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激昂する恐竜たち

Gavin Verhey / Tr. Tetsuya Yabuki / TSV Yusuke Yoshikawa

2017年9月7日

原文はこちら

 子どものころ、私は恐竜が大好きだった。

 恐竜の絵柄のベッドシーツ。恐竜図鑑。恐竜のフィギュアはいたるところに置かれ、私の部屋では恐竜同士の壮大な戦いが繰り広げられていた。

 子どものころに一番観た映画は『リトルフット』だった。その「一番観た映画」の座を初めて奪ったのが『ジュラシック・パーク』だ。では私が初めて書いた物語は? もうわかるだろう、恐竜の話だ。

 私が子どものころの空想上の友達は、いつも恐竜だった。

 そして、それは私だけではなかった。同世代の子どもたちもみんな、私と同じように恐竜に夢中の時代を送り......やがて何人かは、マジック開発部の一員となった。

 そして『イクサラン』が生まれた。恐竜が闊歩する世界の登場だ。


アート:Zack Stella

 恐竜を愛する子どもの義務は、お気に入りの恐竜をひとつ決めることだ。

 ティラノサウルスを選ぶ子は多いだろう。巨大にして強大。だがその強さには残酷さもあり、私のお気に入りではなかった。

 それから『リトルフット』を観た子どもたちは、ブロントサウルスのことが好きになったに違いない。たしかに良い選択だね。

 では私のお気に入りは? 気高きトリケラトプスだ。


アート: Jonathan Kuo

 草食恐竜ながら、決して自身の居場所を譲らなかったトリケラトプス。怒らせなければ攻撃を仕掛けることはないが――取っ組み合いになれば、その怒りに圧倒されることだろう。恐竜を激昂させてしまったら、大地が割れんばかりの怒りに身構えるしかない。

 ん? どこかで聞いたような......

 君たちが『イクサラン』の情報を追い続けているなら、「激昂」メカニズムのことも知っているだろう。「激昂」は、これを持つクリーチャーにダメージが与えられるたびに誘発する能力だ。

 例として、すでに公開されたカードを見てみよう。

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 私の言いたいことを伝えてくれる良いイラストだね。(戦闘や火力呪文でダメージを与え)このクリーチャーを怒らせると、君は「激昂」能力によるアドバンテージを得ることができる。

 ではこのメカニズムの力を存分に発揮するには、どうすればいいだろう? 使い方をいくつか検証してみよう。

戦闘で激昂する

 「激昂」の素晴らしいところのひとつは、戦闘において対戦相手を悩ませられる点だ。

 例えばクリーチャー同士が相討ちになった場合、両方のクリーチャーが破壊される。いたって普通の1対1交換だ。

 だがこちらには「激昂」があるため、ちょっとした有利を得られるんだ!

 ここで新たな「激昂」持ちを紹介しよう。このシンプルなコモン・カードは、リミテッドでよく見ることになるんじゃないかな。

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 《貪欲な短剣歯》は、3マナ3/2とまずまずのサイズを持ちながら、ダメージを受けるたびに少しのライフをもたらす素敵なおまけも有している。リミテッドにおける3マナ域として十分に及第点だね。

 例えばライフ・レースが僅差のときにこいつで攻撃すれば、対戦相手は悩むことだろう――ブロックしてライフを与えるのは得策ではないし、かといって3点のダメージを受けるのも避けたい。

 それから守りに使うのも有効だ。対戦相手は、こちらにライフを与えてまで《貪欲な短剣歯》を相討ちに取るだろうか?

 それでも相手が構わず攻撃して来たなら......強化呪文を叩きつけてやれ!

 クリーチャーのタフネスを上げてくれる強化呪文は、「激昂」との相性抜群だ。対戦相手が「激昂」を持つこちらのクリーチャーとの相討ちを狙ったり火力呪文を撃ち込んできたりしたら、強化呪文でタフネスを上げてやろう。そのクリーチャーが生き残るだけでなく、「激昂」を別のタイミングで再び活かせるのだ!

