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プレインズウォーカーのための「テーロス」案内 その3

The Magic Creative Team / Tr. Mayuko Wakatsuki / TSV Yohei Mori

2013年9月4日

原文はこちら

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 この記事は第一エキスパンション名の元となった世界、テーロスを紹介する「プレインズウォーカーのための案内」、全三回の第三回である。テーロスの神々についてはその1に、テーロスの都市国家についてはその2にて書かれている。

人間以外の生物


〈百手巨人〉 アート:Brad Rigney

 テーロスにおいて、人類は唯一の知的生物ではない。神々が見守る中、その次元の至る所に幾つかの亜人種が生きている:トリトンと文明的なケンタウルスが沿岸に、より野蛮なケンタウルスや、サテュロスは低木地帯に、そしてレオニンとミノタウルスは岩がちの荒れ地に。蘇りし者として知られる死の国から逃走した死者はこの次元の人里離れた辺境に棲みついている。

レオニン


Peter Mohrbacherによるコンセプト・アート

 アクロスの国境の先にレオニンの居住地がある。彼らはテーロスの人間達の都市国家から遠く離れ、岩がちの低木地帯や低山に散らばっている。レオニンは他の種族との関わりを限定している。交易が必要になったとき、時には略奪が必要になったときのみである。

人間が信仰する神々の放棄

 数世紀の昔、レオニン達も彼らの人間の兄弟達と同じ神々を信仰していた時代があった。だが暴虐の執政官アグノマコスの時代の後、レオニンはテーロスにおける自分達の役割を定義づけられた辛酸の反動から、そうした人間のやり方を全て捨て去った。ほとんどの者は狩りと誇りを重んじるが、年代学者ラナトスによれば、僅かなレオニンが今もヘリオッドとナイレアへと捧げ物をしているという。


アート:Peter Mohrbacher
重要地点

オレスコス:このレオニンの領土の中心地はテーロスの辺境、岩がちの峡谷の中にある。ここでは、レオニンがメレティスに支配されていた古の時代の影響を見ることができる。オレスコスには、アグノマコスの圧政下の時代から残る人間文化がわずかに存在している。だがレオニン達はその歴史の間ずっと背負わされていた観念と文化を捨てながら、彼らの生まれながらの性質へとゆっくりと立ち戻りつつある。


アート:Raymond Swanland

テツモス:このレオニンの重要な居住地は標高の高い山岳地帯にある。テスモスのレオニンは常に鍛錬しており常に臨戦状態にある。彼らは自分達の土地へと侵入するアクロス人との小競り合いと、自分達を再び隷属させようとするメレティス人による文化的侵略への恐怖、その両方に備えている。

役割と重要人物

レオニンの王、ブリマーズ:レオニンの王はその民にとって、戦士であり精神的指導者でもある。王たちは自然の意志が地上に顕現した存在であるとみなされている。ブリマーズは有能な戦士であり人々を鼓舞する指導者でもあるが、レオニンの孤立主義的な文化には密かに疑問を抱いている。

ラナトス:ラナトスはテーロス中を旅してきたメレティス人の年代学者である。彼はレオニンの起源についての同情的な言い伝えを語ったことから、レオニンと彼らの生き方を文書に記すことを許された唯一の人間として知られている。実はメレティスは彼らの祖先の故郷であり、いつの日かそれを取り戻そうと望むかもしれないと。


アート:Kev Walker

トリトン


アート:Greg Staples

 トリトンは船乗りとメレティスのような海沿いの都市国家を悩ます海棲種族である。トリトンは部分的には水陸両生である――彼らは数日の間ならば空気呼吸でも生きていられるが、鰓を乾燥させないために水に浸かる必要がある。トリトンは海の神タッサを他のどの神よりも信仰しており、彼女の命令を遂行すべく動く。

タッサの手

 トリトンは多くの神々へと敬意を払うと同時に、海の神タッサへと献身的な信仰を捧げている。トリトンはタッサこそがテーロスの幾万の神々のなかで頂点の神とみなしており、彼女はいつかトリトンへと、海の怪物達や地上の人間が支配する都市国家に対する支配権を与えてくれるのだと信じている。トリトンはしばしばタッサの直接の命令によって動く。魔法的に呼び起こされた渦潮に船を沈め、ダクラ諸島に偉大な記念碑を創造する。

