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行弘賢のよくわかる!リミテッド講座

2016.09.30

行弘賢のよくわかる!リミテッド講座 第15回:『カラデシュ』発売!新環境ドラフト攻略

 皆さんこんにちは!ゾンビやエルドラージが跋扈するダークファンタジーだったイニストラードの世界から一転、機体やドワーフ等、爽快感ある世界『カラデシュ』の発売もついに本日!まったく新しい環境やシステムに今からリミテッドが非常に楽しみですね!

 今回も引き続き「新環境リミテッド:発売前ファーストインプレッション」と、「新環境リミテッド:プロツアー後の振り返り」の2本立てで、今回は前編です。基本的にはブースタードラフトに関する内容の記事とはなりますが、カードの評価などはシールドデッキでも応用できる点もあるかと思いますので、リミテッドが好きな方のお役に立てたらと思います。

 それでは、まずは新環境のファーストインプレッションから見ていきましょう!

1.新環境~『カラデシュ』のドラフト

 『カラデシュ』3パックを使用する形式です。

ファーストインプレッション

 今回の『カラデシュ』のカードリストを見たファーストインプレッションは、以下の3点です。

  • 機体は装備品のような性能だが、使えるアーキタイプを選ぶので気軽に採用するのはためらわれる
  • 《予言のプリズム/Prophetic Prism(KLD)》がコモンにあり多色化が容易で、カードパワーが高いデッキを作れそう
  • エネルギーシナジーが強力なので積極的に取り入れたい

 順番に解説していきます。

機体は装備品のような性能だが、使えるアーキタイプを選ぶので気軽に採用するのはためらわれる

 機体はクリーチャーをタップさせてクリーチャー化させるアーティファクトですが、性質上守りで使うと隙が多すぎますし、装備品と違ってパワーの要求値を満たしていないと起動できないので意外と使いにくい印象です。

 2マナ域が多めの後半役に立ちにくいクリーチャーを多く採用しているようなアーキタイプでは攻めの後押しとして使えそうなので、ビートダウンで1~2枚採用するイメージです。

《予言のプリズム/Prophetic Prism(KLD)》がコモンにあり多色化が容易で、カードパワーが高いデッキを作れそう

 《予言のプリズム/Prophetic Prism(KLD)》はカラーサポートながら手札を減らさず、またアーティファクトカウントを増やせる超優良カードです。とりあえず1枚取ればシングルシンボルのレアのタッチくらいは容易なので、下手なカードをピックするよりは《予言のプリズム/Prophetic Prism(KLD)》をピックした方が後々楽になりそうです。

 逆に2色で組む場合は《予言のプリズム/Prophetic Prism(KLD)》を入れたカードパワーが高いデッキに勝てるような強いシステムやビートダウンプランが無いと厳しそうです。

エネルギーシナジーが強力なので積極的に取り入れたい

 エネルギー・カウンターを使うクリーチャーは簡単にサイズアップするので、追加でエネルギー・カウンターを得る手段が用意できれば、2~3マナ域のクリーチャーながら4マナ域以上のクリーチャーと渡り合えるサイズになることもできます。

 また《霊気拠点/Aether Hub(KLD)》のような多色土地もエネルギーさえあれば運用できるため、エネルギーシナジーはできる限り積極的に採用したいですね。


 ここまでがカードリストを見た最初の感想です。

 多色化でカードパワーが高いコントロール相手にエネルギー・シナジーを採用したビートダウンがどこまで戦えるか、というのが環境のスタートになりそうです。

 さて、次は『カラデシュ』の新キーワード能力について見ていきましょう。

2.収録キーワード能力について

機体/搭乗

搭乗N(あなたがコントロールする望む数のクリーチャーを、パワーの合計がN以上になるように選んでタップする:ターン終了時まで、この機体はアーティファクト・クリーチャーになる。)

 搭乗は機体が持つ能力で、指定されたパワーを持つクリーチャーを1体以上タップすることで機体がクリーチャー化する能力です。逆に搭乗するまでは機体はアーティファクト・カードであり、プレイしたターンにクリーチャー化すると召喚酔いの影響を受けるので攻撃やタップが必要な起動型能力が使えなくなります。

エネルギー・カウンター

あなたは{E}(エネルギー・カウンター1個)を得る。

 エネルギー・カウンターはそれ単体では何もできませんが、都度マナのように支払うことでさまざまなカードを強化することができます。土地と違う点として、一度支払うと消えてしまうので使うタイミングを考えないとすぐに枯渇してしまうことには注意です。

製造

製造N(このクリーチャーが戦場に出たとき、これの上に+1+1カウンターをN個置くか、無色の1/1の霊気装置・アーティファクト・クリーチャー・トークンをN体生成する。)

