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『カラデシュ』 一問一答

Sam Stoddard / Tr. Takuya Masuyama / TSV YONEMURA "Pao" Kaoru

2016年12月9日

原文はこちら

 こんにちは、そして「Latest Developments -デベロップ最先端-」にようこそ! 今週は一問一答コラムで皆さんの質問に答えていきます。それではいってみましょう。

「Latest Developments」の一問一答向けの質問をまだまだ募集中ですぞ。#WOTCstaff


@samstod ブースターパックのコモンの並び順を決めてるのは誰ですか? それはどんな方法で行われていますか? リミテッドへの影響は考慮されていますか? よろしくお願いします。

 開発部側でそれを行っているのはデベロッパーの一人であるブライアン・ホーレー/Bryan Hawleyです。彼はセットのリードから多くのデータを得ています――カードのパワー・レベルや起こりうるあらゆる変なことの照合(コモンが両面カードに置き換えられるなど)、業者(実際にカードを印刷する人たち)が守るべきルールの作成などです。

 我々は明確な順番を決めていませんが、異なるシートを組み合わせてランダムにかなり近いパックを作るための照合の手引があります。大昔はレアリティごとに1つのシートしかなく、それはつまりそれぞれの並びで毎回同じカードが次にあるということでした。現在はある程度の多様性があるように複数枚シートの組み合わせをしていますが、コモンにおいては少なくとも各色に1枚カードがあってカード・パワーのバランスが取れたパックを目指しています。

 我々は全てのコモンのパックが同じ強さになることは望んでいませんが、あるパックが全て《稲妻》レベルのコモンで、その次が《治癒の軟膏》や《解呪》で埋まっているべきではありません。バランスの取れたパックがあることは、完全にランダムなパックよりもリミテッドをはるかに楽しくする助けとなります。

 フロンティアをどう思いますか?

 このフォーマットをそんなに追いかけているわけではありませんが、興味深いものであるのは確かです。このセキュリティ・スタンプの導入を使うことが最もきれいな分割点であるかどうかはわかりませんが、妥当ではあります。マジックのコミュニティの素晴らしい要素の1つは、コンテンツを作る能力だけでなくそれを作りたいという欲求です。統率者戦はファンが作り出した中で最も名高いフォーマットですが、我々は長年に渡ってファイブ・カラー、レインボー・ステアウェル、フレンチ・コマンダー、93/94マジック、オーバーエクステンデッドを見てきており、そして今フロンティアを見ています。

 私は人々がこのフォーマットにどのように反応するか、そしてこれがこれからの数か月もしくは数年の間、進化と成長を続けるとどうなるかに間違いなく興味を持っています。

 繰り返しセットで印刷されている中であなたが望んでいないものは何ですか?

 《進化する未開地》やその他コモンのシャッフルする効果です。これらのような効果は重要でありデジタル・ゲームでは簡単ですが、紙のマジックにおいてはこれらは深刻にプレイの速度を遅くし、実際新しいプレイヤーにとって難しい事柄です。多くの新しいプレイヤーがどれほどシャッフルを不快に感じているかを理解するのに私は長い時間を要しました。これは深刻な障壁です。

 最も若いプレイヤー層にとってシャッフルは実際にかなりうまくやるのが難しく、身体的に障害のあるプレイヤーにとっても同様です。たとえあなたがシャッフルをとてもうまくできても、不十分な無作為化のリスクがあり、実際にゲームの時間がそれを行うために取られてしまいます。プロツアーのステージでシャッフルが大量に行われるのは理想的ではありません。しかし、それよりも、誰かがマジックを学ぶ最初の20分間にシャッフルを3~4回経験することのほうがもっと問題です。

 私はシャッフルのないマジックを望んでいるのではありません――教示者などのシャッフルをほんとうに必要とする効果がたくさんあると思います――しかし、シャッフルを最小限に抑えることはゲーム全体をかなり助けてくれると思います。

 機体は定着するの? 《翡翠像》はこれの元ネタ?

 現時点では正確には不透明です。機体は常盤木になるかもしれませんし、疑似常盤木だけどどこにでも現れるわけではないものになるかもしれませんし、二度と現れないかもしれません。将来のセットのデザイン・ファイルにはいくつか機体がありますが、それが残るかどうかは不透明です。

 機体はとても新しいカード・タイプであり、バランスを取るのがとても困難ですが、我々はこれが適正な位置にあればとても楽しいものだと考えています。《高速警備車》と《密輸人の回転翼機》の間のどこかですが、《高速警備車》寄りです。もちろん我々は『霊気紛争』を見て、良いデータを得るために人々が機体に対してどのような反応をするかを見ます。

 《翡翠像》は直接の元ネタではありません。機体は実際にトップダウンの要望からできたものであり、以前それをマジックで作りたいと思ったが、我々が何度か試して満足のいくものが思いつかなかったものです。エネルギーととよく似ています。それでも、これはこれらを行うべき適正な場所のように感じました。

 《革命的拒絶》はどんなデベロップ過程を通ってきたんだ?

 正直に言うと、こうなったのは過程のかなり後期です。コントロール・デッキは少し苦しめられていて、そして我々は前のブロックのさまざまな強力なものに足して強く、しかし『カラデシュ』がもたらすであろうコンボ的なものに対して弱いような何かを求めていました。

 これの背後にあるアイデアは、これから始めたり盤面に入ることができるが、これ自体で《パンハモニコン》や《霊気池の驚異》などをこのフォーマットから締め出すことはできないというものです。これと《儀礼的拒否》の間に脅威に対する答えが存在しますが、わずか2マナで何でも止められるものはありません。

 デベロップ的に問題があるメカニズム(たとえば発掘)の新しいカードを補助的な製品で積極的に作りたいですか?

