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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:チャンドラーズ(レガシー)
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:チャンドラーズ(レガシー)
by 岩SHOW
「テゼレットの話ばかりするな!」とプンスカ激おこな方がいるようで......テゼレットはかなり悪いヤツ。次元カラデシュにおいては、発明博覧会の審判長となり、才能ある発明家と彼らの発明品を押収したり。ラシュミの才に目を付け、次元橋を作らせて......最終的にはリリアナにやられてしまうのだが、肝心の次元橋の重要パーツはしっかりと確保して逃走していった。
こいつの悪事にイラッときていたのはカラデシュ出身のチャンドラ・ナラー。自分の故郷で悪事を働くだけでも十分にムカつくものだが、さらにこの男は自分の母親を殺そうとまでしたのだから、激情の色・赤に基づくチャンドラからすればすぐにでも燃やしてやりたいくらい嫌いな存在だろう。
そんなチャンドラのご機嫌を取るわけではないが......今日紹介するのは同一タイプのプレインズウォーカーが主役なデッキの第2弾、「チャンドラーズ」だ! 四の五の言わずにまずリスト! あつっ!
11 《山》 4 《古えの墳墓》 4 《裏切り者の都》 -土地(19)- 4 《月の大魔術師》 4 《猿人の指導霊》 -クリーチャー(8)- |
4 《金属モックス》 1 《水蓮の花びら》 4 《血染めの月》 4 《罠の橋》 3 《三なる宝球》 4 《焦熱の合流点》 2 《横揺れの地震》 4 《虚空の杯》 4 《反逆の先導者、チャンドラ》 3 《紅蓮の達人チャンドラ》 -呪文(33)- |
3 《魔術遠眼鏡》 4 《コジレックの帰還》 2 《火山の流弾》 1 《三なる宝球》 4 《虚空の力線》 1 《槌のコス》 -サイドボード(15)- |
チャンドラを共演させるなら、レガシーがベスト! このデッキがその証明だ。
レガシーの赤単デッキにはいくつかの形がある。《稲妻》《火炎破》などを投げつけるバーン系、最近はあまり見なくなったが根強いファンのいる各種ゴブリンデッキ、《騙し討ち》に全力投球な単色コンボ、そして......《血染めの月》《月の大魔術師》による封殺を目的としたストンピィ系のデッキだ。今回のデッキもこのストンピィのバリエーションにあたる。
ストンピィと聞くと緑の軽量クリーチャーを用いた速攻ビートダウンを想像する世代も少なくないだろう。しかしレガシーでのその言葉の意味は大きく異なる。1ターン目から《古えの墳墓》《裏切り者の都》ら2マナ土地と《金属モックス》などを組み合わせて《虚空の杯》《三なる宝球》を出して相手の行動を封じつつ、自分は4マナほどのパワフルなクリーチャーを展開し殴り倒す......まさに相手をストンプ(踏みつけ)する剛力デッキのことである。
レガシー黎明期にはいろいろなバリエーションがあり、その中でも名を馳せたのが赤単の「ドラゴン・ストンピィ」。《ラクドスの地獄ドラゴン》という激シブクリーチャーを用いて相手を粉砕する、そのパワフルさが魅力であった。
ゲーム開始時の手札を全部吐き出す勢いで展開する、いわゆるオールイン系のデッキであり、ゆえに強いのだが不安定。初動を《意志の力》などで弾かれると一気に息切れして負け、ということが多く、それほど活躍してこなかったのだが......ここ最近は、再びブームに。それもこれも、《反逆の先導者、チャンドラ》が手に入ったからだ。
継続的なダメージ源になりつつ、アドバンテージ源にもなる。クリーチャー除去も可能で、いざ必要な時は赤マナも出せる。そして......[-7]能力で紋章を得てしまえば、このデッキの課題であった「後半に《金属モックス》などを引いても何も使い道がない」という問題をクリアできる。まさしくマスターピースで、ストンピィ系はチャンドラを得たことで息を吹き返したというわけ。
このリストでは、《反逆の先導者、チャンドラ》の前にスタンダードで大活躍した、同じ4マナのチャンドラ《紅蓮の達人チャンドラ》も採用されている。
こちらも除去ができ、アドバンテージも稼げるという使い勝手のいい1枚。せっかく『イクサラン』発売によるルール変更でこれらが居並ぶことができるようになったんだから、一緒に使っちゃえ!というノリで組まれたのかもしれない。
チャンドラたちを勝利手段とすることでクリーチャーは《月の大魔術師》と《猿人の指導霊》のみで問題なしとなり、そのおかげでメインから《罠の橋》を用いることができるようになった。これによりクリーチャーデッキや《引き裂かれし永劫、エムラクール》を投げつける類のコンボにも耐性がついた。
これらと上述の行動制限アーティファクト、基本でない土地を山に変える月コンビで相手が何もできない状況を早いターンから作り上げ、チャンドラによるフィニッシュへと繋げるのだ。大変にパワフルで、かつ扱いやすいデッキとなっている。僕も今レガシーのトーナメントに出るのであればこういうデッキで出たいなと思う。やりたいことを押し付け合うレガシーの中でも、押し付けた結果相手が押し付けてこなくなる、という「攻撃は最大の防御」的なスタイルが良いよね。
チャンドラは強く作るのがとても難しいカードだったらしい。トーナメントクラスのカードとして、壊れすぎない程度でありながらプレイヤーをしっかり満足させるパワーカードとしてデザインするのに、開発陣は頭を悩ませてきた。その甲斐もあって、今やこんなチャンドラが顔となるデッキまで活躍する時代となった。おや、チャンドラの機嫌も良さそうだ。髪の毛はもう燃えていない。個人的には「Heroes of the Realm(ウィザース社の従業員に功績をたたえるために贈られたプロモカード)」の1枚である〈Chandra, Gremlin Wrangler〉のとても楽しそうなチャンドラもデッキに加えてやりたいところだが......公式戦での使用はダメ? これにはチャンドラも不満顔だ。
さて明日紹介するのは.........なんの話をしようとしてたっけ? 記憶が......? どうやら精神魔法だろうって? 笑ってないで助けてチャンドラ! 思い出したよ、最近は大人しい青年のフリしてるけど本来はこういう危ないヤツ、あいつのデッキだよ!
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