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 トリトンの神官達はタッサを称える儀式を率いて、しばしば海中と地上の両方に据えられた、高く積み上げられた貝殻の供犠台へと捧げ物をする。トリトンの崇拝者達の中には海上にそびえ立つ魔法的な彫刻を海水から創造し、そして再び波へと崩し帰す者がいる。


〈海の神、タッサ〉 アート:Jason Chan

蘇りし者


アート:Seb McKinnon

 知性を持つ定命の者がテーロスにて死亡すると、その者は死の国へと去る。彼らは死の国の神エレボスの監視の下、昼も夜もないこの永遠の灰色の領域に住まう。だが何世紀ものうちに、死の国の多くの住人達が逃亡し、生者達の陽光の世界へと戻ってきた。彼らはノストン(ノストス/nostos「家に帰る」の意から)、もしくは蘇りし者と呼ばれている。


アート:Mark Zug

自己の喪失:死の国を去るためには、その者は自身の定義とともに顔を失わねばならない。その顔は眼窩と口だけの不気味な面となる。しかしそれは、蘇りし者達が個性や記憶といったものを持たないことを意味するものではない。その者の名と過去は忘れられているが、技能と個性は保持されている。従って、定命の人生において起こった出来事や関係は失われているが、それらの出来事の結果は損なわれることはない(弁舌の才や、音楽を演奏する能力など)。追加して、蘇りし者は他者との関係を結ぶための長期記憶を構成する能力を失っている――そのため彼らが「新たな生を築く」ことは不可能である。


Peter Mohrbacherによるコンセプト・アート

知性と知恵を持つ死者:事実、蘇りし者はアンデッドである。彼らは生者の世界へと戻ったが、生き返ったのではない。彼らは水と空気は必要とするが食物は不要である。蘇りし者は共同体を形成し、つかの間の感情を体験し、日課に従事する。だが彼らの存在は実態のない遊戯でしかない。自己を失い、長期の関係を結ぶ能力無しに彼らの「人生」の要素には重みも意味も無いからである。

 彼らはただ考え、言葉を話すゾンビではない。感情を持っているのだ。自己の喪失が長期記憶の形成を妨げているとはいえ、彼らはその経験に基づいた感情を持つ。それはつまり、彼らの感情は闇――不満、恨み、孤独、憤り、憤怒、そして憂鬱へと向かいやすいことを意味する。

虚ろな顔を覆う黄金の仮面:ある人間がテーロスで死亡すると、黒ずんだ粘土から作られた葬送の仮面が被せられる習慣となっている。それはエイスリオスのために、故人の自己の「枠」として使用される。そのため、ある定命の者が自己を破壊して死の国から去る時、その者は代わりとなる仮面を身につけねばならない。エレボスの領土においては黄金が最もありふれた材料であるため、蘇りし者はその葬送の仮面を(そして彼らの自己の代理を)美しい手仕事で作られた黄金の仮面に取り換え、それが蘇りし者の象徴となっている。黄金の仮面は彼らの変わってしまった顔を覆い、代理の、脆いながらも自己の機能を果たす。


Peter Mohrbacherによるコンセプト・アート

灰粘土の「貨幣」:死の国では黄金がありふれているため、蘇りし者達はそれらに価値を見出さない(自身の仮面を除く)。そしてその代わりに、貨幣の類や物々交換の品としてオストラコンと呼ばれる特別な粘土片を用いる。オストラコンは葬送の仮面を形作っていた灰粘土の破片である。明白な理由により、それらの粘土片は蘇りし者にとって大いなる重要性を持つ。それらはアスフォデルの死滅都市の住人達には形見として、オドゥノスの住人達には戦利品として、そしてあらゆる蘇りし者にとって装飾品や貨幣として使用されている。


アート:Robbie Trevino
死滅都市

 蘇りし者達は彼らの死滅都市、二つの都市国家の存在について言及している。死滅都市という名は大抵は皮肉ではない――それらは完全に死者で満ちている。小規模の、より孤立した居住地が存在しており、また蘇りし者の中でも文明を避ける者達は洞窟に住まう、もしくは単純に放浪する。二つの死滅都市、だいたい同じくらいの規模のそれらは「アスフォデル」と「オドゥノス」と呼ばれている。そして各死滅都市をそれぞれ覆う特質がある。アスフォデルには落胆、オドゥノスには憤怒。

