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津村健志の「先取り!」スタンダード・アナライズ
津村健志の「先取り!」スタンダード・アナライズ 『ゲートウォッチの誓い』参入後の世界
津村健志の「先取り!」スタンダード・アナライズ 『ゲートウォッチの誓い』参入後の世界
こんにちは。晴れる屋の津村です。
実は今年初めての寄稿ということで、遅ればせながら新年のご挨拶を。みなさま、今年も何卒よろしくお願いいたします。
今週は先週末に開催された、Magic Online Championship Series(以下MOCS) の結果を振り返っていきたいと思います。『ゲートウォッチの誓い』加入後初の大型イベントということで、今現在活躍しているデッキがどのように強化されたのかを中心にお送りしたいと思います。
なお、今年よりMOCSのルールも一新され、Magic Online上で結果を残しているプレイヤーだけでなく、プロプレイヤークラブのプラチナプロたちも参戦できるようになりました。その影響もあり、MOCSはこれまで以上に見逃せないイベントとなっております!
実際に今回特集させていただくリストの多くがプラチナプロが使用したデッキですし、有名プレイヤーたちはTwitterで成績をつぶやいていたりもするので、彼らのツイートを見ながら応援すれば、MOCSをより一層楽しめるのではないかと思います。
それでは、トップ8に残ったデッキと注目のデッキをご覧ください。
「MOCS」トップ8デッキ(2016年2月13日開催)
- 優勝・「4色《先祖の結集》コンボ」
- 準優勝・「緑単エルドラージ・ランプ」
- 3位・「4色《先祖の結集》コンボ」
- 4位・「バント《集合した中隊》」
- 5位・「ダーク・ジェスカイ」
- 6位・「バント《集合した中隊》」
- 7位・「ダーク・ジェスカイ」
- 8位・「ジェスカイ」
「4色《先祖の結集》コンボ」デッキ
1 《平地》 1 《島》 1 《沼》 1 《森》 2 《梢の眺望》 1 《大草原の川》 3 《窪み渓谷》 4 《溢れかえる岸辺》 4 《汚染された三角州》 3 《吹きさらしの荒野》 3 《進化する未開地》 -土地(24)- 3 《シディシの信者》 4 《ヴリンの神童、ジェイス》 4 《ズーラポートの殺し屋》 3 《永代巡礼者、アイリ》 2 《エルフの幻想家》 4 《反射魔道士》 3 《ナントゥーコの鞘虫》 2 《地下墓地の選別者》 2 《不気味な腸卜師》 1 《異端の癒し手、リリアナ》 -クリーチャー(28)- |
4 《先祖の結集》 4 《集合した中隊》 -呪文(8)- |
3 《アラシンの僧侶》 3 《先頭に立つもの、アナフェンザ》 2 《肉袋の匪賊》 1 《ゲトの裏切り者、カリタス》 3 《強迫》 1 《払拭》 2 《残忍な切断》 -サイドボード(15)- |
『ゲートウォッチの誓い』加入前からスタンダードを支配している「4色《先祖の結集》コンボ」デッキ。『ゲートウォッチの誓い』加入後もその勢いは留まることを知らず、MOCSでも見事に優勝を果たしています。
新戦力・《永代巡礼者、アイリ》と《反射魔道士》
もともと完成されていたデッキではありますが、『ゲートウォッチの誓い』から《永代巡礼者、アイリ》と《反射魔道士》を得たことにより、さらに隙のないデッキへと昇華しました。
《永代巡礼者、アイリ》は、追加の《ナントゥーコの鞘虫》としての役割が期待でき、能力の起動にマナこそかかるものの、「ライフ回復」能力は《ナントゥーコの鞘虫》にはない魅力として、対ビートダウン戦で重宝します。
一見地味に見える「接死」も見た目以上に役に立ち、《先頭に立つもの、アナフェンザ》でも《包囲サイ》でも止めることができるので、コンボ完成までの時間稼ぎに大きく貢献してくれます。
そして、「4色《先祖の結集》コンボ」デッキが得たもうひとつの新戦力が《反射魔道士》です。
このカードは『ゲートウォッチの誓い』で最高のカードと評されるほどの力を秘めており、このカードの加入によって「4色《先祖の結集》コンボ」デッキは下記のようなメリットを手にしています。
- 殴り勝つパターンの増加
- 《先頭に立つもの、アナフェンザ》や《ゲトの裏切り者、カリタス》といったクリーチャーへの耐性アップ
