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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:「赤緑ランプ」を検証!(スタンダード)
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:「赤緑ランプ」を検証!(スタンダード)
by 岩SHOW
突然始まった検証シリーズ、前回分のフィードバックを受ける前に第2回の執筆をしなければならず(〈納期〉と〈お盆休み〉のコンボだ!)、特にこれといった反省もできていないが......まああれはプレリということで! これからこういうこともやってくよというお披露目だね。今回から本格始動と思ってくれて構わない。
ライフスタイルの変化により、時間には余裕ができた。だったら、Magic Onlineするっきゃない!ということで、トーナメントで結果を残したデッキ・プロが作成したデッキをマジック好きなだけのおじさんが回して、デッキパワーはいかほどか・素人にも回せるものなのかを検証する本コラム、第2回のスタートだ。
今回は8月上旬に開催された「MOCS(Magic Online Championship Series)」というスタンダードのトーナメントにて、8勝0敗という堂々たる成績を残した「赤緑ランプ」を紹介しよう。
ランプと言えば少し前にも「砂漠ランプ」と題して『破滅の刻』新環境のデッキの1つとしてすでに紹介させてもらった。あのリストでは中型のクリーチャーや《歩行バリスタ》などがいろいろ詰め込まれていた。
さまざまな状況に合わせて戦えるのは確かに魅力的ではあるのだが、ランプの醍醐味とは大型クリーチャーとそれに向けてマナを伸ばしていくシンプルな戦略。今回のリストも、そんなランプらしさにあふれるものとなっている。個人的には、こちらのほうがよりグッとくる。それではリストを見てみよう。
4 《森》 2 《山》 4 《隠れた茂み》 2 《獲物道》 4 《ハシェプのオアシス》 3 《ラムナプの遺跡》 4 《見捨てられた神々の神殿》 1 《ウギンの聖域》 1 《屍肉あさりの地》 1 《海門の残骸》 -土地(26)- 1 《永遠衆、ネヘブ》 3 《世界を壊すもの》 3 《絶え間ない飢餓、ウラモグ》 -クリーチャー(7)- |
4 《削剥》 1 《造反者の解放》 4 《砂の下から》 4 《コジレックの帰還》 4 《奇妙な森》 1 《楽園の贈り物》 4 《約束の刻》 3 《破滅の刻》 2 《炎呼び、チャンドラ》 -呪文(27)- |
3 《僧帽地帯のドルイド》 2 《不屈の追跡者》 2 《難題の予見者》 2 《高木背の踏みつけ》 1 《シェフェトのオオトカゲ》 2 《マグマのしぶき》 1 《破滅の刻》 1 《捲土 // 重来》 1 《木端 // 微塵》 -サイドボード(15)- |
(ランプ好きの目線で見て)かなり整った、美しいリストである。マナ加速は3マナの呪文を3種9枚。《砂の下から》《奇妙な森》を《楽園の贈り物》よりも重視した形だ。
《楽園の贈り物》の3点回復は、現スタンダードの顔でもある「ラムナプ・レッド」相手にはありがたいものではある。しかし《奇妙な森》の手掛かり・トークン、そしていざという時にサイクリング可能な《砂の下から》よりはカードパワーが幾分落ちる。
《砂の下から》は、特にマリガンをすることが少なくないこのデッキでは、1~2回マリガンした後に土地2枚の手札でゲームを開始せざるを得ない時などには大変役に立つ。《奇妙な森》《楽園の贈り物》は貼り付ける土地に気を付けよう。《見捨てられた神々の神殿》を対象とすることはまずない。《ウギンの聖域》も同じ。基本は《ラムナプの遺跡》《ハシェプのオアシス》につけると良いだろう。赤マナを2つ捻出しつつ、もう1つ赤マナが生み出せると行動が増える状況があるので、その辺を頭に入れつつ......まあ順調に土地が延びれば大した問題ではないけどね。
クリーチャーは《世界を壊すもの》《絶え間ない飢餓、ウラモグ》が3枚ずつ。ここは不動と言ってもいいだろう。これらがいないことにはランプは始まらない。
ウラモグで盤面の脅威を取り去り相手の勝ち筋をつぶすことで勝利する。《世界を壊すもの》も、土地やアーティファクトが強いこの環境では大活躍。どちらも《コジレックの帰還》の墓地にある時の能力を誘発させるものだが、対ビートダウンではその手軽さ(と言っても7マナだが)から《世界を壊すもの》が頼もしい存在となるだろう。
ここで7枚目のクリーチャー、《永遠衆、ネヘブ》に触れておかねばなるまい。
5マナ4/6、相手が失ったライフの分だけ戦闘後に赤マナを生み出す......かなり特殊なクリーチャーで、確かに1回殴れば第2メイン・フェイズでのウラモグ召喚を手伝ってくれることもあるだろう。一度だけ、この動きを決めた時は確かに気持ちよかった。あと、《微塵》のXマナをこれで払って勝ったゲームもある(笑)。ただ、ほとんどのゲームでサイドアウトしたので、お守り程度に考えておくのが良いだろう。