アスフォデル:都市国家アスフォデルは不規則に広がる内陸の沼の岸辺に位置し、もはや思い出すことのできないものへと深い郷愁を抱く蘇りし者たちの家である。守備隊と防衛のための魔道士団を維持しているにもかかわらず、大部分において活気のない場所である。その市民達は孤独を求め、感情に急かされた時、物資が必要となった時、もしくは(しばしば思い出せない理由で)欲した際にのみ外へと出る。アスフォデルで起こる紛争の主な源は、蘇りし者達は滅ぼすべき忌まわしきものであると指導者や神々から説得された生者達による時たまの急襲である。アスフォデルは住人達がその運命を受け入れていることから、象徴的にエレボスへと属している。

オドゥノス:この都市国家はアスフォデルとは対照的な存在である。その市民達は貪欲で、暴力的で、恨みがましい傾向にある。この蘇りし者達は生者達を羨む、もしくは軽蔑するようになり、彼らから生の喜びを奪おうという欲求に駆られる。オドゥノスの略奪者達は近隣のあらゆる亜人種へと襲いかかる――レオニン、ミノタウルス、そしてアクロスとその近郊の人間達へ。彼らの略奪は小規模だが効果的で、ほぼ常に夜間に行われる。アスフォデルの市民達が無意味に富を蓄積していることに対し、オドゥノスは生者達の富を破壊しようと努める(金のように文字通りのものと、食糧や子供や安楽といった比喩的なものの両方で)。オドゥノスの蘇りし者は自分達については水の他にはほとんど何も求めない。


Peter Mohrbacherによるコンセプト・アート
有名な人物と目的

アート:Volkan Baga

オドゥノスのティマレット:殺人王として人間に知られるティマレットはオドゥノスの実質的指導者として振舞っており、略奪隊を編成し最高の戦士達を指揮している。

ミノタウルス


アート:Kev Walker

 テーロスにおいてミノタウルスは残忍な、洞窟に住まう略奪者であり、知能は僅かで知性は間違いなく持っていない。テーロスの種族の中でも、どの点から見ても彼らは怪物であり、混乱と肉だけを求め、人類や亜人種やその他種族を殺戮し、そうしない時は共食いをする。彼らには崇高な目標も、言及すべき文化もなく、ごく粗末な言語しか持たない。ほとんどがフォベロスやアクロスの高山地帯で目撃される。しばしば沼地に赴くことで知られる個体も存在し、その毛皮や体毛は泥炭で黒くなっている。


アート:Matt Stewart

骨の撒き散らされた洞窟:ミノタウルスは十分に大きく安全であると感じたあらゆるほら穴や洞窟、縦穴に居つく。彼らの巣穴はごみや糞、様々な種類の動物や他の種族の骨、特に彼らの好む肉の骨――人骨で散らかっている。


アート:Wayne Reynolds

強きものだけが統べる:最強にして最も残忍なミノタウルスのみが群れを従わせることができる。ミノタウルスの長同士の戦いの声は数マイル遠くまで響き、ほぼ確実に血みどろの死で終わる。そして勝者は支配と忠節を得る。


アート:Phill Simmer

サテュロス


アート:Christopher Moeller

 テーロスのサテュロス達はその上機嫌さ、酒盛り好き、陽気さと社交的な性格で愛されている。だが異なる意見を持つ者達は知っている、その意見は自分の心の内だけに留めておくべきだと。そして楽しみを愛するサテュロス達の世評が広がるほどに、彼らの性質のより暗い面の秘密は保たれる――彼らの世話人となるべく惑わされた人間達の心の内を除いて。

スコラ谷

 この強い魔法がかけられた、雑木林の点在する新緑の谷はテーロスの低木地帯に位置している。サテュロスはその谷の魔法によって生きており、その点で彼らの生は一つの長い祝祭に似ている。永続的な住居はなく、笛の音楽が夜明けから薄暮まで鳴り響いている。


