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コラム

なかしゅー世界一周

なかしゅー世界一周2011・第1回:新年度に向けて

なかしゅー世界一周2011・第1回:新年度に向けて

各国を巡る旅へ

 こんにちは、中村修平です。諸事情により予定より少し遅れましたが、今年もmtg-jp.com上で旅行記的なものを隔週で連載することになりました。他の週刊連載共々併せまして、また1年、今年もプロポイント50点を取れるのかどうか不安だらけですが、よろしくお願いします。

 さて、去年を見渡してみると、見渡してみると、...... ......
 まあ、色々あったという事にしておきましょうか。そうしておけば地に平穏、心に静寂、なべて世はこともなし......と言わないといけない部分や、やっぱりそうは言ってられない事情もあったりなかったりですが、とりあえず過ぎ去ってしまった事は脇に置いて、新年度に向けて替わった事を挙げていきましょう。


 まずはこの連載の主目的でもある海外グランプリ行。

 海外グランプリに参戦する日本人プレイヤーが私と渡辺雄也。この2人きりか、もしくは1人旅となりそうです。シングルとダブルツインの料金がほとんど変わらない海外のホテル事情的には滞在費が厳しいものがありますが、その辺りは海外の知り合いとシェアをしたり、今までは同行者がいるからと取れなかった選択肢が使えるようになったりする点もありますし、ここ数年は旅券取得や宿探しに忙殺される事も多かったので、逆に自分の面倒だけを観ればよいというのは、かなり気が楽な部分もあります。

 あいも変わらずウィザーズさんは日本人には少々厳しい日程を出してきますが、この機会に、4月までの日程をご紹介しておきましょう。

開催日 イベント フォーマット
1月22-23日 グランプリ・アトランタ アメリカ エクステンデッド
2月10-13日 プロツアー・パリ フランス スタンダード/ブースタードラフト
2月10-13日 グランプリ・パリ フランス ミラディンの傷跡ブロック・リミテッド
2月19-20日 グランプリ・デンバー アメリカ ミラディンの傷跡ブロック・リミテッド
3月19-20日 グランプリ・神戸 日本 エクステンデッド
3月26-27日 グランプリ・バルセロナ スペイン スタンダード
4月9-10日 グランプリ・ダラス アメリカ スタンダード
4月30日-5月1日 グランプリ・ロンドン イギリス ミラディンの傷跡ブロック・リミテッド


 例えば直近のスケジュールだと、プロツアー/グランプリ・パリからグランプリ・デンバーの世界一周コースがありますが、ここで入ってきた突然の報せが、グランプリ・ハンブルク消滅。
 中世ヨーロッパの北欧交易を支配したハンザ同盟の盟主的都市であり、ハンバーグステーキの語源ともなっている都市で、訪問を楽しみにしていたのですがあえなく御破算になってしまいました。
 はたまた、会場の情報がまだ出ていないのに、「ロンドンの前日はイギリス王子の結婚式だからホテルは早めに取った方が良いよ」等々。実は何もかも解っていてやっているのではないかと疑いたくなるような事をしてくれますが、それを見て「いつもの事か」と思ってしまっているあたり、立派に飼いならさられている気がしないでもありません。
 むしろ、ロイヤルウェディングとやらを見物するのも一興かと思ってみたりしているところから見て、もはや救いようがない状態なのは自分の方かも。

 これまで以上にふらふらと何処かしらを彷徨っているだろうなと、心境的には今から楽しみ半分、心配半分といったところですね。

フィレンツェにて

 日本のプロマジックプレイヤー事情から言うと、今年度のプロツアー継続参戦組、その基準となる「プロポイント20点以上で全プロツアーの参加権をシードされている」日本人プレイヤーは、18人から9人と半減してしまいました。

 私のように世界の何処であろうとも開催されているならグランプリに出向こうと考えている人間は本当に少数です。大方のプロプレイヤーは参加するプレミアイベントをプロツアーに近場のグランプリに絞る、それにプラスしてプロツアーと接続して(次に)参加できるグランプリに参加する、というスタイルが主流でした。
 残念ながら日本人プロプレイヤーの多くはもともと、ウィザーズが推奨するプロツアー前のグランプリ参加には消極的だったのです。

 それに加えて、日本開催のグランプリも減少したのであれば、ある程度はレベルを維持できない仲間がいるのは仕方がないと思っていましたが、まさか半減してしまうとは思っていませんでした。前述の渡辺雄也などは、この事への危機感から今シーズンでのフル参戦を決意したとの事なのですが、日本人プロプレイヤー達が同じように考えて、逆境が良い方に働いてくれればと思っています。

 せっかくなら日本人プレイヤーが勝っているところを見たいじゃないですか。


 私自身に焦点を当てるなら、マジック関連で記事を書く頻度が増えました。
 去年1年間を通しての週刊連載をさせてもらったのを経験として、もう少しくらいは自分の許容量を増やせると判断したからです。

 それに加えて転居しました。とはいえ、実はこの原稿を書いている段階ではまだ「転居予定」で、まだ大阪の外れに住んでいるのですが、これからは東京の墨田区、東京スカイツリー近くに居を構える予定です。
 理由としてはマジックを練習する環境の効率化。これまでも、大阪に住んでいるのに東京に練習に行ったり、只でさえ日本にいる時間は1年の半分程度なのに余計な行ったり来たりを繰り返していました。ただでさえプロプレイヤーが先細りしている中で、マジックをやっている上で余計に思える部分を削ぎ落としてみるのも良いだろう、と思ったのがそもそもの動機です。

 それとウィザーズ社のオフィスで新セットの打ち合わせがあった際に、かの地から自慢電話がかかってくるのがちょっと、いやかなり恨めしかったと言うのも少しありますね。
 とは言っても、すぐ先には半地元のグランプリ・神戸があったり、大阪からの方が全然距離が近いプロツアー・名古屋だったり、はたまたグランプリ・広島と、西日本でのプレミアイベント開催が多かったりするので、やっぱり頻繁に大阪と東京を行き来するような気がしないでもありません。


 もう1つ、今年は私にとっては特別な意味があります。それは初参加のプロツアーサンディエゴから十年が経過し、マジックの殿堂投票で私に被選挙権が与えられる年であるという事です。

 10年以上前、トーナメントマジックを意識し始めた頃にある人から、

『人間、30まで寄り道しても良いじゃないか』

 という言葉を貰いました。もちろん私だけに向けた言葉ではありませんし、私自身がこういう人生を歩む事になるとは露とも知りませんでしたが、気がつけば、今年30を迎えるとともに、殿堂入りのチャンスがやってきました。

 言葉に意味を付け加えるのも人の都合なら、解釈するのも人の都合です。

 ですが、この偶然の一致に気付いたのはもう今となっては何時だったか解りませんが、グランプリを廻ってはプロポイントを確保するという生活の中で、いつしか漠然とした目標になっていました。

 まだ来年以降にどうするかはまだ決めていません。あの人の言葉通り、果たして世界を何周したか解らない壮大な寄り道に終止符を打つ時が来たのかもしれませんし、もしかすればその先に何か違ったものが見えるかもしれません。

 自分の中で1つの終着点、集大成として今年の殿堂に対して取り組もうと思っています。


 まあ、そう息巻いていたみたは良いものの、早くも新年1回目のグランプリ、グランプリ・アトランタが迫って来ている訳で、いつもの如くの準備不足のままアメリカ行きの飛行機に乗り込む事になりそうです。

 それではまた次回に、また今年も世界のどこかでお会いしましょう。

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