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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:黒単アグロ(スタンダード)
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:黒単アグロ(スタンダード)
by 岩SHOW
さあ、いよいよリアルでも新環境となったスタンダードで活躍したデッキを紹介しよう!新セット発売後に世界が注目する試金石的なトーナメントといえば、StarCityGames.com Standard Open! 時差の関係でこのトーナメントが終わるのは日本時間で月曜日の朝なんでね、職場にJoinしてPCつけて各種チェックをしながらTOP64デッキリストを見るのが楽しくてしょうがない(これも立派な仕事だからな!)。
さあて今回はどんな...って、そそる一文があるじゃないですか。「Mono Black Aggro」。黒単のアグロデッキ......前環境でも一応あったなぁ。「黒単エルドラージ」、ゴリッと推したがあまり流行らなかった......というか、黒単である理由が特になく、緑や赤を足したものが活躍してそれにとってかわられる形となったね。
それを踏まえて、どんなデッキなのか......エルドラージだったらなぁ~なんて思いながら開いてみると、これがまあなんと紛うことなき「アグロ」なデッキときたもんだ。これは......30代以上の皆さんがテンション上がるんじゃないかな。「ヘイトレッド」なんかを使っていたプレイヤーは特にね。とりあえずリストを見て、話をしよう。
18 《沼》 2 《霊気拠点》 -土地(20)- 4 《戦慄の放浪者》 4 《夜市の見張り》 4 《光袖会の収集者》 4 《屑鉄場のたかり屋》 4 《歩行バリスタ》 4 《ホネツツキ》 -クリーチャー(24)- |
4 《致命的な一押し》 4 《闇の掌握》 2 《集団的蛮行》 3 《不帰 // 回帰》 3 《最後の望み、リリアナ》 -呪文(16)- |
4 《才気ある霊基体》 4 《スカラベの饗宴》 3 《過酷な精査》 3 《精神背信》 1 《最後の望み、リリアナ》 -サイドボード(15)- |
どうよこのMono Black Aggro感! 伝わるか、伝わっているはずだ。ワイルドスピード的ストリートのヤバいヤツら、みたいなデッキである。どういうことかって?攻撃的でカッコイイってことだよ!
もうこれで今日の解説は終わっても良いのだが、あくまで仕事として請け負っている以上、丁寧にデッキを見てコメントもしていきたいと思う。が、以下の真面目分析を要約すれば「ストリートのヤバいヤツら」ということであるということを改めて強く主張していきたい。
『アモンケット』にて2種類の黒い1マナクリーチャーが登場したことでこのデッキは生まれた。1つは《戦慄の放浪者》。1マナ2/1でタップイン、これだけだとまあ......というところだが、手札が1枚以下の状況では3マナ払えば戦場に還ってくる。これは結構なタフさだ。
ソーサリータイミング限定であり、純粋な性能で見れば《屑鉄場のたかり屋》には劣るものの、こちらは1マナパワー2という利点がある。能力は豪華なオマケ程度に考えて、序盤から相討ち上等で殴っていこう。タップインではあるが、ブロックには参加できるという点ではたかり屋を上回っているともいえる。これら2種類が墓地からヒョイヒョイ戻ってくる光景、願わくば自分がコントロールデッキを使っている時には相対したくないものだ。《マグマのしぶき》が導入されても、こっちは8枚体制で挑めば良いというスタイルには好感度大。
ちなみにどうでも良い話だが、ゾンビ・ジャッカルというタイプにはテンションが上がらざるを得ないよね。《ハール・ジャッカル》と《訓練された野犬》のみが存在している希少部族だった。《ジャッカルの仔》《ダウスィーのジャッカル》《ジャッカルの使い魔》は猟犬であり、こちらに統合されて2007年に廃止されたのだが、『アモンケット』にてジャッカル亜人種ケンラが登場したことにより復活と相成った。ジャッカルマニアの皆、良かったね。
もう1枚の1マナクリーチャーは《ホネツツキ》。どう見ても4マナと印刷されているが、そのマナ・コストでプレイすることは稀だろう。
そのターンにクリーチャーが死亡していればたったの1マナで3/2飛行&接死という破格のスペックのクリーチャーとして用いることができる。これのために相手のクリーチャーを除去し、《戦慄の放浪者》らを相討ち前提で突っ込ませていくのだ。
《歩行バリスタ》を0マナで唱えて墓地にダイレクトシュートしてからの1ターン目《ホネツツキ》というFast & Furiousな動きもできる。カードを1枚投げ捨てている上に1回も殴れずに除去されると厳しいものがあるが......狙う価値のあるマッチアップもある。1マナで出せるのに額面は4マナだから、《致命的な一押し》が効きづらい。低コストの除去をこれに頼っているような相手にはアグレッシブに狙ってみるのも手、そこは勝負師の勘で......責任は自分で取ろう。
他にも《不帰 // 回帰》を使用している点は注目ポイントだ。
クリーチャーもプレインズウォーカーも《不帰》で問答無用で破壊して、《回帰》にて再利用を防ぐ。覚醒が狙いにくいこのデッキでは《破滅の道》よりもこちらの方が有用で、これに《致命的な一押し》《闇の掌握》を併せた万能除去11枚+《集団的蛮行》の布陣でクリーチャーたちの道を切り拓き、ライフを奪う!
軽量クリーチャーにこだわった末に《夜市の見張り》まで採用しているのは、ヤバいとしか言いようがない。相当なワルだ。1ターン目からストリートを駆け抜ける気満々である。ダメージレースは絶対に制する、その心意気が伝わってくる。そしてレースには美女も必須、《最後の望み、リリアナ》のゾンビ増産能力がダメージレースで敗れそうな状況からの逆転を可能としてくれる。
まだまだ改良の余地もあり、黒単機体みたいな方向に調整するのもアリだ。各々の思いを込めて、ガシガシ殴りに行ってくれ。寄り道している暇なんかない、クリーチャーは相討ちでOKだから殴れ! そんな分かりやすさこそがこのデッキの魅力だ。ストリートのヤバいヤツらが活躍する映画なんかも、そんな感じだし。
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