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コラム

金子と塚本の「勝てる!マジック」

金子と塚本の「勝てる!マジック」 第30回:プレイング編 ダメージレース

金子と塚本の「勝てる!マジック」 第30回:プレイング編 ダメージレース

by 金子 真実 & 塚本 樹詩

登場人物:

金子 真実

ウィザーズ・オブ・ザ・コーストの人。塚本に押しかけられ突然弟子をとることになった。
Q. 実際に自分にあったら嬉しいクリーチャーのキーワード能力は?
A. 『呪禁』『破壊不能』を手に入れて、安全にこたつでまったり過ごしていきたいですね。もしくは「複製」を手に入れて代わりにいろいろしてくれるコピーを......。

塚本 樹詩

マジック初心者。マジックの大きな舞台での活躍を夢見て、金子に弟子入りした。とにかく元気。
Q. 実際に自分にあったら嬉しいクリーチャーのキーワード能力は?
A. ズバリ「結魂」ですね!僕も金子さんのように「結魂」して幸せで安定した日々を過ごしたい......。
いっそのこと、金子さんに「憑依」するのもありですね!

金子「おいやめろ」

前回の勝てマジ!

呪文には唱えるべき適切なタイミングがあることを知った塚本。
そして自分の取れる選択肢が増える行動は積極的に取ることと、テキストをよく読むこと覚えた塚本は更なる高みへと昇るのであった!!


今回のケース

case1.jpg

金子「塚本さん、心理テストです。相手の戦場に3/3のクリーチャーがいます。」

塚本「はい。」

金子「そして、自分の戦場には2/2のクリーチャーがいます。あなたはどう思いますか?」

塚本「ええ!!ふんわり!! これサイズ負けしていて嫌ですね、って感想が大多数だと思うんですけど、これでどんな心理状態だってわかるんですか!? 正常かサイコパスか判断する心理テストとかじゃないと成立しないと思うのですが!」

金子「......あなたは正常です!」

塚本「やっぱり!」

金子「では、前置きはこれくらいにして、塚本さんはこの場面で相手のターンに3/3に攻撃されたとしたら、次のターンにどうしますか?」

case2.jpg

塚本「不利な場面なので保守的に2/2を立たせてターン終了ですね。」

金子「それって、また3/3が攻撃してきてもブロックしませんよね?それなのに2/2は攻撃しないのですか?

塚本「はい!いつだって1マナ1/1速攻、このクリーチャーが対戦相手にダメージを与えたとき、あなたはゲームに勝つ。という鉄砲玉のようなクリーチャーが飛んでくるかわからない、そんな恐ろしいゲームを僕たちはしているのですよ!」

金子「そんな恐ろしいゲームをしているのは塚本さんだけですよ......。」

塚本「そんな危険なクリーチャーでも2/2さえ立っていれば、ふんわりブロックできますからね。」

金子「そんなクリーチャー、石油王が筆頭株主になっても誕生しないクリーチャーなので大丈夫ですよ! 仮にお互いに毎ターン、クリーチャーが攻撃していたら、塚本さんは何ターンで負けるかわかりますか?」

塚本「3点ずつダメージを食らうと、7ターン後には負けちゃいますね。」

金子「その時、塚本さんは相手に何点ダメージを与えていますか?」

 あなたのライフ対戦相手のライフ
現在のターン2020
対戦相手1ターン目1720
あなた1ターン目1718
対戦相手2ターン目1418
あなた2ターン目1416
対戦相手3ターン目1116
あなた3ターン目1114
対戦相手4ターン目814
あなた4ターン目812
対戦相手5ターン目512
あなた5ターン目510
対戦相手6ターン目210
あなた6ターン目28
対戦相手7ターン目-18

塚本「えっと......12点与えているので、相手の残りライフは8点までしか削ることができていません。これは自分の力不足を認識することが明日への成長に繋がるパターンですかね!?」

金子「精神論じゃないですよ!むしろ今からデジタルな話をします! 現状はこんな感じでしたが、もし追加で塚本さんが2/2のクリーチャーを召喚したとしたら、何ターン以内に引けば、この殴り合いで相手のライフを自分より少なくすることができるか、ちゃんと計算しましょう。」

塚本「この表をもとに......。」

 あなたのライフ対戦相手のライフ 
現在のターン2020 
対戦相手1ターン目1720 
あなた1ターン目1718 
対戦相手2ターン目1418 
あなた2ターン目1416※ここで2/2を追加
対戦相手3ターン目1116 
あなた3ターン目1112 
対戦相手4ターン目812 
あなた4ターン目88 
対戦相手5ターン目58 
あなた5ターン目54 
対戦相手6ターン目24 
あなた6ターン目20 

塚本「2ターン後までに引くと、追いつけますね!」

case3.jpg
これならまだ間に合う

金子「そうなのです! でも、塚本さんが保守的に2/2のクリーチャーを立たせていたら、追加の2/2クリーチャーを引いても逆転できなさそうですよね?

