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MAGIC STORY
ストリクスヘイヴンの秘密

第2話 旅と苦難
2026年3月24日
「周囲の音に注意深く集中しろ。何が聞こえる?」
フェル教授の声は瑞々しい土のように豊かで、ひんやりとしていた。ルーウェンはその声が気に入っていた。少し羨ましくもあった。教授が話せば、誰もが耳を傾ける。級友たちは周囲の自然が発する喧噪に聞き入っていた――どこかにいる知らない鳥の鳴き声、葉のさざめき、そう遠くない街から聞こえてくる音楽。だがルーウェンは物思いにふけっていた。
あのルマレットたちにも学校はあるのだろうか? あるいは個人指導のようなものの方を好むのだろうか? 最初に見たあのルマレットは地図を持っていた。つまり何らかの文字体系と、それを共有する手段があるに違いない。だがそれはどんなものだろう?
そしてまた別の考えが浮かんだ。悪意の牙と殺意を持った考えが。
そのようなことを気にする者がいるだろうか?
視線を再びフェル教授へと向ける。昨日受けた言葉はまだ棘のように痛み、だがこの男に対しては奇妙な尊敬の念もまたあった。今でさえ、自分たち生徒へと提示された謎を解きたいという気持ちがあった。自分たちは何を聞いているのだろうか?
ルーウェンは目を閉じた。
「今日はハイイロノドツグミがとても美しい声で歌っています。フェル教授、そう思われませんか? 教授は鳥の歌がお好きと伺いましたが……」
「間違いだ」それが教授の答えだった。そして間違っている箇所を説明することもなく続けた。「次」
別の生徒が答えた。オーリンだ。「ええと……何かの生き物の声が聞こえるような気がします。どんな生き物かはよくわかりませんが――」
「それならもういい。君らは有望な生徒たちだと聞いていた。ならば何故、こんな簡単な質問にも答えられない落ちこぼれどもを私は相手しているのだ?」
ルーウェンは喉が締め付けられるように感じた。私が、正しい答えを言ってやりたい。何とかして。フェル教授の不満そうな様子が瞼の裏に焼き付いていた。それでも。そうすれば皆、私は優れていると認めてくれるかもしれない。
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| アート:Piotr Dura |
よし、私は声には集中しないようにしよう。
そうするための最良の方法は、級友たちから離れることだった。彼らの会話だけでも気が散って仕方ない。静寂の中で、他のエルフのひとりであるイヴァリンが友達へと囁くのが聞こえた。
「あれ見ろよ。迷子の子ヤギくんがまたどっかへ行くぞ。草を食べたいのかな?」
ルーウェンは歯を食いしばった。
友達4人に近況を伝えた時には、自分について言われたことの中でも最悪な部分は伏せていた。それが最善だと判断してのことだった。もしもキーロルが知ったなら、すぐに駆けつけてくるだろうから。
草を食べる。そうか、そういうことを言うのか。このストリクスヘイヴンに来るまで、自分はずっと狩人として生きてきた。それが何を意味するのかを教えてやるのが一番かもしれない。アルケヴィオスのエルフは、故郷の氏族仲間で一番の若輩者よりも軟弱だ。イヴァリンが受けた傷を彼らが見たらどうするだろうか? 欠点を見つけたらどうするだろうか? ルーウェンはその考えに笑みを浮かべた。
ベルトに隠したナイフの柄を親指で確かめる。正しい、とるべき行動はイヴァリンを狙うことではない、それはわかっていた。だがその次に正しい行動は、先程の言葉を取り消す機会を与えること。それが公平というものだ。
「もう一度言ってくれるだろうか?」
イヴァリンは級友たちから顔をそむけた。そして気力を奮い起こし、ルーウェンをじっと見つめた。「草を食べたいのかって尋ねたんだよ、山羊族くん」
彼はイヴァリンへと確かに機会を与えた。それを否定できる者はいないだろう。
荒々しくも鋭い動きでルーウェンは角をイヴァリンの胸に叩きつけ、相手をよろめかせた。そしてナイフを閃かせ、イヴァリンの胸を切り裂いた。その軌跡に沿って血が噴き出し、流れ落ちて服を汚した。ルーウェンはイヴァリンを地面に押し倒した。
「食べるのではない。刈るのだ」
イヴァリンの悲鳴に、周囲の鳥たちが一斉に飛び立った。認めたくはなかったが、ルーウェンはそれをとても誇らしく感じた。他のエルフたちは恐怖の眼差しで彼を見つめた。これでようやく私の強さが認められる――ルーウェンは思った。
だが、そうはならなかった。
代わりに彼らはフェル教授を呼んだ。すぐに全員が教授へと声をあげた。足音を聞く間もなく、教授は現れた。まるで暗闇から飛び出してきた一本の矢のように。そして何かが上着の背中部分に刺さり、ルーウェンを背後の木へと釘づけにした。見るとそれは一本の棘だった、巨大な、掌ほどもある棘。
「多元宇宙の文化には様々な点で意見の相違があるかもしれない。だが今君がしたことを正当化する理由にはならん」フェル教授は鋭い視線でルーウェンを一瞬だけ見つめ、そして他の者たちへと向き直った。「治療師を呼べ。イヴァリンを手当てしてやる必要がある」
「何故そいつが手当てを受けられるのです?」ルーウェンは言い返すように問い質した。これもまた、どうしても抑えることはできなかった。「そいつは私を羊族と呼んだ。何週間も前から私に嫌がらせをしてきた。なのに私がやり返したら悪いのは私の方だと?」
「君は自制心を身に着けることだ。さもなくばまた別の住処を見つける羽目になるだろう」教授は片手を振り、すると棘は木の中へと引っ込んだ。「ここは私たちが対処する。もっと生産的な時間の使い方を見つけることだ。それができないなら……二度と戻って来るな」
一呼吸。二呼吸。これは……まずい。
今すぐ何かを見つけねばならない。何としても。もしできなければ、学校から追い出されてしまうだろう。そしてもし追い出されたなら……どうすればいい?