「4色《先祖の結集》コンボ」デッキは、もともと《先祖の結集》を引かずとも殴り勝つことの多いデッキでしたが、《反射魔道士》の登場でそのパターンが大幅に増加しました。《集合した中隊》を絡めた攻勢を捌き切ることは決して容易なことではなく、仮に上手く盤面を抑えきったとしても今度は《先祖の結集》が待っている、という二段構えになっているため、生半可な対策ではこのデッキを攻略することはできません。
また、《反射魔道士》は、《先頭に立つもの、アナフェンザ》や《ゲトの裏切り者、カリタス》といったこのデッキの天敵に対する術としても最適です。
以前であれば手を焼いていたこれらのクリーチャーも、《反射魔道士》にかかれば赤子同然。その間に墓地を肥やせば《先祖の結集》を使用することもできますし、一度そういった状況にさえなってしまえば、対戦相手が巻き返しを図ることは非常に難しくなります。前環境では4枚確定と言われていたサイドボードの《残忍な切断》の枚数が減らされていることからも、《反射魔道士》がこのデッキにどれだけ大きな影響を与えたかを垣間見ることができます。
「4色《先祖の結集》コンボ」デッキは、結果を残し続けているだけあって今現在はかなり対策されています。それこそ白いデッキなら《神聖なる月光》が当たり前のように採用されているほどですが、それでなお勝ち続けられるのは、このデッキが見た目以上に対策が難しい証拠と言えるでしょう。
盤面を捌くことだけでなく、《先祖の結集》への対策も必要になるので一筋縄ではいきませんが、《先頭に立つもの、アナフェンザ》・《ゲトの裏切り者、カリタス》・《神聖なる月光》やカウンター呪文など、可能な限り厚めの対策を心がけたいところです。
「バント《集合した中隊》」
3 《森》 3 《平地》 1 《島》 2 《梢の眺望》 2 《大草原の川》 4 《吹きさらしの荒野》 4 《溢れかえる岸辺》 2 《樹木茂る山麓》 2 《伐採地の滝》 2 《ヤヴィマヤの沿岸》 -土地(25)- 4 《始まりの木の管理人》 4 《棲み家の防御者》 4 《森の代言者》 2 《白蘭の騎士》 4 《跳ねる混成体》 4 《反射魔道士》 3 《死霧の猛禽》 2 《巨森の予見者、ニッサ》 -クリーチャー(27)- |
4 《ドロモカの命令》 4 《集合した中隊》 -呪文(8)- |
3 《アラシンの僧侶》 2 《払拭》 3 《軽蔑的な一撃》 3 《勇敢な姿勢》 2 《見えざるものの熟達》 2 《絹包み》 -サイドボード(15)- |
2 《森》 3 《平地》 1 《島》 2 《梢の眺望》 2 《大草原の川》 4 《吹きさらしの荒野》 4 《溢れかえる岸辺》 1 《樹木茂る山麓》 4 《伐採地の滝》 2 《ヤヴィマヤの沿岸》 -土地(25)- 4 《森の代言者》 3 《棲み家の防御者》 3 《ヴリンの神童、ジェイス》 2 《層雲の踊り手》 4 《死霧の猛禽》 4 《空中生成エルドラージ》 4 《反射魔道士》 2 《跳ねる混成体》 2 《風番いのロック》 -クリーチャー(28)- |
3 《ドロモカの命令》 4 《集合した中隊》 -呪文(7)- |
2 《アラシンの僧侶》 1 《潮流の先駆け》 1 《隠れたる龍殺し》 1 《層雲の踊り手》 3 《払拭》 3 《軽蔑的な一撃》 2 《勇敢な姿勢》 1 《絹包み》 1 《正義のうねり》 -サイドボード(15)- |
《反射魔道士》を最大限に活用したもうひとつの注目デッキが、「バント (白青緑) 《集合した中隊》」デッキです。「4色《先祖の結集》コンボ」デッキと比べ、このデッキは単体性能で優れたクリーチャーを優先しており、《反射魔道士》や《跳ねる混成体》、そしてそれらを導くことができる《集合した中隊》を駆使して一気に押し切ってしまうことに重きを置いています。
《先祖の結集》がないため全体除去にこそ弱くなっていますが、安定性が高く爆発力も申し分ないため、MOCSでも多くのプロプレイヤーがこのデッキを選択しています。《反射魔道士》の陰に隠れてしまいがちですが、徐々に頭角を現し始めた《森の代言者》もまた、このアーキタイプの躍進を支えている1枚です。
