HALL OF FAME
セス・マンスフィールド Seth Manfield
選出 | 2018年 |
---|---|
出身 | アメリカ合衆国、メリーランド州ベセスダ |
プロツアー・デビュー | プロツアー・ジュネーヴ2007 |
生涯獲得プロ・ポイント | 447点 |
世界選手権2015優勝
プロツアー『イクサラン』優勝含め、プロツアー・トップ8入賞4回
グランプリ・デイトナビーチ2007で優勝し、プロツアー参戦への道を切り開く
グランプリ・トップ8入賞は、優勝5回を含め16回を記録
親子二代にわたり、カード・ゲームの世界王者となる
PROFILE プロフィール
セス・マンフィールドは彼の実力が頂点にある今、プロツアー殿堂に顕彰されることになった。昨年度も投票対象に入っていたマンフィールドだが、その後プロツアー『イクサラン』の優勝をもって4度目のプロツアー・トップ8入賞を成し遂げ、2015年の世界選手権優勝という実績を含めて、今年はついに最有力候補の1人となっていた。
「殿堂入りの知らせを初めて受けたときは、腰が抜けるくらい驚きました」と、今年の世界選手権に備えるマンフィールドは言う。「殿堂入りは、プロツアーに参加するようになってからずっと目指していたことです。それは長年の夢であり、目標でした。今年は殿堂投票を意識して取り組み、良い結果を収めることができましたから、皆さんに投票を検討してもらえるとは思っていました」
マンフィールドは、幼い頃からマジックが持つコレクション性と戦略性の高さに魅了された。このゲームを始めたのはわずか8歳のときだったが、彼はこの戦略的なゲームが自分にとって訴求力の強いものであることを知っていた。
「私の父は同じく戦略的なゲームであるブリッジの世界王者でした。私の中にもそういうDNAがあるのです」と、親子二代で世界王者となったマンフィールドは言う。「マジックはとてつもなく複雑ですから、今でもルールを完全には理解できていません。私がまだプレイしていなかった頃のカードの挙動はもちろん、『バンド』がどう機能するかもいまだによくわかっていませんよ。マジックは、常に学んで成長し続けられるゲームです。この複雑なゲームのさまざまな側面が、私を惹きつけてやまないのです」
マンフィールドはジュニア・スーパーシリーズを活躍の舞台とし、プロツアー予選でも優勝を遂げたが、当時はまだ若すぎたために日本で行われたプロツアーへ旅行することができなかった。彼がその名を轟かせるに至ったのは16歳のとき。グランプリ・デイトナビーチ2007の決勝で、もう1人の若きブリッジ・プレイヤーを破った瞬間だった。
「グランプリ・デイトナビーチ2007を制したことで、世界最高の相手と競い合えるという実感を初めて得ることができました」と、マンフィールドは振り返る。「わずか16歳の自分がスター選手に交じってトップ8に入賞し、決勝ではパウロ・ヴィター・ダモ・ダ・ロサ/Paulo Vitor Damo da Rosaと戦うことになりました。トップ・プロ揃いのグランプリで優勝できるなら、もうできないことなんてないと思いましたよ」
ラスベガスで行われた世界選手権2018にて日本の生放送チームの取材を受けたマンフィールドは、彼の競技人生の初期に影響を与えた、ある殿堂顕彰者についてこう述べている。
「プロツアーに出場し始めた頃にプレイを見て、『この人ヤバい』と思ったのは津村健志ですね。彼がプロツアー・トップ8に入賞する姿を見るのは、本当に特別な経験でした。また地元のお店でアレックス・マイラトン/Alex Majlatonのようなプロ・プレイヤーとプレイできたことも(彼とは今も一緒にプレイしています)、自分の成長を確かめる良い機会でした。これもまた特別な経験です」
ついにプロツアー殿堂に招かれ、津村のような、見上げるばかりだったプレイヤーたちと同じ空気を吸う身になったマンフィールド。彼は今、めまいを覚える心地だという。
