《霊気の疾風》 4 《成長のらせん》 3 《取り除き》 1 《軽蔑的な一撃》 1 《本質の散乱》 1 《大渦の脈動》 2 《衰滅》 1 《絶滅の契機》 4 《世界を揺るがす者、ニッサ》 -呪文(25)- |
1 《長老ガーガロス》 1 《墓掘りの檻》 2 《否認》 1 《無情な行動》 2 《肉儀場の叫び》 2 《魔女の復讐》 4 《サメ台風》 2 《覆いを割く者、ナーセット》 -サイドボード(15)- |
(Tr. Tetsuya Yabuki)
RESULTS 本大会の対戦結果・順位
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