アート:Wesley Burt
サテュロス達の世界観

 基本的な必要が全て満たされているために、サテュロス達はその生の唯一の目的として自由に快楽を追求する。サテュロスの間に永続する約束は滅多になく、その全員が救い難いほどの快楽主義に生きている。彼らはある何かが自身の野望に沿う時には寛大であるが、それらの野望が妨害された時には無慈悲となる。誰もが同じ死の国に行き着くことから、彼らは名誉や正義は無益な努力だと信じている。「世界を味わおうよ」、そうサテュロスは言う。「エレボスに舌を引き抜かれる前にね」


アート:Tyler Jacobson

角教団:人間達はしばしば、その重大さも知らずに終わりなき歓楽を求めてスコラへとやって来る。最初に辿り着いた時、彼らはサテュロス達にご機嫌とりをされる。そして貴方はニクスの秘密を学ぶだろうなどと吹き込まれる。彼らは何日もの大騒ぎや音楽、恍惚の踊りを楽しむ――天衣無縫に。だがその厚遇は必ず、より不吉な気配を帯び始める。そして疑いを持たないその人間達は自分達がサテュロスへと奉仕させられていることに気づく。

 サテュロスの巫女が、その新参者が充分に入門の儀式の準備ができたかどうかを見定める。多くの人間がその悪ふざけの意味を知ることなく、その儀式を受け入れる。そして壊れた角で作られた王冠――嘲りの象徴――を与えられる。その王冠を与えられたなら、彼らは「端くれ」とみなされる。彼らは卑しく屈辱的な仕事を割り当てられる。魅惑の魔法が彼らをサテュロスの奴隷に留める、サテュロス達が必然的に飽きるまで。そして「端くれ」達は野の低木地帯に捨てられ、そこで数時間後に目覚める。一人、呆然として、恥ずかしい格好で。きまりの悪さから「端くれ」達はサテュロス達と過ごした真の物語を滅多に語らない。

 多くの不朽の神話と、スコラで過ごした喜びと興奮の時が、サテュロス達の中に「野生の麦をまく」べくより若い世代を刺激する。

狂宴

 サテュロスの二面的な性質は、彼らが開催する狂宴の種類にはっきりと表れている。


アート:Kev Walker

お祭り騒ぎの夜:サテュロスは、年に数度、都市国家内で人間のための祝祭を開催する。これらは美味しい食事や飲み物と娯楽からなる素晴らしい催しである。サテュロス達は陽気で友好的だが、翌朝までに街路は破壊し尽くされ、ほとんどの物事は手をつけられなくなる。これらお祭り騒ぎの夜はサテュロス達の名声の土台であり、彼らはそこでほとんどの人間を角教団へと「勧誘」している。


アート:Anthony Palumbo

バッケイア:これらはスコラの谷でのみ開催される、狂乱の儀式からなる徹底した祝祭である。それらはしばしばとても愉快に始まるが、谷の力を把握する者達によって汚辱と生贄と暴力の饗宴へと成り果ててしまう。谷の地下にある洞窟は地熱で熱せられており、幾つかはその最も堕落した儀式の場とされる。

ケンタウルス

 テーロスのケンタウルス達は人類の最も一貫した仲間であり交易相手であるが、その民も一枚岩ではない。長い世紀をかけて、テーロスのケンタウルス達はゆるやかに二つの異なる「団」、ラゴンナ団とフィーリーズ団へと分裂した。ラゴンナは時折一地域に居住する商人達であるのに対し、フィーリーズは放浪の民であり略奪者である。

ラゴンナ団

 ラゴンナは「団」と呼ばれる商人一家の小集団で旅をする。彼らはその製品にとって最大の市場であるメレティスと交易を行うのが最も一般的だが、彼らはまたセテッサとも取引を行う。


アート:Min Yum
ラゴンナの役割

古老:それぞれの団の長は一般的に最年長の者が就く。家族の長は一族全ての決定権を持つ。

交渉者:それぞれの団には交易相手との間の連絡係を務める交渉者がいる。交渉者達はその必要から、平均的なケンタウルスよりもより外交的手腕に長け、他の文化についての見識を持つ。

宣告者:宣告者は団のために神々の託宣を読む。これらの託宣は頭上を飛ぶ鷲や、稲妻に打たれた木、道路上の潰れた蛙、そういったものから読み取ることができる。宣告者はそれら「前兆のしるし」の全てと、どういった神がそれを送るのかを全て知っている。