《森の代言者》はこのデッキに限らず、「アブザン・アグロ」などでも採用されている新戦力。その能力を生かし、基本的には《伐採地の滝》や《乱脈な気孔》といった「ミシュラランド」と併用されることが多いカードですが、序盤から終盤まで活躍できるクリーチャーということで、土地が伸びやすい「エルドラージ・ランプ」デッキなどでも活躍しているようです。ゲーム終盤に《集合した中隊》から出てくる《森の代言者》のインパクトは《反射魔道士》のそれに勝るとも劣らないほどですし、《反射魔道士》+《集合した中隊》を搭載したデッキであればぜひとも採用したいクリーチャーです。
ただし、「ミシュラランド」を戦闘に参加させる場合は、戦闘や除去呪文で「ミシュラランド」を失って土地が6枚未満になるとサイズが小さくなってしまうので、「ミシュラランド」を起動する際にはご注意を。
このデッキの課題としては、盤面が膠着してしまった際に打開が難しいことなので、今後さらにミラーマッチが増えることも考慮すると、ブラッド・ネルソン/Brad Nelson (=FFfreaK)のように《空中生成エルドラージ》や《風番いのロック》のような飛行クリーチャーを採用するといいと思います。
「アブザン・アグロ」
3 《森》 2 《平地》 1 《梢の眺望》 1 《燻る湿地》 1 《窪み渓谷》 4 《吹きさらしの荒野》 4 《溢れかえる岸辺》 4 《樹木茂る山麓》 4 《乱脈な気孔》 2 《ラノワールの荒原》 -土地(26)- 4 《始まりの木の管理人》 4 《森の代言者》 2 《棲み家の防御者》 4 《先頭に立つもの、アナフェンザ》 2 《巨森の予見者、ニッサ》 4 《包囲サイ》 -クリーチャー(20)- |
4 《絹包み》 2 《ドロモカの命令》 4 《アブザンの魔除け》 4 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》 -呪文(14)- |
1 《アラシンの僧侶》 2 《強迫》 4 《神聖なる月光》 2 《自傷疵》 2 《精神背信》 2 《苦い真理》 1 《悪性の疫病》 1 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》 -サイドボード(15)- |
《反射魔道士》の影響で以前よりも「4色《先祖の結集》コンボ」に対して弱くなってしまったため、少し立ち位置が微妙になってしまった感は否めませんが、まだまだ第一線での活躍を続ける「アブザン・アグロ」。「4色《先祖の結集》コンボ」デッキに勝つためには、《先頭に立つもの、アナフェンザ》や《ゲトの裏切り者、カリタス》を並べるだけでは不十分なので、可能な限り攻勢に出てブロックを強制させられる状態まで持っていくか、除去を駆使して《ナントゥーコの鞘虫》のようなキーカードだけでも追放しておきましょう。
また、このリストのように《神聖なる月光》で《集合した中隊》を封じてしまうのもひとつの手です。
とにかく盤面を作らせないことが重要になので、《ヴリンの神童、ジェイス》・《ナントゥーコの鞘虫》・《不気味な腸卜師》は速やかに除去しましょう。
「エルドラージ・ランプ (赤緑&緑単) 」
10 《森》 2 《山》 2 《燃えがらの林間地》 2 《樹木茂る山麓》 4 《ウギンの聖域》 4 《見捨てられた神々の神殿》 1 《荒廃した森林》 -土地(25)- 1 《絶え間ない飢餓、ウラモグ》 4 《森の代言者》 3 《爪鳴らしの神秘家》 4 《世界を壊すもの》 2 《龍王アタルカ》 -クリーチャー(14)- |
4 《ニッサの誓い》 4 《ニッサの巡礼》 2 《コジレックの帰還》 4 《爆発的植生》 2 《面晶体の記録庫》 2 《炎呼び、チャンドラ》 3 《精霊龍、ウギン》 -呪文(21)- |
4 《ジャディの横枝》 1 《虚空の選別者》 1 《絶え間ない飢餓、ウラモグ》 1 《大いなる歪み、コジレック》 3 《焙り焼き》 2 《頭蓋書庫》 2 《コジレックの帰還》 1 《光輝の炎》 -サイドボード(15)- |
これまで紹介してきたデッキと同様に、いくつかの新戦力が加わった「エルドラージ・ランプ」デッキ。《世界を壊すもの》や《炎呼び、チャンドラ》の登場により、以前と比べてより早いターンでビッグアクションを起こせるようになっています。
このデッキにとって《爆発的植生》や《面晶体の記録庫》から繋がる強力なアクションを手に入れたことは大きな収穫であり、《ウギンの聖域》から連打される《世界を壊すもの》は、このデッキが手にした新たな必勝パターンです。