まだまだ解説できる部分もあるが、1回で収まりそうにないので......検証シリーズらしいことをそろそろ。僕個人の感想にはなるが、現在のスタンダード主要デッキとの相性について記していこう。
対「ラムナプ・レッド」
こっちは10マナの呪文を唱えようとしているのに対して、向こうは速攻ビートダウン。一見最悪の相性に見えるが、これが案外戦える。戦績は8勝10敗と決してボコボコにされたというわけではない。とは言え、後手のゲームはかなり厳しい。先手が取れたら、メイン戦も勝てるチャンスは大いにあるので「うわぁ赤単」など思わないで大丈夫。《コジレックの帰還》でしっかりと対戦相手のクリーチャーを薙ぎ払い、《航空船を強襲する者、カーリ・ゼヴ》に《削剥》を合わせ、《栄光の刻》でブロッカーも捻出しつつマナを伸ばせば......勝てる。
《破滅の刻》は大振りに見えるが、《熱烈の神ハゾレト》《反逆の先導者、チャンドラ》らへの解答であり、重要な1枚である。そしてエルドラージよりも勝負を決めるのは、《炎呼び、チャンドラ》だった。これも《反逆の先導者、チャンドラ》に対してのキラーカードであり、ゲームも一瞬で終わらせるその速さも大変魅力的だ。
サイド後には《高木背の踏みつけ》ももちろんだが、《僧帽地帯のドルイド》が頼もしい。
相手がこれに《焼夷流》を撃ってきてもさほど痛い損失ではなく、むしろライフに飛んでこないことが嬉しかったり。生き延びれば後手でも動きやすくなる。
対「黒単ゾンビ」
ゾンビデッキはランプから見れば《獲物道》の先にいる標的だ。10勝0敗という綺麗な数字で検証を終えることができた。メイン戦では相手のデッキに《致命的な一押し》《闇の掌握》という完全な不要カードが6~8枚もあり、こちらの《コジレックの帰還》《破滅の刻》が刺さりまくり。《炎呼び、チャンドラ》は言うまでもなく、最強のアンチカード。ゾンビに抗うには、やっぱり火炎だなと再認識させてくれる。マナを伸ばして焼いてエルドラ、以上。
《屍肉あさりの地》が睨みを利かせれば、得意のゾンビ復活シナジーも完全否定してやることができる。何より、一度リセットすれば次のターンにはダメージを受けることがないという安心感が良いね。ハゾレトが走ってくる赤単と、そこで明確な差が生まれているなぁと。
対「巻きつき蛇」
《破滅の刻》が間に合えば勝てる。ただ、ゾンビよりもクリーチャーのサイズが優秀なので《コジレックの帰還》の素撃ちで何も倒せないのが辛いところ。《削剥》を序盤に引き込めるかどうか......
このマッチアップでは「なぜか土地を引けない」という持病の発作が出まくったため、2勝5敗と冷え込んだ成績になってしまった。
対コントロール各種
今の環境には雑多なコントロールデッキが多数(ジェスカイ、副陽など)存在するが、その多くに余裕をもって戦うことができる。
ゲームが長引けば、エルドラージたちの素出しでどうとでもなる。《副陽の接近》には土地を追放して唱えさせないという手段で勝負することになるが、これはちょっと間に合わないこともある。「青赤コントロール」などは《奔流の機械巨人》を連打されてライフを詰められない限りは、特にこちらが相手に対して抗わなくていいのでゆったりと戦える。総じて、五分ってところかな。昔のランプ vs コントロールより不利には思わなかった。
対コンボ各種
「青赤現出」と一度だけ当たったが、あれはかなり苦しいマッチアップに思う。3ゲーム目に相手の土地が2枚で止まるタイミングがあったおかげでなんとか勝利することができたが、後手のゲームは普通に動かれるとちょっと勝てそうにない。インスタント・タイミングで動いてくるのがね......《屍肉あさりの地》を引けるかどうか。ただこれを構えながら動くのもなかなかにキツいもの。どれだけ土地を並べて手札にエルドラージを握っていても《老いたる深海鬼》連打の前には屈するしかない。
同じ墓地利用でも《王神の贈り物》コンボは苦にしない。白青、青黒、青黒緑と複数回当たったが、負けはなかった。こちらは現出と違って《屍肉あさりの地》を立てておくだけでどうしようもなくなる。素で出てくるクリーチャーもいずれも弱く、ライフの心配はまずない。
こんなところかな。あくまで素人の感想なので、プロの意見などはまた違ったものになるかもしれないが......対ゾンビは負けようがない、ということを今一度証明できただけでも良かったかな。
最後に一言。妥協したキープをすると100%負けてしまう。3ターン目までに何かしらの動きができる手札になるまで、ダブルマリガンまでなら許容してくれる。引きの強さに自信があるのであれば、なおさらマリガンすべし! 以上ッッ!
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