あんなことをするべきではなかった。何故あんなことを。怒り狂っていたからだ。
今更それはどうしようもない。何かを見つけるか、それができないなら……
息を吸い、吐く。落ち着かなければ。周囲に意識を集中させてみてもいいかもしれない。何か見落としているものがあるはずだ。誰もが見落としている何かが。
何種類かの鳥の鳴き声。楽団の演奏。買い物客たちのお喋り。遠くにいる別の生徒集団の声。毛むくじゃらで爪のある何かの生き物が木々の間を疾走している。
ルーウェンは一歩前に踏み出した。もしかしたら、動き回っているこの生き物に何かがあるのかもしれない。フェル教授はそれが具体的に何なのかを知りたがっているようだった。どちらにしても……
もう一歩前に。蔓がうめき、枯葉が踏み潰される。その生き物は木にしがみつきながら、爪で樹皮を引っかいている。ルーウェンは頭の中で選択肢を挙げた。ナマケモノだろうか? 同種の生き物の中でもひときわ友好的だ。うなり声が聞こえれば、身体の大きさがわかるかもしれない……
そして三歩目を踏み出したその時、彼ははっきりと悟った。
三歩目とともに、彼はその音をはっきりと耳にした。足元に空洞の輪が開き、その衝撃が身体全体に響き渡ったのだ。
タイタンの骨髄はもはや失われている。
ルーウェンはにやりと笑った。この音に違いない。彼は踵を返し、その生き物から背を向けて走り出した。
だがまさにその時、彼はもうひとつの事実を発見した――フェル教授が教えたがっていたであろう事実を。中空の骨は、たとえタイタンのような巨大なものの骨であっても、脆くなっている可能性がある。
ルーウェンは暗闇の中へと落ちていった。
『何が聞こえる?』
意識が戻るとともに、その言葉が心の中に反響した。痛みの只中、それはまるで北極星のようだった――注意さえ払えば、自分の居場所を確認できる。だが注意を払うのはとても、とても困難だった。
それでもルーウェンは最善を尽くした。聞こえるのは何だ? 理解できない言語での言葉。複数の声が絡み合い、奇妙な音節のひとつひとつが次の音節に混じり合い、前の音節を引き寄せる。音の壁――いや、そのような大雑把で創造性に欠けるものではない。もっと別のもの。耳に届くものが何なのかはわからないが、その声を意識で追い続ける。するとまるで自分が一本の糸になっていくような気がした。ここで向きを変えて、入って、引っ張られて、形を変えられて、そして……
鳥の鳴き声が外から聞こえ、それが彼を救った。まるで自分が引っかかっていた布をハサミが切ってくれたように。ルーウェンは目を開けた。
目の前の信じられない光景は、耳にしていたとしても信じられなかっただろう。タイタンの骨が作り出した巨大な空洞の中、これまた巨大な人影が6つ、太くもつれた魔法の渦を取り囲んで座り、それぞれ多すぎる肢を一斉に波打たせていた――アルカイックたち。その場所の壁は、壁と言えるかどうかはわからないが、光を受けて揺らめいていた。全部で32の手が複雑な動きを繰り広げており、発する音だけでなくそれもまたルーウェンを圧倒しそうだった。アルカイックの全員が連動するように動いていた。それぞれの動きは隣と協調し、結びつき、重なり合い、それでいて決して交差することはなかった。
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| アート:Antonio José Manzanedo |

小さくうめき、ルーウェンは蔓や葉や木の枝の山から身体を起こした。
