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プレインズウォーカーのための「神々の軍勢」案内
プレインズウォーカーのための「神々の軍勢」案内
The Magic Creative Team / Tr. Mayuko Wakatsuki / TSV Yohei Mori
2014年1月8日
テーロス。それは神話、伝説、予言に満たされた世界。豪胆なる勇者たちは内なる勇気を奮い起こし、恐るべき怪物と戦う。神々は信奉者である定命の者達の運命を操ることにより、自身の計画へと邁進させる。
アート:Willian Murai |
テーロスにて定命の者達が眠り、夢を見る時、彼らは「ニクスを訪れている」のだと言われている。それは夜の世界であり神々の故郷として知られる地である。神々が定命の者達の前に姿を現す際、その物理的な姿は夜の空であるニクスに満たされている。神々からの贈り物も同様に、その源であるニクスを映し出している。
この原則は数千年もの間続いてきた。
だが今、ニクスと日々の生を隔てている境界は危険なほどに薄くなりつつある。奇妙なエンチャントの生物達が、テーロスの性質そのものを混乱させる新たな脅威として定命の世界に吐き出されている。
《歓楽者ゼナゴス》 アート:Jason Chan |
万神殿の混乱
快楽を求めて多元宇宙の次元世界を渡り歩くことにもはや満足できず、ゼナゴスは「歓楽の神になる」という前代未聞の野望を持って故郷の世界へと帰還した。自身を神性へと駆り立てる探求の中、サテュロスのプレインズウォーカーは一連の神秘的な儀式を行った。これらの儀式は予想外の副作用をもたらした。神々と日々の領域の境界線がぼやけた。ニクスにのみ生息していた生物達が定命の世界に現れ始めた。神々の住む星空の世界で生まれたこれらの存在は「ニクス生まれ」として知られている。
万神殿はゼナゴスが神性へと昇るという計画に気付いていなかったが、何かがおかしいとは認識していた。より多くのニクス生まれが定命の領域へと出現しだすと、神々はその混乱について互いを糾弾し、怒りにまかせて定命の者達へと獰猛なニクス生まれの生物を送り込んだ。
テーロスはかつてない危機に直面している。神々は人類に背を向けた。怪物達は都市の中でさえも自由に徘徊する。この次元は完全な破滅へと向かっている。残された時間は少ない!
アート:Chris Rahn |
包囲下の生者達
テーロスの神々は畏敬の念を抱かせる荘厳な存在ではあるが、彼らは狭量で、疑い深く、移り気でもある。殺戮の神モーギスは最良の時でさえ、常に定命の世界の戦いを探している。ここ最近の激動は彼を他の神々以上に狂わせ、それによって彼の愛する種族であるミノタウルスと人類との間の緊張は増大した。モーギスは定命とニクス生まれ、両方のミノタウルスの軍勢を人間の都市へと送り始めた。ミノタウルスの攻撃の矢面に立ったのは山岳の要塞都市国家アクロス――その守護神イロアスは、モーギスとは兄弟かつ敵同士である。その他の定命の生物達もモーギスの側につくことを選び、人間の文明を終わらせることを誓っている。
エルズペス・ティレルはミノタウルスの軍勢によるアクロスの包囲を破るべく、三大都市国家(アクロス、メレティス、セテッサ)から英雄達の軍勢を率いた。人類は勝利したが、犠牲は膨大だった。更に悪いことに、戦闘後の勝利の宴はゼナゴスが神となりニクスへと昇る最終儀式になってしまった。エルズペスは彼の昇天の責を負わされ、荒野へと追放された。太陽の勇者、定命の者達にとっての最大の希望は不興の中、姿を消した。
怒れる神々とゼナゴスの儀式、二つの攻撃を受けてテーロスの都市国家はその内なる強さによりいっそう頼らなければならない。人間の都市は自身の軍隊へとニクス生まれ達を雇い入れ始めた。だがニクスの魔法を神々に対して振るうことは、絶望的かつ危険な戦略である――その者は次元の存在そのものを解してしまいかねない。
アート:Peter Mohrbacher |
神々の騒乱
ゼナゴスの大歓楽は最高潮に達しつつある。狂乱の浮かれ騒ぎはテーロス全土に広がり、定命の者もニクス生まれも同じく巻き込んだ。神託者は惨事を予言し、人間達は神々の怒りを避けられるようにと、偉大なる国家の守護神へと祈りを捧げている。
アート:Jason Chan |
今や、神々は真実を認識している――ある定命の者がニクスへと昇り、神々の座へ押し入ったのだ――神々は恐怖した。彼らは自分自身の性質そのものと対峙することを強いられている。世界の創造主としてではなく、世界の創造物として。神々はその支配が終わる可能性を怖れ、崇拝者たちへとこの真実を伝えるつもりはない。
それでも、神性の矛盾というものが存在する――神は神を破壊することは――創造することも――できない。彼らはゼナゴスの不法侵入に怒っているが、万神殿は彼を中から追い出すことができない。テーロス生まれの者も同様に、ある神を空から追い出すことはできない。太陽の神、そして正義の守り手であるヘリオッドは、この次元世界の救済に対し責任を感じている。彼は正しい秩序を取り戻すための準備を始めているが、彼の計画には多くの働きと、犠牲を必要とするだろう。
プレインズウォーカー紹介:荒ぶる波濤、キオーラ
アート:Scott M. Fischer |
ゼンディカー出身のマーフォーク、キオーラは海の魔法との繋がりを強めるために次元世界を旅してきた。彼女の故郷はエルドラージの群れに蹂躙されており、恐るべきクラーケン、海蛇、その他の深淵の恐怖を召喚することによってのみ、今やゼンディカーを統べる巨人達を打ち負かすことができると彼女は信じている。キオーラはこの追求に取りつかれており、それが自身の周囲にどのような影響を及ぼすかについてはほとんど注意を払わない。
キオーラはこの地に棲む巨大海洋生物を求めてテーロスへとやって来た。到着して間もなく、彼女は海の獣達を呼び起こすために巨大な波を発生させた。その波はメレティス近くの海岸を打ち、甚大な被害を与えた。それはまたテーロスに棲むマーフォークであるトリトン達に、彼らの領域に新たな力があると警戒させることになった。彼らはその源を探し求め、そしてキオーラが召喚したリバイアサンの背の上で、波に乗っているところに遭遇した。
トリトン達の中にはキオーラを、海の神タッサの化身か使者だと信じている者もいる。キオーラは彼らが持つこの考えを正そうともしない――実のところ、彼女はその注目をむしろ楽しんでいる。だが本来タッサに向けられるべき崇拝をキオーラが横取りするのを止めない場合、タッサも黙ってはいないだろう。
「プレインズウォーカーのための『テーロス』案内」にてこの次元を更に学ぼう。
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