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浅原晃の「プレミアイベント三大チェックポイント!」

2016.04.27

「プロツアー『イニストラードを覆う影』」三大チェックポイント!決戦の地はマドリード。銀河系最強のトップ8に刮目せよ!

by 浅原 晃

 みなさん、こんにちは! 先日行われた、プロツアー『イニストラードを覆う影』の生放送、ご覧いただけたでしょうか? えっ、見てない? あの、デッキタイプが8つとも違い、殿堂プレイヤーやプラチナプレイヤーがずらりとそろった、あの伝説のトップ8を......、というわけで、見られなかったという人はタイムシフト機能を利用しての観戦が本当におすすめです。プロツアーで活躍したデッキリストもこれからのトーナメントを戦うのに重要ですが、そのデッキの動きを知るには、トッププレイヤーのプレイを見るのが一番早いですからね。それでは今回の「プレミアイベント三大チェックポイント!」では、プロツアーの見どころを紹介していきましょう!

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プロツアー前のメタゲーム予想

 まず、おすすめの試合に行く前に、最初にプロツアー前のメタゲームの状況をおさらいしておきましょう。大本命と言われたのは、バント(緑白青)カラーの《集合した中隊》を軸とした「バント・カンパニー」。前環境から存在するデッキで、『イニストラードを覆う影』から《薄暮見の徴募兵》や《不屈の追跡者》といった、優秀なクリーチャーを加えて、アドバンテージの取れるビートダウンとして進化し、これが一番手だろうと言われていました。

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 そして、二番手に挙げられたのが、「緑赤ランプ」と「白単人間」デッキの2つ。緑赤ランプはマナ加速から、巨大クリーチャーや《炎呼び、チャンドラ》を叩きつけていくデッキで、戦略は単純ながらも強力。さらに、バント・カンパニーに強いと言われており、動きは不安定な部分はあるものの、メタゲーム的には有利と考えられていました。

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 また、白単の人間デッキの展開力は環境最速、かつ『イニストラードを覆う影』で加わった《サリアの副官》や《永遠の見守り》が戦の細さを補い、最速のビートダウンとして知られていました。

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 事前はこの3すくみで決まってしまうのでは? という雰囲気さえ出ていたこのプロツアー、しかし、そうは簡単に行かないのがマジックの面白いところ。これを踏まえた上で、本戦を見るとより楽しめるかもしれません。

チェックポイント1! 初日5回戦 伝説のプレイヤーが使うのは?フィンケルのデッキに注目せよ!

 マジック界において、伝説のプレイヤーと言って真っ先に名前が挙げられるのが、第5回戦に登場した、ジョン・フィンケルでしょう。(この時点で)プロツアートップ8の進出回数15回は、全プロプレイヤーの中でもぶっちぎりの1位。そもそも、1回入るのですら、すごいと言われている日曜日の舞台に15回進出していると考えれば、僕も含め、ちょっと1回くらい分けてくれと思ってしまうプレイヤーも多いことでしょう。これはもう、1人レアル・マドリードと言っても過言ではないのです。

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 そして、ジョン・フィンケルのすごさはその強さだけではありません、かつては「フローレス・ブラック」、「ティンカー」、など、魅せるデッキ選択、そして、魅せるプレイもまた、彼を伝説たらしめている要因ではないでしょうか。

 今回、フィンケルが使用したデッキも、その伝説のエピソードの1つに加えるのに十分なものでした。彼の操る「黒緑のコントロール」は、『イニストラードの覆う影」から加わった《過ぎ去った季節》を中心にした、重度のコントロールデッキ。《闇の誓願》で《過ぎ去った季節》へと繋げる姿は、かつて「フローレス・ブラック」で《吸血の教示者》、《ヨーグモスの意志》を使いこなしたフィンケルの姿と重なります。

 このデッキの季節も、かつての記憶に残っているフィンケルの強さも、いつまでも色あせない。そんなフィンケルのデッキとプレイを要チェック!

第5回戦:セス・マンフィールド vs. ジョン・フィンケル(1日目 6:07:19~)

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Jon Finkel - 「黒緑コントロール」
プロツアー『イニストラードを覆う影』 5位 / スタンダード
12 《沼》
5 《森》
4 《風切る泥沼》
2 《ラノワールの荒原》
3 《進化する未開地》

-土地(26)-

2 《巨森の予見者、ニッサ》
2 《ゲトの裏切り者、カリタス》

-クリーチャー(4)-
2 《強迫》
1 《死の重み》
4 《闇の掌握》
2 《精神背信》
2 《究極の価格》
4 《骨読み》
3 《破滅の道》
1 《無限の抹消》
4 《衰滅》
4 《闇の誓願》
2 《過ぎ去った季節》
1 《ニッサの復興》

-呪文(30)-
1 《ゲトの裏切り者、カリタス》
3 《死の重み》
2 《強迫》
3 《帰化》
1 《翼切り》
1 《究極の価格》
2 《悪性の疫病》
1 《無限の抹消》
1 《護法の宝珠》

-サイドボード(15)-

チェックポイント2! 初日7回戦 チャネル・ファイヤーボールの新作の出来は?総帥LSVのプレイに刮目せよ!

