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コラム

金子と塚本の「勝てる!マジック」

金子と塚本の「勝てる!マジック」 第21回:シールドデッキ その2

金子と塚本の「勝てる!マジック」 第21回:シールドデッキ その2

by 金子 真実 & 塚本 樹詩

登場人物:

金子 真実

ウィザーズ・オブ・ザ・コーストの人。塚本に押しかけられ突然弟子をとることになった。
Q. 来世、人間以外で生まれ変わるとしたら何になりたい?
A. ネコになって、縁側でひなたぼっこしながら生きていきたいですね。

塚本 樹詩

マジック初心者。マジックの大きな舞台での活躍を夢見て、金子に弟子入りした。とにかく元気。
Q. 来世、人間以外で生まれ変わるとしたら何になりたい?
A. 僕は......一人暮らしの声優が飼う犬や猫になりたいですね。

前回の勝てマジ!

 『シールドデッキ(以下シールド)』の基礎知識をおさらいし、改めて奥の深いフォーマットだと感じた塚本。金子は『シールド』を極めるには3つの要素『心・技・体』が必要だと言う。

 塚本と金子は山に籠もり、「熊に追いかけられながらパック開封」や「滝行中にデッキ構築」などの厳しい修行を次々とこなす。

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 そんな中、闇の組織からの刺客が二人を襲うが、これを修行の成果を見定める場だと考えた金子は、わざと塚本と刺客を引き合わせる。

「に......兄さん!?」

 刺客として塚本を襲ったのは、塚本がニート時代にネットゲームで兄として慕っていた人物だった!

 偶然の再会もつかの間、4日にも及ぶ死闘の末に塚本は、「奥義!6パック全部詰め込み基本土地も10枚ずつ入れて後は運否天賦パンチ!」を編み出し、見事兄に勝利したのであった!

 死闘の末にボロボロになった塚本に、金子は無情にも次の試練を言い放つのであった......!


金子「塚本さん!あらすじ長いですよ!それに、99%嘘じゃないですか!! 間違っても引いたカード全部詰め込んで基本土地10枚ずつ入れてデッキ作ったりしないでくださいね!

塚本「師父......!」

金子「そんな設定ではありません! 前回は基礎のおさらいだったので、今回は基礎の少し先の戦略について説明していきますね。」

塚本「ここから......金子師父による1週間ノンストップの『シールド』の秘術が......ぶつぶつ......。」

金子「今回も大きく3つに分けて説明しますね!まずは......。」

1.優秀なサイドボードを把握しよう!

金子相手のデッキによってはクリティカルな効果を発揮するカードをよく把握しておきましょう。飛行対策カードや、特定の色対策カードがわかりやすいですね。本当に効果が高いなら、色が合っていなくてもそのためにタッチするサイドボードもありですね!」

塚本「もちろん土地比率に無理のない範囲で、ですね!」

金子「はい!続いて次のポイントは......カード単位からデッキ単位の話になります。

塚本「スケールが大きくなってる!」

2.デッキの色を変えよう!

塚本「デッキの色を変えちゃうんですか!?」

金子「はい!相手のデッキに対して、相性の良いデッキに作り変えてしまうんです。例えば対戦相手のデッキが飛行に弱そうなデッキだったら、サイドから飛行クリーチャー主体で、早いターンから攻められる青をメインカラーとしたデッキに色を変えるといった感じですね。『デッキを1から作り直す』というイメージですね!」

塚本「確かに凄い!ですけど、デッキを組む時間にそんなサブプラン的なデッキを複数考えることなんて、いきなりできなそうですね......。」

金子「最初はメインとなるデッキをしっかり組むだけでいいと思います。なぜなら、試合が終わって、次の試合が始まる前までの時間など、空き時間を使って検討できるからです! 塚本さんは試合と試合の間にはいつも何していますか?」

塚本部族の踊り。

金子「その無駄な時間を使って自分のプールの可能性を検討すれば、勝率が上がります!マジックの試合は基本的に2本先取で、必ずデッキを組み替えるタイミングは来るので、サイド後のことを考える時間がいかに重要かわかりますね!」

塚本「サラッと無駄って言われた! でも確かにラウンド間の過ごし方も重要ですね!」

金子「はい! ただし、メインデッキの組み換えは、競技レベル以上のイベントでは基本的にはやってはいけないことなので、そこだけは注意してくださいね! あくまでサイド後のプランを検討するだけに留めておくようにお願いします!」

塚本「ダメ!絶対!」

金子休憩時間にいろいろなプランを検討する際には、1人で考えるのもいいですが、友達と相談するのもいいですね。お互いのデッキのプランを検討したり、自分より強いと思っている人に相談するのがオススメです。」

塚本「1人で考えるのには限界がありますからね! これはいいことを聞いた!」

金子「ここまでカードを足したり、色を変えたりという戦略を紹介しましたが、シールド編の最後としてさらに踏み込んだ戦略を紹介しますね!」

3.デッキの速度を変えよう!

塚本「速度を変える!? 動作をゆっくりにしたり、しきりに早く動いて相手の動揺を誘うのですか!?」

金子「......それは非紳士的行為ですね。」

塚本「え? じゃあどうやって速度を変えるのですか!? 師父!?」

金子「遅いデッキには速く、速いデッキには遅くと速度をシフトさせたりするのですが、要は相手のデッキに対して有利な速度にするといった方が正しいですね。『シールド』は配られたカード全てを使った総力戦なので、対戦相手にとって最も厳しいデッキを、いかにサイド後に組めるかが大事です。」

塚本「そのためには速度によるデッキ相性差が理解できていないといけないですよね?」

金子「そうですね。もちろん『環境による』という話ではあるのですが、一般論として、『相手より1段階重いと有利』と言われています。例えば相手のデッキが3マナを中心としたマナカーブのデッキなら、こちらは4マナ域を中心としたマナカーブのデッキ、というサイドボードをするということですね。マナ域によるカードの強さの差によって、こういった現象が発生しやすいです。」

当然ながら4マナのほうがカードが強い

塚本「なるほど、重いほうが良いんですね!つまり、重くて強いカードを詰め込んだデッキが最強じゃないですか......!」

金子「もちろんそうはいきません。相手のデッキより2段階以上重いと、今度は速度負けする可能性があります。もし上のように相手より重くする形でサイドボードできないなら、相手よりもずっと速いデッキを作って速度勝ちを目指すのも勝ち筋の1つですね。前回お話した通り、理想的なビートダウンは組みにくいので大変ではありますが。」

塚本「金子さん......僕すごいことに気がついたのですが......。」

金子「お?どうしたんですか?」

塚本「サイド後、対戦相手も自分のデッキに対策をしてくるのですよね?それなら、自分の意図と相手の意図がすれ違い、なんだかよくわからないデッキ同士の対戦になったりしませんか?」

金子もちろん、そういった読み合いも発生します。そこが『シールド』の難しくも楽しい要素だと思いますよ!」

塚本「総力戦の『シールド』は、『ドラフト』とはまた違った面白さがありますね! 『シールド』がこれだけ面白かったら『ドラフト』も同じくらい面白いのでしょうね!」

金子「そんな『ドラフト』については、次回から2回に分けて攻略していきますよ!」

塚本「と、その前に!!」

金子「どうされました?」

塚本「また長いエピローグで締めましょう!」

金子「ダメ!絶対!」

続く!

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