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射場本正巳の「統率者(2017年版)のススメ」
射場本正巳の「統率者(2017年版)のススメ」第2回:構築済みデッキをチューンしてみよう!
射場本正巳の「統率者(2017年版)のススメ」第2回:構築済みデッキをチューンしてみよう!
by 射場本 正巳
先週、ついに『統率者(2017年版)』が発売となりました!
どうですか? 皆さんはもう触ってみましたか?
お店では統率者交流会が行われていましたが、僕は社内の対戦会に参加してきました。使ったのは「ドラゴンの支配」!
やっぱりドラゴンいいですよねー! デカさ、派手さ、5色デッキということであふれ出る万能感。気持ちイイ!!
今回の新能力である「威光」もとても良い感じにゲームにアクセントを加えてくれていました。どのリーダーも統率者の中の統率者という感じがしていいですね。
各デッキともパッケージのクリーチャーだけでなく、同梱されている他のフォイル版のクリーチャーに統率者を変更して遊ぶことができますので、気分に合わせて変えてみると面白いですよ。
今週以降も全国のお店で統率者交流会が開催されていますので、気になる方は今からでも間に合います! 最初の週の開催は終わってしまっているかもしれませんが、2回目以降に参加していただいて、統率者戦がどんな雰囲気かを体験していただけたら嬉しいです!
このデッキでも結構遊んだぞ、さて次はどうしよう?
最初のうちは構築済みのデッキを(統率者部分を入れ替えてもらったりしながら)そのまま遊んでもらえたら十分楽しめると思いますが、だんだんと、
- 「この部分ちょっと自分好みじゃないなぁ」
- 「あのカード入れたいなぁ」
- 「もっと強くしたいなぁ」
- 「あのコンボ仕込みたいなぁ」
などなど、いろいろな欲求が出てくると思います。そしたらいよいよ次のステップ、デッキの改造に行ってみましょう!
改造といっても最初のうちはデッキの中の一部を入れ替えていくだけでOK。特に気にせずに好きに変えてみてください。
土地のバランスとか除去やクリーチャーの枚数なんかは、そうやって試行錯誤するうちに自分なりの着地点が見つかるものなので、あんまり気にしなくていいですよ。
どうしても気になる方は、土地の枚数だけ初期値と同じになるように入れ替えてもらえれば、土地バランスが悪くてプレイできないということはないはずです。
デッキができたら試してみたくなるのが人情。まずは一人回しして感触を確かめるのもいいですが、その後はやっぱり対戦したいですよね。
統率者交流会は『統率者(2017年版)』製品発売2週目以降も行われますので、そちらに参加していただいて、少しずつステップアップを経験していただけたらと思います。
統率者交流会で出会った仲間と、同じスタートラインからはじめて一緒に成長していくことができたら理想的ですね。
あれ?普通の統率者の大会しかやってないけど出ちゃって大丈夫かな?
ですがたとえば、2週目以降は通常の統率者イベントに出場してみたい、という方ももちろんいると思います。しかしやっぱり通常の統率者戦となってしまうと気後れしてしまうもの。さて、構築済みの改造で通常統率者戦にデビューしても大丈夫なんでしょうか?
実際のところ、結局はコミュニティ、参加者によるとしか言えません。カジュアルに遊ぶ人が多ければ何とかなりそうですが、ガチで組んでいる人が多いところだと正直なところ手も足も出ない可能性はあります。
どういうことかというと、構築済みデッキは普通のマジックでいうシールドデッキ戦のようなものです。ある程度時間をかけてプレイすればちゃんとデッキとして動くし楽しめるのですが、いかんせん研ぎ澄まされた統率者戦のデッキは、まるでレガシーのデッキのような鋭さがあります。軽い呪文、軽いマナ加速、「フリースペル」など、序盤からどれだけ動けるかが大事で、ときには2~3ターン目に決着が着くこともあったりするのです。
統率者戦を極めていくうちにそうなっていくのも自然の流れですし、ルールで許されているのですから強いデッキを追い求めることは悪いことではありません。ただ、みんながわかっていてそういう意志のもとでガチで遊ぶのなら全然問題ないのですが、始めたばかりの人が入っていくにはちょっとハードルが高いですね。
せっかく勇気を出してはじめてイベントに参加したのに、2、3枚土地を置いてゲームエンドではあまりに悲しいものです。最初から勝てはしなくとも、せめて楽しく遊んで帰りたいですよね。
これは個人的な考えですが、今の統率者戦に新規プレイヤーが参入していく障壁は構築済みデッキからリアルな統率者戦の世界までの差にあると思います。
そもそも何もないところから突然統率者戦をはじめるには、
- カードプールが広すぎてデッキがイメージできない。
- ノウハウがないからどこから手を付けていいかわからない。
というようなハードルがあるのですが、構築済みデッキでその大部分はクリアできています。
ただ、構築済みデッキは構築済みデッキ同士でわいわい遊べるようにと極度のマナ加速や即死コンボなどが入っていないので、どうしても通常の構築デッキと戦うとなると差が開いてしまいます。しかし、ガチのデッキを組むにはどうしてもある程度の知識と経験とカード資産が要求されます。統率者戦を楽しんでもらうプレイヤーを増やすためにもこのギャップをなんとかしなければいけません。
さて、どうしたものでしょうか?