 スピード、そして、正確さ。LSVことルイス・スコット=ヴァーガスのプレイは、思わず、マジック界のスタープラチナと勝手に名付けてしまいたいくらいのものです。世界的なプロチームである、チャネル・ファイアーボールの総帥にして、自身も殿堂、そして、今だトッププレイヤーの道を走り続けているLSVが仲間と仕上げてきたデッキが、「黒緑アリストクラッツ」です。

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 この「アリストクラッツ」という名前がつくデッキタイプの特徴は、《ナントゥーコの鞘虫》など、クリーチャーを生け贄に捧げられるものと、死亡したときに効果を持つものなどを組み合わせて、一見単体では弱いクリーチャーで爆発的なシナジーを形成して、一気に相手を倒してしまおうというコンセプトです。

 時折、メタゲームに姿を現すこのタイプのデッキですが、こちらもまた、《謎の石の儀式》と《ウェストヴェイルの修道院》を得たことで、一級品のデッキへと返り咲いて来たのです。

 そして、このデッキの力がいかんなく発揮されたのは、第7回戦、LSV対ジェレミー・デザー二との対戦。デザー二もオリジナル性の高い「アブザン・カンパニー」で応戦しますが、デッキ全体のシナジーの力の爆発には及びませんでした。「黒緑アリストクラッツ」のすごさが分かるこの試合を要チェック!

第7回戦:ルイス・スコット=ヴァーガス vs. ジェレミー・デザー二(1日目 8:41:48~)

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Luis Scott-Vargas - 「黒緑アリストクラッツ」
プロツアー『イニストラードを覆う影』 7位 / スタンダード
8 《森》
4 《沼》
4 《風切る泥沼》
4 《ラノワールの荒原》
3 《ウェストヴェイルの修道院》

-土地(23)-

4 《膨れ鞘》
4 《壌土のドライアド》
4 《薄暮見の徴募兵》
4 《エルフの幻想家》
4 《ズーラポートの殺し屋》
4 《地下墓地の選別者》
4 《ナントゥーコの鞘虫》
2 《異端の癒し手、リリアナ》

-クリーチャー(30)-
3 《謎の石の儀式》
4 《集合した中隊》

-呪文(7)-
2 《不屈の追跡者》
1 《肉袋の匪賊》
2 《ゲトの裏切り者、カリタス》
4 《精神背信》
4 《究極の価格》
2 《ウルヴェンワルドの謎》

-サイドボード(15)-

チェックポイント3! 3日目準々決勝 トップ8に揃いしは、最強のプレイヤーたち。その中にはあの日本人の姿も?

 ジョン・フィンケルやルイス・スコット=ヴァーガスがトップ8へと名を連ねる中、日本勢も1人、トップ8へと名乗りを挙げました。この豪華なメンツに入っても遜色ない、どころか、他のプレイヤーもまず、一目置かなくてはならないのは、日本が誇る殿堂、ヤソで親しまれる、八十岡翔太です。

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 彼が相棒として選んだのは「エスパー・ドラゴン」。使い慣れたコントロールデッキでの参戦は、正確なプレイをさらに確実なものへと押し上げ、トップ8へと名を連ねました。

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 そして、最終日、準々決勝で一番のビッグマッチとなったのは、ルイス・スコット=ヴァーガス対八十岡翔太の一戦。

 事前にLSVはツイッター上で、「どちらが勝つにしても、早い勝負になるだろう」と記しています。お互いにプレイングが非常に早いプレイヤーであるため、見ている側も一時も目を離せない勝負。一瞬で何撃も斬り合う、世界最高峰の戦いを要チェック!

準々決勝:ルイス・スコット・ヴァーガス vs. 八十岡翔太(3日目 0:33:20~)

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八十岡 翔太 - 「エスパー・ドラゴン」
プロツアー『イニストラードを覆う影』 4位 / スタンダード
4 《沼》
4 《島》
4 《窪み渓谷》
4 《詰まった河口》
1 《水没した骨塚》
3 《コイロスの洞窟》
2 《乱脈な気孔》
3 《大草原の川》
2 《港町》

-土地(27)-

4 《ヴリンの神童、ジェイス》
4 《龍王オジュタイ》
2 《龍王シルムガル》

-クリーチャー(10)-
4 《シルムガルの嘲笑》
3 《究極の価格》
2 《意思の激突》
2 《闇の掌握》
2 《精神背信》
3 《忌呪の発動》
2 《苦い真理》
1 《骨読み》
3 《衰滅》
1 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》

-呪文(23)-
2 《ゲトの裏切り者、カリタス》
3 《強迫》
2 《死の重み》
2 《否認》
1 《苦渋の破棄》
1 《無限の抹消》
1 《悪性の疫病》
1 《闇の誓願》
1 《龍王の大権》
1 《死の宿敵、ソリン》

-サイドボード(15)-

次回は、プロツアー『異界月』がシドニーで!

 今回はとてもすべてを紹介しきれないくらいの内容の濃いプロツアーで、ほぼすべてが見どころと言ってもいいかもしれません。時間のある方はぜひ、通して見ても楽しめると思いますよ。

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 さて、次のプロツアー『異界月』はシドニーにて、8月5日(金)~8月7日(日)に行われます。イニストラードの謎は解明されるのか? そして、隠された敵とは何なのか? ストーリーも気になりますが、スタンダード環境も新しいカードが加わり、大きく変わっていくことでしょう。これは、絶対に見逃せませんね!

 それでは、また、次のプロツアーでお会いしましょう!

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