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岩SHOWの「デイリー・デッキ」

2018.01.11

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:The Final Winner of 2017 ヴィンテージ編

by 岩SHOW

 新たな年を迎えて、『イクサランの相克』発売前にまずは昨年末に活躍したデッキを......ということで今週は「The Final Winner of 2017」シリーズを続けている当コラム。今日紹介するのはヴィンテージだ。

 このフォーマット、とにかく古いカードが主軸となっているのでデッキを組むハードルは高いものになっている。ただ、ごく最近に発売されたセットからも多数のカードがピックアップされ、意外な活躍をしているんだよということを伝えるべく、いろいろなデッキを紹介して今日に至るというところ。今日のデッキも、「えっ、これが?」と一瞬目を疑うかもしれないキーカードを備えたデッキを紹介しよう。

 2017年最後のヴィンテージ・オンラインイベント、Vintage Challenge優勝デッキの登場だッッ!

oRS - 「グリクシス・コントロール」
Magic Online Vintage Challenge #11063112 優勝 / ヴィンテージ (2017年12月30日)
2 《島》
2 《Underground Sea》
3 《Volcanic Island》
4 《沸騰する小湖》
2 《汚染された三角州》
1 《Library of Alexandria》
1 《トレイリアのアカデミー》

-土地(15)-

1 《荒廃鋼の巨像》

-クリーチャー(1)-
1 《Black Lotus》
1 《Mox Pearl》
1 《Mox Sapphire》
1 《Mox Jet》
1 《Mox Ruby》
1 《Mox Emerald》
1 《魔力の墓所》
1 《太陽の指輪》
4 《精神的つまづき》
1 《ギタクシア派の調査》
1 《Ancestral Recall》
1 《渦まく知識》
1 《思案》
1 《神秘の教示者》
1 《吸血の教示者》
3 《紅蓮破》
1 《稲妻》
2 《マナ吸収》
1 《Demonic Tutor》
1 《Time Walk》
4 《苦い真理》
1 《修繕》
1 《ヨーグモスの意志》
4 《意志の力》
1 《時を越えた探索》
1 《宝船の巡航》
1 《力ずく》
3 《ダク・フェイデン》
2 《精神を刻む者、ジェイス》

-呪文(44)-
4 《墓掘りの檻》
3 《稲妻》
1 《赤霊破》
1 《毒の濁流》
4 《虚空の力線》
1 《力ずく》
1 《山》

-サイドボード(15)-
MTGO Standings Vintage Challenge より)

 青黒赤の3色を用いた、「グリクシス・コントロール」だ。土地が限界まで削られて、《Black Lotus》をはじめとするマナ・アーティファクトがわんさかという、ヴィンテージお馴染みの構成から始まる長いリストを、じっくりとで良いので確認してみてほしい。《Ancestral Recall》《修繕》《精神を刻む者、ジェイス》といったマジックの歴史でも屈指のパワーカードに交じって......なんとも見慣れた名前が。《苦い真理》が4枚も採用されている。

 3マナのソーサリーで、払った色マナ1種類につき1枚ドローして1点ライフを失う、最大3枚ドローが可能というなかなかにアドバンテージを稼いでくれるカードなのだが......これがヴィンテージで? 4枚も? 意外に思われたかもしれない。ひとまず、デッキ全体の動きを見てからこのカードがこれだけ採用されている理由に迫ってみたい。

 このデッキはパワフルなカードが多数採用されている。《修繕》から《荒廃鋼の巨像》をサーチして《Time Walk》で勝ち、とかいうとんでもない動きも1ターン目に可能だったりする。

 しかし、デッキ全体が目指すところは盤面のコントロールだ。対戦相手に好きなことをさせない。徹底的に打ち消し呪文を採用し、相手のぶっ飛びムーブを封殺。メインから《紅蓮破》まで採用されており、計13枚の打ち消し呪文をかいくぐるのは非常に困難。同じタイプのデッキや青いコンボデッキは絶対に許さないという鉄の意志を感じ取れる。

 ヴィンテージには青いカードがほとんど採用されていないアーティファクトを中心としたほぼ無色のデッキも存在するのだが、そんな相手には《ダク・フェイデン》で対抗だ。

 相手のアーティファクト・クリーチャーを奪って消耗戦に持ち込めば、リカバリー手段の薄い相手のデッキはいずれ疲弊する。そうなればこっちのものという設計思想だ。

 パワーカードを巡る打ち消し連打攻防戦など、お互いが消耗した状態で強力なのが《Ancestral Recall》をはじめとするドロー呪文だ。ただ、ヴィンテージでは軽くて実用的なこの類のカードは、その大半が制限カードに指定されており、デッキに1枚しか採用することができない。可能であれば《時を越えた探索》や《宝船の巡航》を複数枚採用したいが、無理なのだからしょうがない。そこで《苦い真理》というわけだ。このカードも3枚ドローには違いなく、このデッキが倒そうとしている青いコントロールorコンボにはライフの損失は大した問題ではないので、手札補充カードとしては十分な活躍をしてくれることだろう。特に打ち消し合戦となるマッチアップにおいては、黒いので相手の《紅蓮破》および《赤霊破》をケアしなくて良いという点は強みとも言える。

 おそらくはこの思い切った採用と、仮想敵とのマッチアップが噛み合っての優勝という結果だろう。勝ちパターンはプレインズウォーカーの奥義か《修繕》と最低限。焦らず落ち着きながら勝ちを目指そうというゲームがしたい人にとっては、《苦い真理》を唱えることが至高の時間となりそうだ。

 サイドボードは非常にわかりやすく、墓地対策を計8枚ドドンと。墓地利用デッキ、特に他のデッキと軸が違い過ぎる「ドレッジ」を絶対に許さないという構えになっている。これもメインデッキでの仮想敵を絞り込んだためにできるスタイル。この設計思想は、他のフォーマットでも見習えるかもしれないね。

 2018年は日本国内でもヴィンテージがもっと盛り上がったりしないかな......なんて、ひそかに願っている。細かい部分で環境が動き続けている、やりがい満点のフォーマットだ!

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