 製造とは、その数値分そのクリーチャーに+1/+1カウンターを乗せるか、1/1のトークンを生成するか選択できる能力です。

 トークンがアーティファクト・クリーチャーなので、デッキにアーティファクトシナジーがある場合、製造クリーチャーもアーティファクト換算することができます。

 相手のクリーチャーよりサイズが上がる場合や、飛行クリーチャーは基本的に+1/+1カウンターを、膠着していてサイズ差が影響しにくい場合や、ダメージレースをしていてチャンプブロッカーが欲しい場合は1/1トークンのように、局面によって上手く使い分けましょう。

3.『カラデシュ』の注目のカード

 さて、それではここからは色別、レアリティ別(コモン・アンコモン)で、僕が強力だと思うカード・トップ3を挙げていきたいと思います(3枚の中での順位はつけません)。皆さんも最初はカードの強さがいまいちよく分からないと思うので、ぜひ参考にしてみてください。

白・アンコモン

《空鯨捕りの一撃/Skywhaler's Shot(KLD)》:完全除去の上に、破壊できる範囲が非常に広く、占術1まで付いている超優良除去です。

《たなびき織りの天使/Wispweaver Angel(KLD)》:明滅効果で製造持ちを使いまわしてもよし、基本サイズも4/4と申し分ない強力な飛行クリーチャーです。

《博覧会場の警備員/Fairgrounds Warden(KLD)》:戦場を離れた時に相手にクリーチャーを返してしまうデメリットこそありますが、完全除去付きクリーチャーが弱いわけもありません。環境的に機体に搭乗させられる点も追い風ですね。

白・コモン

《プロペラの先駆者/Propeller Pioneer(KLD)》:4マナ3/2飛行か、2/1飛行&1/1のブロッカーかを選べるのは、ダメージレースになりやすい飛行ビートには嬉しい選択肢ですね。

《特権剥奪/Revoke Privileges(KLD)》:環境に対応した《平和な心/Pacifism》なので優秀な除去です。

《断片化/Fragmentize(KLD)》:環境にはエンチャント・アーティファクトがあふれているので対象に困ることはなさそうです。

青・アンコモン

《天才の片鱗/Glimmer of Genius(KLD)》:占術2しつつ2枚引き、さらにエネルギー・カウンターも増やすのはあまりにも強力すぎます。

《巧みな交渉術/Shrewd Negotiation(KLD)》:《予言のプリズム/Prophetic Prism(KLD)》のような相手に渡して損をしないカードを渡して相手の一番強いカードがもらえるなら、得しすぎでは?

《ヒレナガ空鯨/Long-Finned Skywhale(KLD)》:地上は「製造」持ちのクリーチャーにより膠着しがちなので、飛行の高クロックは高い評価を付けられそうです。

青・コモン

《理論霊気学者/Aether Theorist(KLD)》:エネルギー・カウンターを3つも得られる上、占術によりデッキの潤滑油になれる非常に優秀な2マナ域です。

《上天の貿易風/Aether Tradewinds(KLD)》:使いまわしが利くカードが多い『カラデシュ』環境では、自分のカードをバウンスできるのはむしろメリットです。

《亢進する亀/Thriving Turtle(KLD)》:1マナ1/4相当はかなり凄いですね。ハイスペッククリーチャーです。

黒・アンコモン

《本質の摘出/Essence Extraction(KLD)》:インスタント除去として優秀な上、3点回復でダメージレースを覆す可能性がある、優秀な除去です。

《霊基体の匪賊/Aetherborn Marauder(KLD)》:+1+1カウンターを1つ動かすだけで3/3飛行絆魂になる化け物スペック。もちろん素の2/2でも十分強いです。

《奥の手/Underhanded Designs(KLD)》:起動に条件こそ必要ですが、完全除去なので弱いわけはありません。

黒・コモン

《当然の結論/Tidy Conclusion(KLD)》:インスタントの完全除去、ライフ回復とコントロールするアーキタイプのベストマッチカードです。

《短命/Die Young(KLD)》:2マナ除去ながら、上手くシナジーが組めれば幅が広がる使い勝手の良い除去です。

《亢進するネズミ/Thriving Rats(KLD)》:1回攻撃しないとただの1/2という欠点こそあるものの、2マナ2/3相当の優秀なクリーチャーです。

赤・アンコモン

《蓄霊稲妻/Harnessed Lightning(KLD)》:2マナ除去かつ、インスタントでエネルギー・カウンターを補給し、コンバットトリックのようにも使える超優秀除去です。

《焼夷式破壊工作/Incendiary Sabotage(KLD)》:インスタントで全体除去できるのは凄まじい破壊工作です。

《改革派の霊気砲手/Aethertorch Renegade(KLD)》:「ティム」能力によるシステムの強さはもちろんのこと、最終的には6点火力になるフィニッシャーとしても優秀です。

赤・コモン

《溶接の火花/Welding Sparks(KLD)》:インスタントで3点以上になる火力は流石にやりすぎでは?