「エルドラージ・ランプ」デッキの最大のセールスポイントは、前述の「バント《集合した中隊》」デッキに対してこれ以上ないほどに相性が良いことです。着地すれば勝利に等しい《精霊龍、ウギン》を筆頭に、全体除去呪文が大量に搭載されているため、カウンター呪文が入ってくるサイドボード後はまだしも、メインデッキ戦は非常に相性が良いですね。
その反面で、《先祖の結集》擁する「4色《先祖の結集》コンボ」に対しては、全体除去だけだと最終的に《先祖の結集》で負けてしまうため、このリストのように《頭蓋書庫》を使うなり、《世界を壊すもの》や《絶え間ない飢餓、ウラモグ》で白マナを追放しつくして《先祖の結集》を封じる必要があります。
一般的に「4色《先祖の結集》コンボ」デッキには、白マナを捻出できる土地が4枚 (《平地》×1、《梢の眺望》×2、《大草原の川》×1) しか入っていないため、これらのうち3枚を追放できれば勝利は目前です。
「エルドラージ・ランプ」デッキは「赤緑」バージョンのみならず、「緑単色」のバージョンも結果を残していたので、そちらもご覧ください。
14 《森》 1 《荒地》 4 《ウギンの聖域》 4 《見捨てられた神々の神殿》 1 《崩壊する痕跡》 -土地(24)- 2 《絶え間ない飢餓、ウラモグ》 4 《爪鳴らしの神秘家》 3 《荒野の囁く者》 2 《面晶体の這行器》 3 《難題の予見者》 4 《世界を壊すもの》 -クリーチャー(18)- |
4 《ニッサの誓い》 4 《ニッサの巡礼》 4 《爆発的植生》 4 《面晶体の記録庫》 2 《精霊龍、ウギン》 -呪文(18)- |
4 《ジャディの横枝》 3 《搭載歩行機械》 3 《カル・シスマの風》 2 《次元の歪曲》 2 《回収蔦》 1 《精霊龍、ウギン》 -サイドボード(15)- |
こちらは9枚ものマナクリーチャーが印象的な形です。《コジレックの帰還》や《炎呼び、チャンドラ》といった赤いカードを諦めた代わりに、先ほどのリストよりも安定してマナ加速ができるようになっています。
「エルドラージ・ランプ」対決ではマナ加速の量で勝負が決まると言っても過言ではありませんし、『ゲートウォッチの誓い』加入後はこのデッキが苦手としていた「アタルカ・レッド」が著しく数を減らしてきたこともあり、緑単色 (+無色) という選択は理にかなっていると思います。
ただし、単色だとどうしても《無限の抹消》耐性に限界があるため、《無限の抹消》や「アタルカ・レッド」が復権するならば「赤緑」バージョンにして、前者には《炎呼び、チャンドラ》で、後者には《コジレックの帰還》で対応するといいと思います。
「ダーク・ジェスカイ」
1 《平地》 1 《島》 1 《沼》 1 《山》 2 《大草原の川》 1 《窪み渓谷》 2 《燻る湿地》 4 《溢れかえる岸辺》 4 《汚染された三角州》 4 《血染めのぬかるみ》 2 《乱脈な気孔》 2 《鋭い突端》 1 《戦場の鍛冶場》 -土地(26)- 4 《ヴリンの神童、ジェイス》 2 《魂火の大導師》 4 《僧院の導師》 2 《ゲトの裏切り者、カリタス》 -クリーチャー(12)- |
4 《強迫》 3 《焦熱の衝動》 2 《焙り焼き》 4 《はじける破滅》 4 《苦い真理》 1 《残忍な切断》 2 《時を越えた探索》 2 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》 -呪文(22)- |
2 《アラシンの僧侶》 3 《軽蔑的な一撃》 1 《見えざるものの熟達》 1 《否認》 1 《焙り焼き》 1 《正義のうねり》 1 《精神背信》 2 《光輝の炎》 1 《オジュタイの命令》 1 《影響力の行使》 1 《炎呼び、チャンドラ》 -サイドボード(15)- |
1 《平地》 1 《島》 1 《沼》 2 《山》 1 《大草原の川》 2 《燻る湿地》 2 《窪み渓谷》 3 《溢れかえる岸辺》 4 《汚染された三角州》 4 《血染めのぬかるみ》 2 《神秘の僧院》 1 《遊牧民の前哨地》 2 《乱脈な気孔》 -土地(26)- 4 《ヴリンの神童、ジェイス》 3 《魂火の大導師》 2 《ゲトの裏切り者、カリタス》 1 《ピア・ナラーとキラン・ナラー》 2 《黄金牙、タシグル》 -クリーチャー(12)- |