狩猟者:狩猟者は団のために新たな交易の地域を調査する。彼らは長い期間に渡って団から離れることもあるが、その卓絶した追跡能力によって、常に自分達のグループを即座に発見することができる。

コーレトラ:団は全て、少なくとも一体のコーレトラ――ラゴンナ団の頑丈でよく訓練された戦士――とともに旅をしようとする。全ての団がコーレトラを持つわけではなく、団同士は親善の証として、また絆を固めるためにそれぞれの間で最良の戦士を共有する。

ヘプタリスティ:年に一度、ラゴンナの群れが大規模に集合し、全ての団が出席する。ラゴンナはこの会談中に彼らの間で大いに交易を行うが、その催しの最も重要な目的はヘプタリスティ、七体の指導者を選ぶことにある。七つの団の古老達が、団の最も重要な決定を行うヘプタリスティを構成すべく選出される。ラゴンナはこれを民主的な手段で行われているように扱うが、ほとんどの指導者の座は他の一族の長との交易協定を通じて購入するのが実情である。

ラゴンナの重要人物

ブロモス:ブロモスはその重く響くような声と強情な押し問答で知られる屈強な雄のケンタウルスである。彼はラゴンナでも最も古い団の一つ、サームの古老である。彼はヘプタリスティを四度務めている。


アート:Trevor Claxton

オーカ:オーカはあらゆる団の間で最高の「狩猟者」として広く知られる、しなやかな雌のケンタウルスである。彼女はメイアンド団へと嫁いでそれを支えていたが、数年前に夫を亡くしてからも彼らと共に過ごしている。オーカはまた短弓の技能でも知られている。

フィーリーズ団

 フィーリーズはセテッサとアクロスの間の荒野を放浪している。彼らの家族の絆はラゴンナ団のそれよりも緩く、時として大規模な略奪団を形成して物資を確保し、新たな狩猟場を探す。彼らはラゴンナ団よりもわずかに規模が大きく、同時にもう少々獰猛でもある。フィーリーズの者の名はしばしば肉体的特徴やその個体の誕生の状況から取られている。


アート:Kev Walker
フィーリーズの役割

突撃兵:年長者が統べるラゴンナとは異なり、フィーリーズは最も強く最も有力な者が率いる。フィーリーズの小規模な略奪隊は突撃兵に従う。そしてその突撃兵が歳を経て、もはや有効的に率いることが不可能となるまで持続する傾向にある。

喚起兵:フィーリーズの「喚起兵」は動物を召喚して団を支え、仲間に獣的な力の魔法をかける力を持つシャーマンと召喚士である。喚起兵はその者が持つ、オウロケロスと呼ばれる華麗に彫刻された角で判別することができる。

精鋭兵:ケンタウルスの伝説は、神々が最古の河の赤い泥から最初に人間を形作った時、獲物を追いつめて殺す方法を教授したのがフィーリーズの精鋭兵なのだと語っている。精鋭兵達はフィーリーズ団の恐るべき略奪者であり戦士である。


アート:Steve Prescott
フィーリーズの重要人物

大蹄:大蹄はフィーリーズ最大の略奪団の一つに属する突撃兵である。彼は大柄で筋骨隆々としており、戦術家としても非常に熟達している。噂によればかつて彼は一蹴りでミノタウルスの背骨を折ったのだという。

広目:広目はフィーリーズの喚起兵達の中でも最年少だが、既に彼女の技能は名高い。彼女は団がその助力を必要としない限り、非常に孤独を好む傾向がある。彼女の最も信念篤き友は彼女がグローキスと呼ぶ一匹の小さなリスである。

煙生まれ:煙生まれは幾つかの略奪隊を支える中年の癒し手である。彼女は故郷の村キタラで生まれた時、アクロスの戦士達に村を燃やし尽くされた。煙生まれはそのすり切れた髪に多くの小さな木製のトーテムを編み込んでいる。そしてその外見は当惑ものだが、彼女の治療技術に並ぶものはない。

