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永遠
永遠
Quinn Murphy / Tr. Yuusuke "kuin" Miwa / TSV testing
2017年6月28日
第四の刻に、永遠衆が現れました。
「永遠となって仕えること、それが死後の価値ある立場として与えられた」
しかし......永遠になるとはどういうことでしょうか? その価値は誰のためにあるのでしょうか? 見てみましょう。
永遠衆の構成員を見るかぎり、その「価値」は見る人の立場次第だ、ということは明らかです。その視点はニコル・ボーラスから見たものでしょう。これらの遺骸から発せられている青い輝きは、ボーラスがそれらに特別な注意を払っているだけではなく――特別な力をも与えていることを示唆しているかのようです。
これが試練を達成した英雄の末路ということでしょうか。これらはただ不朽で動くミイラとは違い、ニコル・ボーラスによって技術や能力を保ったまま優秀なゾンビとして復活させられます。
この第四の刻が最後の刻の前兆だとすれば、あまりにも恐ろしいことです。ニコル・ボーラスはこの次元で最も優秀な不死の戦士たちを従僕とし、最後に何をするのでしょうか?
『アモンケット』では、4/4よりも優れたサイズを持つ不朽クリーチャーは、厳密に言えば《名誉あるハイドラ》だけです。そう、《不屈の神ロナス》とよく一緒にいるあいつですね。生前においても死後においても精鋭である永遠衆は、この次元の住人とはかけ離れた存在のようです。
破滅の刻に呼び集められたこの永遠衆ですが、マジックのゲームでは、どのように用いれば最高の働きをしてくれるでしょうか?
向上の刻
《永遠の刻》は《先祖の結集》のような「大量復帰」カードを思い起こさせます。戦場に出たときに誘発する効果を使い終えたクリーチャーを複数呼び戻して、再利用ができますね。似ているのはそこまでなんですけれど。《永遠の刻》は、それぞれのクリーチャーを永遠ゾンビとして戻すのに2マナずつかかるだけでなく、まず{U}{U}{U}が必要となるため、前提はより厳しいものとなっています。最初の1体を得るには、まず5マナが必要となるのです! しかし《先祖の結集》が簡単にクリーチャーを戻せる一方で、《永遠の刻》は戻すクリーチャーのサイズを簡単に向上させます。コストの話に戻りたいとは思いますが、この強化についてどう思うかは議論したいところですね。
《永遠の刻》は、序盤向けのクリーチャーを生前の能力そのままに巨大な乱暴者へと変貌させる素晴らしい手段です。多くのクリーチャーは、そのクールな能力を保ったままパワーとタフネスが向上すると、違うカードのように見えることでしょう。
潜入衆
《這い寄る刃》や《水底の潜入者》がブロックされない4/4となって戻ってくれば、対戦相手がそれに対処するのは難しいでしょう。《ナクタムンの侍臣、テムメト》は4/4になりながら、自分や他のトークン・クリーチャーに、ブロックされない能力を与えることができます。
付加価値
《悟った狂人》はスタンダードで使われていませんが、この無害なカードですら《永遠の刻》によって戻ってくれば戦場に7点分のパワーを追加します! 《空中生成エルドラージ》も2体のクリーチャーで合計のパワーが5となって戻ってくるでしょう。
《航空船を強襲する者、カーリ・ゼヴ》や《ピア・ナラー》は、どちらも対戦相手にとって深刻な脅威として舞い戻ります。
精鋭
サイズの向上効果は、競技的なスタンダード環境で定番となっている多くのクリーチャーにも効果的です。
これらのクリーチャーはゲーム序盤で優秀ですが、後半になっても《永遠の刻》によってより強化されて戻ってくることができます。
超大型部族
優秀なゾンビを生み出すカードなので、話題として外せない点があります。......そう、ゾンビに関する話をしましょう。
《永遠の刻》は青黒ゾンビ・デッキを成立させられるでしょうか? ゾンビ・デッキに《秘蔵の縫合体》や打ち消し呪文を採用できるというだけでなく、ゲーム後半に《永遠の刻》を使えるようになることで、終盤戦でさらなる力を発揮できるようになります。戻ってくるゾンビが2/2ではなく4/4になることで、対戦相手を押しつぶしてしまえるでしょう。《リリアナの支配》、《呪われた者の王》、そして《金属ミミック》が、永遠衆として戻ってきたゾンビをさらにサイズアップしてくれます。《永遠の刻》を唱えるためには青マナが多く必要になるため、とてもよく見かけるようなことにはならないかもしれませんが、スタンダードでなら1枚か2枚入れておくことで活躍してくれそうです。
精鋭を生み出すためのコスト
ここまでは《永遠の刻》のコストについて本格的に語ってはきませんでしたが、議論する必要があるでしょう。
3体のクリーチャーを戻すために必要なマナが9マナという点は悪くありませんが、そのパワーとタフネスの上限は4です。となると、このカードの価値を最大限に引き出すためには、デッキ構築のための新しい視点を見つけ出さなければならないでしょう。そのコストを減少させる必要があります。または効率を高めるか......あるいは、ゲームに勝てる独自のコンボを発見できれば、投資したマナの分くらいは即座に取り戻せるでしょう。
コストの削減にはいくつかの選択肢があります。《謎の石の儀式》はクリーチャーをマナへと変えますが、クリーチャーがいるということは、後々永遠ゾンビにできるので、無駄がありませんね。墓地にカードを落とす効果と併用すれば、戦場と墓地にカードが溜まり、その後戦場はクリーチャーで溢れかえることになります。このようなアプローチに《王神の玉座》を加えれば、別の角度からの攻撃もできていい感じでしょう。
そして、《永遠の刻》の効率を高めるためにデザインされていたのか、と思わされるカードがあります。
これを出した次のターンには5マナで永遠ゾンビを2体出せますし、7マナで4体、9マナで6体の永遠ゾンビを生み出せます! これで効率は大幅に高まりますね。
サイクリングできるクリーチャーは、それ自体が《永遠の刻》の効率化を助けることにはなりませんが、カードを引きながら墓地に行くことが可能なため、墓地を肥やすための余分なカードがデッキに不要となります。
造反の刻
《永遠の刻》でゲームに勝つためのコンボを探していると、あるカードがどのコンボにも顔を出すようになりました。
二段攻撃、警戒、それに速攻のどれも素晴らしい能力ですが、他のクリーチャーに速攻を持たせる能力はゲームに勝つカードの特徴と言えます。《永遠の刻》のクリーチャー強化と組み合わせることで、ええ、それを見せてくれるでしょう。
勝利を得るための素晴らしい組み合わせは、これだけではないはずです。ともあれ、《永遠の刻》が生み出す相互作用の可能性を示す一例でしょう。
刻来たる
現れつつある永遠衆は何をしようというのでしょうか? 最後の刻に何が起こるのでしょうか? 興味津々ですね。そして同時に、マジックのゲームでどんなすごい《永遠の刻》コンボが登場するかも気になります!
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