3 《焦熱の衝動》 2 《強迫》 2 《焙り焼き》 1 《否認》 4 《はじける破滅》 3 《コラガンの命令》 3 《苦い真理》 2 《光輝の炎》 2 《宝船の巡航》 -呪文(22)- |
2 《アラシンの僧侶》 3 《カマキリの乗り手》 1 《強迫》 3 《軽蔑的な一撃》 2 《絹包み》 1 《搭載歩行機械》 1 《否認》 1 《完全なる終わり》 1 《炎呼び、チャンドラ》 -サイドボード(15)- |
「ダーク・ジェスカイ」は『ゲートウォッチの誓い』から《ゲトの裏切り者、カリタス》、そして《鋭い突端》と《さまよう噴気孔》という2種類の「ミシュラランド」を手に入れました。
《ゲトの裏切り者、カリタス》は「アブザン・アグロ」などでも使用されていますが、その真価を発揮できるのは除去が満載の「ダーク・ジェスカイ」ではないかと思います。「絆魂」能力も《苦い真理》で失ったライフをリカバーするのに最適で、どの能力も「ダーク・ジェスカイ」にぴったりなカードです。黒のダブルシンボルということで、無条件で採用というわけにはいきませんが、「4色《先祖の結集》コンボ」や《死霧の猛禽》、はたまた《世界を壊すもの》が幅を利かせる現状ならば、かなり優先度の高いクリーチャーだと思います。
もうひとつの変化は、2種類の「ミシュラランド」が登場したこと。これによりこれまで以上に充実した土地構成が実現可能となりましたが、その反面で構築がさらに難しくなってしまったという嬉しい悩みを抱えることに。少しだけ実戦したところ、やはり《神秘の僧院》や《遊牧民の前哨地》のような「3色ランド」がないと動きが歪になりやすいと感じたので、3~4枚程度は採用した方が良さそうです。
また、現在は《軽蔑的な一撃》が強いマッチアップが増えてきたので、スペースがあるならメインから1~2枚の採用を検討してもいいでしょう。
「今週の一押し~蛸の契約~」
5 《沼》 4 《島》 2 《窪み渓谷》 4 《汚染された三角州》 4 《血染めのぬかるみ》 4 《溢れかえる岸辺》 3 《陰鬱な僻地》 -土地(26)- -クリーチャー(0)- |
4 《強迫》 2 《払拭》 4 《精神背信》 2 《予期》 2 《分散》 2 《闇の掌握》 3 《ジェイスの誓い》 2 《破滅の道》 4 《悪魔の契約》 3 《シルムガルの命令》 2 《押し潰す触手》 2 《時を越えた探索》 1 《宝船の巡航》 1 《奈落の総ざらい》 -呪文(34)- |
2 《払拭》 2 《否認》 2 《究極の価格》 2 《鞭打つ触手》 2 《無限の抹消》 2 《衰滅》 1 《変容する忠誠》 2 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》 -サイドボード(15)- |
こちらは《悪魔の契約》を使用した新デッキ。これまでにも《分散》や《シルムガルの命令》で《悪魔の契約》を再利用する手法は見受けられましたが、このリストに追加で採用されているカードはなんと《押し潰す触手》!
これまではほとんど使用されていなかったこのカードですが、このデッキならば《悪魔の契約》や《ジェイスの誓い》の再利用、そして困った時のリセット呪文として機能します。メインから採用された大量の手札破壊呪文は、安全確認と「怒濤」の条件達成にうってつけです。
《ヴリンの神童、ジェイス》すら入っていないノンクリーチャースタイルを貫いているため、1戦目は楽なマッチアップが多いです。《奈落の総ざらい》という驚きのギミックもありますし、珍しいデッキが好きな方はぜひお試しください!
終わりに
今週のスタンダード・アナライズは以上です。どれだけ対策されようとも、淡々と勝ち続ける「4色《先祖の結集》コンボ」デッキの存在感はさすがですね。そんな中、「バント《集合した中隊》」や「今週の一押し」で紹介したような新デッキが登場していたりもするので、まだまだ今後の動向から目が離せません。
次回はプロツアー地域予選2016#2(RPTQ)や「グランプリ・ヒューストン2016」の結果を特集したいと思います。今回のMOCSに参加していなかった強豪プレイヤーたちが、果たしてどんなデッキを持ち込むのか。「4色《先祖の結集》コンボ」デッキの天下が続くのかにご注目ください。
それでは、また次回の連載でお会いしましょう。
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