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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:ジャンド・コントロール(スタンダード)
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:ジャンド・コントロール(スタンダード)
by 岩SHOW
スタンダード、やってるかい? 『イクサランの相克』の発売に伴い、それ以前と大きく姿を変えたスタンダード環境。しかしながら、このセットのプロツアーおよびその前後のグランプリはモダンで開催され、そのため「スタンダードでは○○が強い」などの話がネット上でもあまり見られない。
モダンシーズンなのでしょうがないことなのだが、いつもプロツアーやグランプリの結果をもとにデッキを構築している、というプレイヤーの中にはそういったサンプルがないことでデッキが組めない=スタンダードを遊べていない人もいるかもしれない。
それってすごくもったいないことだ。どんなデッキを組んだらいいのかわからないってことは、どんなデッキを組んでも良いってことの裏返し、こう考えると......未知の領域だからこそのマジックを楽しめそうな気がしてこないか? 本当に、今のスタンダードではどんなデッキにもチャンスがあるだろう。研究されていないからこそ良い意味で洗練されていないデッキたちが環境の頂点を争っている。
本日紹介するデッキも「こんなのはどうだい?」という大胆なアプローチで組まれた実に面白いデッキだ。
4 《山》 3 《沼》 4 《泥濘の峡谷》 4 《竜髑髏の山頂》 4 《隠れた茂み》 4 《花盛りの湿地》 2 《廃墟の地》 1 《オラーズカの拱門》 -土地(26)- 3 《豪華の王、ゴンティ》 -クリーチャー(3)- |
4 《宝物の地図》 4 《マグマのしぶき》 4 《削剥》 1 《アルゲールの断血》 4 《大災厄》 4 《焼けつく双陽》 4 《ヴラスカの侮辱》 1 《栄光の刻》 3 《反逆の先導者、チャンドラ》 2 《秘宝探究者、ヴラスカ》 -呪文(31)- |
2 《蠍の神》 4 《チャンドラの敗北》 3 《強迫》 3 《沈黙の墓石》 1 《アルゲールの断血》 2 《失われた遺産》 -サイドボード(15)- |
黒赤緑、通称ジャンドカラーの除去満載コントロールデッキだ。このデッキの面白いところは、クリーチャーが何とたったの3枚しか採用されていない点。《豪華の王、ゴンティ》のみ! こんな構築はなかなか見たことがなく、製作者の強い思想を感じることができる。
このデッキは、土地以外のすべてのカードが対戦相手への妨害を行うもので構成されている。この手のコントロールデッキはゲームに勝つための手段、いわゆるフィニッシャーと除去で構成されることが多いが、そういった構築では時折不運に見舞われることがある。フィニッシャーばかりを固め引きしてしまって、除去コントロールのくせにクリーチャーに好きなようにやられてしまう......この悲劇を避けるため、この思い切った構成となったのだろう。
ゴンティは接死持ちブロッカーとして立ち塞がりながら、相手の有効なカードを奪うことができる。妨害としてしっかりと機能しながら、強いクリーチャーを奪ってフィニッシャーとして用いることもできる。とにかく、隙をなくす方向へ。生き延びることさえできれば勝利は自ずと転がり込んでくる、そんなスタイルが好きならば一度試してみてほしいアプローチだ。
ゴンティ以外はクリーチャーでない呪文がズラリ。《マグマのしぶき》から《ヴラスカの侮辱》まで、枚数調整もへったくれもなくあらゆる除去を4枚フル投入だ(+《栄光の刻》1枚)。対戦相手からすると、どれだけクリーチャーを出しても片っ端から粉砕されてたまったもんじゃないだろう。
ゴンティと同様に、除去や妨害手段となりながらフィニッシャーも兼任できるプレインズウォーカー2種類もしっかり投入されており、クリーチャー掃除がひと段落ついたらこれらで蓋をして勝利を目指すことになる。
除去にアドバンテージ獲得にマナ加速に強烈な紋章獲得まで、本当に何でもできてしまう《反逆の先導者、チャンドラ》と、トークンで盤面を固めつつクリーチャーのみならずアーティファクトとエンチャントにも触れることができ、奥義はこれまた致死性の高い《秘宝探究者、ヴラスカ》のタッグ。前環境でもその強さを示すことが多かったが、今でもパワフルな連携を見せてくれるだろう。重いヴラスカを出すためにチャンドラが機能するところが最高に噛み合っているんだよなぁ。
このデッキのアドバンテージの取り方は、これらプレインズウォーカーと、その他のシブいカードたちが務める。《宝物の地図》は占術でドローの質を高め、変身後は宝物でヴラスカへと繋げたりそれを生け贄にしてドローしたりと八面六臂の大活躍。
《アルゲールの断血》はライフをドローに変換して手札切れを防ぎつつ、ライフがピンチになったら《アクロゾズの神殿》に変身してもらい、ヴラスカが生成する海賊・トークンでも餌にしながらライフを回復していくという......文章打ってて「この動きマジでやりてぇ」と思える激シブなゲーム展開を堪能させてくれるだろう。
好きな人にはたまらない、除去コントロールの1つの完成形だ。こんな具合に、環境が洗練されきっていないからこそ独創的なデッキが活躍できる余地がある。今のスタンダード、遊んどかなきゃもったいないぞ!
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