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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:モダンアーキタイプ特集 第10回 「中隊、整列!」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:モダンアーキタイプ特集 第10回 「中隊、整列!」
by 岩SHOW
やぁ、モダン・ウォリアー候補生諸君。今日も変わらず元気そうじゃないか。それじゃあ、最終トレーニングに取り掛かろう。まずは整列ッッ! うむ、中隊ごとに綺麗に整列してくれて、教官としても嬉しい限りだ。
ちなみに中隊というのは、200人ほどの歩兵からなる部隊のことだ。まあ細かい定義は年代や所属する組織によって変わるだろうが......そんなことを考えたら、この連載でモダンについてイチから勉強してくれた者がはたして200人以上いてくれるのかどうか。ディスプレイに向かって軍曹キャラをやるってのも結構大変でね......なんて突然のメタ発言はスルーしてもらうとして、今日はそんな中隊デッキを紹介しようじゃないか! さあしっかり目を見開いて、見逃すんじゃないぞ!
3 《森》 1 《平地》 1 《寺院の庭》 1 《繁殖池》 1 《神聖なる泉》 1 《聖なる鋳造所》 4 《吹きさらしの荒野》 4 《霧深い雨林》 2 《溢れかえる岸辺》 1 《地平線の梢》 1 《植物の聖域》 1 《幽霊街》 1 《ガヴォニーの居住区》 1 《ケッシグの狼の地》 -土地(23)- 4 《貴族の教主》 3 《極楽鳥》 3 《漁る軟泥》 2 《クァーサルの群れ魔道士》 2 《無私の霊魂》 2 《復活の声》 4 《聖遺の騎士》 4 《呪文捕らえ》 2 《不屈の追跡者》 1 《クルフィックスの狩猟者》 -クリーチャー(27)- |
4 《流刑への道》 2 《珊瑚兜への撤退》 4 《集合した中隊》 -呪文(10)- |
2 《エーテル宣誓会の法学者》 2 《台所の嫌がらせ屋》 1 《エイヴンの思考検閲者》 1 《イゼットの静電術師》 1 《不屈の追跡者》 1 《ヴェンディリオン三人衆》 2 《否認》 2 《石のような静寂》 2 《統一された意思》 1 《ボジューカの沼》 -サイドボード(15)- |
《集合した中隊》を使ったデッキだ! この4マナのインスタントは、3マナ以下のクリーチャーを2体戦場に出せる、カードアドバンテージ的にもマナ効率的にも大変優れた1枚だ。2016年にスタンダードをプレイしていた者なら、その危険さが分かるだろう。このカードは登場以来、モダンでも多くのプレイヤーに愛用されている。今日はそんな中隊=カンパニーを用いるデッキを紹介していこう。
一番手はこの「Knightfall」だ。《聖遺の騎士》と《珊瑚兜への撤退》が並ぶと、聖遺で土地をライブラリーから出して、撤退の上陸能力が誘発して聖遺をアンタップして......という動きを繰り返すことができる。聖遺の能力で生け贄に捧げる土地からちゃんとマナを出しておけば、瞬間的に大量のマナを生み出すことができ、このマナをサーチしてきた《ケッシグの狼の地》に注ぎ込んで、墓地の土地とケッシグの能力でパワーが上がった聖遺(他のクリーチャーでも良いが)でブン殴る!
というコンボを軸にしつつ、別にコンボを揃えずとも《復活の声》や《不屈の追跡者》のような優秀なクリーチャーでガシガシ殴って勝つこともできる、万能な中速デッキだ。
スタンダード当時よりも何倍も広いカードプールから選りすぐりのクリーチャーを探してこれるので、中隊の強さはとてつもないものとなっている。大抵のものに対処できる超万能カード《呪文捕らえ》はもちろん、《漁る軟泥》《クァーサルの群れ魔道士》といった特定のデッキに劇的に刺さるカードまで取れる。メインで対処されないことをウリとしている類のデッキは、このデッキが鬱陶しくてしょうがないことだろうな!
粒ぞろいのクリーチャーを展開しつつ、隙を見つけたらコンボを狙う......「コピーキャット」にも通ずるものがあるな。
2 《森》 4 《花盛りの湿地》 4 《光り葉の宮殿》 4 《地平線の梢》 4 《魂の洞窟》 -土地(18)- 4 《エルフの神秘家》 4 《遺産のドルイド》 4 《ラノワールのエルフ》 4 《イラクサの歩哨》 4 《ドゥイネンの精鋭》 3 《エルフの幻想家》 4 《エルフの大ドルイド》 4 《群れのシャーマン》 3 《背教の主導者、エズーリ》 -クリーチャー(34)- |
4 《暴走の先導》 4 《集合した中隊》 -呪文(8)- |
3 《漁る軟泥》 3 《集団的蛮行》 2 《突然の衰微》 1 《大渦の脈動》 3 《引き裂く突風》 3 《精神染み》 -サイドボード(15)- |
続いては「エルフ」だ! マジック最古の部族であり、モダンでも強力なエルフがひしめいている! 1マナのマナエルフ8枚に加えての《遺産のドルイド》+《イラクサの歩哨》エンジンでマナは唸るほど生まれるので、土地は限界の18枚まで切り詰めることができる。折角の中隊で土地しか捲れないことほどがっかりする体験はないからな、これは嬉しいところだ。
あふれ出たマナは手札のエルフのさらなる展開・中隊を唱えること・そして《背教の主導者、エズーリ》の能力の起動に使う。《エルフの大ドルイド》から溢れ出るマナさえあれば、エズーリの能力を2回くらい起動するなど造作もないことだ。そのパワーでぶち抜いてやれ!