これは間違いなく、誰も見たことなどないだろう。アルカイックの沢山の手が作り出す軌跡を目で追いかけながら、このようなものについて聞いたことがあったかどうかを彼は思い出そうとした。ここに来て長くはないが、唯一無二に違いない。もし発見済みであれば、誰かが既に書き残しているだろう。
フェル教授もきっと、これを一蹴することはできない。あまりにも大きすぎる。v
ルーウェンは屈んだまま体勢を変え、写生帖を取り出した。だが鉛筆が紙の上を滑った瞬間、それは起こった――目のない顔が6つ、一斉に彼を見上げた。不可解な眼窩の上に、六組の皮膚が伸びている。口ではない6つの口が、無言の叫びを上げようとしていた。
32の手が、それぞれの完璧な軌道の途中で静止した。
ルーウェンにはわかった。首筋でそれを感じた。ここに辿り着いた理由が何であれ、自分はもはや歓迎されていないということを。
理解のためにそれ以上は必要なかった。心臓の鼓動が耳にまで響く中、彼は写生帖をかばんに押し込むと一番近くの蔓を掴んだ。上へ登るべく、全身の筋肉が一斉に活性化する。身体を持ち上げるにつれ、その詠唱は、その祈りは、ともかくそれは次第に大きくなるばかりで、ついには言葉そのものが棍棒のように彼を殴りつけた。
呼吸をするのも困難だった。
それでも、それは彼を止めはしなかった。止めることはできなかった。
ひたすらに、ルーウェンは蔓をたぐり寄せた。足の下で、何もない空間が魔法に熱せられていた。蔓に掴まったまま揺れ、足がかりなどもない。彼の内なる何かが悲鳴をあげはじめた。
ここで諦めるわけにはいかない。キーロルなら何と言うだろう?
この間に合わせの縄の上に友がいる、その姿をルーウェンは思い描こうとした。例え他の誰も自分のために引き返してくれなくとも、キーロルならばきっとそうしてくれる。『頑張れ、ルールー! もう少しだよ!』
ルーウェンは息を吸い込んだ。キーロルは実際にここにいるわけではない。だからすべて自分でやらなければ。
「頑張れ、ルールー」彼は自分でそう言った。「もう少しだ……」
自らの呪言となったその言葉は、彼を高く高く引き上げていった。腕は痛み、だがやがて終わりが見えてきた。そしてついに穴の縁から身を投げ出そうという時、ルーウェンは笑みを浮かべていた。
「ありがとう、相棒」
「私は誰の『相棒』でもないがな、ルーウェン。ともあれ無謀な行動から死に至らずに済んだのは幸いだ」
え、嘘。
フェル教授はルーウェンの襟首を掴んで引き上げた。それほどの力仕事など全くもって苦ではないかのように。そして冷ややかに、ルーウェンの肩に付いていた土汚れを払い落した。「何か私を感心させるようなものを見せてくれるのかね」
恐怖がルーウェンの内に再び湧き上がった。瞬きをすると、フェル教授の顔にアルカイックのそれが重なって見えた――目のない眼窩、口のない口腔。あの奇妙な詠唱の残響が、フェル教授の言葉に変わった。「私の時間を無駄にするな」
「それで……結局伝えなかったの?」
ルーウェンはうなだれた。タムは責める意味で言ったのではない、それはわかっていた。それでも、そう言われるのは辛かった。この話を打ち明けるべきではなかっただろうか? ルーウェンは尽きた勇気をかき集め、言葉を見つけ出した。「わからない。怖かったのだ――ここの皆が、アルケヴィオスの皆が、既に知っていることかもしれないと。そうであれば、私は無知な者として映るだろうから」
タムは顎を手の上に乗せた。この場所は他から比較的離れているため、邪魔が入る心配はない。まあ、外にいる鳥の鳴き声は別だが。鳥たちは何に対しても言いたいことが沢山あるらしい。
「あなたの言いたいことはわかるわ」
ルーウェンは彼女を一瞥した。わかるのか?