 かなり積極的ではありますが、それらのカードを実際にうまく作ることが難しいためあまり多くはやっていません。発掘にはその数字が大抵の場合実際のカードの効果よりも重要だという問題があるので、発掘7のカードを作ることは多分アウトです。発掘5でさえも、古いフォーマットで《ゴルガリの墓トロール》を禁止しなければならなかったので、それを今作ることは基本的に不可能だと我々は話しています。小さな数字の発掘を作ることは可能でしたが、どういう人たちがそれを本当に求めているのかが私にはわかりません。

 とはいえ、我々が本当に発掘が求められている補助的な製品を考えついて、それはそのセットにまさにふさわしくて、弱体化させたり他のフォーマットでの発掘の問題を増やしたりすることなくいい感じの新しいカードを作ることができたなら、我々はもう一度それを作ることができるでしょう。他の多くのメカニズムも似たような立ち位置にあります。ストームのようなものも作れますが、本当に良い理由とそれに見合ったカードがなければなりません。

 パワー・レベルの観点から、スタンダードで使えるセットでのモダンの再録はどのへんが限界だと見ていますか?

 パワー・レベルはモダンではおかしなものになります。単純に我々がスタンダードに求めているよりも強力なカード(《貴族の教主》、《タルモゴイフ》、《台所の嫌がらせ屋》、《ギタクシア派の調査》、《四肢切断》)も多くありますが、モダンだから強いカードもあります――《血清の幻視》、《突然の衰微》、そして禁止されていますが《欠片の双子》――これらは「適正な」スタンダード環境には何の問題も起こさないでしょう。

 全体的に、強力な対応カードは積極的なカードよりも印刷される可能性がはるかに高いと言えます。攻めるカードがモダンでも十分な強さである場合、我々がスタンダードに望むよりも強い可能性が高くなります。我々は《思考囲い》や《変わり谷》のようなカードを試し、そして私はそのどちらもスタンダードの楽しくないものにしたと思いますが、しかしながら私は2つのフォーマットの間に重なって物事を改善するカードがないとは思いません。我々はただ次の機会により用心するだけです。

 アーティファクト偏重のセットですべての色がほとんどのアーティファクトに触ることができることで増えるバランスを取るときの問題はありますか?

 たくさんあります。我々は基本的にアーティファクト・カードが単色のカードよりも弱いことを求めていますが、そうするとエキサイティングなアーティファクトを求めている人々向けに十分なものを作ることは困難です。ドラフトに取り組んでいるとき、我々は人々に依然として大部分は2色デッキをプレイするよう求めていました――しかしそれはまたアーティファクトでシナジーを行おうとする場合、プレイするのはとても狭いパワー・レベル帯に存在する10枚とちょっとだけということになります。それらはすべてが「グッドスタッフ」ではありません。

 スタンダードを見てみると、我々は最も強力なアーティファクトに高い指向性を持たせることでそのほとんどを行おうとしました――《パンハモニコン》や《霊気池の驚異》はデッキ構築に多くのものが要求されます。そしてそれにもかかわらず、我々は《密輸人の回転翼機》でやりすぎてしまい、これは攻撃に重点を置いたほとんどのデッキで見られています。それはどんな脅威であっても占めたい場所ではありません。

 スタンダードでプレイされるクリーチャーの多くがパワーよりもタフネスが大きく、盤面を詰まらせています。これはデザインによるものですか?

 正確にはデザインによるものではなく、多くは過程によるものです。もしスタンダードで十分な強さがないカードがあって我々がそれを少し強くしたい場合、パワーよりもタフネスを追加するほうがずっと簡単です。我々は強化が必要な4/4を見つめて、5/4や5/5にするよりも4/5にする可能性が高いです。

 この追加のタフネス自体は(全体的に)パワーの追加よりも影響が少ないものです。しかしこの追加をフォーマット全体に渡って行い、そのような方法で物事が少し押されすぎると、パワーよりもタフネスが高いカードが多く追加されます。これはここ最近の数セットで我々が大きく意識するようになった問題であり、もっと意識するよう心がけています。

 『カラデシュ』スタンダードで大きな役割を果たすと想定されたカードの中で下回ったものと、上回ったものはなんですか?

下回ったもの
  • 《霊気装置の展示》
  • 《ラスヌーのヘリオン》
  • 《発明の天使》
  • 《本質の摘出》
  • 《耕作者の荷馬車》
  • 《サヒーリ・ライ》
上回ったもの
  • 《密輸人の回転翼機》(たくさん使われることは分かっていましたが、我々はその頻度を低く見積もっていました)
  • 《霊気池の驚異》
  • 《経験豊富な操縦者》
  • 《織木師の組細工》

 基本的に、我々は白のトークン・アーティファクト・デッキがもっと多く、《霊気池の驚異》が少ないと想定していました(しかし、このカードは『霊気紛争』のテスト時に変更されているので、我々の『カラデシュ』テストで見かけなかったのは驚きではありません)。


 今週はここまでです。回答をお楽しみいただけたなら幸いです。来週はスタンダードと、我々がどのように『カラデシュ』スタンダード環境を見ているかについての振り返りを行います。

 それではまた来週お会いしましょう。

サムより (@samstod)

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