HALL OF FAME

オーウェン・ターテンワルド

Owen Turtenwald

選出 2016年
出身 アメリカ合衆国、ウィスコンシン州ウェストアリス
プロツアー・デビュー プロツアー・バレンシア2007
生涯獲得賞金 【記載なし】
生涯獲得プロ・ポイント 460点

2011年度と2016年度の2シーズンでプレイヤー・オブ・ザ・イヤー獲得。プロツアー・トップ8入賞4回。グランプリでは4回の優勝を含め、トップ8入賞21回。ここ5年間での最強プレイヤーの一角として名を上げる。親友のリード・デューク/Reid Dukeとウィリアム・ジェンセン/William Jensenとともにチーム「Peach Garden Oath」としても活躍している。

PROFILE

ときはグランプリ・コロンバス2007。当時まだ10代だったオーウェン・ターテンワルド/Owen Turtenwaldはこの大会で準優勝を果たし、大西洋を越えたスペイン・バレンシアの地で行われるプロツアーへの参加権利を手にした。

「ずっとプロツアーに行きたかったんです。たとえ全財産が旅費に消えるとしても、何がなんでもプロツアーに行きたかった」と、ターテンワルドは初めて最高の舞台に立った当時を振り返る。そして彼はその大会で18位という成績を収めた。初出場のプロツアーでその結果は、多くのプレイヤーと比べて良いものだったと言えるだろう。

「トップ8の可能性を残す最後の試合で負けて惜しくも入賞を逃しましたが、それでも初めてにしては上出来だったと思います。本当に強いプレイヤーが集まるプロツアーですから。最高の舞台でも普段と変わりませんでした。一生懸命マジックをプレイする。ベストを尽くして最高のプレイを見せるだけです。あのときは、トップ8入賞を懸けた最終ゲームでトリプル・マリガンを喫して負けました。結末はひどかったですが、トップ8入賞の目があるところまで行けたことと最高の舞台での戦いの楽しさに……すっかり夢中になりました。プロツアーでプレイできないことが一番嫌なことになるほどに。とにかく最高でした。他では決して味わえない楽しさがそこにあったんです」

 その言葉通りターテンワルドはプロツアーの舞台に立ち続け、グランプリでも優勝4回を含めトップ8入賞21回という圧倒的な活躍を見せた。2011年には1シーズンでグランプリ・トップ8入賞7回という記録を樹立し、プレイヤー・オブ・ザ・イヤーを獲得。4度のグランプリ優勝のうち2回は、グランプリ・ワシントンD.C.2013とグランプリ・アルバカーキ2013の2週連続優勝だった。彼はまた、チーム・リミテッドで最強の一角と称えられるチームのメンバーでもある。ターテンワルドとリード・デューク/Reid Duke、殿堂顕彰者ウィリアム・ジェンセン/William Jensenの3人による「Peach Garden Oath」は、チーム戦グランプリで4度のトップ8入賞を記録しており、グランプリ・ポートランド2014では優勝も成し遂げている。

 ターテンワルドは、プロツアー『ギルド門侵犯』で自身初のプロツアー・トップ8入賞を果たした。そしてこの年、彼にとって最も思い出深い瞬間が訪れる。それはプロツアー『マジック2015』でのことだった。彼はタイブレーカーでトップ8に滑り込んだのだ――彼が記録するプロツアー・トップ8入賞4回のうち、2回目が達成された瞬間だった。

「驚きましたよ。他のマジックの大会ではタイブレーカーでトップ8が左右されるなんてあり得なかったから。何勝以上という基準があって、それを達成した8人が合意の上の引き分けを選択するのが普通です。だから最終ラウンドの結果はあまり意味がない……でもプロツアーは違ったんです」と、新たな殿堂選出者はそのときのことを回想する。「他の大会より人数は少ないのにラウンド数が多いからこういうことが起きるんでしょう。タイブレーカーでトップ8に入賞すること自体初めてなのに、まさかプロツアーでそれを達成するとは。本当に驚いたし、嬉しかったです。その大会では準決勝まで進むことができ、私自身のプロツアーの最高成績を更新できました」

 ターテンワルドは同じ殿堂顕彰者を多く擁するチーム「ChannelFireball」とチーム「The Pantheon」に所属した経験があり、お世話になってきた彼らと肩を並べることを喜んだ。

「中でも特に私を支えてくれたのは、ルイス・スコット=ヴァーガス/ Luis Scott-Vargasとウィリアム・ジェンセン、リード・デューク、ジョン・フィンケル/Jon Finkelです。私がマジックを始めた当初から、ルイスは多くのことを教えてくれました。無名の新人だった私に声をかけ、チームへ迎え入れたんです」キャリアを振り返って感謝したい人物を尋ねると、ターテンワルドはそう答えた。「その後は『Pantheon』に移籍して、今に至ります」

 ターテンワルドの人物像を語る上で、「最強のマジック・プレイヤーになる」という彼の強い意志を欠かすことはできないだろう。その情熱と、そしてジェンセンとデュークとの深い絆は、マジック・プレイヤーを取り挙げるドキュメンタリー動画シリーズ「Enter the Battlefield」でも伝えられている。殿堂入りを果たしたことで今後すべてのプロツアーへ招待されるようになり、大会への参加数自体は減るかもしれないと認めるターテンワルドだが、それはプレイ頻度を減らしたいという意味ではなく、最高のパフォーマンスを追求するためだという。

「毎年プラチナ・レベル達成に挑戦していた理由の半分は、プロツアーに出場し続けるためでした。今でも、プラチナを維持できる自信はあります。マジックに全力を注ぐと決めたときから毎年、5~6年連続で達成できていることですから。それでも今後は、十分に準備ができていないのに国境を越えてあらゆるグランプリに参加するほどのプレッシャーに追われる心配はなくなります。これからは、行くと決めた大会に向けて全力を尽くすつもりです」

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