「そんな目で見ないで。ヴェス教授の批評を受けたことがあるのよ。だからその気持ちはよくわかる。何を言っても、教授を感心させることなんてできないって感じたわ。何を提示したとしても、どこかしら間違いを指摘されるようで」
ルーウェンは頷いた。「ああ。フェル教授もまさにそのような感じだ」
タムは唇に指をあて、どうするのがいいかと考えた。その時、ふたりの背後で筆記板に文字が現れはじめた。その正確な筆跡はルーウェンにもわかった。アビゲールに違いない。タムが考えを続ける隙に、彼は立ち上がって文章を確認した。
友達であり仲間のみんなへ
辛いことがあったのね。私も本当に悲しい。それとそんな時にごめんなさい、私の方にも少し困ったことがね。この前、ちょっと誤訳があったのよ。私が伝えたかったのは、そして実際に手話で伝えたのは、ひとりずつ順番に話して欲しいっていう丁寧なお願いだった。けれどアルケヴィオスの手話の中には、神河人にとって無礼な仕草によく似たものがあるってわかったの。誤解を解くために丸一日もかかっちゃった。でも良い面もあったわ。神河の文化についてたくさん学ぶことができたから。
みんなの探検が順調に進みますように。
敬具 アビゲールより
タムは思案を終えて顔をあげた。「見たものをジャズィ様に話してみるのはどう?」
その口調はフェル教授のそれと同じように落ち着いていた。ルーウェンは自身の思考から不意に引き戻された。
「神託者様はこのような話を聞いたことがあると思うか?」
タムは答えた。「知っている人がいるとすれば、それは神託者様でしょうね。この前話をした時に教えて下さったのだけど、すべてのアルカイックはかつて神託者だったんですって。違うのは時代だけ」
ルーウェンは首を傾げた。これまでも皆に追いつくため、できる限り沢山の書物を読んできた。それでも、全く異なる次元から来た自分にできることには限界がある。「つまり、ジャズィ様はいずれあれらの一員になるということか?」
タムは肩をすくめた。「ある意味では、もうなっているんじゃないかしら。水と氷と水蒸気はすべて、同じものが形を変えて存在するだけ。神託者とアルカイックも同じ。違いは熱による形態の変化ではなくて、時間による変化だというと」
ジャズィの温かな表情が、あの理解不能な灰色のそれに変化する――ルーウェンはその様子を想像しようとしたが、すぐに止めた方がいいと悟った。
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| アート:Martina Fačková |
「正直を言うと、ずっと心を奪われてきたの。アルケヴィオスにアルカイックが存在するっていう事実に。想像できる? 生涯を全うした後に突然過去に飛ばされるなんて……」
タムは立ち上がった。そして彼女もアビゲールからの書き込みに目を通した。
しばしの間、静寂が続いた。
その時、ルーウェンの心にひとつの疑問が浮かんだ。
「自分にどのような言葉をかけるだろうか」彼の頬が熱くなった。「つまり、過去に飛ばされたとしたら、過去の自分に何と言うだろうか?」
タムは紙の上のインクに触れた。「私はわからないわ」
神託者ジャズィは街の店で茶を購入するのを好む。その水筒に店の意匠が書かれていたのをルーウェンは覚えていた。もしジャズィと少し話ができる場所があるとすれば、そういった店がぴったりだろう。それに自分は、茶についてはそれなりに詳しい。
翌朝、日の出を少し過ぎた頃、彼はその店へ向かおうとした。生徒たちにとっては早すぎるが、教授や講師たちが混雑を避けて来るにはちょうどいい時間だった。
だがルーウェンは予想以上に幸運であり、同時に不運でもあった。天幕から出て少し歩いた時、ジャズィの明るい声がかすれて聞こえた。更に、今にも沸騰しそうなフェル教授の声も。
「何をしてよい、何をするなと私に命令する。貴女は一体何者だというのだ!」
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| アート:Lie Setiawan |
「それを答えるのは時間の無駄というものでしょう。私が誰であるかをあなたはもう知っている。そして生徒さんたちを自身の企みに利用することがどれほど間違っているかも」
ルーウェンは壁に身体を押し付けた。彼は身構えた――フェル教授は炎のように激しく言い返すだろう。ふたりに自分の姿は見えていないはず。女王がみる夢のように確かに。彼は心からそう願った。
「企みと呼ぶか。貧弱な表現だ……」フェル教授の言葉、そしてガラスが砕け散る音。「私にとってこれ以上大切なものなど存在しない! この血管に流れる血を捨てろと言うのか? この呪われた人生の中で守り続ける、至上の輝きを捨てろと言うのか? 否。断る。ジャズィよ、私は献身の誓いを立てたのだ。生と死を超越する神聖な絆だ。自分勝手と呼びたいならそうしてくれていい。だが決して企みなどとは呼ぶな」
