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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:Living End~イフニルかランデスか~(モダン)
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:Living End~イフニルかランデスか~(モダン)
by 岩SHOW
『アモンケット』発売後に行われた国内グランプリは、グランプリ・神戸2017だ。このトーナメントはモダンフォーマットにて行われた。その直前にはモダンのデッキ特集をこのコラムでもやった。
2週間、10回分でモダンのデッキを紹介しきることは......不可能だった(笑) デッキありすぎでしょうが!『アモンケット』の発売により強化されるのではと謳われていたデッキも取り上げたかったが、都合により泣く泣くカット。これはイベント後の答え合わせ用に置いておこうとポジティブに切り替えて、そして今そのグランプリ本戦が無事に終了した。
神戸では......残念ながらこのデッキはTOP32に名を残すことはできなかった。ただ、同日に開催されたグランプリ・コペンハーゲン2017では14位にその名を見つけることができた。やった! というわけで、『アモンケット』の恩恵を受けた「Living End」をご覧あれ!
2 《沼》 1 《山》 1 《森》 1 《血の墓所》 2 《草むした墓》 1 《踏み鳴らされる地》 4 《新緑の地下墓地》 4 《黒割れの崖》 1 《花盛りの湿地》 3 《銅線の地溝》 -土地(20)- 4 《大爆発の魔道士》 2 《フェアリーの忌み者》 2 《猿人の指導霊》 4 《遺棄地の恐怖》 4 《巨怪なオサムシ》 4 《通りの悪霊》 3 《イフニルの魔神》 4 《砂漠セロドン》 -クリーチャー(27)- |
3 《死せる生》 4 《悪魔の戦慄》 4 《暴力的な突発》 2 《内にいる獣》 -呪文(13)- |
2 《フェアリーの忌み者》 1 《斑の猪》 1 《なだれ乗り》 1 《鋳塊かじり》 1 《叫び大口》 3 《血染めの月》 1 《減衰のマトリックス》 1 《四肢切断》 2 《虚空の力線》 2 《跳ね返りの罠》 -サイドボード(15)- |
『アモンケット』ではサイクリングというキーワード能力が再録された。手札にあるときのみ意味があるこの能力、定められたコストを支払いつつ手札からそのカードを捨てることでカードを1枚引くことができるというもので......特にリミテッドを中心に活躍するのだが、サイクリングのコストが軽いものは構築でも活躍することがある。これを覚えておいてもらって、「Living End」の説明に移ろう。
「Living End」は《死せる生》を用いたコンボデッキだ。「死せる生」と表記しても良いが、カッコイイので「Living End」とさせてもらっている。そんなことはまあ置いといて、『時のらせん』で登場した「マナ・コストを持たない呪文」サイクルの1つである《死せる生》。その効果はかつて超強力呪文としてスタンダードに君臨した《生ける屍》と同じもので、墓地と戦場のクリーチャーを入れ替えるというド派手な全体除去兼フィニッシャーだ。
この呪文には先述のようにマナ・コストがなく、待機させることで唱えることができるタイプの呪文なのだが......点数で見たマナ・コストが0として扱われることを利用して、「続唱」から唱えるということができる。デッキ内の2マナ以下の呪文を《死せる生》のみにして、3マナの続唱呪文を唱えると...あら不思議、《死せる生》を任意のタイミングで唱えることができちゃいましたよと。この続唱パッケージと、サイクリングや生け贄に捧げる能力を持ったクリーチャーで構成されたデッキが「Living End」だ。
かつての「Living End」は《ジャングルの織り手》や《青ざめた出家蜘蛛》などを採用していたが、『アモンケット』にてサイクリングのコストが1マナである《遺棄地の恐怖》《砂漠セロドン》を得たことで、この部分がそのまま入れ替わることに。そりゃ序盤からザクザク起動していきたいから、軽いコストであればあるほどありがたい。
そしてサイクリングのコストは2マナだが、戦場に出て強いクリーチャーである《イフニルの魔神》も獲得した。
これが果たしてどれほどプラスに働くのか? 未知数な部分が多かったが、グランプリ14位の成績を見るに良い働きをしたであろうことはうかがえる。パワー5の飛行で、サイクリングをすれば相手のクリーチャーを弱らせる。書いてあることは本当にただただ強いので、一度試してみてほしい。
今日はもう1つ、「Living End」のリストを紹介しよう。こちらは《イフニルの魔神》は採用していない形になる。では、代わりに何が投入されているのか?
2 《沼》 1 《森》 1 《血の墓所》 1 《草むした墓》 1 《踏み鳴らされる地》 4 《新緑の地下墓地》 4 《黒割れの崖》 1 《花盛りの湿地》 3 《銅線の地溝》 -土地(18)- 4 《大爆発の魔道士》 3 《猿人の指導霊》 2 《フェアリーの忌み者》 2 《なだれ乗り》 4 《遺棄地の恐怖》 4 《巨怪なオサムシ》 4 《通りの悪霊》 4 《砂漠セロドン》 -クリーチャー(27)- |
3 《死せる生》 4 《暴力的な突発》 3 《悪魔の戦慄》 2 《内にいる獣》 2 《血染めの月》 1 《カーリ・ゼヴの巧技》 -呪文(15)- |
2 《フェアリーの忌み者》 4 《鋳塊かじり》 2 《ムラーサの胎動》 1 《内にいる獣》 1 《クローサの掌握》 3 《跳ね返りの罠》 2 《殺戮遊戯》 -サイドボード(15)- |
メインから《血染めの月》に《なだれ乗り》! 土地破壊を主戦略に持ってきたバージョンだ。
元来「Living End」は《大爆発の魔道士》で土地を割りつつ、《死せる生》で戻ってきたらまた生け贄にして割る、という動きに加えて《内にいる獣》も併用することで、対戦相手の土地を攻めてやりたいことをさせない、というプランでゲームを進めることができるデッキだ。
ここを厚めに採用して、「タイタン・シフト」や「トロン」のような土地コンボ系のデッキを叩けるようにしてあるというわけだ。それらのデッキを使うプレイヤーが多いと判断したのであれば、こういった形で勝負してみるのも良いかもしれない。さりげなく、手札に来てしまった《死せる生》を唱えるために《カーリ・ゼヴの巧技》が採用されているのもニクい。
墓地対策には弱いデッキではあるものの、サイドボードからそれらを乗り越える手段をしっかりと用意すれば存外戦えるものである(《虚空の力線》は本当にキツかったりするが)。流行りの墓地対策《墓掘りの檻》では、一度墓地を離れてから戦場にクリーチャーを出す《死せる生》を止めることはできない、というのはしっかり覚えておこう。誰もが最初はする間違いなので、恥ずかしがらなくてOK!
これからモダンをやる上では避けては通れないデッキになることだろう。グランプリが終わってもまだまだモダンを楽しんでね!
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