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ReConstructed -デッキ再構築-
ジョリーといっしょ
ジョリーといっしょ
Gavin Verhey / Tr. Yuusuke "kuin" Miwa / TSV testing
2015年12月28日
『ゲートウォッチの誓い』プレビューにようこそ!
このセットでは、すごい試みがいくつも行われている。いくつか例を挙げると、キーワード能力の支援や怒濤もそうだし、それから、もちろん、無色マナ・シンボルもそうだ。私は『ゲートウォッチの誓い』のデベロップ・チームに参加していたので、それらがいかに作り上げられたかを思い出すと恍惚としてしまうよ。
とは言え、私たちはこのセットについて、メカニズムだけでなく、カードそれ自体が素晴らしいものになるように努力してきた。看板となる要素に興味が無かったとしても、あなたの好奇心をくすぐる何かは見つかるだろう。
それから私たちは、ゼンディカーを舞台にしたセットが『戦乱のゼンディカー』『ゲートウォッチの誓い』と続けて出ることを知っていたので、フレイバーテキストで見覚えがあるであろう登場人物などに注目して、いくつか取り上げようと思った。
これもそういうカードだ。地球人よ、《遺跡潜り、ジョリー・エン》とともに、探索へと向かう準備を整えたまえ。
《手酷い失敗》や《珊瑚兜の案内人》といったカードで、ジョリー・エンの台詞が引用されているのを見たことがあるだろう――そして今ここに、ジョリー本人が登場した!
もっと詳しく見てみよう。
ジョリーは3マナのクリーチャーなので、戦場に早くから登場できる。可能な限り早くからその誘発型能力を利用したい者にとっては良い知らせだ! ビートダウンで採用しようと考えるサイズではないが、それなりのダメージを通したり、小型の地上クリーチャーを食い止めることぐらいはできるぞ。
サイズはともかくとして、最も重要なその能力について見てみよう。ある意味では、《遺跡潜り、ジョリー・エン》は全ての手札を怒濤カードに変更してくれるようなものだ――2つ目に唱えるあらゆる呪文が、ジョリーによってより良い効果を発揮するのだから。にもかかわらず、追加のマナも何も支払う必要がない! 1ターンに2つの呪文を唱えているかぎり、カードをただで引き続けることが可能なんだ!
さて、カードを引き続けるための手法の1つは、軽量呪文と怒濤カードを大量に採用した、怒濤デッキを構築することだろう。しかし、それだけしか方法が無いわけではない。今回は、怒濤デッキ以外で《遺跡潜り、ジョリー・エン》を活躍させる方法をいくつか紹介していこうと思う。
それじゃあ、ジョリーの能力を最大限発揮させて、毎ターンカードを追加で引けるようにするにはどうすればいいだろうか? さあ、深呼吸をしてくれ。デッキの海に飛び込むぞ!
スタンダードから見ていこう。
スタンダードをエンジョリしよう
現行のスタンダードで、軽量呪文を多く取り入れた青赤デッキをプレイしようと考えたとき、すぐに思いつくのがジェスカイだ。
《僧院の導師》を利用したテンポ型のジェスカイ・デッキは、ここしばらくは断続的に見かける程度のデッキだった。そしておそらくジョリーは、テンポ型ジェスカイの現状を打破するための最後のパーツとなるだろう。もし対戦相手がジョリーを除去せずにこちらにターンを回せば、1ターンに2ドローという恩恵をすぐさま享受できるはずだ。
《遺跡潜り、ジョリー・エン》を採用した、このデッキを見てみよう。
3 《島》 3 《平地》 2 《大草原の川》 1 《燻る湿地》 1 《燃えがらの林間地》 4 《溢れかえる岸辺》 4 《汚染された三角州》 4 《吹きさらしの荒野》 1 《神秘の僧院》 -土地(23)- 4 《ヴリンの神童、ジェイス》 4 《道の探求者》 2 《ケラル砦の修道院長》 4 《僧院の導師》 3 《遺跡潜り、ジョリー・エン》 -クリーチャー(17)- |
4 《果敢な一撃》 4 《乱撃斬》 2 《焦熱の衝動》 2 《焙り焼き》 1 《勇敢な姿勢》 2 《ジェスカイの隆盛》 1 《ジェスカイの魔除け》 4 《宝船の巡航》 -呪文(20)- |
1マナや2マナの呪文を満載しているのみならず、《ジェスカイの隆盛》や《ケラル砦の修道院長》などを採用することで呪文を連発しつづけられるようにしたこのデッキは、ジョリーを完璧に機能させる――軽々とね。
どちらにしろ、軽いキャントリップ(訳注:カードを引く効果)付きの呪文は《僧院の導師》のために必要だし、《宝船の巡航》のために墓地を肥やすことにもなるのだから、結局この組み合わせは綺麗にはまるわけさ。実際、このデッキは時間泥棒と呼べるほどの速度を持っている。にもかかわらず、このデッキから唱えられる3マナ域はどれもこれも除去必須なクリーチャーなんだ!