辺りに静寂が降りた。草の一本一本、木の枝一本一本が耳をそば立てていた。そしてそれらがフェルの言葉に合わせて震えているのをルーウェンは感じ取った。
「お前はただ、自分が理解していない物事に対して権威を振るうために来たのか? それとも何か言うべきことがあるのか?」
どうして教授は、ジャズィにそのような口の利き方をするのだろう? とはいえ先程教授が話していたことは、ごく個人的な物事のように感じられた。誰にでも聞かせていいものではない。ましてや問題児の生徒になど。自分はどうしたいのだろう? ルーウェンにはわからなかった。薄明かりの中に消えてしまいたいのか、それともこの秘密を新鮮な朝露のように大切にしておきたいのか。
再び、恐怖心が勝った。だが動こうとしても彼は動けなかった。
「よろしいですかね、デリアン」
「フェル教授だ」
「わかりました、その称号がそれほど大切であるのなら」ジャズィの返答は疲れきっていたが、決して他人事ではないような口調だった。「いいですか。あなたの献身や専門知識は誰も疑っていません。ですが覚えておきなさいな、あなたは決して世界にたったひとりではないのですよ。プレインズウォーカーであれば、覚えておくのはたやすいでしょう。アルケヴィオスには幸運にも、具現化した未来の例がアルカイックという形で存在します。ですがこの次元の至る所で、彼らが奇妙な行動をとっています。あなたは怖くないのですか?」
再びの沈黙。ルーウェンの心臓は激しく脈打ち、胸の中に痛みを感じるほどだった。あの時見たのは幻ではなかったのだ。
「原因については私なりの考えがある。ヴェス教授と話し合う予定だったのだが」フェル教授からは炎のように怒りが滲み出ていた。
ジャズィはひるんだ。「そのことですが。予定を変更しなければならないでしょうね」
「どういう意味だ?」
「あなたがまだ私に明かしていない、彼女と話すための秘密の手段でもない限りは――」
「いや、ない」フェル教授が何かを注ぎはじめるような音が聞こえた。茶だろうか。
「そうであれば、あなたも連絡を取ることはできないでしょう。私も様々な手段を試したのですよ。本当です。面会の依頼を数えきれないほど送り、彼女の執務室に直接赴き、考えられる限りのことをしました。ですが駄目でした。彼女の所在を誰も知らないのです」
フェルは低い声で呟いた。「書き置きもなしに? あの女性は考えなしに行動するような者ではないだろうに」
「何も」とジャズィ。「他の者たちは、それが世間に知られないよう努めています。カズミナ教授の一件もありましたし、また事件が起きれば騒ぎになりかねませんからね」
カズミナ。学舎にて、その名は氏族の仲間たちがウーナについて口にするのと同じように囁かれていた。その状況についてルーウェンが知っていることは多くない。彼自身やタムのような、他次元からの留学生の一年生クラスでは少し噂が流れていた程度だった。それでも、ジャズィの比喩は額に石を投げつけられたような衝撃だった。
これはまずい。私はここにいるべきではない。
「先程は無礼な物言いをした。許して欲しい」とフェル。「事態は私が思っていたよりも深刻であるようだ」
「誰かにそう言われるたびにコインを一枚もらえたら、私は大金持ちになれますよ。この時代の中心にいるのは自分だ、などと考えてはいないようで実はそう考えている。誰もがそうです。あなたも若いころの私に会っていれば良かったでしょうね」
ジャズィが若い頃の、大学時代の思い出を語りはじめるとルーウェンはようやく息をついた。そして危険を承知でふたりに視線を向けた。
もはや張り詰めた空気はなかった。同僚ふたりが茶を共にしているだけだった。フェル教授は好奇心と称賛の眼差しでジャズィを見つめていた。ルーウェンのそれと同じ、だがそこにある熱は柔らかくも控えめだった。
ルーウェンの心臓を閉じ込めていた恐怖の檻もまた、消え去った。指先が引きつり、もう動いても大丈夫だと彼は悟った。ふたりに話せるだろうか? 入って行って、自分が見たことを話せるだろうか?
自分がそうする様子をルーウェンは想像した。上顎に舌が張り付く。気楽に切り出そう……私もそのアルカイックを見ました、と。
だが想像上の自身にすら、それを言わせることはできなかった。ジャズィは親切で優しく、危険はない。だがフェル教授は? ジャズィに謝罪したとしても、自分は真っ当な理由でここにいるわけではない。そしてもし、教授が本当に、自身の目的のために生徒を利用するつもりだとしたら……それが危険なものだったとしたら、どういうことになる?