ニンフ

 ニンフはニクスの魔法が吹きこまれた、特別な場所に住まう、神的に創造されたクリーチャーである。ほとんどは情け深く、癒しや生気を与える魔法に関係しているが、死の国の入り口近くや大いなる悲しみが残る地には闇のニンフ達も住まう。ニンフは神々の意志によって創造され、同行者や使者、守護者、斥候として行動する。

 ニンフはその多くが神秘的で引っ込み思案のクリーチャーであり、ほとんどの生を一つの場所とその周辺で過ごす。彼女らは肉体を持つものの、木々や湖や洞窟といった自然界の面に「宿る」。彼女らはしばしば集団で生活し、滋養や庇護を必要としない。彼女らはニクスの魔法に生きている。彼女らは滅多に人間に接触しない。歳を経ることも病気になることもないが、殺されてしまうことはある。

アルセイド:白に列するニンフであり、草地に住まう。彼女らは動物の群れを保護し、他のどのニンフよりも人間の文明に寄り添っている。


アート:Todd Lockwood

ナイアード:青に列するニンフであり、水のある所ならば何処でも見ることができる。彼女らはニストスの森の清流やほら穴でよく見られる。ナイアードはまた、より隠れ家的な地域が好きではあるが、隔離された渚や海岸に住処を作る。


アート:David Palumbo

ランパード:この稀な、黒に列するニンフはエイスリオスが死の国へと死者を導くのを手助けしていると言われている。彼女らは時折、紫の炎を燃やす松明を掲げている。


アート:Volkan Baga

オリアード:最も攻撃的で危険なニンフとして、赤に列するオリアードは人里離れた山の裂け目や火山の近くに住まう。パーフォロスは彼女らの一団を好んでおり、このニンフ達はまたサテュロスのバッケイアにも顔を出す――非常に騒々しい者達に限られるが。


アート:Todd Lockwood

ドライアド:ナイレアは多くの緑に列するニンフを創造している。そして彼女の崇拝者はニストスとスコラの地域の至る所で見られる。


アート:Volkan Baga

巨人


アート:Lars Grant-West

 テーロスの巨人は大地そのものから誕生した、そびえ立つ人型生物の姿をした古の種族である。彼らは丘の古の岩や古木の根、大河の押し寄せる流れ、果てはこだまする洞窟の影から力を得ている。

幻霊


アート:Min Yum

 ある死者が死の国から逃げ出した時、その者は自己を失って顔を持たない蘇りし者と化す。だが「魂」から物理的肉体を切り離すこの過程において、幻霊もまた創造される。一体の幻霊は自己を失った幽かな体現だが、肉体無しには彼らは力を持たない。蘇りし者とは異なり、幻霊は失ったものについての意識を持たない。蘇りし者とそこから別れた幻霊は決して一つに戻ることも、互いの存在を知ることもない。

 永遠にさまよう幻霊もいるが、他は特定の場所に居残る。この「憑依」はかつての人生との繋がりによるものではない。ニンフの住処の近くに憑依する幻霊は多い。子供がその母親の暖かさに引き寄せられるように、幻霊はニンフの魔法に本能的に引き寄せられると信じられている。ニンフは通常、この幻霊達に対して同情的である。

グリフィン


アート:Phill Simmer

 獅子の身体に鷲の翼と頭を持つ、威厳あるそして恐ろしい生物グリフィンはフォベロスの国境沿いに生息する厭世的なクリーチャーである。彼らは低木地帯で食物を求めて狩りをし、その鋭い目は狩り場においてほんの僅かな動きをもとらえる。野生のグリフィン達は獰猛で小柄な人間達を狩り、一撃で彼らを殺しては樹上の巣へと持ち帰って貪り食う。メレティスの重装歩兵の中には年月をかけてグリフィンを乗騎として訓練することに成功した者もいる。

執政官


〈天界の執政官〉 アート:Matt Stewart

 執政官はテーロスの過去の遺産、有翼の雄牛の背に騎乗し空を飛ぶ神秘的な征服者の一族である。執政官はかつて他の種族の軍隊を用いて土地を征服しては、テーロスの広大な地域を大君主として統べていた。執政官達は自らを厳格で、無慈悲な正義と鉄拳による支配を行う王者とみなしていた。だが執政官の支配する時代は終わりを迎えた。執政官の君主が一人また一人と倒れると、その支配地域は都市国家となった。個々の執政官達は、自分達が目撃しているテーロスの現代は大いなる過ちであると信じ、それを正すために今も世界をさまよっている。

