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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:The Final Winner of 2017 Pauper編

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:The Final Winner of 2017 Pauper編

by 岩SHOW

 2017年、Magic Onlineにて最後に活躍したデッキを紹介する「The Final Winner of 2017」シリーズ、最後に紹介するのは......コモン限定構築、Pauperだ。

 スタンダードじゃないのかって? まあスタンダードはね、新セット『イクサランの相克』が出ることで環境は自然と変化するし、その前におさらいコーナーをやることを考えると短期間で同じデッキばかりを紹介してしまうことになりそうだな、と。

 これをまとめると大人の事情ということになるが、Pauperを取り上げる理由はそれだけじゃない。最近になって国内外を問わず、このフォーマットが盛り上がりの兆しを見せつつあるのだ。今のところ、Magic Onlineオリジナルフォーマットとなっているのだが、近い将来正式なフォーマットとして制定され、なんらかのトーナメントが開催されるかもしれない。グランプリのフォーマットに選ばれたらどうなるか?という話が海外のプレイヤー間で議論されていたりもする。

 何か新しいことが起こるかもしれない、そんなワクワクに満ちたPauperの強力デッキを紹介しよう!

MagicPlayer234923784 - 「黒単信心」
Magic Online Pauper Challenge #11063118 優勝 / Pauper (2017年12月31日)[MO] [ARENA]
19 《
4 《やせた原野

-土地(23)-

4 《クォムバッジの魔女
4 《騒がしいネズミ
4 《ファイレクシアの憤怒鬼
2 《リリアナの死霊
2 《黒薔薇の棘
4 《アスフォデルの灰色商人
1 《グルマグのアンコウ

-クリーチャー(21)-
3 《発掘
2 《死の重み
4 《血の署名
3 《チェイナーの布告
1 《夜の犠牲
2 《Oubliette
1 《黒死病

-呪文(16)-
4 《強迫
2 《虚無の呪文爆弾
2 《困窮
4 《押し寄せる砂
2 《黒死病
1 《堕落の触手

-サイドボード(15)-

 2017年、最後に活躍したPauperのデッキは「黒単信心」だ! これは『テーロス』にて登場したメカニズムで、自身のコントロールしているパーマネントが持つ特定のマナシンボルの数=その色への信心が多ければ多いほど何かしらのボーナスを得られるという能力を持ったカードを中心に作られるデッキの総称だ。懐かしいとお思いの方もいらっしゃるでしょう。中でも黒には《アスフォデルの灰色商人》というゲームを終わらせる力を持った信心カードがあり、現役時のスタンダードでは大いに暴れ回ったものである。

 Magic Online上でコモンとしてリリースされているカードのみが使用可能であるPauper。なので《陥没孔》や《トーラックへの賛歌》は使用できないという毎度お馴染みの注意をしておこう。それらがなくても、黒単には強力なカードが複数あり、十分に強力なデッキを作れるのだ。

 このデッキはコントロールデッキに分類される。相手のクリーチャーを潰して、勝利の芽を摘んでいき、最終的にフィニッシャー=《アスフォデルの灰色商人》を叩きつけて勝利する。《クォムバッジの魔女》で対戦相手の小さなクリーチャーをピンピンと跳ねのけていくのは気持ちがいい。2体並ぶと、やりたい放題だ。

 これに黒が誇る除去呪文を合わせれば、相手のクリーチャーは根絶やしにしてやることができるだろう。後半も使いまわせる《チェイナーの布告》に、パーマネントとして戦場に残ることで信心カウントを稼ぐ《Oubliette》などなど、シブいカードが活躍していて思わずニヤリ。メインから《黒死病》という構成も、このカードからマジックにのめり込んでいった身としては嬉しい限り。ここまで徹底すれば相手の心も折れるというもの。

 クリーチャーを出さずに手札に抱えたり、他のベクトルで攻めてくるデッキへの嫌がらせもしっかりと忘れちゃいない。3マナ圏には《騒がしいネズミ》《リリアナの死霊》と、手札を攻めながら信心も稼ぐ嫌がらせの化身のようなカードが並ぶ。《ファイレクシアの憤怒鬼》も相手のクリーチャーと相討ちしつつ、カード1枚を引いていればその分アドバンテージ差をつけられる地味シブナイスガイ。

 クリーチャー陣に新たに加わり、絶賛大活躍中のカードが《黒薔薇の棘》だ。

 なんじゃこりゃと初見の方も少なくないはず。『コンスピラシー:王位争奪』で登場した統治者カードのひとつで、これを戦場に出すとあなたは統治者となる。統治者はターン終了時にカードを1枚引くことができ、クリーチャーによって戦闘ダメージを与えられたりするとその座を奪われる。このデッキなら、クリーチャーは苦にしないので、ゲームエンドまでずっと統治者であり続けることも可能だ。地味に1/3接死と自身のスペックもいやらしい。統治者を維持し続け、毎ターン着実に相手との差をつけていけば、灰色商人が現れる前に投了してくれることだろう。

 前回のヴィンテージもそうだが、尖ったフォーマットは他のフォーマットではそうでもないカードが大活躍することがあって実に面白い。新しいセットが出てくるたびに、これからはコモンにも目を向けてみてはいかがだろうか。特にそのセット固有のメカニズムを持ったものは大化けする可能性があるぞ。

 それじゃあ振り返りも終わったことで、来週からは2018年のデッキも紹介していこう! 今年もマジックをよろしくね!

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