他者を操ることは、朝と同じほどにルーウェンがよく知るものだった。再び何者かの言いなりになること、再び裁かれること。それを考えると……
駄目だ。フェル教授には言うべきではない。教授が何を考えているかはわからないが、危険すぎる。
ルーウェンは踵を返し、自室へと戻っていった。
『先生、本当にこれを行わなければいけないのですか?』
『見込みがあるからこそ頼んでいる。できるなら私自身で――』
「タム?」
ルーウェンの声は、タムが聞きたかったものではなかった。調査現場の外れにある拠点では、大した内密性は確保できない。事実、ふたりがある程度それを保てていること自体が一種の奇跡だった。他の生徒たちのほとんどは団体用の小屋に閉じ込められていた。ふたりが自分たちの天幕を確保できたのは、ルーウェンが起こしたあの騒ぎによるものに他ならない。彼と共に過ごすのは他の生徒たちにとって宜しくないとフェル教授は考えたのだった。
だがタムは友に付き添いたいと思い、寝具を移動させた。実際、天幕はふたりには十分すぎるほどの大きさで、野営用の天幕というよりは基地のようだった。カンバス地の小さな仮住まいを支える柱は優に高さ8フィートほどもある。天幕自体も、推測が正しければ差し渡し9フィート、奥行き11フィートほどだろうか。十分快適に暮らすことのできる広さだった。ふたりはそれぞれ旅行用の書見台を設置していた。タムはさらに器をひとつ持ち込んでおり、これは伝統的なシャンダラーの洗面器だと彼に納得させていた。
滞在は快適だった。調査現場は近く、少し歩けばすぐに辿り着く。天幕に何かを投げつけられることはあったが――腐った果物の染みが天幕のあちこちに付着していた――些細な魔法でその臭いは簡単に消えた。それに周囲の様子もよく聞こえてくるので、街の噂話も沢山耳に入ってきた。タムはそれが気に入っていた。
ただルーウェンには、もう少し遅く帰ってきてくれることを願っていた。喉に詰まった緊張の塊を飲み込み、タムは彼へと笑みを向けた。
「早かったじゃない。つまり、アルカイックについて私たちは何も心配はいらないということかしら。ジャズィ様がいて下さるのは本当に心強いわね」
そしてこれは嘘ではなかった。ジャズィは本当に安心をくれる存在だった。そういうところが大好きだった。ごく短い会話を交わす貴重な機会のたびに、心に荒れ狂う嵐が穏やかなさざ波へと鎮まる。実を言うと、ルーウェンが神託者と過ごす時間を彼女は羨ましく思っていた。ルーウェンとジャズィがふたりきりで時間を過ごすことを。これまでは、正直にそれを認めたくはなかったのだが。
けれど大丈夫、彼女は自身にそう言い聞かせた。ルーウェンは孤独だったのだ。ジャズィはそれを感じ取っていたに違いない。最近の彼の、怯えたように隠れて動き回る様を見れば魔法を使わずともわかる。名前を呼んだなら、笑顔で応えるのではなくびくりと驚くだろう。
一瞬の沈黙。何をしていたのかと聞いてくるのだろうか? それとも今手にしているこの器について? あるいは、話ながらはめていた指輪についてだろうか――磨き上げられた銀が、ノコギリヘビの鱗のように重なり合って作られている。
タムはルーウェンを見上げ、彼が尋ねてくれるかと訝しんだ。願った。期待した。誰かが尋ねてくれるかと。この力があるおかげで、例え積極的に確率を操作しなくとも、多くの場合で自分に有利なように事は運ぶ。だが今日は違った。
「本当にそうだな、神託者様は。フェル教授ですら影響を受ける。だが、私たちが思っていたより事態は深刻かもしれない」
タムは顔をしかめた。「アルカイックの振る舞いは前代未聞ということ?」
「もっと悪い。アルカイックの奇妙な行動に気づいているのは私だけではない。神託者様がここにいるのはまさにそのためだ」
タムは指を組んだ。間違いなく、事態は複雑になってくる。彼女は頭の中で選択肢を次々と検討した。ひとつの問題には多くの側面がある。それらはフラクタルの一部であり、回転して見方を変えることができる。
「神託者様はアルカイックの詠唱については何て? 何か重要なことのように聞こえたのでしょう」
ルーウェンは顔をそむけた。「ああ、その……」
「言わなかったのね」それは質問ではなかった。「ルーウェン。あなただって神託者様を信頼しているのでしょう。それに、言わなかったのならどうして神託者様がここに来られた理由がわかるの?」
彼は顔をしかめた。「ただ……フェル教授がそこにいて、怒鳴り声が聞こえて……それでも……私は大胆にも神託者様に話しかけた、とでも言えれば良いのだが、できなかった。そのような勇気はなかった。私は臆病者だ。故郷から逃げ出して、今は簡単な会話からも逃げている」
自分で気付く前に、タムは立ち上がっていた。そしてルーウェンを引き寄せ、しっかりと抱きしめた。彼にはそれが必要だった。自分にも、かもしれない。「あなたは臆病者なんかじゃない。それに、簡単な会話でもないわ」