このデッキは、対戦相手が少しでももたつけば、その優位を維持したまま圧殺してしまう戦術を有している。それでいて、信じられないほどの柔軟さも持ち合わせているんだ。アグレッシブ・デッキに対してはよりコントロール的な動きが取れるし、コントロールやミッドレンジ相手には、脅威となるカードを次々に叩きつけながら、カード枚数の優位を維持しつつテンポ・ゲームを展開できる。
また、『ゲートウォッチの誓い』の青と赤には怒濤を持つカードがたくさんあるので、この戦術に適するカードがまだ他にも出てくるかもしれない。こういうデッキで使えるカードがもっと出てくるかどうか調べるためにも、『ゲートウォッチの誓い』カードイメージギャラリーにしっかり目を通そう!
統率するジョリー
伝説のクリーチャーについて考えるにあたり、統率者戦を意識しないわけがない。しかもジョリーは、これを軸とした構築ができるのだから!
統率者戦では、同ターンに複数の呪文を唱えられる要素が山ほどある。次の呪文を唱えるためのアーティファクト・マナを用意しつつ、《定業》や《思案》のような呪文でカードを引いてもいいし、あるいは単に《にやにや笑いのイグナス》のようなものでよくあるインチキをしてもいい。自分のターンがくるたびに――あるいは対戦相手のターン中に――2つの呪文を唱えることなんて、朝飯前さ!
私がまず最初に思いついた統率者戦での《遺跡潜り、ジョリー・エン》デッキの構成は、こんな感じだ。
《遺跡潜り、ジョリー・エン》によってうまく機能するメカニズムは数多い。待機はとても相性がいい能力で、あらかじめ待機コストを支払って追放しておけば、アップキープの時点で1つ目の呪文としてコストを払わずに唱えられる。そのターンに何か呪文を唱えるつもりなら、おあつらえ向きというわけだね。しかし待機以上に有効なのが、1枚で呪文を2枚唱えることができる続唱だ! 《エーテリウム角の魔術師》、ありがとう。
他にも、手札を保持するための方法はいくつもある。《粗石の魔道士》のようなカードなら、ジョリーの能力を手軽に誘発させられる《太陽の指輪》などを持ってきて、簡単に2つ目の呪文を唱えられる状態を生み出せるぞ。それから、《仕組まれた爆薬》や《永遠溢れの杯》のようなカードを使えば、必要な時に0マナでプレイして「サイクリング」のように使うことだって可能だ。
あとは、もちろん、1マナアーティファクトの《師範の占い独楽》だね。《遺跡潜り、ジョリー・エン》の能力を毎ターン誘発させるため、毎度ライブラリーの一番上に移動できる。普段見かける《師範の占い独楽》よりもさらに凶悪な動きだ。
この統率者戦デッキを回すのは絶対に面白いと思うし、私が統率者戦で大好きな行動がこのデッキではいろいろ楽しめる。《遺跡潜り、ジョリー・エン》が手に入ったら、このデッキで試してみてくれ!
世界にジョリーを
《遺跡潜り、ジョリー・エン》の好きなところは、その順応性の高さだ。軽量呪文満載のデッキなら、どんなものにでもよく合う――そういうデッキがどれだけ多いことか!
今回は、モダンではどうかということについては取り上げなかったけれども、モダンでも同様にさまざまな役割を果たせそうだということは分かるだろう。軽い呪文の話をするなら、モダンこそが軽量呪文の応酬で環境が定義されているフォーマットなのだから。《稲妻》、《ギタクシア派の調査》、《血清の幻視》......枚挙にいとまがない。ジョリーを出して続けざまに《ギタクシア派の調査》をプレイすれば、既に消費した手札は取り戻したことになるし、そこから先は増える可能性しかないってことだ! モダンについては、素晴らしいデッキ構築者である君たちの手に委ねることにするよ。
『ゲートウォッチの誓い』の登場にはとても興奮している――ジョリーは始まりに過ぎない。たとえどのフォーマットで遊んでいるとしても、何か気になるものが見つかるはずだ。その中でも《遺跡潜り、ジョリー・エン》は私のお気に入りの1つで、おそらくそうすべきでない場合でも、ドラフトで初手取りしてしまうだろう。ジョリーでカードを何度も引きたい、それだけの理由でね。《遺跡潜り、ジョリー・エン》を用いたデッキの構築を楽しんでくれ!
とりあえず、あなたが実際に《遺跡潜り、ジョリー・エン》を手に入れるまでは、何か思いついたことや感想なんかを気軽に伝えてほしいな! TwitterやTumblrにコメントを届けてほしい。
次回は、また別の(またすごい)レアをご紹介するよ。また来週!
Gavin / @GavinVerhey / GavInsight
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