セイレーン


アート:Daarken

 セイレーンは伝説に語られる魅惑の歌と天性の眩惑魔法を操る、鳥の翼を持つ亜人種である。セイレーンは主として魚や海鳥を食す。彼女らの歌声はクリーチャーを惹き寄せる助けとなる。だがセイレーンは亜人種の肉もまた喜んで食す。彼女らの歌は伝説的なほどに美しく、危険な潮流にもかかわらずその旋律を聞きたいと願う、近辺を通過する船乗りを引き寄せる。多くの難破と溺死がセイレーンの歌によるものだとされている。

キマイラ


アート:Dan Scott

 これらの怪物達は野心を持ちすぎた魔術技法の産物である――三体、四体、果ては五体のクリーチャーの要素を融合させて新たな、危険なものを創造しようとしたのだ。

 これら生ける合成物達のほとんどが飛行能力を持ち、更には炎を吐くものや死の凝視、有毒の牙や刺を持つものも存在する。それらは嵐神ケラノスの愚行の産物であると信じる者もいる。彼は魔道士を稲妻で「触発」し、その一撃で魔道士の精神に傷を残し、同時に情熱をも与えたのだと。他の者は、キマイラの創造の秘密は魔法があまりに無謀に振るわれていた、忘れられて久しい都市国家から来たものだと信じている。

スフィンクス


アート:Steve Prescott

 スフィンクスは長命で知られる、眩暈がするような知性を持つ怪物である。スフィンクスは謎めいていようとしているのではなく、彼らの難解な思考が定命の者の心にとって謎めいて見えるだけである。

クラーケン


〈船壊しのクラーケン〉 アート:Jack Wang

 クラーケンはテーロスの海の深みに住まう、恐ろしく破壊的な巨獣にして最も脅威的な存在である。決然としたクラーケンがただ一体到来しただけで、一つの都市国家の終焉を意味する。クラーケンの何気ない行動でさえも船団を一掃し、もしくは漁場を全滅させてしまう。

 クラーケンの破壊的な力はその計りしれない大きさによるだけではない。彼らは、空気を呼吸し地上を這うことも可能とみられている。つまり彼らは沿岸地域や更に内陸でさえも、一刈りで大破壊を引き起こせることを意味する。

カトブレパス


アート:Christopher Burdett

 致死的な有毒の息を持つ、不潔な雄牛に似たこのクリーチャーは神々の呪いによって生まれたと考えられている。ある牛飼いが、彼の家畜はテーロスで最も優れていると自慢した、何故ならそれはヘリオッドとナイレア自身によって創造されたからだと。彼はその嘘によって金持ちになり、神々はその不法に怒った。ヘリオッドはモーギスへとその家畜に呪いをかけ、有害な悪臭の獣に変えてしまうよう説得した。

ハーピー


アート:Kev Walker

 ハーピーは女性の頭部にハゲワシの翼と脚を持つ、悪意あるクリーチャーである。ハーピーは不毛地帯とそれを縁取る森に住まう騒々しい猛禽であり、その縄張りに入った者からは誰であろうと強奪し、悩ませ、殺すことすらある。彼女らは成人人間を攻撃することは避け、彼らを傷つけ持ち物を奪うことを好む。彼女らの巣は盗まれた、だが無用な物で満ちている。

ゴルゴン


アート:Chris Rahn

 ゴルゴンの生息数がどれほどかは知られていない。時折、不死の秘密を喋らせるために定命の者がゴルゴンを捕えようと試みることがある。これらの定命の者達は通常、ゴルゴンの凝視によって石化され、彫像となって生を終える。神々の好意だけが石を肉体へと戻すことができる。ゴルゴンは貴重な秘密を死の危険と引き換えに与えることを喜び、そしてゴルゴンの試練を生き延びた何者かによって、一つだけでない薬学的な躍進がもたらされた。