ルーウェンは彼女の肩に頭を預けてきた。苔と樹皮の匂い。タムはいつもその匂いが好きだった。「ありがとう」ルーウェンは囁き、そして続けた。「皆には伝えた方がいいかもしれない。キーロルならそういう話を聞いたことがあるかもしれないし、あの詠唱の律動を私が認識できれば、それが何かに使われているかサナールにはわかるかもしれない。どんな魔法を相手にしているのかを突き止めなければ」
「アルカイックの魔法となると難しいわね。ジャズィ様に話す必要は間違いなくあるけれど……みんなに話すのも同じくらい大切よね」そしてタムは羽ペンを手にとったが、その時頭の中にあったのは別の物事だった。「ねえ、ルーウェン?」
彼は肩越しに振り返った。「どうした?」
「あなたは実家に手紙を書かないのね?」
タムは彼の返答を聞きたかった。もしかしたら、この気持ちを理解してくれるかもしれない。もしかしたら自分たちなりに、この気持ちについて話し合えるかもしれない――孤独感、明らかな違いの数々、次の一歩を踏み出すのにどこに足を置けばいいのかわからない感覚について。
だが彼が答えるよりも早く、地面が揺れた。
ルーウェンが注意深く集めた標本が、そしてタムの数学模型が吊り金具から落ち、天幕の床に音を立てた。外では野営の談笑と音楽が悲鳴に変わった。暗闇が辺りを包み込み、明かりはランタンだけとなった。
タムは天幕から外を覗き見た。巨大な人影がひとつ、黄金色の月光を遮った。その影の中で、世界のすべてが息を止めた。
それをアルカイックと呼ぶのは、スズメとオーリンを比べるようなものだ。新種だろうか? それとも単なる突然変異か何かだろうか? すぐに答えは出てこなかった。それどころか、好奇心旺盛なタムの精神でさえひとつの本能的な考えに向けられ、あまり大きく逸れることはできなかった。
逃げる。
逃げなければ。
全身がそうしろと告げていた。脳の小さな一部、動物的な部分が一斉にシナプスを活性化させた。心臓は激しく脈打ち、息は荒くなった。身体は今すぐにでも逃げたがっていた。
だができなかった。
あまりにも多くのものが危機にあった。
そこかしこで研究者たちが乱暴に押し合い、必死になって叫んでいた。級友たちは散り散りに逃げ、あるいは何らかの魔法を唱えようとしたものの相手の恐るべき大きさに圧倒され失敗していた。頭上では、その巨大で不可知のものを極小の銀河が取り囲んでいた。その銀河それぞれに、タムが理解を欲してやまない無数の世界が宿っているのだ。巨大な姿が投げかける影はそれだけで野営地を闇へと変え、夜目のきかない人間の生徒は向かうべき方向すら見失っていた。暗黒の混沌の中、支配された星々だけが光を投げかけていた。そして焦点を外して見た時、タムはようやく気付いた――その生物の頭部を王冠のように取り囲んでいるのは、スターアーチだった。
逃げなければ。何かをしなければ。
だが混沌の只中で、彼女の身体はただ凍りつくこと以外を許さなかった。
巨体は彼女らをじっと見下ろしていた。ルーウェンが言っていた通りの、目玉のない目。自分は何と馬鹿げていたのだろう? 彼が怯えたのも当然のことだ。
タムは舌を強く噛んだ。何とかして身体を動かさねばならなかった。そしてまさにその時、ルーウェンが突進してきた。背中を荒々しく叩かれ、彼女は我に返ることができた。
ルーウェンが尋ねた。「あれは何だ?」
「わからない。まるで……」
言葉は出てこなかった。ありえない。言葉が出てこなかったことなどない。思考が止まったことなどない。自分の心の範囲内で見方を変えられる問題であれば、何であろうと解決できる――師は明確にそう教えてくれた。
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| アート:Joshua Raphael |
だがこれは、どう言葉で表現すればいいのかがわからなかった。一体どうすれば……
「立ち上がっているぞ!」
タムは息を呑んだ。星々を隠すほど巨大なのに、それでもまた完全に立ち上がっていないというの? もう一度無理にでもそれに目を向けると、ルーウェンの言う通りだった。それは立ち上がっていた。普段であれば巨大なタイタンの墓の肋骨がありふれた大きさに、他のものは極めて小さく見えた。
そして、不意に、そのすべてが終わった。その生き物は不可知の顔をそむけ、身体もすぐに続いた。街から街を跳躍ひとつで渡れるほどの大きな歩幅で、それは立ち去った。
困りごとは始まる前に終わった。
とはいえ、それは恐慌状態を止めるまでには至らなかった。拠点は既に大混乱の状態にあったが、悪化する一方だった。それでも教授が生徒たちを集合させるための叫びや、落ち着くようにとの警備兵たちの声をタムは聞くことができた。
ゆっくりと、確実に、タイタンの墓は息をついた。
事の重大さに気づいたのは、フェル教授がふたりを復旧作業から引き離した時のことだった。