《亢進する地虫/Thriving Grubs(KLD)》:2マナ3/2相当、またそれ以上に強くなる可能性があるハイスペッククリーチャーには脱帽です。

《チャンドラの螺旋炎/Chandra's Pyrohelix(KLD)》:振り分け火力は使い勝手が良く、インスタントなのも高評価です。

緑・アンコモン

《牙長獣の仔/Longtusk Cub(KLD)》:攻撃を通すたびに強くなる上、インスタントタイミングで強化できる、2マナとは思えない強力なクリーチャーです。

《導路の召使い/Servant of the Conduit(KLD)》:2回だけとはいえ好きなマナを捻出できる2マナ2/2、さらにエネルギー・カウンターを使わなくてもそれを流用できるエネルギーの申し子。

《高木背の踏みつけ/Arborback Stomper(KLD)》:5点回復は流石に無視できない回復量ですね。優秀なクリーチャーです。

緑・コモン

《ピーマの先導/Peema Outrider(KLD)》:これって4マナ4/4トランプル相当ってことですよね。とんでもないマナレシオです。

《人工物への興味/Appetite for the Unnatural(KLD)》:環境には割りたいものばかり。見たら取りましょう。

《亢進するサイ/Thriving Rhino(KLD)》:亢進シリーズの中でも一番マナレシオが良く、強力なクリーチャーです。


 以上、各色のトップ3でした。

 さて次は、『カラデシュ』参入後の注目アーキタイプをチェックしていきましょう!

4.『カラデシュ』の注目のアーキタイプ

注目のアーキタイプその1:多色プリズム

 《予言のプリズム/Prophetic Prism(KLD)》や《野生の放浪者/Wild Wanderer(KLD)》、《霊気との調和/Attune with Aether(KLD)》でマナベースを構築し、強力なレアやマルチカラーのアンコモンシリーズである《雲先案内人/Cloudblazer(KLD)》や《機械修復職人/Restoration Gearsmith(KLD)》を好きなだけ採用する、強力なカードをプレイするアーキタイプです。

 基本的にはカードパワーが高いカードをピックしていくので、他のカードは除去や壁役のような守りに適したカードをピックしていくようにしましょう。

注目のアーキタイプその2:青赤アーティファクト

 青赤アーティファクトは《歯車襲いの海蛇/Gearseeker Serpent(KLD)》や《無謀な炎織り/Reckless Fireweaver(KLD)》のようなアーティファクトシナジーのあるカードを《予言のプリズム/Prophetic Prism(KLD)》や《ガラス吹き工の組細工/Glassblower's Puzzleknot(KLD)》などの場持ちが良いアーティファクトでサポートするアーキタイプです。

 青赤はアーティファクトシナジー以外にもエネルギーシナジーもあるので、両方の良いとこ取りをする逃げ道も覚えておくと良さそうです。

注目のアーキタイプその3:赤緑エネルギービートダウン

 《亢進する地虫/Thriving Grubs(KLD)》と《亢進するサイ/Thriving Rhino(KLD)》を、《織木師の組細工/Woodweaver's Puzzleknot(KLD)》や《霊気との調和/Attune with Aether(KLD)》のような自身にエネルギーの使い道がないカードで強化しながらサイズアップしつつ攻撃していく、肉質の良いビートダウンです。

 緑には《弱者狩り/Hunt the Weak(KLD)》、赤には《撃砕確約/Built to Smash(KLD)》というサイズ差を活かしたコンバットトリックや除去が揃っているので、並大抵の手段では返せない厚みがある攻めをすることができそうです。

注目のアーキタイプその4:白黒製造

 白と黒の製造カードからアーティファクトを生み出し、《ドゥーンドの調査員/Dhund Operative(KLD)》や《鋳造所のコウモリ/Foundry Screecher(KLD)》を強化しつつ高速ビートダウンを決めるアーキタイプです。

 アーキタイプの都合上サイズが小さなクリーチャーが多めになりやすいので、《発明者のゴーグル/Inventor's Goggles(KLD)》や《改革派の貨物車/Renegade Freighter(KLD)》のようなビートダウンをバックアップするカードでバックアップしていける構成にしましょう。

5.最後に

 これで今回の記事は終わりです。最後まで読んでいただいてありがとうございました。この記事が少しでも、皆さんが新環境のドラフトを楽しむ助けになれば幸いです。

 プロツアー『カラデシュ』後には再度環境の振り返り、答え合わせ編をやりますので、そちらもよろしくお願いします。前回のプロツアー『異界月』では久しぶりにドラフトラウンド3-3と勝ち越しができなかったので、今回は必ず勝ち越しできるようにリミテッドに力を入れたいと思っていますので、後編もお楽しみいただけますと幸いです。

 それでは皆さん、また次回の連載の記事でお会いしましょう!

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