 『イクサラン』のリミテッドでは、強化呪文に注目しよう。リミテッドでは、クリーチャーによる戦闘が多く発生する――恐竜デッキをドラフトできれば、強化呪文が「激昂」を輝かせてくれるはずだ。

 そしてもちろん、恐竜を激昂させるのは対戦相手だけじゃない......

自ら激昂する

 子どものころはトリケラトプスがお気に入りだったけれど、今の私は流行の運動器具みたいな名前の二足歩行の恐竜が好きだ。今日も、その種の恐竜のプレビュー・カードを2枚用意しているぞ!

 そうそう、ドアにはしっかり鍵をかけておいてくれ。次は信じられないほど賢いヴェロキラプトルがやって来るからね。

 基本的に、「激昂」を誘発させるかどうかは対戦相手の判断になるだろう。しかし中には、「激昂」を使う側が自身の恐竜にダメージを与えてまで誘発させたい能力もある。

 それじゃあ、構築での活躍も期待できるエキサイティングな新カードを紹介しよう。どうぞ!

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 《群棲する猛竜》は戦闘で使っても悪くないだろう。相討ちはもちろん、最悪チャンプ・ブロックに向かわせて土地を得ても良い。3マナで《不屈の自然/Rampant Growth(M12)》の効果を得られてライフも守ってくれるのだから、まずまずと言える。

 だがこのカードが真に輝くのは、君自身の手で「激昂」を誘発させるときだ!

 『イクサラン』には、自身の恐竜にダメージを与えて「激昂」を活かせるカードがたくさんある。とはいえそれらを知らなくても、《ショック/Shock(AER)》がマナ加速に変わることはわかるだろう!

 《群棲する猛竜》を3ターン目にプレイすれば、続くターンにはたやすく2枚の土地を置けるだろう(対戦相手のターンにも「激昂」を誘発させて生き残れば、ターン終了時にダメージはリセットされるから、さらなるマナ加速ができることも覚えておいてくれ!)。そこから巨大恐竜を繰り出せば、一気に盤面の有利を得られるだろう。

 そして他にも、「激昂させて」と強く訴えかけてくるカードがある。

 可愛らしい《猛竜の幼生》をご覧あれ。

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 こいつ自身、2マナ1/1で(通常)死亡すれば3/3になるクリーチャーということで、十分に構築での使用を検討できる1枚だ!

 では他のカードとのコンボの可能性はどうだろうか?

 ぜひ挑戦したいビッグ・ドリームがあるぞ! オーラで強化したり、+1/+1カウンターを置いたり、その他の強化呪文を唱えたりしてから、1点のダメージを何度か飛ばしてやろう。すると、母竜と思わしき3/3の恐竜が大挙して押し寄せ、一気に盤面を制圧するのだ。

 「激昂」を持つクリーチャーは、それ自体がクリーチャーとして優れているだけでなく、他のカードとの組み合わせの多彩さも魅力だ。ぜひ、自身のクリーチャーにダメージを与えるカードを昔のものから見直してみてくれ!

激昂しても、檻の中の恐竜さ

 私は、他のカードの評価が変わるようなメカニズムが大好きだ。そして「激昂」は、まさにその好例と言える。通常、自身のクリーチャーにダメージを与えるカードは望ましいものではない......しかし「激昂」が登場したことで、その評価は一変することになるのだ。

 君たちもこの『イクサラン』で、恐竜狂いになるほど楽しいときを過ごしてくれたら嬉しい! 何か意見や質問はあるかな? ぜひTwitterTumblrで(英語で)聞かせてくれ! 「激昂」についてみんなと話がしたいよ!

 来週もまた、素敵なプレビュー・カードを持って来よう。今度はまた別の『イクサラン』のメカニズムについて語るぞ。それではまた次回。素晴らしきイクサランの冒険を楽しんでくれ!

Gavin / @GavinVerhey / GavInsight / beyondbasicsmagic@gmail.com

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