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戦略記事

中村修平の「デイリー・デッキ」

中村修平の「デイリー・デッキ」:Super Crazy Zoo(モダン)

中村修平の「デイリー・デッキ」:Super Crazy Zoo(モダン)

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編集より:中村修平が日替わりで注目のデッキを1日1個紹介するミニコラムです。本コラムは英語圏向けに制作・英訳され、英語サイトから全世界に発信されています。

日本公式ウェブサイトでは、日本語の原文を掲載いたします。今週は10日(火)~13日(金)の更新です。


 さて、今週は「先祖返り」というテーマで、かつて存在したデッキの現代バージョンといったものを紹介してきましたが、ここで全く新しいデッキについて紹介しましょう。

 え? 長い歴史があるマジックなのだから、何かしらで誰かが作っているはずだ?
 いや、これはさすがに無さそうな気がします。
 何せ1ターン目の行動として「《稲妻》を私に」が有り得るだなんて。確実にアドバンテージというマジックの基本中の基本なところに喧嘩を売っています。

 そんなマジック第一法則をかき乱す真似をやってのけたのは、日本の変態デッキビルダー伊藤敦と彼の手による「SCZ(Super Crazy Zoo)」です。

 とは言えこのデッキ、外面は存外まともで、デッキの半分は軽量クリーチャーで対戦相手を殴る「Zoo」そのもの。
 状況によっては《野生のナカティル》や《ステップのオオヤマネコ》で本性をあまり見せず、そのままゲームを押し切ってしまうこともあるかもしれませんね。

 しかしその内面パートは毒殺デッキよろしく一撃必殺。
 《強大化》と《ティムールの激闘》で12点+ダメージを狙うというのがデッキの真の姿であり、隙を見せたら3ターン目にそのままとんでもないサイズの二段攻撃トランプル持ちが強襲するコンボデッキなのです。

 そしてそのドス黒い殺意をできる限り見えづらく達成しようとするのが、0マナで墓地にカードを追加しつつカードを引き増す《ギタクシア派の調査》や《通りの悪霊》。
 これらコンボカードである2種と、0マナ引き増しカードが残りのほぼ半分を占めており、3ターン目までに墓地が5枚あれば、《強大化》を1マナで唱えられて第一段階達成。

 と、ここまでであればまだマジックの理の内でいられました。

 しかし《死の影》が、
 ああ、墓地を増やすのにライフを消費するし、そもそもZooはフェッチランド+ショックランドをアンタップで基本14点スタートだし、となればお膳立て充分の《死の影》が...
 神をも恐れない《稲妻》本体打ちも有りえるデッキへと昇華させてしまったのです。

 たしかに理には適っているのですけどね。

伊藤 敦 / 「Super Crazy Zoo(最新版)」
モダン[MO] [ARENA]
1 《血の墓所
1 《寺院の庭
1 《聖なる鋳造所
1 《草むした墓
4 《樹木茂る山麓
4 《湿地の干潟
2 《血染めのぬかるみ
2 《乾燥台地
1 《新緑の地下墓地

-土地(17)-

4 《ステップのオオヤマネコ
4 《野生のナカティル
3 《僧院の速槍
4 《死の影
4 《通りの悪霊

-クリーチャー(19)-
4 《ミシュラのガラクタ
4 《ギタクシア派の調査
4 《変異原性の成長
4 《稲妻
4 《ティムールの激闘
4 《強大化

-呪文(24)-
4 《わめき騒ぐマンドリル
4 《自然の要求
4 《思考囲い
3 《ファイレクシアの非生

-サイドボード(15)-

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