燃えるような目で、教授は尋ねた。神託者ジャズィを見なかったか、と。
その時、タムは計画に関する古い格言を思い出した。計画というものは、遅かれ早かれいずれ無駄になるのだ。
暗号名、ウーナ。繰り返す。暗号名、ウーナ。
その単語がページに浮き上がる様を見た瞬間、キーロルは息を呑んだ。5人でそれを思いついた時は、自分たちの誰かがそれを必要とするのは何年も先のことであって欲しいと願っていたのに。
英雄は静かな生活を送れはしないってことなのかな。
今は午前3時、けれどルールーが窮地に陥っている。つまりそこへ向かう時間だということ。
キーロルは寝台から跳ね起きた。服装なんてどうでもいい、けれど靴だけは別だ。質のいい、頑丈なブーツでなければ。他に選択肢はない。外套を羽織るとキーロルは天幕から飛び出した。
荷車を盗もうか、できれば馬も。駄目だよ、それはできない。犯罪だ! 待てよ。徴発ってことにすれば全然犯罪じゃない! わはは、いい考えだ。キーロ……
だが直後に、黄金のたてがみのアジャニへとまっすぐに衝突し、その語尾は消え去った。
キーロルは焦って言った。「すみません、でもボク行かなきゃいけないところが――」
「こんな時間にですか?」アジャニは低く響く声で言い、尋ねるように首を傾げた。「そして一体どこへ?」
説明すべきか、せざるべきか? 自分の前に立ちはだかるなら誰であろうと相手になる、キーロルはそう決めていた。けれどアジャニのことは信頼していた。今も間違いなく。それに、アジャニはとても大きかった。
「約束して、ボクを止めようとはしないって」
深く低い笑い声。「ご存じでしょう、私にそのようなことはできないと」
キーロルは顔を上げ、足の裏で地面に円を描きながら言った。「ルーウェンとタムが困ったことになってるかもしれないんです。神託者のジャズィ様は間違いなく困ったことになってます。巨大なアルカイックみたいなのが現れて神託者様を連れ去ったとか、フェル教授の行動がすごく変だとか、永遠の献身がどうとか、それと――」
アジャニはキーロルの肩に手を置いて黙らせた。「お友達が危険な目に遭っているのですね?」
「そうじゃなかったら、どうしてボクが午前3時に起きてるんだと思います?」
その点について議論の余地はない。アジャニは頷いた。「私に話してくれたのは正しい判断でした。何が起こっているのか調べましょう――」
「独りでですか?」焦りから、キーロルの声は少しかすれた。「そんなの駄目です! 誰かが後ろを守らないといけませんし、ボクは友達が無事かどうかを確認しないと。今すぐ行かないと」
「君がすべきことは」アジャニは少し睨みつけながら言った。「身の安全を確保することです。何が起こるかもわからないまま行動するのは得策ではありません。真正面から危険に突っ込んでいくのは、怪我をするための近道です。君は、若き戦士はどうするつもりですか?」
キーロルの内に炎が燃え上がった。そして体格差をものともせず、肩を怒らせてアジャニを睨み返した。「ボクが勝ちます」
キーロルが少し驚いたことに、アジャニは本当に引き下がった。視線をそらして溜息をつく。「君のその目つきは誰よりも私が知っています。私にも同じような時がありました。自分の群れを守るためなら、後には友人たちを守るためなら、何であろうと捨て去っても構わないと思っていた頃が」
大気が不思議にざわめいた。けれどそれは、その後に続く静寂を際立たせるだけのように思えた。アジャニの話の続きを待つのが良いとキーロルは感じた……自分の邪魔をしない限りは。
「妥協案があります」アジャニは言った。「私が他の教授と話をします。何かわかるかもしれません。よくて一時間です。その後、一緒に向かいましょう」
キーロルは手で顎をこすりながら、これが自分の大計画にどのようにそぐうかと考えた。相手から提案されたことを検討しているふりをすること、それは家族の商取引から学んでいた。「そうですね」
そして握手のために片手を差し出すと、アジャニはそれに応じた。
「待っている間に、出発の準備をしておいて下さい。到着したら何に遭遇するか分かりません。ですが勝手にどこかへ行ってはいけませんよ。いいですか。意義のある行いとは、独りで成されるものではありません」
「わかりました」とキーロル。「それに、これ以上減点されたくありませんし」
アジャニは天幕から離れていった。キーロルは戻ると荷物をまとめ始めた。だが15分後にアジャニがキーロルの様子を見に戻ると、既にその姿は消えていた。
徴発した馬にまたがったキーロルは、野営地を振り返ってにやりと笑った。
ボクは天才なのさ。
(Tr. Mayuko Wakatsuki)
Secrets of Strixhaven ストリクスヘイヴンの秘密
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