そうだ! 新しいフォーマットはどうだろう!?
そこで、フルパワーで戦う統率者戦に行く前に、中間のフォーマットで遊んでもらえないかと考えました。
過去の連載でも「格内フォーマット」という遊び方をご紹介してきましたが、同じ発想ですね。「格内フォーマット」は、ルール作成当時はよかったのですが、その後『モダンマスターズ』や『エターナルマスターズ』などの登場により、当時のルールのままだと使えるカードがかなり増えましたし、なにより分かりにくくなってきました。
例えば現在の構築済みデッキ製品がシールドデッキ戦だとすると、格内フォーマットはモダン、通常の統率者戦はレガシーのようなものです。ステップアップのためには、スタンダードくらいの手軽さで始められるものが必要なのではないでしょうか? そこで、新たな統率者戦のフォーマットを提案させていただきます。
統率者<スタンダード+>
使用できるカード:最新の『統率者』製品に含まれるカード、スタンダード・フォーマットに存在するカード、およびすべての伝説のクリーチャー
禁止カード:なし
最初は統率者製品を改造していくという観点から、それにスタンダードのカードを足していくということを考えていましたが、それだけだと統率者に使用するクリーチャーのバリエーションが狭くなりすぎてしまいデッキタイプも増えないだろうということで、追加で伝説のクリーチャーに関してはどのセットのカードでも使用できることにしました。
通常の統率者のように軽いドローや強烈なマナ加速がないので、初心者の方でも楽しめるようなゆったりとしたゲームスピードで、みんなでわいわいゲームすることが可能です。(だいたい10ターン前後、プレイ時間は30分~1時間くらいでしょうか?)
また、統率者戦における禁止カードはスタンダードのカードプールにほとんど含まれないため、このフォーマットでは「禁止カードなし」にします。これによって禁止カード情報を覚えなくても参入できます。(通常の統率者にない点として、通常は禁止指定されている伝説のクリーチャーも禁止なしとなります。)
通常の統率者戦では使うことができなかった《グリセルブランド》や《引き裂かれし永劫、エムラクール》など強烈なクリーチャーを試すチャンスでもあるので、普段は通常の統率者を楽しんでいる方にも一度遊んでみていただけたら嬉しいです。
交流会を開催中のお店様にも2週目以降の遊び方として採用していただけるようでしたらありがたいですね。
- 2週目:統率者製品+スタンダードのカード
- 3週目:統率者製品+スタンダードのカード+伝説のクリーチャー (統率者<スタンダード+>)
のように、徐々に使えるカードを増やしていくのも面白いかもしれません。
何度か遊んでみましたが、お手軽でありながらお気に入りの伝説のクリーチャーも使えるので、入り口は広く、さらに思った以上に自由度が高い、いいとこどりのフォーマットとなりました。ぜひ一度遊んでいただけたら嬉しいです。
そしてこのフォーマットはグランプリ・静岡2017秋のサイドイベントでも開催予定です! 当日はウィザーズ東京オフィスのメンバーからもゲスト参加予定ですのでよろしくお願いします!
ただし、グランプリ・静岡2017秋では1つだけルールを変更する予定です。『イクサラン』が発売の週末でスタンダードのローテーション直後であり、突然対応できない恐れがあります。今回のサイドイベントの特例、として『戦乱のゼンディカー』~『イクサラン』までのセットを使えるものとして行う予定です。
詳細については、今後の正式な告知や、主催の晴れる屋様の告知をお待ちください!
さて、いかがでしたでしょうか?
次回は実際にこの新しいフォーマットでどのようのデッキが組めるかの紹介などをしていこうかと思います。ということで今回はおしまい!
また1週間後くらいにお会いできればと思います! それでは!
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