デーモン


アート:Slawomir Maniak

 死の国の魂の幾つかはその死後を嫌い、時とともに憎しみを激しく増大させる。最も大きな悪意を持ち、真の悪の段階へと到達したものはデーモンとなる。この変身は激痛を伴う黒マナの魔力の渦の中で迅速に起こる。変身が完了したなら、そのデーモンは大いなる努力とともに危険を冒して、世界を取り巻く大河を飛び越えて定命の者の世界へと戻ることがある。その旅を生き延びたデーモンは様々な「第二の人生」を過ごす。僻地に棲処を構え、呪われた動物を放って植物を黒死させる者もいる。放浪し、その中で生者へと苦痛を与える機会を探す者もいる。

ケルベロス


アート:Svetlin Velinov

 この恐ろしいクリーチャーは世界を取り巻く大河の定命の世界側をうろついている。各ケルベロスは少なくとも体高4フィート、二つもしくは三つの頭部を持つ。ケルベロスは半ば融けた石に似た足を持ち、焼け焦げて煙を上げる足跡を残す。結果として、世界を取り巻く大河の川岸は数百メートルの幅にわたって黒化し、くすぶる不毛の地となっている。ケルベロスの起源と性質は知られていない。彼らは神々の創造物ではなく、生者と死者から等しく恐れられている。肉への、特に人型生物の肉への限りない飢えから、ケルベロスは川岸から引き寄せられ、そのときは不毛地帯から離れる。

サイクロプス


アート:Raymond Swanland

 孤独で好戦的、そして比較的愚かなサイクロプスは縄張りを重視し、そのたゆみない攻撃と痛みへの無頓着さから恐れられている。一体のサイクロプスが君や君の村に目をつけたなら、それを止められるものはない。サイクロプスを打ち負かすには真に英雄的な行為が――もしくは実戦で鍛えられた重装歩兵の小部隊が必要となる。

マンティコア


Steve Prescottによるコンセプト・アート

 この珍しいクリーチャーはテーロスの辺境、レオニンの国の更に向こうに生きている。マンティコアは獅子の身体、人間に似た頭部に複数列の歯、そして致死的な尾を持つ。各マンティコアはかつての偉大な戦士の転生、その故郷を執政官から守って殺された軍勢の一部なのだとアクロス人は言う。その戦士達は生と勇気を全うしたため、神々が介入して彼らをマンティコアに変えたのだと。

フェニックス


Richard Whittersによるコンセプト・アート

 フェニックスは火山の火口内に営巣することから、パーフォロスに関係すると考えられている。一体のフェニックスはその数世紀に及ぶ生の中でただ一つの卵を産み、その生の終わりに巣の傍の火口へと身を投じる。その日、卵は孵化して新たなフェニックスが誕生する。

ドラゴン


アート:Slawomir Maniak

 テーロスにおいて、ドラゴンは大型のトカゲから小型のクラーケンほどの大きさにまで及ぶ。彼らはテーロスの最高峰の更に上から空を統べ、ロック鳥やグリフィン、猪のような大型の獣を餌とする。アクロス人は巨大なドラゴンの威厳を崇め、兜飾りをドラゴンの背の突起に似せて作る。

バジリスク


アート:Wayne Reynolds

 猛毒の一噛みと致死の凝視を持つ爬虫類の怪物、バジリスクは辺境の荒野を旅する者達にとって予測ができない脅威である。彼らは体長数フィートからほぼ20フィートに及び、驚くべき静けさと速さで移動することができる。それが持つ危険にもかかわらず、バジリスクの血には一定の需要がある。癒し手達は薄めた血液を薬として、また神託者は預言の儀式の際に使用する。ファリカはバジリスクの血に多くの秘密を隠したと言われているが、それを学ぼうと試みたほとんどの者が死亡している。

ハイドラ


アート:Ryan Pancoast

 テーロスの海にはクラーケン、空にはドラゴン、そして大地にはハイドラが住まう。このそびえ立つ多頭の怪物は急速な再生能力と酸の血液を持つ。彼らは数えきれない攻撃に耐えることができ、死なない程度の傷を受けるたびに強く成長する個体さえ存在する。

 ハイドラは休眠状態で数年を過ごすことがあるが、その間も成長し続ける。大きな茂みは最大の眠るハイドラをも覆い、放浪者からそれらを隠す。ハイドラは目覚めると暴れ回り、広大な土地を破壊する。


 公開されているテーロスのカードはカードギャラリーで見ることができる。

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