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岩SHOWの「デイリー・デッキ」

2017.05.02

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:ケフネト・コントロール(スタンダード)

by 岩SHOW

 環境初期というのはとんでもないデッキが頭角を現わしたりする。果たしてそれが本当に強いデッキなのかどうかは、環境の終わりを迎えてみないとわからない。環境のソリューション(解決策)となるか嘘リューションでしたわ~となるかは、実際に使ってみないとわからない......食わず嫌いは良くないのだ。

 というわけで、環境最初期に突如出現した奇妙なデッキを紹介しよう。《守護フェリダー》禁止前の時点で勝っていたデッキなので、このまま現スタンダードで活躍するとも限らないのだが......とにかく、全貌を見てみようじゃないか。

Scappie - 「ケフネト・コントロール」
Magic Online Competitive Standard Constructed League 5勝0敗 / スタンダード (2017年4月25日)
3 《島》
3 《森》
2 《山》
4 《植物の聖域》
2 《伐採地の滝》
3 《尖塔断の運河》
1 《隠れた茂み》
4 《霊気拠点》

-土地(22)-

3 《周到の神ケフネト》
2 《不屈の追跡者》
4 《奔流の機械巨人》

-クリーチャー(9)-
4 《霊気との調和》
2 《マグマのしぶき》
4 《蓄霊稲妻》
3 《否認》
2 《検閲》
2 《本質の散乱》
3 《不許可》
1 《虚空の粉砕》
4 《天才の片鱗》
1 《粗暴な排除》
1 《疑惑の裏付け》
1 《明日からの引き寄せ》
1 《自然に仕える者、ニッサ》

-呪文(29)-
1 《竜使いののけ者》
1 《うろつく蛇豹》
2 《逆毛ハイドラ》
1 《終止符のスフィンクス》
1 《歩行バリスタ》
1 《造反者の解放》
1 《自然廃退》
2 《光輝の炎》
1 《熱病の幻視》
1 《慮外な押収》
2 《グレムリン解放》
1 《驚天+動地》

-サイドボード(15)-
MTGO Standings Competitive Standard Constructed League より)

 《周到の神ケフネト》!

 『アモンケット』にて登場した新たな神クリーチャー5種、これらも『テーロス』ブロックの神と同様に条件を満たしていないと戦闘に参加することができないというデメリットを有している(次元テーロスの連中はそもそもクリーチャーですらなくなってしまう)。

 今回の神々は信心とはまた別に、それぞれの色に設定されたテーマに則った条件を満たすことが求められる代わりに、点数で見たマナ・コストに対するサイズおよび能力に優れたクリーチャーとしてデザインされている。その中でも《不屈の神ロナス》はコスト&サイズに優れ、戦闘参加条件も格段に達成しやすいものとなっているため発売前より評価は高く、そして実際に「巻きつき蛇」デッキを新たな形へと導いている

 ロナスに対してケフネトは、手札が7枚以上ないとクリーチャーとしての仕事をしないという点が多くのプレイヤーの目に「厳しい」ものとして映った。もしこれさえ満たすことができれば、3マナで5/5飛行破壊不能という、他を寄せ付けないまさしく神の如き性能を誇るのだが......いかんせん、現在のスタンダードで手札7枚をキープしながら戦うのは厳しいのではないかと。

 希望を抱けるポイントは、ケフネト自身の起動型能力でカードが引けるし、土地を手札に戻して7枚以上あるという状況を作れそうなところ。もし環境が許せば、この一見悠長な能力でも間に合うのか......例えばコントロール同士のミラーとか!という辺りまでは、多くのプレイヤーが到達していたことかと思う。

 ただそれを実行に移すのとはまた別の話だ。もしかしたら何の役にも立たない置き物になってしまうかもしれないカードをメインから複数枚積んでデッキの軸にしてトーナメントに参加する、これはリスキーであり勇気の要る決断だ。最初にこのリストで勝ち名乗りを上げたプレイヤーには心からの敬意を。いや~すごいわ。おそらくは、先日紹介した「青赤コントロール」が一日で増え、コントロール同型戦における解決策が必至というメタゲームを読んだ上での挑戦なのだろう。時流を読むって大事だなぁと改めて。

 ケフネトを用いるデッキであれば、まず何が必要か? どう考えても土地だ。能力の起動に4マナ必要なのであれば、安定してマナを供給できるよう土地はたっぷり入れたい。ただでさえコントロールデッキは土地が詰まるとそれだけで負けてしまうから......と言っているそばからこのデッキの土地は22枚である。削っているゥ!《霊気との調和》を土地換算、4枚までちゃんと伸びればケフネトと《天才の片鱗》で以降の土地は引けるだろうということか。この思い切りもなかなか真似できない。

 どちらかというと、前環境終盤にのし上がった「ティムール・タワー」をベースに作られていると考えた方が良いか。あのデッキのエネルギー要素を減らし、《電招の塔》を抜いた形......やはりこの構築は「青赤コントロール」でも触れたように、緑絡みのクリーチャーデッキが《刻み角》をメインデッキから採用してくるのを見越して、というのもあるだろうか。

 いずれにせよ、土地をギリギリまで削ることで、せっかくドローしてもドローしても土地しか引かないということ防ぐ構築となっている。こうして見ると《霊気との調和》って本当に強い......というか環境にマッチしたカードなんだなぁと思うね。《地勢》にエネルギーが付くだけでこうも使われるカードになるかと。

 ケフネトでカードを引きながら土地を手札に戻すと、それを出しなおした時に《不屈の追跡者》から手掛かり・トークンを得られる。これを生け贄にしてさらにカードを引いて、追跡者も大きくしながらケフネトで空から攻める......みたいなゲーム展開が理想的だ。二桁枚数ある打ち消し呪文を相手のアクションに合わせながら、こういう状況に持っていきたい。お約束の《奔流の機械巨人》ももちろん備えているので、6マナまでしっかり伸びた後の安心感はこの上ないものだろう。

 とにかくリストから漂うケフネトの存在感が半端ないので、一度使ってみてこのカードがあなたにとっての神であるかを確かめてみてほしい。場合によっちゃ、1枚挿しの《自然に仕える者、ニッサ》と枚数が入れ替わることもあるかもしれない。

 いずれにせよ、コントロールデッキは仮想敵を定めてこそその真価を発揮するものであることは間違いない。《守護フェリダー》が禁止となった今、黒緑のデッキは『霊気紛争』最初期の頃の勢いを取り戻すのではないかと予測される。そうなると、「ティムール・タワー」では分が悪い。《電招の塔》で除去できないサイズのクリーチャーを相手にするからだ。5/5飛行・破壊不能が壁役として必要なゲームが増えるかもしれない? 前評判が低かった神が最終的にどこまでその信奉者を増やすのか、今から楽しみだ。

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