「感傷に浸っているのかもしれません。世界選手権で優勝してからは、誰もが私を世界王者として見るようになりました。それは私にとって、とても意味のあることです。多くの賞金やプロ・ポイントを得たというだけではありません。プレイヤーの仲間から尊敬され、殿堂投票で票を集めることにつながったのです。殿堂入りは本当にとてつもないことです。ですが私がこれまでの人生を捧げて成し遂げてきたことを今表彰されるのは、なんだか不思議な気分ですね。私はまだプレイヤーとして第一線にいますから」
マンフィールドはその歩みを緩めるつもりはない。彼は今シーズンの緒戦となるプロツアー『イクサラン』で優勝を果たし、自身のプロツアー・トップ8入賞記録を更新した。そしてシーズンの終わりには、プレイヤー・オブ・ザ・イヤーを決めるポイント・レースで同率首位の位置につけた(最終的なタイトルの行方は決定戦に委ねられた)。またグランプリでも複数のトップ8入賞を達成し、キャリア通算では5回の優勝を含めグランプリ・トップ8入賞16回を記録している。
「私はまだ成長を続けており、このゲームに関して新しいことを学び続けています。殿堂入りはマジック・プレイヤーとしての旅路の大きな一歩ですが、まだ終わりではありません。引退はしませんよ。信じられないほど光栄なことですが、まだまだやりたいことはあります。私はまだ殿堂入りにふさわしいプレイヤーではありません。この高みへ登るには、達成しなければいけないことがたくさんあります。それは1年や2年でどうにかなるものではなく、キャリアを通して成し遂げるものです。マジック人生を通して良いプレイを続けた者こそが、殿堂顕彰者です」
最後にマンフィールドは、特に感謝したい人物を挙げて言葉を紡いだ。
「まずはいつも寄り添ってくれた家族へ。とりわけ母のメラニー・マンフィールド/Melanie Manfieldには感謝しています。最初に権利を勝ち取った日本でのプロツアーへの旅行は許してくれませんでしたが、同じ時期に行われたジュニア・スーパーシリーズやグランプリに私を連れて行ってくれました。その後も私のキャリアを支えてくれています。それから、娘のイヴ/Eve、ガールフレンドのジェニファー・コール/Jennifer Cole、そして私の成長を見守ってくれた仲間たち――身近にいる大切な人たちのおかげで、私は自分のためだけに生きるのではなく、友人や家族のために生きることができるのです」
「殿堂入りの知らせを初めて受けたときは、腰が抜けるくらい驚きました」と、今年の世界選手権に備えるマンフィールドは言う。「殿堂入りは、プロツアーに参加するようになってからずっと目指していたことです。それは長年の夢であり、目標でした。今年は殿堂投票を意識して取り組み、良い結果を収めることができましたから、皆さんに投票を検討してもらえるとは思っていました」
マンフィールドは、幼い頃からマジックが持つコレクション性と戦略性の高さに魅了された。このゲームを始めたのはわずか8歳のときだったが、彼はこの戦略的なゲームが自分にとって訴求力の強いものであることを知っていた。
「私の父は同じく戦略的なゲームであるブリッジの世界王者でした。私の中にもそういうDNAがあるのです」と、親子二代で世界王者となったマンフィールドは言う。「マジックはとてつもなく複雑ですから、今でもルールを完全には理解できていません。私がまだプレイしていなかった頃のカードの挙動はもちろん、『バンド』がどう機能するかもいまだによくわかっていませんよ。マジックは、常に学んで成長し続けられるゲームです。この複雑なゲームのさまざまな側面が、私を惹きつけてやまないのです」
マンフィールドはジュニア・スーパーシリーズを活躍の舞台とし、プロツアー予選でも優勝を遂げたが、当時はまだ若すぎたために日本で行われたプロツアーへ旅行することができなかった。彼がその名を轟かせるに至ったのは16歳のとき。グランプリ・デイトナビーチ2007の決勝で、もう1人の若きブリッジ・プレイヤーを破った瞬間だった。