塚本「本当だ! それに自分が死んでしまう7ターンまでに、どれだけ相手の3/3を対処できるチャンスが来るかを考えると、より一層、こっちも攻撃して相手のライフを減らしておく意味が強まりますね!」

金子「そうです、マジックは多くの場合ダメージを与えて勝つゲームなので、ライフを減らさないことには自分の勝ち目がどんどんなくなってしまいます!現状は不利でも数ターン先のことを考えれば攻撃する方が勝ち目があるということがわかりましたね?」

塚本「はい!!」

金子「ちなみに、こうしてお互いのクリーチャーが殴り合ってライフが減っていくことをダメージレースと言います。

塚本「金子さんと塚本の収入ダメージレース!!」

金子「現実に置き換えるのはやめましょう!」

今回のケース その2

case4.jpg

金子「初期の盤面はさきほどのケースと同じです。さて、そこからしばらくして、こんな盤面になりました。先ほどはまだダメージレースして間に合うタイミングで2/2を引きましたが、今回はどうですか?」

塚本「さっきの表を考えると、間に合いませんよね?」

 あなたのライフ対戦相手のライフ 
現在のターン2020 
対戦相手1ターン目1720 
あなた1ターン目1718 
対戦相手2ターン目1418 
あなた2ターン目1416 
対戦相手3ターン目1116 
あなた3ターン目1114※ここで2/2を追加
対戦相手4ターン目814 
あなた4ターン目810 
対戦相手5ターン目510 
あなた5ターン目56 
対戦相手6ターン目26 
あなた6ターン目22 
対戦相手7ターン目-12 

金子「そうです。とすると、ここはどうするべきだと思いますか?」

塚本「せめてもの抵抗にと、片方の2/2で攻撃を......。」

金子「すとーっぷ!負けるプランをなぜ選ぶんですか! もっと良いプランがあるじゃないですか!」

塚本「そんなものはありません!刺し違えるのみです!たまにはクリティカルヒットとかあるかもしれません!」

金子「マジックにそんなルールはありません! なんで守るプランを忘れるんですか! まだダメージレース的には不利なので、対戦相手の3/3を自分の2/2のクリーチャー2体でブロックして倒すという方針に切り替えた方がいいですよ。ここで片方の2/2で攻撃してしまうのは得策ではないですね。」

塚本「なるほど! 自分が今有利か不利かを常に把握しておくのも大事ですしね!」

金子「はい!それによって今後の方針が変わるので非常に重要ですね。他にも、クリーチャーが飛行のような回避の能力を持っていた場合はどうなるのか?とか、呪文だった場合は?とか色々なパターンはありますが、ダメージレースは数ターン後を考える基本的な考え方なので、しっかり覚えておいてください!」

今回のまとめ

金子「というわけで、今回のまとめです。」

  • 数ターン後にお互いのライフがどうなるかを予想しながらゲームを進めよう!
  • 自分にあと何ターンの猶予があるのか、相手をあと何ターンで倒せるのかを考えて行動せよ!
  • 引いてきたカードをもとに、先の展開がどうなるかを考え直そう!

塚本「こうやってまとめてみると、いよいよ場面場面のケース・スタディだけでなくゲーム全体の流れの話になってきましたね......。どんどんテクい内容なっていくので、ここらで小休止したいところです。」

金子「では次はもっとハードにしますか!」

塚本「金子さん? 話を聞いていました?」

金子「いや、フリかと思いまして......。」

塚本「本当にそう思っているんですよ......一気にいろいろ詰め込めるほど僕の脳みそはハイスペックじゃない!」

金子「なら、改造しましょう。」

塚本「え?え?金子さん?何その笑顔......やめて!怖い!!」

続く

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