同じくライフを削り取る手段は《群れのシャーマン》。中隊から2枚同時に飛び出して12点、とか激しいムーブが狙えるので、積極的に中隊を唱えて盤面をエルフで埋め尽くしていこう。
2 《森》 1 《平地》 1 《沼》 2 《寺院の庭》 2 《草むした墓》 1 《神無き祭殿》 4 《吹きさらしの荒野》 4 《新緑の地下墓地》 1 《湿地の干潟》 2 《地平線の梢》 1 《剃刀境の茂み》 2 《ガヴォニーの居住区》 -土地(23)- 4 《極楽鳥》 3 《貴族の教主》 2 《臓物の予見者》 3 《献身のドルイド》 3 《療治の侍臣》 2 《薄暮見の徴募兵》 1 《族樹の精霊、アナフェンザ》 1 《漁る軟泥》 1 《潮の虚ろの漕ぎ手》 1 《歩行バリスタ》 4 《台所の嫌がらせ屋》 3 《永遠の証人》 1 《悪鬼の狩人》 -クリーチャー(29)- |
4 《召喚の調べ》 4 《集合した中隊》 -呪文(8)- |
3 《流刑への道》 2 《潮の虚ろの漕ぎ手》 1 《戦争の報い、禍汰奇》 1 《ファイレクシアの破棄者》 1 《クァーサルの群れ魔道士》 1 《呪文滑り》 1 《大物狙い》 1 《弁論の幻霊》 1 《大渦の脈動》 1 《オルゾフの司教》 1 《不屈の追跡者》 1 《静寂の守り手、リンヴァーラ》 -サイドボード(15)- |
最後に...『アモンケット』の参入で今、モダンでもかなりホットなデッキとなっている「アブザン・カンパニー」を紹介しよう。
以前よりカンパニーデッキの代表格だったこのデッキ、《臓物の予見者》+《族樹の精霊、アナフェンザ》or《シルヴォクののけ者、メリーラ》+頑強クリーチャーで無限ライフor無限ダメージというコンボを《集合した中隊》で揃えに行く、「Knightfall」と同様に勝利にいけるコンボを持ったクリーチャーデッキだな。
こちらのデッキの方がより状況に合わせて力を発揮するクリーチャーを1枚挿しする傾向にあり、いろんなものが入っているという意味を込めてToolboxと呼ばれたりもする。そういった1枚挿しをサーチする......いわゆるシルバーバレット戦略を強化するために《召喚の調べ》を用いるのが一般的で、最近はコンボをより揃えやすくするために《異界の進化》まで採用していたりするな。
このデッキが『アモンケット』で得たのは《療治の侍臣》。これがいるとクリーチャーに置かれる-1/-1カウンターが1つ減る......メリーラに取って代わるパーツであり、かつ《献身のドルイド》と並ぶだけで無限マナ!
ドルイドからマナを出し、カウンターを0個置いて起こして......を繰り返し、得た緑マナで《薄暮見の徴募兵》の能力を起動しまくって《歩行バリスタ》を手に入れて、Boom! どうだ、ここまで簡単な無限マナコンボはモダンでもなかなかないぞ!
今最もホットなデッキであり、神戸の地でもこれを選択する者は少なくないだろう。コンボの動きはしっかり確認して、どうすれば決まるのか・止められるのかを把握しながら戦ってくれ!
他にもまだまだ、大量のスピリットを展開する「バント・スピリット」だったり、最近では中隊をタッチした「青緑マーフォーク」が出てきたり......紙面の都合で省略させてもらったカンパニーデッキがまだいくつかある。伝えきれなくて申し訳ないが......そういう意味ではまだ紹介できていない「ストーム」や「アドグレイス」についてもこのブートキャンプで説明したかったが......全10回では書ききれなかったので、過去のコラムを読んでくれるとありがたい限りだ。
モダン・ウォリアー候補生諸君、私が君たちをこう呼ぶのも、これで最後だ。明日、5月27日、君たちはグランプリ・神戸2017に参加する(自宅待機班はニコ生を観てくれよな!)。グランプリという戦場で真のモダン・ウォリアーとなれるかどうか、それは君たち自身の当日の立ち回りにかかっている。検討を祈るぞ! この週末が君たちにとって、最高に楽しい時間とならんことを。
あぁ~ここまでやってきた軍曹キャラがどこまで通じているのか、ちょっと不安だ。完全に見切り発車してここまで貫いてきたからな......というわけで、SHOW軍曹とはしばらくお別れです。またモダンのデッキについて書く時に蘇らせても良いかなぁ~? とりあえず、来週からは平常運転の岩SHOWに戻るんで、今後ともよろしくお願いします!
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