「グランプリ・デイトナビーチ2007を制したことで、世界最高の相手と競い合えるという実感を初めて得ることができました」と、マンフィールドは振り返る。「わずか16歳の自分がスター選手に交じってトップ8に入賞し、決勝ではパウロ・ヴィター・ダモ・ダ・ロサ/Paulo Vitor Damo da Rosaと戦うことになりました。トップ・プロ揃いのグランプリで優勝できるなら、もうできないことなんてないと思いましたよ」
ラスベガスで行われた世界選手権2018にて日本の生放送チームの取材を受けたマンフィールドは、彼の競技人生の初期に影響を与えた、ある殿堂顕彰者についてこう述べている。
「プロツアーに出場し始めた頃にプレイを見て、『この人ヤバい』と思ったのは津村健志ですね。彼がプロツアー・トップ8に入賞する姿を見るのは、本当に特別な経験でした。また地元のお店でアレックス・マイラトン/Alex Majlatonのようなプロ・プレイヤーとプレイできたことも(彼とは今も一緒にプレイしています)、自分の成長を確かめる良い機会でした。これもまた特別な経験です」
ついにプロツアー殿堂に招かれ、津村のような、見上げるばかりだったプレイヤーたちと同じ空気を吸う身になったマンフィールド。彼は今、めまいを覚える心地だという。
「感傷に浸っているのかもしれません。世界選手権で優勝してからは、誰もが私を世界王者として見るようになりました。それは私にとって、とても意味のあることです。多くの賞金やプロ・ポイントを得たというだけではありません。プレイヤーの仲間から尊敬され、殿堂投票で票を集めることにつながったのです。殿堂入りは本当にとてつもないことです。ですが私がこれまでの人生を捧げて成し遂げてきたことを今表彰されるのは、なんだか不思議な気分ですね。私はまだプレイヤーとして第一線にいますから」
マンフィールドはその歩みを緩めるつもりはない。彼は今シーズンの緒戦となるプロツアー『イクサラン』で優勝を果たし、自身のプロツアー・トップ8入賞記録を更新した。そしてシーズンの終わりには、プレイヤー・オブ・ザ・イヤーを決めるポイント・レースで同率首位の位置につけた(最終的なタイトルの行方は決定戦に委ねられた)。またグランプリでも複数のトップ8入賞を達成し、キャリア通算では5回の優勝を含めグランプリ・トップ8入賞16回を記録している。
「私はまだ成長を続けており、このゲームに関して新しいことを学び続けています。殿堂入りはマジック・プレイヤーとしての旅路の大きな一歩ですが、まだ終わりではありません。引退はしませんよ。信じられないほど光栄なことですが、まだまだやりたいことはあります。私はまだ殿堂入りにふさわしいプレイヤーではありません。この高みへ登るには、達成しなければいけないことがたくさんあります。それは1年や2年でどうにかなるものではなく、キャリアを通して成し遂げるものです。マジック人生を通して良いプレイを続けた者こそが、殿堂顕彰者です」
最後にマンフィールドは、特に感謝したい人物を挙げて言葉を紡いだ。
「まずはいつも寄り添ってくれた家族へ。とりわけ母のメラニー・マンフィールド/Melanie Manfieldには感謝しています。最初に権利を勝ち取った日本でのプロツアーへの旅行は許してくれませんでしたが、同じ時期に行われたジュニア・スーパーシリーズやグランプリに私を連れて行ってくれました。その後も私のキャリアを支えてくれています。それから、娘のイヴ/Eve、ガールフレンドのジェニファー・コール/Jennifer Cole、そして私の成長を見守ってくれた仲間たち――身近にいる大切な人たちのおかげで、私は自分のためだけに生きるのではなく、友人や家族のために生きることができるのです」